さて、
今年中にもう一回くらい岩に行きたいところだとは思っていたけど、
どうやらもう僕の2017年の岩でのクライミングは終了です。
ということで軽く今年一年の総括をしてみよう。
まず登った課題(初段以上)を並べてみると
ホークアイ(三段+)宮川
鯉(三段)三重某所
メガロドン(三段)三重某所
バラモン(三段)滋賀某所
啄木鳥(初段)兵庫某所
革命(三段)兵庫某所
チョーエゴイスト(二段)御岳
タナトフォビア(四段)御岳
電池切れ(二段)神戸
フルチャージ(四段)神戸
スチャダラ(二段)神戸
ムタンテ(四段-)神戸
電池パック(三段)神戸
一輪車(初段)三峰
涼しいマントル(初段)三峰
春と修羅(初段)三峰
奇妙な果実(初段)三峰
杯(四段)三峰
プログレス(二段)神戸
和(初段)神戸
ディエス(初段+)神戸
田中君SD(二段)御岳
魅惑の丸こんにゃく(二段)御岳
アラファン(三段+)神戸
Ginga(五段-)神戸
プルトン(三段)天王岩
般若(初段)天王岩
ウラヌス(二段)天王岩
色即是空(初段)天王岩
計68段
順番は時系列順。
2016年に登れた初段以上の合計が60段だったこと、
二連台風やその前後の雨続きのせいで岩に行けていない時期が長かったことも考えると、
この数字自体も結構上出来と言えるんじゃないだろうか。
まず
年始に、昨年登れず残しておいた三段の課題をあらかた登ることができたのがかなり良かった。
3月に関西から関東へ引っ越すことになったんだけど、
それらの課題を回収することが出来ていなかったらかなり多くの悔いを残していくことになっただろうと思う。
引越しのドタバタで一時期調子を落とすものの、
そこから四段をいくつか登ることができたのも嬉しかった。
そしてなんと言ってもGingaが登れたこと。
この一年はそれに尽きる。
レッドポイントの更新ができた瞬間っていうのはなんだかんだ言ってボルダリングをやっている上で最も嬉しい瞬間だ。
(いや?俺はべつにグレード更新はそこまで嬉しくねえわ、って人も居るかもしれんけどね)
今年一年で自分の「クライミング能力」が大きく成長したとは思わないけど、
「難しい課題を登る方法」について結構コツがつかめてきたと思う。
まあ、
そのコツっていうのは結局のところ
「登るまでやりつづける」
「登る時は気合いを入れる」
それだけだ。
それさえ出来ていれば、自分の実力+2段までの範囲は登れる。
今年始めに
「今年は気合いの年にする」
と決めたんだけど、
それはしっかりと達成できたんじゃないかと思う。
総合的に見れば今年はおおむね満足です。
最高!とまでは言えないけど、
「最高じゃない」ということも含めて、自分にとっていい年だったと思う。
来年は、
そうだな、
やっぱり「オロチ」を登ってみたい。
そのためにもやはりもう少し地力を上げよう。
今の自分の地力は三段マイナスくらいだから「+2段」でGingaを登れたけど、
それを三段プラスくらいまでは上げておかないと「+2段」でもオロチは登れないからな。
2017年12月29日金曜日
2017年12月24日日曜日
たのしいクライミング
本当は休日じゃないはずだったけど、
もろもろの都合で休日がズレて、
急遽12/23が休日となり、
せっかくだからと、
登りにいくことに。
最近は神戸にばかり行っていたので、
ちょっと気分を変えて新しい岩場に行ってみたくなったので、
近所かつ、今まで一度も行ったことがない
天王岩ボルダーに行くことに。
噂によると、全体的にグレードがちょっと甘め?ということらしいので、
Gingaにストイックに打ち込み続けた反動としてのエンジョイクライミングに今日は徹しようと思っていたのでちょうど良いかな、と。
一人で黙々とやろうというわけじゃなくて、
気の合う仲間達とワイワイやるクライミングを久しぶりにやりたかった。
ということで、
まずは
般若(初段)
初段にしては易しい、とは全く思わなかった。
むしろちょっと苦手系だったので結構苦戦した。
リップに飛び出す前のサイドカチがちょっと濡れ気味だったのも気持ち悪かった。
スマートに登ろうとか思わずに、開き直ってダブルダイノ!と決めたら登れた。
次は
ウラヌス(二段)
これは正直、般若のほうがムズかった。
ただ、
リップまでは一撃でたどり着いたけど、マントルが悪くて一度完全にヨレて落ち、
その後しっかりマントルだけ練習してから登った。油断禁物だな、と思った。
そして
プルトン(三段)
般若が難しく感じただけに、それのリンク物であるコイツは結構苦しめられそうだと思ったけど、般若パートもちょっと簡略化したムーブが見つかったのと、前半部はそんなに難しくなかったのできちんと登ることができた。
しかしやはり気合いは大事だね。
一回Tシャツ着たまま登ったら最後のランジで落下し、ちゃんと上裸になったら登れた。
気合い、大事。
まあ、でも結局、今まで触った三段の中では一番簡単に感じた、かなー。
グレードの適正うんぬんは語りだすとキリが無いからやめとこう。
最後に
色即是空(初段)
持久系ですね。
コイツはフラッシュできた。
でもカメラのアングル悪すぎて、ちゃんと人力で撮影してもらうために登りなおすということに。
動画のヤツは最後に「一撃!」とか言ってるけど実はTAKE3。
(一撃目完登、二回目は落ち、三回目が動画のやつ)
コイツで結構体力を持っていかれた。
その後冥王(三段)にトライするものの、
結局指の痛みと疲労に耐え切れずギブアップ。
いやー、
楽しかった。
いい具合に指皮も体力も使い切ったし、
それなりに本数も登れたし、
ちょっとジャギジャギした感じの質感の岩を久々に触ったのも良かった。
そして夕方ごろには岩場から去り、
一緒に登ったメンツ+αで忘年会的飲み会を楽しみ、今このブログを書いているのは深夜二時になろうという時間。
多少酔いが回っている中書いているのでざっくばらんな文章になっているのはご勘弁。
あー
明日からまたがんばろう!
2017年12月20日水曜日
「やりつづける」ということ
今日(12/20)
Gingaが登れた。
登れるだろうという確信は先月くらいからあった。
でも
「登ることが可能である」ということと
「実際に登る」ということの間には
厳然とした隔たりがある。
その隔たりの間には、
確率という溝があったり、自己の精神のせめぎという障害があったり、
肉体の疲労や瑕疵という重石があったり、天候による妨害があったりした。
登れるのは明日かもしれないし、ひょっとしたら半年後になるかもしれない。
そんな状態が何日か続いていた。
ただ、たまたま今日登れた。
そんな感じだった。
正直、
終盤の「和」のパートがこんなに辛くなるとは思っていなかった。
練習段階ではもう「和」に合流したら勝ち確。落ち着いて、クールに最後の締めをこなすだけだと思っていた。
ところがどっこいそんなに甘くありません。
「和」のスタート地点についたころには右の上腕が微かに震えはじめ、
「和」の初手を止めたところで右手の指は開きそうになり、
「和」の二手目のポッケはガバポッケと認識していたはずなのに全然持てている感じがしなかった。
リップを叩いたあたりから、ヨレとかじかみによって指の感覚は完全に失われており、
緊張と恐怖から身体は硬直していた。
最後は本当に気合いでしかなかった。
声を張り上げて精神を鼓舞して、身体が今まで練習してきたムーブをなぞりきることをただただ信じるだけだった。
右足のヒールが切れるかもなんて微塵も考えなかった。
靴に対して100%の信頼をするしかなかった。
結果、登れた。
うん、本当に
「登った」
という感覚よりも
「登れた」
「登らせていただいた」
という感覚。
「自分の実力でこの課題をねじふせました」
なんて口が裂けても言えやしない。
(なんか毎回こんなこと言ってる気がする)
まあ、そんなもんだ。
それが僕のクライミングだ。
一生懸命背伸びして、分不相応な課題に打ち込んで、
実力も、技術も、根気も、時間も、道具も、運も、何もかも全部総動員して、
なんとか登る。
それでいい。
こういう感覚って、コンペティター的なクライマー達からするとあんまり理解できないのかもしれない。
彼らにとって【課題を登る】っていうのは
あくまでそれを通じて
「自己のクライミング能力を高める」
あるいは
「自己のクライミング能力の高さを証明する」
ための【手段】であって。
だから過度な打ち込みや、時間と手間をかけることを嫌う。
打ち込みまくれば慣れてきて登れてしまうから。
そうなると自分がその課題を登れたのが実力だからなのかどうかが解らなくなっちゃうから。
そっちのほうが多分、
最終的には強くなるんだろうな。
コンペとかでも勝てるんだろうと思う。
でも僕はそうじゃない。
【課題を登る】
ってことが、ただただ【目的】になる。
ただその課題を登りたい。
登ったから「俺つええだろ」が言いたいわけでもないし(まあちょっとは言いたいけどさ)
その課題を登ったことをトレーニングの成果として持ち帰りたいわけでもない。
だからズル賢いくらいに一番楽なムーブを探るし、
色んな靴を試して一番適したのを選ぶし、
時間をかけて自動化したりすることを、なんの衒いもなく実行する。
なんだろうね、
そうやって、地道な作業で「不可能」を「可能」にしていく過程が多分好きなんだと思う。
まあ
なにが言いたいかっていうと、
僕は相変わらず弱いままで、
でも
弱いままでも、登ろうと思い続け、登ろうとし続けさえすれば、自分の実力より上の課題だって登れるんだぞってこと。
「だからみんな1つの課題にもっと打ち込めや!」
と言うつもりは無いけど、
10日以上打ち込んだ課題が登れた瞬間の脳汁ドバドバ感はみんな一度は味わったほうがいいよ、とは思う。
Gingaが登れた。
登れるだろうという確信は先月くらいからあった。
でも
「登ることが可能である」ということと
「実際に登る」ということの間には
厳然とした隔たりがある。
その隔たりの間には、
確率という溝があったり、自己の精神のせめぎという障害があったり、
肉体の疲労や瑕疵という重石があったり、天候による妨害があったりした。
登れるのは明日かもしれないし、ひょっとしたら半年後になるかもしれない。
そんな状態が何日か続いていた。
ただ、たまたま今日登れた。
そんな感じだった。
正直、
終盤の「和」のパートがこんなに辛くなるとは思っていなかった。
練習段階ではもう「和」に合流したら勝ち確。落ち着いて、クールに最後の締めをこなすだけだと思っていた。
ところがどっこいそんなに甘くありません。
「和」のスタート地点についたころには右の上腕が微かに震えはじめ、
「和」の初手を止めたところで右手の指は開きそうになり、
「和」の二手目のポッケはガバポッケと認識していたはずなのに全然持てている感じがしなかった。
リップを叩いたあたりから、ヨレとかじかみによって指の感覚は完全に失われており、
緊張と恐怖から身体は硬直していた。
最後は本当に気合いでしかなかった。
声を張り上げて精神を鼓舞して、身体が今まで練習してきたムーブをなぞりきることをただただ信じるだけだった。
右足のヒールが切れるかもなんて微塵も考えなかった。
靴に対して100%の信頼をするしかなかった。
結果、登れた。
うん、本当に
「登った」
という感覚よりも
「登れた」
「登らせていただいた」
という感覚。
「自分の実力でこの課題をねじふせました」
なんて口が裂けても言えやしない。
(なんか毎回こんなこと言ってる気がする)
まあ、そんなもんだ。
それが僕のクライミングだ。
一生懸命背伸びして、分不相応な課題に打ち込んで、
実力も、技術も、根気も、時間も、道具も、運も、何もかも全部総動員して、
なんとか登る。
それでいい。
こういう感覚って、コンペティター的なクライマー達からするとあんまり理解できないのかもしれない。
彼らにとって【課題を登る】っていうのは
あくまでそれを通じて
「自己のクライミング能力を高める」
あるいは
「自己のクライミング能力の高さを証明する」
ための【手段】であって。
だから過度な打ち込みや、時間と手間をかけることを嫌う。
打ち込みまくれば慣れてきて登れてしまうから。
そうなると自分がその課題を登れたのが実力だからなのかどうかが解らなくなっちゃうから。
そっちのほうが多分、
最終的には強くなるんだろうな。
コンペとかでも勝てるんだろうと思う。
でも僕はそうじゃない。
【課題を登る】
ってことが、ただただ【目的】になる。
ただその課題を登りたい。
登ったから「俺つええだろ」が言いたいわけでもないし(まあちょっとは言いたいけどさ)
その課題を登ったことをトレーニングの成果として持ち帰りたいわけでもない。
だからズル賢いくらいに一番楽なムーブを探るし、
色んな靴を試して一番適したのを選ぶし、
時間をかけて自動化したりすることを、なんの衒いもなく実行する。
なんだろうね、
そうやって、地道な作業で「不可能」を「可能」にしていく過程が多分好きなんだと思う。
まあ
なにが言いたいかっていうと、
僕は相変わらず弱いままで、
でも
弱いままでも、登ろうと思い続け、登ろうとし続けさえすれば、自分の実力より上の課題だって登れるんだぞってこと。
「だからみんな1つの課題にもっと打ち込めや!」
と言うつもりは無いけど、
10日以上打ち込んだ課題が登れた瞬間の脳汁ドバドバ感はみんな一度は味わったほうがいいよ、とは思う。
2017年12月13日水曜日
経過報告③
「理由を知る」というのはとても重要なことだ。
何かの現象が起きている時にその理由を知らなければ、何も知らないのと同じだ。
経験的に「こうすればこうなる」と知っていてもその理由が分かっていなければ、条件が変わった時に対処する事ができない。ゼロからやり直しになる。
ちょっと長めの課題に打ち込んでいて、
それぞれのムーブを単独でなら、あるいは2分割や3分割でならできる。
でもスタートから繋げるとできない。
そういう経験はボルダラーならほとんど誰にでもあると思う。
そういう時大抵の人は
「繋げるとヨレるから」
で結論付けがちだ。
それはある意味では正しいし、ある意味では間違っている。
「ヨレている」
っていうのは失敗の最終的な原因ではない。
今日僕はgingaの後半で
こんな感じ
で落下してしまったわけだけど、この1手は、そこだけ、あるいはその2~3手前くらいから始めた場合「まず落ちない」1手だった。
そこから先も「まず落ちない」パートだ。
ところがこうして情けなく落下しちまいやがったわけだ。
「指がヨレてた」
確かにそれはまず理由として挙げられよう。
でももっと深く考えると、そんな単純な話じゃない。
①
まず左手の力が少し弱まっているのを自覚してしまっていた。
↓
なので左手が練習の時よりも若干強めにロックする感じになってしまっていた。
↓
結果、右に体重が移動しきらず、右手が真下ではなく左下方向に加重がかかるようになり、抜けやすくなってしまった。
②
「ここまできて落ちたくない」という気持ちが出てきてしまった。
↓
遠い一手に対して慎重になりすぎ、右手のホールドを見すぎてしまっていた。
(ここは右手を取る瞬間くらいからはむしろ左手を見たほうが安定する)
↓
右肩が岩に向かって十分に近づいていなかった。
簡単に説明できる主だった理由は上記のとおり。
他にもいろいろ思いつく点もある。
つまり何が言いたいかって言うと、
確かに失敗の大本の原因は「ヨレ」なんだろうけど、それを起点として最終的に生じた失敗の直接的な要因というのは、
「ムーブの狂い」
だということだ。
ヨレているが故に正しい位置まで重心が移動できていないとか、
ヨレを無意識にカバーするために腕の曲げ方だったり力の入れ方を変えてしまっているとか・・・
そういった、最終的な落下要因をつきとめることができれば、
多少ヨレていても対処することは不可能じゃない。
繋げるときは意図的に目標点を遠くに置いてみるとか、視線の移動方向を徹底するだとか、肘の角度をきちんと決定し視覚的にコントロールしてやるだとか・・・
「バラせるけど繋がらない」
そういう事態に陥った時、
「スタミナつけて出直しだ!」
とか
「とにかく何回も繋げてみよう!」
そんなふうに考えるよりも、もっとこまかく理由について考えてみる習慣をつける。
それが大事だと思う。
・・・それにしても
あそこまで行ってなんで落ちんだよぉ~~~!!
もぉおおおおおおおおおおおおぁぁぁああああああああああ!!!
くやしすぎるわぁああああああああああああ!!!!
何かの現象が起きている時にその理由を知らなければ、何も知らないのと同じだ。
経験的に「こうすればこうなる」と知っていてもその理由が分かっていなければ、条件が変わった時に対処する事ができない。ゼロからやり直しになる。
ちょっと長めの課題に打ち込んでいて、
それぞれのムーブを単独でなら、あるいは2分割や3分割でならできる。
でもスタートから繋げるとできない。
そういう経験はボルダラーならほとんど誰にでもあると思う。
そういう時大抵の人は
「繋げるとヨレるから」
で結論付けがちだ。
それはある意味では正しいし、ある意味では間違っている。
「ヨレている」
っていうのは失敗の最終的な原因ではない。
今日僕はgingaの後半で
こんな感じ
で落下してしまったわけだけど、この1手は、そこだけ、あるいはその2~3手前くらいから始めた場合「まず落ちない」1手だった。
そこから先も「まず落ちない」パートだ。
ところがこうして情けなく落下しちまいやがったわけだ。
「指がヨレてた」
確かにそれはまず理由として挙げられよう。
でももっと深く考えると、そんな単純な話じゃない。
①
まず左手の力が少し弱まっているのを自覚してしまっていた。
↓
なので左手が練習の時よりも若干強めにロックする感じになってしまっていた。
↓
結果、右に体重が移動しきらず、右手が真下ではなく左下方向に加重がかかるようになり、抜けやすくなってしまった。
②
「ここまできて落ちたくない」という気持ちが出てきてしまった。
↓
遠い一手に対して慎重になりすぎ、右手のホールドを見すぎてしまっていた。
(ここは右手を取る瞬間くらいからはむしろ左手を見たほうが安定する)
↓
右肩が岩に向かって十分に近づいていなかった。
簡単に説明できる主だった理由は上記のとおり。
他にもいろいろ思いつく点もある。
つまり何が言いたいかって言うと、
確かに失敗の大本の原因は「ヨレ」なんだろうけど、それを起点として最終的に生じた失敗の直接的な要因というのは、
「ムーブの狂い」
だということだ。
ヨレているが故に正しい位置まで重心が移動できていないとか、
ヨレを無意識にカバーするために腕の曲げ方だったり力の入れ方を変えてしまっているとか・・・
そういった、最終的な落下要因をつきとめることができれば、
多少ヨレていても対処することは不可能じゃない。
繋げるときは意図的に目標点を遠くに置いてみるとか、視線の移動方向を徹底するだとか、肘の角度をきちんと決定し視覚的にコントロールしてやるだとか・・・
「バラせるけど繋がらない」
そういう事態に陥った時、
「スタミナつけて出直しだ!」
とか
「とにかく何回も繋げてみよう!」
そんなふうに考えるよりも、もっとこまかく理由について考えてみる習慣をつける。
それが大事だと思う。
・・・それにしても
あそこまで行ってなんで落ちんだよぉ~~~!!
もぉおおおおおおおおおおおおぁぁぁああああああああああ!!!
くやしすぎるわぁああああああああああああ!!!!
2017年11月25日土曜日
経過報告②
今日は
己の弱さというのを再認識した。
今日、超珍しくデルタ岩が完全に乾いていた。
未だかつて無いコンディションの良さだった。
そしてまた珍しく、自分以外にGinga(あるいはオロチ)をやっているのが3人も居る状況だった。
ゆえにマットも多くあるし、ムーブもどんどん出てくるしで、
こんなに登り易い環境はかつてなかった。
それでも、
完登はできなかった。
その場にいた中で、
明らかに自分のムーブが一番完成されていたのは確かだ(費やした時間が違う)。
にもかかわらず、
僕がやっとの思いで数々の注意点を発見しそれを忠実に守ることで実現したムーブを、
他の人たちは保持力とフィジカルの強さでさらっと越えていっているように見えた。
根本の力が違う。
そういうのを見るとやっぱりやる気がぐんぐん沸いてくる。
まだまだ強くならないとと実感できる。
岩場に通ってムーブの錬度を上げるのも大切だけど、根本の力を鍛える日々の過ごし方もまた、やはり重要なんだとしっかり再認識。
完登は逃したけど、そういった点で今日はかなり収穫があったと思う。
それに、
もう登れそうだと言うのも解った。
多分現状で、厳しく見て10%くらい。甘く見積もって20%くらいの確率で登れる。
ムーブの強度やホールドの厳しさから、今の自分のタフさでは
一日に、全力に近い出力でこの課題を打てるのは4~5回くらいだと思う。
6回目以降はどんどん高度が下がっていく一方だ。
20%でアタリが出るクジを5回引いて良いってことだ。
20かける5だから100%じゃん!(バカ)
まあそれくらいの気分で打ち込もうと思う。
調子がよければ、次、登れるかもしれない。
己の弱さというのを再認識した。
今日、超珍しくデルタ岩が完全に乾いていた。
未だかつて無いコンディションの良さだった。
そしてまた珍しく、自分以外にGinga(あるいはオロチ)をやっているのが3人も居る状況だった。
ゆえにマットも多くあるし、ムーブもどんどん出てくるしで、
こんなに登り易い環境はかつてなかった。
それでも、
完登はできなかった。
その場にいた中で、
明らかに自分のムーブが一番完成されていたのは確かだ(費やした時間が違う)。
にもかかわらず、
僕がやっとの思いで数々の注意点を発見しそれを忠実に守ることで実現したムーブを、
他の人たちは保持力とフィジカルの強さでさらっと越えていっているように見えた。
根本の力が違う。
そういうのを見るとやっぱりやる気がぐんぐん沸いてくる。
まだまだ強くならないとと実感できる。
岩場に通ってムーブの錬度を上げるのも大切だけど、根本の力を鍛える日々の過ごし方もまた、やはり重要なんだとしっかり再認識。
完登は逃したけど、そういった点で今日はかなり収穫があったと思う。
それに、
もう登れそうだと言うのも解った。
多分現状で、厳しく見て10%くらい。甘く見積もって20%くらいの確率で登れる。
ムーブの強度やホールドの厳しさから、今の自分のタフさでは
一日に、全力に近い出力でこの課題を打てるのは4~5回くらいだと思う。
6回目以降はどんどん高度が下がっていく一方だ。
20%でアタリが出るクジを5回引いて良いってことだ。
20かける5だから100%じゃん!(バカ)
まあそれくらいの気分で打ち込もうと思う。
調子がよければ、次、登れるかもしれない。
2017年11月18日土曜日
浮気
相も変わらず、スタンド能力は絶好調に自動発動。
休みと思えばカノトには雨が降る。
しかし岩には行きたい。
何か気分を晴らしたい。
そこで、
色々調べた結果、
塩原
ならなんとか天気が持ちそうだということが判明したため、
今日は友人たちと塩原にGO。
まあ気分転換ということで、
エンクラの要素が強かったんだけど、
かといって手を抜くわけではない。
塩原行くっていうのがめっちゃ久しぶりで
懐かしい気持ちとかが色々盛り上がってテンションダダ上がりだった。
到着早々、
やはり初めは「エロンチョ(4級)」
何回か落ちた後、2回登る。
やはり塩原を代表する名課題だった。
そしてついでに同岩の「マントル職人(初段)」
思い出の課題「後悔(3級)」を久しぶりに登る。
で、
今日の本題は「カランバ(3/4段)
休みと思えばカノトには雨が降る。
しかし岩には行きたい。
何か気分を晴らしたい。
そこで、
色々調べた結果、
塩原
ならなんとか天気が持ちそうだということが判明したため、
今日は友人たちと塩原にGO。
まあ気分転換ということで、
エンクラの要素が強かったんだけど、
かといって手を抜くわけではない。
塩原行くっていうのがめっちゃ久しぶりで
懐かしい気持ちとかが色々盛り上がってテンションダダ上がりだった。
到着早々、
やはり初めは「エロンチョ(4級)」
何回か落ちた後、2回登る。
やはり塩原を代表する名課題だった。
そしてついでに同岩の「マントル職人(初段)」
思い出の課題「後悔(3級)」を久しぶりに登る。
で、
今日の本題は「カランバ(3/4段)
いやー、
まさか自分が野立岩のルーフの中にもぐりこめる日が来るとは、
はじめて塩原に来た日には思いもよらなかったな。感慨深いものがある。
あーだこーだとムーブをさぐり、
一応スタートからトップアウトまではバラせはしたものの、その後スタートから通そうとするとどこかで落ちる。
単純にヨレて落ちたり、足が抜けたり。
手数の多いルーフ課題を登り切るための経験値が不足しているのを感じた。
ムーブの探りだけで結構ヨレてしまったというのもある。
まあ結局完登はできなかったわけだけど、
今の自分の実力でも完登は可能そうだということ
マットが全然無くても一人で打ち込むのも可能な課題であること
そのへんが解っただけでも収穫かな。
クラック状のホールドに指を突っ込みまくったりハズしたりしたせいで指の変なところから無駄に流血しまくったけどそれもそれで楽しかった。
何より、
ひさしぶりにまともに岩を登れたというだけで
スッゲー楽しかった!
依然として今年の目標はGingaの完登なわけだけど、
天気の都合とか、一緒に行ける人との兼ね合いとか、
そういうのが合ったらまた塩原にも行きたいな。
次か、その次くらいにはカランバ完登も見えてくると思う。
2017年11月14日火曜日
覚醒
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
「おれはGingaに打ち込もうとした思ったらいつのまにか何もせず約2ヶ月が経っていた」
な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ということで、
ここ最近まったく更新していなかったこのブログですが、
一応生きてます。
この約2ヶ月、
いや、多分7月入ったあたりからだから、
約5ヶ月ほどの間(!!!!)
「乾いた岩」
というものに触っていません。
いやマジで全然岩登れてません。
さすがに
昨月あたりに気づきました。
これは明らかに
ス タ ン ド 能 力 に よ る 攻 撃 を 受 け て い る!!
と。
この夏以来、
雨が多いと言ってもさすがに晴れの日が無いと言うことは無い。
しかし僕が岩に行くと必ず濡れている。
そして極めつけは二連台風。
なんだこれは。
そして今月、気づきました。
これは何者かに攻撃を受けているわけではないと。
そう
これは 俺 自 身 の ス タ ン ド 能 力 の 暴 走 に よ る も の だ!
と。
知らぬ間に俺自身がスタンドに覚醒していたのだ!
(バァーーーーーーz_________ン!!!!!!)
スタンド名は『レイン・ブリンガー』
どうやら『遠隔自動操縦型』のスタンドで、
能力は自身の休日または休日の前日に雨を降らせること。
発動条件は恐らく僕が休日に「岩に行く」と宣言することのようだ。
(発動条件は未だ完全に定かになってはいないが、この間「明日休みだけど岩には行かない」と空に向かって宣言したところ、雨は降らなかったので恐らく『宣言』が発動のキーとなるというのは正しいだろう)
最近ではある程度親しい人に、
「昨日岩行ったんですか?」
と聞かれ、「はい」と答えると
「やっぱりね、昨日雨だったから」
と言われるほど、この能力がはっきりと認識され始めている。
しかし、
発動条件がわからず暴走状態であったこの数ヶ月を経て、
発動条件と能力を把握した今なら!
このスタンドをコントロールしてみせるっ!
その『覚悟』が僕にはあるっ!!
(具体的には前日に「岩なんて行かねーよ」という雰囲気を出しつつ当日こっそり岩に行くという感じでやっていきます。それなら能力が発動しないはず。いやマジで)
で、
話は変わって
現在のカノトのデルタ岩の状況はというと
台風の影響で川が増水し、
11/1の時点で
こんな感じ。
スタートすらできねえぜ!
そして
11/11になると
こんな感じに。
まあ序盤の練習くらいはできるけど、
完登しようと思ったら後半の初段パートで絶対に落ちない自信が必要だよね。
・・・
どうやら増水の影響で川の流れ自体が変化してしまったようで、このまま自然に水位が下がっても元通りの下地には戻らないだろうとこの時点で結論づける。
なので、その日の帰りにホームセンターに寄り道し、
こんなの
を購入。
川の中に入っての本格的な下地整備をすることを決意。
そして11/14
もう今日は登るのは諦めて(というかまた能力が発動して前日に雨降ったからどのみち登れないしね)
土木工事に終始することに。
その結果、
なんとかここまで埋め立てができた。
これなら一応Gingaを登る分には大丈夫なはず。
(オロチを登ろうと思ったらもう少し後ろのほうまで埋めたいところかもしれないけど)
結構大変だった。
ちょっと離れたところから大き目の石を運んでは積み上げ、
川底の砂利を掬い上げてその上に撒き、隙間を埋める。
石を運ぶのは重たいし、川底を掘るのは腰が辛いし、
下半身はずっと川につかりっぱなしだから寒かった。
ともあれ、
これで次回からは安心して完登が狙えるはず!
まあ、ね
こういう
「下地の整備をする」ってこと自体、
ひょっとしたら批判的に見られる面もあるのかもしれない。
自然にそうなったんだからその状態のまま登るのが正しいあり方だと言われちゃうかもしれない。
でも、今回の場合はもともとは下地があって、崩壊した場所を元の状態に近づけようという試みなわけだし、許して欲しい。
「下地の整備なんかに労力を費やすくらいなら強くなる努力して、絶対に後半で落ちないようになってから登れば良いじゃんか!」
と言われたら反論できない。
そうなると「そもそもマットを敷くこと自体がクライミングの純粋性をどーのこーの・・・」という話にも繋がることになるんだけど、
申し訳ないけど、僕はそこまで自分のクライミングに自信を持ちきることはできないし、排除できる範囲でリスクは排除したい。
自分でできる範囲でリスクを排除しようとして、でも、岩を登る上でリスクをゼロにすることはできなくて、結果的に取り除ききれないリスクとうまく付き合っていく、っていうのが僕の思う岩登りの楽しみ方です。
重機を持ち込んで下地をまっ平らにして、ジムみたいなマットそこにしきつめて・・・っていうのは「違うだろ」とおもうけど、自分一人の手作業でできる範囲で地面均したり、自分たちで持ち寄れる範囲でマットを沢山持ってくるっていうのは、むしろ正当なリスクマネジメントの範疇だと思いたい。
と、
まあなんかまじめなトーンになってしまったけど、
最後に言いたいことが1つ。
濡れた岩の上を歩く時のフェルトソールの信頼性はマジで高い。
ゴムの比じゃないね。これが今日の最大の発見。そりゃ沢登用の靴の大半がフェルトソールになるわ。
「おれはGingaに打ち込もうとした思ったらいつのまにか何もせず約2ヶ月が経っていた」
な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ということで、
ここ最近まったく更新していなかったこのブログですが、
一応生きてます。
この約2ヶ月、
いや、多分7月入ったあたりからだから、
約5ヶ月ほどの間(!!!!)
「乾いた岩」
というものに触っていません。
いやマジで全然岩登れてません。
さすがに
昨月あたりに気づきました。
これは明らかに
ス タ ン ド 能 力 に よ る 攻 撃 を 受 け て い る!!
と。
この夏以来、
雨が多いと言ってもさすがに晴れの日が無いと言うことは無い。
しかし僕が岩に行くと必ず濡れている。
そして極めつけは二連台風。
なんだこれは。
そして今月、気づきました。
これは何者かに攻撃を受けているわけではないと。
そう
これは 俺 自 身 の ス タ ン ド 能 力 の 暴 走 に よ る も の だ!
と。
知らぬ間に俺自身がスタンドに覚醒していたのだ!
(バァーーーーーーz_________ン!!!!!!)
スタンド名は『レイン・ブリンガー』
どうやら『遠隔自動操縦型』のスタンドで、
能力は自身の休日または休日の前日に雨を降らせること。
発動条件は恐らく僕が休日に「岩に行く」と宣言することのようだ。
(発動条件は未だ完全に定かになってはいないが、この間「明日休みだけど岩には行かない」と空に向かって宣言したところ、雨は降らなかったので恐らく『宣言』が発動のキーとなるというのは正しいだろう)
最近ではある程度親しい人に、
「昨日岩行ったんですか?」
と聞かれ、「はい」と答えると
「やっぱりね、昨日雨だったから」
と言われるほど、この能力がはっきりと認識され始めている。
しかし、
発動条件がわからず暴走状態であったこの数ヶ月を経て、
発動条件と能力を把握した今なら!
このスタンドをコントロールしてみせるっ!
その『覚悟』が僕にはあるっ!!
(具体的には前日に「岩なんて行かねーよ」という雰囲気を出しつつ当日こっそり岩に行くという感じでやっていきます。それなら能力が発動しないはず。いやマジで)
で、
話は変わって
現在のカノトのデルタ岩の状況はというと
台風の影響で川が増水し、
11/1の時点で
こんな感じ。
スタートすらできねえぜ!
そして
11/11になると
こんな感じに。
まあ序盤の練習くらいはできるけど、
完登しようと思ったら後半の初段パートで絶対に落ちない自信が必要だよね。
・・・
どうやら増水の影響で川の流れ自体が変化してしまったようで、このまま自然に水位が下がっても元通りの下地には戻らないだろうとこの時点で結論づける。
なので、その日の帰りにホームセンターに寄り道し、
こんなの
を購入。
川の中に入っての本格的な下地整備をすることを決意。
そして11/14
もう今日は登るのは諦めて(というかまた能力が発動して前日に雨降ったからどのみち登れないしね)
土木工事に終始することに。
その結果、
なんとかここまで埋め立てができた。
これなら一応Gingaを登る分には大丈夫なはず。
(オロチを登ろうと思ったらもう少し後ろのほうまで埋めたいところかもしれないけど)
結構大変だった。
ちょっと離れたところから大き目の石を運んでは積み上げ、
川底の砂利を掬い上げてその上に撒き、隙間を埋める。
石を運ぶのは重たいし、川底を掘るのは腰が辛いし、
下半身はずっと川につかりっぱなしだから寒かった。
ともあれ、
これで次回からは安心して完登が狙えるはず!
まあ、ね
こういう
「下地の整備をする」ってこと自体、
ひょっとしたら批判的に見られる面もあるのかもしれない。
自然にそうなったんだからその状態のまま登るのが正しいあり方だと言われちゃうかもしれない。
でも、今回の場合はもともとは下地があって、崩壊した場所を元の状態に近づけようという試みなわけだし、許して欲しい。
「下地の整備なんかに労力を費やすくらいなら強くなる努力して、絶対に後半で落ちないようになってから登れば良いじゃんか!」
と言われたら反論できない。
そうなると「そもそもマットを敷くこと自体がクライミングの純粋性をどーのこーの・・・」という話にも繋がることになるんだけど、
申し訳ないけど、僕はそこまで自分のクライミングに自信を持ちきることはできないし、排除できる範囲でリスクは排除したい。
自分でできる範囲でリスクを排除しようとして、でも、岩を登る上でリスクをゼロにすることはできなくて、結果的に取り除ききれないリスクとうまく付き合っていく、っていうのが僕の思う岩登りの楽しみ方です。
重機を持ち込んで下地をまっ平らにして、ジムみたいなマットそこにしきつめて・・・っていうのは「違うだろ」とおもうけど、自分一人の手作業でできる範囲で地面均したり、自分たちで持ち寄れる範囲でマットを沢山持ってくるっていうのは、むしろ正当なリスクマネジメントの範疇だと思いたい。
と、
まあなんかまじめなトーンになってしまったけど、
最後に言いたいことが1つ。
濡れた岩の上を歩く時のフェルトソールの信頼性はマジで高い。
ゴムの比じゃないね。これが今日の最大の発見。そりゃ沢登用の靴の大半がフェルトソールになるわ。
2017年9月25日月曜日
経過報告①
Gingaの打ち込みが今月再開され、
登れそうだという希望が見えてきたので、今年はもうGingaを登ること一本に照準を合わせようと思う。
それ以外の全ては蛇足だ、とまでは言わないが、なるべく浮気せずにGingaに取り組みたいと思う。
そして、Gingaが登れました!
という報告ができるまでこのブログを放置するのもなんなので、
たまにはこうして経過報告を上げていこうかと思う。
9/22と9/25に二回続けて神戸に行くことが出来た。
9/22は朝到着時は岩の濡れはおとなしかった(それでも岩を拭くという作業は不可欠ではあった)
しかし昼ごろから小雨が降り始め、岩の下で縮こまりながらムーブ練習に打ち込んでいた。
そんな一日ではあったが収穫はあった。
核心のガストンを止める精度は上がったし、
何より中盤の神経質な足送りのパートでかなり安定したムーブを見つけられた。
この足送りは自分の中で第一核心だとすら思っていた箇所だったが、
この日見つかったムーブを使えばもはや落ちる気のしないパートになった。
おっと、
見つけたという表現は適切じゃなかった。
「見つけてもらった」だった。
この日は珍しく一人ではなくて、
僕の最大のライバルにして最高のクライミングパートナーであるM谷氏と一緒だった。
そこで二人でGingaセッションを行った際に彼の提案によって得られたムーブだった。
やはり一人の視点と二人の視点では全然違う。
自分一人で打ち込んでいると、
「この方法がいいかもしれない」
という考えが
「この方法が疑いようも無くベストだ」
に知らず知らず変化していってしまうことがある。
「一人で考えて結論を出す」ということの危うさ、恐ろしさは理解していたつもりだったけど、改めて客観的視点を個人が持つことの難しさを実感した。
さて、
この日の収穫はそれだけではなくて、
普段はGingaの打ち込みが終わったらさっさと帰宅するんだけど、
(Gingaはポケットを保持し続けるため、指へかかる負荷が大きく、3時間くらい打ち込もうもんならもう痛みでギブアップだ)
この日はせっかく二人で、M谷君は神戸初めてなのでブラボー岩に移動して、登れなくなるギリギリまで登ることにした。
M谷君が電池切れに打ち込んでいる間、
僕はとりあえずまだ登っていなかった
「アラファン(三段+)」
をやることにした。
「フルチャージやムタンテよりも難しい」と評判の課題だったので、
ひょっとしたら手も足も出ないかと思ってたけど、
やってみるとこれがどうにも面白かった。
Gingaは指に負荷がかかる系だけど、
アラファンは指への負荷はそうでもなく、どちらかというと背中の大きな筋肉への負荷で登るタイプの課題だったので、Ginga打ち込み後でも問題なく取り組める。
それがわかったことが収穫だった。
「Gingaを打ち込んで、指の痛みが限界になったらアラファンをやる」
これを今後神戸に行ったときのルーティーンにしようと決めた。
そして9/25
9/22~9/23の間に降った雨の影響で、
岩のコンディションは9/22よりもむしろ悪かった。
が、もはや岩の拭き方も慣れてきたので問題なかった。
すべてのクライマーはキッチンペーパーを必ずカバンにいれておくべきだと思う。
そう思うくらい岩を乾かす上でキッチンペーパーは優秀だと思う。
この日は思い切って靴を変えてみた。
今まではチーム5.10を履いてやっていた。
岩質、ムーブの種類、ホールドの形状などからほとんど疑いも無くはじめからチーム5.10を選択し、今までやっていたんだけど、先日の経験から、そういったあらゆることを一旦疑ってかかるべきなんじゃないかと思い直し、ものは試しと他の靴を色々試してみた。
そしたらなんと
今の手持ちの靴の中ではミウラーW'sがチーム5.10を上回ってムーブの安定感を与えることが解った。
これはかなり意外だった。
頭のなかでだけ考えていてはやはりダメなんだということに改めて気づかされた。
そのお陰で今まで繋がっていなかった、4~6手目を繋げることに成功した。
自分の場合Gingaを登るムーブは今のところ
1~4手で深いポケットを取り、4.5手目として寄せの1手があり、7手目で和のスタートを掴み、8手目で和のスタートをマッチする形になるんだけど、第一核心は寄せの5手目、そして第二核心がその次のガストンの6手目だと感じている。
その負荷の高いムーブを二つ連続して繋げることが今まで出来ていなかったんだけど、
この二日間の小さな発見の積み重ねのおかげでそこを繋げることができた。
こういうことがあるから岩は良いよな、と改めて思う。
そんな感じでウキウキしていたらふと右手人差し指に痛みがあることに気づく。
右手人差し指の第一関節と第二関節の間の皮がポケットにごっそりと持って行かれた。
せっかく面白くなってきたところなのに・・・
こういうことがあるから岩はヤバイよな、と改めて思う。
ただ、
アラファンはこの痛めた箇所を大して使わないはずなのでできるだろうと高をくくってブラボー岩のほうへ移動した。
結論から言うと、アラファン、登れてしまった。
早くも次回からGingaのあとにやることが無くなってしまったな、
・・・なんて気持ちよりもやっぱり登れた喜びのほうが大きい。
終盤かなり必死だったしね。
登った感想としては、
フルチャージ、ムタンテより難しいってことは無いんじゃないか?ってところ。
実際、フルチャージ、ムタンテは登るのにそれぞれ、たしか4日づつくらいかかっていたはずだけど(しかもその課題のみに専念しているという条件で)アラファンは2日で登れたわけだし。
理由としては恐らく自分が
・トウフックが下手なので、フルチャージ・ムタンテの下部を苦手に感じていること。
・クロスムーブが得意なこと。
・ヒールフック性能最強のミウラーW'sを使ったこと。
の三つの理由から、フルチャージ、ムタンテよりこの課題のほうが得意系寄りだったんじゃないかというところだろう。
特にミウラーW'sの性能に拠る部分は大きく、これは自分が登ったというよりもむしろ靴に登らせてもらったというほうが適切かもしれない。
多分これ以外のシューズでやってたらもう1~2日はかかってたと思う。
同じ岩の電池パック(三段)よりは明らかに難しく感じたので、この三段+というグレーディングは結構妥当なのかもしれない。
さて、
ということでまずは指の怪我を治そう
(次に神戸で登れるのが約1週間後になりそうなのでまあ余裕でしょ)
目標!
10月中にGinga完登!
そのためにも晴れてくれ(切実)
2017年9月14日木曜日
停滞
8月。
日本にも雨季が出来たのか、と疑いたくなるような長い長い雨の日々、
そして、その前後の、外出そのものすら躊躇われるほどの高温多湿の日々は僕に、
いくつかの有益でも有害でもない“ただの休日”をもたらした。
それらの休日は僕に、少しの贅肉以外の何物をももたらしはしなかった。
湿気によって進行する黴と腐敗は物質にのみ作用するというわけではなく、
精神にも同様の効果をもたらしているかのようだった。
そういうわけで、
2017年夏
自分にとってこの時期のことを一言で表すとするならそれは
「停滞」
であった。
自分が目標に向かって進んでいる感覚が一歩も無かった。
Gingaを登ると決めてから、
コンディションの悪い夏の間に通いつめ、ムーブの錬度を高め、
本格的なシーズンに入ったら一気に登ろうという思惑があった。
であるにも関わらず、
約2ヶ月、一切神戸で登ることが出来なかったというのは大きな問題だ。
そのツケを今後のシーズン中にどれだけ返していけるんだろうか。
しかしながら、
停滞していたとは言っても、なにもしていなかったというわけではない。
前に進むということは無いにしろ、足は動かし続けた。
信号に引っかかったランナーがその場でステップを踏み続けるように。
あるいは、無意味な踊りのように。
これは意味の無いステップでしかないかもしれない。
そう思いながらもとりあえずは意味のありそうなステップを踏みつづけた。
そして今日、約2ヶ月ぶりにようやく神戸で登ることができた。
(といっても岩の状態としては「なんとか登ることができる」といったレベルでしかなかったけど)
久しぶりに岩を触ると、
指は痛くなるし、身体は泥だらけになるし、虫にはまとわりつかれ放題だったし、
…まあでも
一言で言うと
「最高」だった。
自分は長いことコレを求めていたんだと思った。
岩を登るというだけでただ楽しい。
肝心のGingaの進行としては、
一応、進展があった。
2ヶ月前はどうやっても止まらなかった核心のガストンを止めることができたからだ。
これで一応Ginga(及びタイタン)の全ムーブをバラせたということにはなる。
2ヶ月前よりも左中指の強さが上がっているという実感があった。
雨の間beastmaker2000で指を鍛えることに腐心していた甲斐があった。
意味があるか無いか解らなかったステップに、意味があったんだと解っただけでも収穫だ。
ここからだ。
ここから前進を始めたい。
9月を停滞から前進への切り替えの月とし、
10月を前進から飛躍へと移行する月としたい。
日本にも雨季が出来たのか、と疑いたくなるような長い長い雨の日々、
そして、その前後の、外出そのものすら躊躇われるほどの高温多湿の日々は僕に、
いくつかの有益でも有害でもない“ただの休日”をもたらした。
それらの休日は僕に、少しの贅肉以外の何物をももたらしはしなかった。
湿気によって進行する黴と腐敗は物質にのみ作用するというわけではなく、
精神にも同様の効果をもたらしているかのようだった。
そういうわけで、
2017年夏
自分にとってこの時期のことを一言で表すとするならそれは
「停滞」
であった。
自分が目標に向かって進んでいる感覚が一歩も無かった。
Gingaを登ると決めてから、
コンディションの悪い夏の間に通いつめ、ムーブの錬度を高め、
本格的なシーズンに入ったら一気に登ろうという思惑があった。
であるにも関わらず、
約2ヶ月、一切神戸で登ることが出来なかったというのは大きな問題だ。
そのツケを今後のシーズン中にどれだけ返していけるんだろうか。
しかしながら、
停滞していたとは言っても、なにもしていなかったというわけではない。
前に進むということは無いにしろ、足は動かし続けた。
信号に引っかかったランナーがその場でステップを踏み続けるように。
あるいは、無意味な踊りのように。
これは意味の無いステップでしかないかもしれない。
そう思いながらもとりあえずは意味のありそうなステップを踏みつづけた。
そして今日、約2ヶ月ぶりにようやく神戸で登ることができた。
(といっても岩の状態としては「なんとか登ることができる」といったレベルでしかなかったけど)
久しぶりに岩を触ると、
指は痛くなるし、身体は泥だらけになるし、虫にはまとわりつかれ放題だったし、
…まあでも
一言で言うと
「最高」だった。
自分は長いことコレを求めていたんだと思った。
岩を登るというだけでただ楽しい。
肝心のGingaの進行としては、
一応、進展があった。
2ヶ月前はどうやっても止まらなかった核心のガストンを止めることができたからだ。
ここから
ガストンに素早く手を出し
足が切れ振られ
左足を上げ
和のスタートにクロスで合流
これで一応Ginga(及びタイタン)の全ムーブをバラせたということにはなる。
2ヶ月前よりも左中指の強さが上がっているという実感があった。
雨の間beastmaker2000で指を鍛えることに腐心していた甲斐があった。
意味があるか無いか解らなかったステップに、意味があったんだと解っただけでも収穫だ。
ここからだ。
ここから前進を始めたい。
9月を停滞から前進への切り替えの月とし、
10月を前進から飛躍へと移行する月としたい。
2017年7月30日日曜日
クライミングシューズについて語るときに僕の語ること
今まで自分の周りにいたクライマーたちと比べて、
自分は結構
「足を残す」こと
「足に力を入れる」こと
にこだわりを強く持っているほうだと思う。
そのこだわりのうちにシューズももちろん含まれている。
なんだかんだでシューズの性能は足の残りに直結するし、
自身の足捌きの技術向上にも影響を与えてくれる。
ということで、たまにはシューズの話でも。
まず、今まで自分が履いてきたシューズ遍歴は時系列順に並べると以下の通り。
X-RAY(5.10)※廃番
ミウラーVS(SP)
パイソン(SP)
ミウラーVS(SP)
スピードスター(SP)※廃番
チーム5.10(5.10)
ベイパー(SP)※廃番
レイヴン(ED)
スピードスター(SP)※廃番
コブラ(SP)
ミウラーW's(SP)
コブラ(SP)
パイソン(SP)
インスティンクトVS(SC)
フューチュラ(SP)
ドラゴン(5.10)
ミウラーVS W's(SP)
チーム5.10(5.10)
ミウラーW's(SP)
フューチュラ(SP)
スクワマ(SP)
チームvxi(5.10)
()内はメーカー
【SP=スポルティバ、SC=スカルパ、ED=エーデルリッド】
多分あと何足か履いてると思うけど、大体こんな感じ。
(複数回名前が挙がっているものはその数だけ買いなおしている靴)
赤字が現役で使っている靴。それ以外は破損により廃棄。
改めて振り返ると、明らかなスポルティバ偏重。
理由はいろいろあるけど、その中でも大きな理由としてあるのはヒール性能だと思う。
やはりヒール性能だけは(足型が合っているというのもあるが)スポルティバが他の追随を許さない感がある。
そしてヒールフックに関してはどうしても靴の性能がダイレクトに影響してくる。
大体自分のこのスポルティバ信者っぷりは、
どこにでも一定数居る5.10の「ステルス信者」との対立を生む(笑。
まあ僕もステルスの良さはわかる。実際5.10の靴も履いているし。
でもステルスはすべてを解決する魔法のソールってわけじゃないとも思う。
シューズについて考える時に一番重視するべきポイントはどこだ?
と問われたときに「ソールのフリクション」と答える人は多い。
そういう人は大抵ステルス信者だ(偏見)
僕は重視すべきポイントは「全体のバランス」だと思っている。
ここで言う「全体のバランス」っていうのは、
平均的にすべての能力を兼ねそえているとかそういうことじゃなくて、
靴全体が統一された意思の元にしっかりまとまっているかということ。
コンセプトにブレがあるようなシューズはどこかちぐはぐな部分をどうしても持っていて、部分部分の要素で見れば優れた性能であるはずなのに、実際にはいまひとつ性能を発揮できないシューズになっていたりする。
よく
「ソリューションにステルスHF貼ればサイキョーの靴ができる!」
というようなことを言う人が居るし、実際にそれをやっている人も居ると思う。
僕も実際スポルティバがステルスソールを使って靴を作ったらどんな靴が出来上がるか非常に興味がある。多分かなり良い靴が出来るだろうとも思う。
でもソリューションにステルスHFを貼っても最強の靴にはならないと思う。
なぜなら全体のバランスが崩れるから。
なんだかんだ言ってソリューションはビブラムXSgrip2で最大の性能を発揮するように設計されているはず。
それを単にフリクションの数値的な優劣のみでHFに貼りかえても、他の部分でバランスを崩してしまうはずだ。
実際僕は以前、パイソンにHFを貼ってみたことがある。
悪くは無かったが思ったほど良くも無かった。
スメアリング性能は上がったがエッジング性能は落ちたし、期待したかき込みの性能も、結局のところチーム5.10やドラゴンに匹敵するほどにはならなかった。
これだったら素直にチーム5.10を履けばいい、となって結局そのパイソンはウォーミングアップシューズのポジションを獲得するに至った。
当たり前の話だけど、チーム5.10やドラゴンのかき込み性能が優れているのは単にステルスの性能のおかげだけじゃなくて、そういう靴全体の設計だからだ。
5.10の靴が良い、というのは解るけど安易な「ステルス最強論」に帰結してしまうのはどうかな、と言いたい。
で、そういう思考停止ステルス信者に限って、ソールの汚れとか靴の保存状態とかに無頓着だったりするのだ(超偏見)
(大丈夫かなこれ敵作ったりしてないかなこれ)
いや別にね、ステルス否定派ってわけじゃないんですよ!
むしろステルスのフリクションの良さにはいつも大変助けられてますよ!
でもそれだけにね、その「フリクションの良さ」にただ感動して思考停止して無闇に頼ってしまうようなことがあっちゃ勿体無いですよってことを言いたいだけなんですよ!
せっかく素晴らしい性能を持ったソールなんだからそれをきちんと生かす方法をクライマー側もしっかり考えましょうよってことですよ!
と、一応フォローも入れておいたことだし、
以下は今まで自分が履いてきた靴たちに対する個別の感想をそれぞれ書き連ねていこうと思う。
それぞれ名前の前に記号で自分の心象をつける。
◎(めっちゃいい靴だと思う)
○(いい靴だと思う)
△(多分もう買わない)
×(人にも薦めない)
△X-RAY(5.10)※廃番
◎ミウラーVS(SP)
初級者時代どうしても3級が登りたくて、
どうしても外岩の細かいエッジが踏みたくて買った靴。
「エッジング性能」という点ではこの靴よりいい靴は未だに履いたことが無い。
ヒールフックの性能も抜群。この靴を履いてから暫く僕はすっかりなんでもかんでもヒールフックで解決しようとするヒールフック中毒になった。それくらい1足目のX-RAYとヒールフック性能の差が大きくて感動したものだった。
ただしトウフック性能は悲しいほど低い。
一番低い位置のベルクロの位置と素材がどうにもトウフックに向かない。
この点を改良しようと、一番下のベルクロを取り除き、そこにトウラバーを貼り付けているのを見かけ、自分もそういう改造をしようかと考えていた時期もあったが、しかしその3本目のベルクロこそが、エッジングして捉えた力をロスすることなく足の中心部に伝達するために重要な役割を果たしているということに、使っているうちに気づく。
トウフックがしたいならトウフックの得意な靴を履けばいいし、この靴を履くときはその驚異的なエッジング性能を頼りにしたいときに履くんだから、やはり改造はするべきじゃないなと思う。
X-RAYでどうしても登れなかった塩原の後悔(3級)桜(3級)が、この靴に変えたら登れてしまったときの感動は今でも忘れられない。
○パイソン(SP)
コストパフォーマンス、能力のバランスともに優れた靴。
悪く言えば器用貧乏。良く言えば万能。
2足目の靴のオススメは?と聞かれればこれを挙げたいとも思う。
が、
難点を挙げるとすれば耐久性。
自分の使い方も関係しているけど、大体数ヶ月くらいでどこかがちぎれたりラバーが剥げてきたりする印象(※あくまでかなりハードに使い込んだ場合の話です)
極めつけは2足目だか3足目のパイソンを買った時に、買ってから3日目くらいで結構ハードなトウフックのムーブをしたら裂けて壊れたことがある。多分これは色んな偶然とかも重なった不運もあるんだろうけど、未だにそれを引きずっているのでしばらくパイソンを買うことは無いとは思う。
外岩でもそれなりの汎用性を発揮していて、豊田の縄文(e)や小川山のギガント(初段)など、なんだかんだでこの靴で登った初段も結構ある。
○スピードスター(SP)※廃番
1足目のスピードスターを買った時は「足入れのいいソフトシューズ」くらいにしか思わなかった。
なんとなく楽なシューズが欲しくなってまたリピートした時、印象がガラっと変わった。
ノーエッジシューズはクライマーを育てる靴だと思う。
しかしながら、ある程度育っているクライマーじゃないと育ててもらうこともできない。
1級くらいを登れたら是非一度履いてみてほしい。
はじめは多分気に入らないだろうけど、履いているうちにその良さにハマることができるはずだ。
ミウラーVSをはじめて履いたときは、「あ、足切れる」と思った時でも靴が足を残してくれている、という感覚を味わうことがかなりあってそれで感動していた。
スピードスターのようなノーエッジシューズにはそういった感動は無い。
逆に、「足を残そう」と強く思い働きかければまず残る。足が切れる瞬間の感覚がギリギリまで理解できる。少し慣れてくると、良くも悪くも想定外のことが起こりづらい。
他にも色々利点はあるがここでばかり書いているとあとでフューチュラのときに書くことが無くなるのでこのへんで。
このシューズに欠点らしいところがあるとすれば、スリッパタイプであることと、アッパーの足入れ部分がヨレやすいこと。ノーエッジの良さを理解したころにはもう結構脱げ易くなっちまってる。
この靴を履いていた当時は完全にジム用シューズと思っていたが、気まぐれに御岳に持っていった時に、チーム5.10やミウラーVSで上手く登れなかった勅使河原美加の半生(初段)がこの靴に履き替えた途端楽に登れたことを覚えている。
◎チーム5.10(5.10)
第一印象は「最悪のシューズ」
そう思うくらい足入れがとにかく悪い。というか自分の足型に合わない。痛い。
それでも評価◎なのはその性能がやはりズバぬけているから。
エッジング性能、スメアリング性能、トウフック性能、すべてが高いバランスで備わっている(ヒールフックはまあ及第点といった程度だが)。こんだけ良ければ多少の痛さは我慢するわ、と思わされてしまう。
河原にある、磨かれてツルツルとすべるチャート系の岩を登るときには欠かせないシューズ。
本当に細かいエッジも拾ってくれるし、剛性もそこそこあるのでその小さなエッジで身体を引き寄せることもできる。非常に繊細な要求に対応してくれる爪先を持っている。
岩場の岩質がチャートであるなら、持って行く靴は最悪これ一足あれば十分ではないかとすら思える完成度の高さだと思う。
自分のボルダリング人生の転機とも言える課題ファイア(三段)もこの靴に登らせてもらったし、宮川のホークアイ(三段+)や、最近ではタナトフォビア(四段)はこの靴が無くては登れる気がしなかった。
×ベイパー(SP)※廃番
廃番になったことがよくわかるシューズ。
これといって性能的に優れている点があるわけでもなく、かといって足入れがいいというわけでもない。
特徴として、たしか踵下部にクッションが入っていて、着地時の衝撃を軽減してくれる効果があるんだとか。うーん、マニアック。ノーマットスタイルで登る人くらいじゃないのかなその機能に利点を感じるのは。
これを履くんなら素直にコブラを履いたほうがいい。
○コブラ(SP)
ということで素直になった結果履いたコブラ。
今まで履いたシューズの中で最も履き心地がいい。足型が最高に自分に合う。
性能としてもほぼ申し分ない。
ただしほとんどダウントウしていないので、強傾斜でのかき込みなどでは楽できない。
ヒールフックやトウフックの性能が高いので、強傾斜では自然とフック系の技を多用することになる。
ジムでのトレーニングシューズにこれ以上の靴は無い!
この靴を一生履き続けよう!
と思ったことも無いではない。実際3足はコブラを買った。
しかし、
2足目のコブラ、購入3日後にハードなトウフックムーブによってアッパーが破れる。
この時は運悪くたまたま粗悪な一品にあたってしまったんだと諦めて次のシューズを買ったんだけど、次の3足目のコブラでも同様の悲劇が起こる。
パイソンでも同じことがあったんだけど、どうもコブラもパイソンもオレンジの革部分と黒いメッシュ部分をつなぐ縫い目の部分に強い力が加わると裂けやすいようだ。
そもそもその箇所に無理のある力を入れなければいいだけだし、偶然悪いロットに当たったんだという可能性もある。
でも同じことが3度もあるとさすがにもうコブラもパイソンも手を出すのに躊躇してしまう。
初めての三段である幻の光(三段)に打ち込んでいた時、ムーブの解決に役立ってくれた恩は忘れない(結局完登はコブラでではなかったけど)。
△レイヴン(ED)
デザインのかっこよさと、
当時「なんかマイナーなメーカーの靴を履いているのってかっこいいかもしれない」という気持ちで購入。
強烈なダウントウとターンイン。エッジング性能と剛性の強さで、小さいエッジを捉えて強く力を込めてもバネのように身体を持ち上げてくれる性能がある。
総合的に見てミウラーVSのマイナーチェンジ版といった印象。
悪い性能ではないんだけど、入手経路に難があるので、まあこれなら素直にミウラーVS履けばいいかな、といった感じ。
自分は結構
「足を残す」こと
「足に力を入れる」こと
にこだわりを強く持っているほうだと思う。
そのこだわりのうちにシューズももちろん含まれている。
なんだかんだでシューズの性能は足の残りに直結するし、
自身の足捌きの技術向上にも影響を与えてくれる。
ということで、たまにはシューズの話でも。
まず、今まで自分が履いてきたシューズ遍歴は時系列順に並べると以下の通り。
X-RAY(5.10)※廃番
ミウラーVS(SP)
パイソン(SP)
ミウラーVS(SP)
スピードスター(SP)※廃番
チーム5.10(5.10)
ベイパー(SP)※廃番
レイヴン(ED)
スピードスター(SP)※廃番
コブラ(SP)
ミウラーW's(SP)
コブラ(SP)
パイソン(SP)
インスティンクトVS(SC)
フューチュラ(SP)
ドラゴン(5.10)
ミウラーVS W's(SP)
チーム5.10(5.10)
ミウラーW's(SP)
フューチュラ(SP)
スクワマ(SP)
ソリューション(SP)
フューチュラ(SP)チームvxi(5.10)
()内はメーカー
【SP=スポルティバ、SC=スカルパ、ED=エーデルリッド】
多分あと何足か履いてると思うけど、大体こんな感じ。
(複数回名前が挙がっているものはその数だけ買いなおしている靴)
赤字が現役で使っている靴。それ以外は破損により廃棄。
改めて振り返ると、明らかなスポルティバ偏重。
理由はいろいろあるけど、その中でも大きな理由としてあるのはヒール性能だと思う。
やはりヒール性能だけは(足型が合っているというのもあるが)スポルティバが他の追随を許さない感がある。
そしてヒールフックに関してはどうしても靴の性能がダイレクトに影響してくる。
大体自分のこのスポルティバ信者っぷりは、
どこにでも一定数居る5.10の「ステルス信者」との対立を生む(笑。
まあ僕もステルスの良さはわかる。実際5.10の靴も履いているし。
でもステルスはすべてを解決する魔法のソールってわけじゃないとも思う。
シューズについて考える時に一番重視するべきポイントはどこだ?
と問われたときに「ソールのフリクション」と答える人は多い。
そういう人は大抵ステルス信者だ(偏見)
僕は重視すべきポイントは「全体のバランス」だと思っている。
ここで言う「全体のバランス」っていうのは、
平均的にすべての能力を兼ねそえているとかそういうことじゃなくて、
靴全体が統一された意思の元にしっかりまとまっているかということ。
コンセプトにブレがあるようなシューズはどこかちぐはぐな部分をどうしても持っていて、部分部分の要素で見れば優れた性能であるはずなのに、実際にはいまひとつ性能を発揮できないシューズになっていたりする。
よく
「ソリューションにステルスHF貼ればサイキョーの靴ができる!」
というようなことを言う人が居るし、実際にそれをやっている人も居ると思う。
僕も実際スポルティバがステルスソールを使って靴を作ったらどんな靴が出来上がるか非常に興味がある。多分かなり良い靴が出来るだろうとも思う。
でもソリューションにステルスHFを貼っても最強の靴にはならないと思う。
なぜなら全体のバランスが崩れるから。
なんだかんだ言ってソリューションはビブラムXSgrip2で最大の性能を発揮するように設計されているはず。
それを単にフリクションの数値的な優劣のみでHFに貼りかえても、他の部分でバランスを崩してしまうはずだ。
実際僕は以前、パイソンにHFを貼ってみたことがある。
悪くは無かったが思ったほど良くも無かった。
スメアリング性能は上がったがエッジング性能は落ちたし、期待したかき込みの性能も、結局のところチーム5.10やドラゴンに匹敵するほどにはならなかった。
これだったら素直にチーム5.10を履けばいい、となって結局そのパイソンはウォーミングアップシューズのポジションを獲得するに至った。
当たり前の話だけど、チーム5.10やドラゴンのかき込み性能が優れているのは単にステルスの性能のおかげだけじゃなくて、そういう靴全体の設計だからだ。
5.10の靴が良い、というのは解るけど安易な「ステルス最強論」に帰結してしまうのはどうかな、と言いたい。
で、そういう思考停止ステルス信者に限って、ソールの汚れとか靴の保存状態とかに無頓着だったりするのだ(超偏見)
(大丈夫かなこれ敵作ったりしてないかなこれ)
いや別にね、ステルス否定派ってわけじゃないんですよ!
むしろステルスのフリクションの良さにはいつも大変助けられてますよ!
でもそれだけにね、その「フリクションの良さ」にただ感動して思考停止して無闇に頼ってしまうようなことがあっちゃ勿体無いですよってことを言いたいだけなんですよ!
せっかく素晴らしい性能を持ったソールなんだからそれをきちんと生かす方法をクライマー側もしっかり考えましょうよってことですよ!
と、一応フォローも入れておいたことだし、
以下は今まで自分が履いてきた靴たちに対する個別の感想をそれぞれ書き連ねていこうと思う。
それぞれ名前の前に記号で自分の心象をつける。
◎(めっちゃいい靴だと思う)
○(いい靴だと思う)
△(多分もう買わない)
×(人にも薦めない)
△X-RAY(5.10)※廃番
記念すべき1足目の靴。
二本ベルクロで足入れも良く、ソールはもちろんステルスなのでフリクションも申し分ない。
今で言うとローグがこれに近い。ローグよりは全体的に少し固めな印象。
初めての靴ということもあってサイズもかなり大きめで買ってしまったのでエッジング性能については特に弱く感じてしまった。
思い出補正もあり、結構気に入っている。◎ミウラーVS(SP)
どうしても外岩の細かいエッジが踏みたくて買った靴。
「エッジング性能」という点ではこの靴よりいい靴は未だに履いたことが無い。
ヒールフックの性能も抜群。この靴を履いてから暫く僕はすっかりなんでもかんでもヒールフックで解決しようとするヒールフック中毒になった。それくらい1足目のX-RAYとヒールフック性能の差が大きくて感動したものだった。
ただしトウフック性能は悲しいほど低い。
一番低い位置のベルクロの位置と素材がどうにもトウフックに向かない。
この点を改良しようと、一番下のベルクロを取り除き、そこにトウラバーを貼り付けているのを見かけ、自分もそういう改造をしようかと考えていた時期もあったが、しかしその3本目のベルクロこそが、エッジングして捉えた力をロスすることなく足の中心部に伝達するために重要な役割を果たしているということに、使っているうちに気づく。
トウフックがしたいならトウフックの得意な靴を履けばいいし、この靴を履くときはその驚異的なエッジング性能を頼りにしたいときに履くんだから、やはり改造はするべきじゃないなと思う。
X-RAYでどうしても登れなかった塩原の後悔(3級)桜(3級)が、この靴に変えたら登れてしまったときの感動は今でも忘れられない。
○パイソン(SP)
悪く言えば器用貧乏。良く言えば万能。
2足目の靴のオススメは?と聞かれればこれを挙げたいとも思う。
が、
難点を挙げるとすれば耐久性。
自分の使い方も関係しているけど、大体数ヶ月くらいでどこかがちぎれたりラバーが剥げてきたりする印象(※あくまでかなりハードに使い込んだ場合の話です)
極めつけは2足目だか3足目のパイソンを買った時に、買ってから3日目くらいで結構ハードなトウフックのムーブをしたら裂けて壊れたことがある。多分これは色んな偶然とかも重なった不運もあるんだろうけど、未だにそれを引きずっているのでしばらくパイソンを買うことは無いとは思う。
外岩でもそれなりの汎用性を発揮していて、豊田の縄文(e)や小川山のギガント(初段)など、なんだかんだでこの靴で登った初段も結構ある。
○スピードスター(SP)※廃番
なんとなく楽なシューズが欲しくなってまたリピートした時、印象がガラっと変わった。
ノーエッジシューズはクライマーを育てる靴だと思う。
しかしながら、ある程度育っているクライマーじゃないと育ててもらうこともできない。
1級くらいを登れたら是非一度履いてみてほしい。
はじめは多分気に入らないだろうけど、履いているうちにその良さにハマることができるはずだ。
ミウラーVSをはじめて履いたときは、「あ、足切れる」と思った時でも靴が足を残してくれている、という感覚を味わうことがかなりあってそれで感動していた。
スピードスターのようなノーエッジシューズにはそういった感動は無い。
逆に、「足を残そう」と強く思い働きかければまず残る。足が切れる瞬間の感覚がギリギリまで理解できる。少し慣れてくると、良くも悪くも想定外のことが起こりづらい。
他にも色々利点はあるがここでばかり書いているとあとでフューチュラのときに書くことが無くなるのでこのへんで。
このシューズに欠点らしいところがあるとすれば、スリッパタイプであることと、アッパーの足入れ部分がヨレやすいこと。ノーエッジの良さを理解したころにはもう結構脱げ易くなっちまってる。
この靴を履いていた当時は完全にジム用シューズと思っていたが、気まぐれに御岳に持っていった時に、チーム5.10やミウラーVSで上手く登れなかった勅使河原美加の半生(初段)がこの靴に履き替えた途端楽に登れたことを覚えている。
◎チーム5.10(5.10)
そう思うくらい足入れがとにかく悪い。というか自分の足型に合わない。痛い。
それでも評価◎なのはその性能がやはりズバぬけているから。
エッジング性能、スメアリング性能、トウフック性能、すべてが高いバランスで備わっている(ヒールフックはまあ及第点といった程度だが)。こんだけ良ければ多少の痛さは我慢するわ、と思わされてしまう。
河原にある、磨かれてツルツルとすべるチャート系の岩を登るときには欠かせないシューズ。
本当に細かいエッジも拾ってくれるし、剛性もそこそこあるのでその小さなエッジで身体を引き寄せることもできる。非常に繊細な要求に対応してくれる爪先を持っている。
岩場の岩質がチャートであるなら、持って行く靴は最悪これ一足あれば十分ではないかとすら思える完成度の高さだと思う。
自分のボルダリング人生の転機とも言える課題ファイア(三段)もこの靴に登らせてもらったし、宮川のホークアイ(三段+)や、最近ではタナトフォビア(四段)はこの靴が無くては登れる気がしなかった。
×ベイパー(SP)※廃番
これといって性能的に優れている点があるわけでもなく、かといって足入れがいいというわけでもない。
特徴として、たしか踵下部にクッションが入っていて、着地時の衝撃を軽減してくれる効果があるんだとか。うーん、マニアック。ノーマットスタイルで登る人くらいじゃないのかなその機能に利点を感じるのは。
これを履くんなら素直にコブラを履いたほうがいい。
○コブラ(SP)
ということで素直になった結果履いたコブラ。
今まで履いたシューズの中で最も履き心地がいい。足型が最高に自分に合う。
性能としてもほぼ申し分ない。
ただしほとんどダウントウしていないので、強傾斜でのかき込みなどでは楽できない。
ヒールフックやトウフックの性能が高いので、強傾斜では自然とフック系の技を多用することになる。
ジムでのトレーニングシューズにこれ以上の靴は無い!
この靴を一生履き続けよう!
と思ったことも無いではない。実際3足はコブラを買った。
しかし、
2足目のコブラ、購入3日後にハードなトウフックムーブによってアッパーが破れる。
この時は運悪くたまたま粗悪な一品にあたってしまったんだと諦めて次のシューズを買ったんだけど、次の3足目のコブラでも同様の悲劇が起こる。
パイソンでも同じことがあったんだけど、どうもコブラもパイソンもオレンジの革部分と黒いメッシュ部分をつなぐ縫い目の部分に強い力が加わると裂けやすいようだ。
そもそもその箇所に無理のある力を入れなければいいだけだし、偶然悪いロットに当たったんだという可能性もある。
でも同じことが3度もあるとさすがにもうコブラもパイソンも手を出すのに躊躇してしまう。
初めての三段である幻の光(三段)に打ち込んでいた時、ムーブの解決に役立ってくれた恩は忘れない(結局完登はコブラでではなかったけど)。
△レイヴン(ED)
当時「なんかマイナーなメーカーの靴を履いているのってかっこいいかもしれない」という気持ちで購入。
強烈なダウントウとターンイン。エッジング性能と剛性の強さで、小さいエッジを捉えて強く力を込めてもバネのように身体を持ち上げてくれる性能がある。
総合的に見てミウラーVSのマイナーチェンジ版といった印象。
悪い性能ではないんだけど、入手経路に難があるので、まあこれなら素直にミウラーVS履けばいいかな、といった感じ。
◎ミウラーW's(SP)
ヒール核心の課題でこの靴を履かないのはもう舐めプ以外の何ものでもない。
チート級と言っていいほどのヒールフックの性能。
ミウラーVSのヒール性能も驚嘆に値するレベルではあったが、
この靴がそれをあきらかに凌駕するかかりをする理由は恐らくゴムがビブラムXSgrip2
であるからだと思われる。
通常の黄色いミウラーとミウラーVSはビブラムXSedgeを採用しているが、エッジング時はXSedgeもXSgrip2もそれぞれにメリットデメリットがあると言える。しかしヒールフック時はあきらかにXSgrip2がいい。この若干の柔らかさが、もうひと粘りをしてくれて最後まで外れずにかかってくれるんだと思う。
この仮説が正しいか間違っているかはともかく、この靴のヒール性能が群を抜いて優れているのは確かだ。
それに加えて爪先の性能もハイレベル。エッジング性能はかなり高いし、スメアリング性能も悪くない。足裏感覚も良い。
みんな1足はこれを持っておくといい、と自信を持って言える。
ヒール核心の課題に苦しめられていたらこの靴を履くだけで体感0.5グレードは下がる。
岩質も花崗岩からチャートまで幅広く対応している。
自分の中で信頼度No.1シューズ。
LLTのニンギルス(四段)は未だに、自分では絶対にこの靴以外で登れないと思う。
幻の光(三段)カツオノエボシ(三段)あたりもこの靴のヒール性能によって登らせてもらったようなものだった。
◎インスティンクトVS(SC)
ヒール核心の課題でこの靴を履かないのはもう舐めプ以外の何ものでもない。
チート級と言っていいほどのヒールフックの性能。
ミウラーVSのヒール性能も驚嘆に値するレベルではあったが、
この靴がそれをあきらかに凌駕するかかりをする理由は恐らくゴムがビブラムXSgrip2
であるからだと思われる。
通常の黄色いミウラーとミウラーVSはビブラムXSedgeを採用しているが、エッジング時はXSedgeもXSgrip2もそれぞれにメリットデメリットがあると言える。しかしヒールフック時はあきらかにXSgrip2がいい。この若干の柔らかさが、もうひと粘りをしてくれて最後まで外れずにかかってくれるんだと思う。
この仮説が正しいか間違っているかはともかく、この靴のヒール性能が群を抜いて優れているのは確かだ。
それに加えて爪先の性能もハイレベル。エッジング性能はかなり高いし、スメアリング性能も悪くない。足裏感覚も良い。
みんな1足はこれを持っておくといい、と自信を持って言える。
ヒール核心の課題に苦しめられていたらこの靴を履くだけで体感0.5グレードは下がる。
岩質も花崗岩からチャートまで幅広く対応している。
自分の中で信頼度No.1シューズ。
LLTのニンギルス(四段)は未だに、自分では絶対にこの靴以外で登れないと思う。
幻の光(三段)カツオノエボシ(三段)あたりもこの靴のヒール性能によって登らせてもらったようなものだった。
◎インスティンクトVS(SC)
シューズについて考える時に一番重視するべきポイントは「全体のバランス」だと思っている。
というふうに前述したが、その全体のバランスということに関してこの靴はほぼ非の打ち所が無い。
ソールが硬いので最近のボリュームホールドやハリボテを多用するジム環境、あるいはチャート系の岩質ではうまくマッチしないこともあるかもしれない。
しかし、花崗岩や凝灰岩などの岩質においてはその硬さは抜群のエッジング性能を生む。
靴全体の一体感が高く、それが剛性を生むので微細なエッジを捉えて身体にしっかり力を伝える力がある。
ヒールフック・トウフック性能もかなりハイレベル。
固めのエッジングシューズという個性を損なうことなく万能性を獲得しているこのデザインは素晴らしい。
瑞垣や小川山に行くのなら、持って行く靴は最悪これ1足あれば十分かもしれない。
そして頑丈さ、という点も評価できる。
全体の作りがかなりしっかりしているので、よほどおかしな使い方をしない限り部分的に壊れたり変なところからはがれ始めたりがしにくい。ビブラムXSedgeのソールは外岩の粗く鋭いフットホールドに乗り続けても磨り減りづらい。
遠慮せずに酷使しやすいというところも便利屋っぽくていい。
豊田のきりきり舞い(二段)はこの靴の剛性とヒール・トウフック性能によってばっちり安定感が得られた。自分の中で最も難しい二段だと思っているハッパマシンガン(二段)もこの靴の性能に助けられている。
◎フューチュラ(SP)
履けば履くほど良いところが見えてくるシューズ。
ノーエッジシステムの良いところはスピードスターの項でも前述したが、フューチュラではスピードスターのほぼ唯一の欠点であるヨレやすさ、脱げやすさを克服している。
もうほぼ死角のない靴だ。
「エッジが無いから小さいホールドには乗れないんでしょう?」
違います。
そう思っている人は単にまだノーエッジでの小さいホールドの捉え方を知らないだけ。
捉え方さえわかってしまえば、小さいホールドでもかなりの安定感で捉えることができる。ハンパなエッジングシューズよりもむしろ安定感は増すとすら言える。
とはいえ、さすがにスラブでは不利が出る。
と、最近まで僕も思っていたけど、実際に色々試してみると、スラブですら行ける。
ただ柔らかいだけではなく、実は芯には結構剛性もあり、身体をしっかり支えてくれる。
なにより抜群の足裏感覚。どんな傾斜の壁を登っていたとしても、今の自分のバランスがどうなっているのか、足裏からの情報で把握することができる。
足裏感覚が良いって、それはソフトシューズ全般に言えることなんじゃないの?と言われるかもしれない。
足裏からの情報量は、ホールドとソールの接地面積の広さに比例する。
ノーエッジではもちろんエッジ有りにくらべて接地面積は広くなる。
つまりはそういうことです。
とにかく安定感がある。そして自分の意思が伝わる。
エッジのあるシューズでは再現できない様々な小技もある。
上手くなりたいのであればこの靴を履きなさい、と言いたい。
唯一の欠点は高額であること。
そのおかげで多くのクライマーから敬遠されているが、その質さえ理解すれば、決してコストパフォーマンスは低くないということをみんなにわかって貰いたい。
多彩な足技が要求されるハリガネムシ(二段)や、ミラルパ(三段)あたりがこの靴の性能とマッチしていた。以前戸河内にソロで行って初段~二段の課題を色々登った時はすべてこの靴でこなせてしまった。
○ドラゴン(5.10)
ドマイナーな課題だけど、三重県某所にあるかんぱち(初段)という課題のスタート時の極小フットホールドを、当時自分が持っていた靴の中で最も上手く捉えられたのはこの靴だった。さすがに爪先の力は凄まじいと思わされた。
◎ミウラーVS W's(SP)
ミウラーW'sとこちら、どちらを履くべきかは非常に迷うところ。
性能的にはかなり近しいが、エッジング性能に関しては若干こちらに軍配があがる。
かわりにヒールフック性能に関してはこちらが若干劣る。
その理由はどちらとも、この靴のダウントウの強さにある。
靴全体が大きく弓なりにダウントウしているため、エッジングの際の力の伝達力はやはり強い。
しかしその弓なり形によって、ヒール部が若干踵の下に向きやすくなっているため、ヒールフック時に大きな力を加えた時、若干脱げ易い。ヒールのかかり自体は抜群であるが故でもある。
LLTのニンギルスを登った際、この靴では右足が脱げてしまうということが何度かあった。
ミウラーW'sに履き替えたらそれは無かった。
単純に性能をプラスマイナスで合計するなら、ほぼ同等。どちらを選ぶかはほとんど好みの問題といってもいいかもしれない。
僕の場合は求める要素とか、手持ちのほかの靴との兼ね合いとかの関係で、今はミウラーW'sのほうを採用している。
初めての四段、ボブを登らせてくれたこの靴には心から感謝している。
○スクワマ(SP)
ソリューションやフューチュラと比較されることの多いこの靴だが、
僕はどちらかといえばパイソンと比較されるべき靴かと思う。
パイソンの柔らかさ、融通のききやすさを残しつつ(あるいは高めつつ)、エッジング性能、ヒールフック性能、トウフック性能に安定性を増している。
ただ、爪先のみエッジを立て、サイド部をノーエッジとしているこの処理はそれほど大きなメリットを持ってはいないと感じる。
それよりも、ノーエッジとエッジの境目あたりからソールが剥がれはじめやすいというデメリットのほうが目立つ。やはりあまり自然でない作りは無理を生じやすいということなのではないだろうか。
ヒールは最新のSヒールシステムという形状。このヒールに関しては可もなく不可もなくといったところだろうか。少なくともミウラー系統のヒールに勝るということは無い。
性能として特筆して悪い点は無いが、抜群に良い部分もあるわけではないという印象。
足入れは良く、履き心地も良いのでジムシューズとしては優秀。
だがやはり全体的に脆い感じがするので日々のトレーニングシューズとしては使いづらい感じもする。
この脆ささえなければ第一線で使い続けられる性能自体はあるが・・・
この靴はまだ「実験段階」なのではないかという気がする。
このスクワマの後継機がどうなるのかというのが楽しみなところ。
◎ソリューション(SP)
なんだかんだ言って超高性能。
どちらかといえば僕はこの靴は足型が合わない。
そして履き始めて暫くは(ノーエッジの抜群の足裏感覚に慣れていたのもあって)この靴の足裏感覚の無さにかなり戸惑うことになった。
正直言ってあまり好みの靴ではない。
ただ、好みとか好みじゃないとかいう問題じゃない領域で、やはり絶対的にこの靴は性能が高い。
独特のヒール形状は、たまに苦手なホールドがあるが、基本的には優秀。
エッジング性能、トウフック性能もかなりハイレベル。
車に喩えるなら、フューチュラはMT車、ソリューションはAT車といった印象。
フューチュラは自分で色々なところを気をつけなくてはいけないけど、自分の技術にしっかりと靴が応えてくれる。細かい調整を自分がすればそれをホールドに伝えることができる。
ソリューションはそういった細かい調整がしづらい。足裏からの情報量が乏しいので、どういった調整が必要なのかが感じ取りづらいというのもある。しかしソリューションの場合、そもそも自分で細かい調整などする必要が無い。ある程度適切な足の置き方さえしてしまえば、あとは勝手に靴のほうがやってくれる。
フューチュラは「自分の足で踏んでいる」感覚。
ソリューションは「靴が踏んでくれてる」感覚。
その、靴が踏んでくれている感覚がはじめのうちはイマイチしっくり来なかったが、履きなれてきてきて信頼感が増してくると、そのオートマチック感も楽で良いと感じる。
改めて、非常に高性能。
グレード更新の手助けになってくれる靴だと思う。
ただしそれゆえに危ういシューズでもあると思う。
爪先が独特の間合いを持っているというのもあり、まだ技術が育っていない時期からソリューションを履いてしまうと、ソリューション以外の靴では上手く登れなくなってしまうかもしれない。
最近ムタンテ(四段-)を登った時に、この靴のポテンシャルを思い知らされた。
-チームvxi(5.10)
自分の回りの強いクライマー達がこぞって絶賛するので購入。
うーん。
今のところあまり好きになれていない。
フリクションの良さ、足入れの良さ、履き心地の良さ、足裏感覚の良さ。
そのへんは理解できる。
が、自分のなかではフューチュラとチーム5.10に及ばない。
フューチュラは足裏感覚の良さに加えてそのなかに芯の強さがある。
チーム5.10は爪先の一点で掻きこめる形状の強さがある。
vxiはまあ、良くも悪くも「まるで裸足で登っているよう」。
強く踏み込んだとき、靴が負けてしまう感覚すらしっかりと伝わってくる。
そういえばこの靴を絶賛している身の回りのクライマーはみんなフィジカルモンスターだった。
腕の引きが強すぎて足から加重が抜け気味になり、強傾斜で足が切れがちの癖があるクライマーはすぐにこの靴のメリットを実感するんだろうと思う。
僕はどちらかといえば腕の引きの強さはあまり無く、足に強く加重をかけて登る癖のほうを持っているから、体重が浮いたときに抜けにくい粘りの良さよりも強く踏み込んだ時の頼りなさのほうが気になってしまう。
トウフック性能は今まで履いた靴の中でも1、2を争うほど良いと思う。
逆にヒールフック性能は今まで履いた靴の中でワースト1、2を争う。
まあ
この靴に関しては履き始めてからほとんど時間が経っていないので、まだ僕が良さに気づききれていないという可能性もある。
そういえばインスティンクトVSもその良さに本格的に気づき始めたのは履き始めてから半年以上経ってからだった。
この靴に関してはもう少し履きこむまで判断を保留したい。
・・・
ということで、こんな感じ。
最後にハッキリ言いたいのは、
これはあくまで僕の個人的な感想でしかないということ。
体格や足型や登りの癖やなんかで感じることは全然違うと思うし、僕が嫌いな靴を大好きだという人や、僕が大好きな靴をクソシューズと思う人も居ると思う。
「一番良いシューズってなんですか?」
みたいな質問をされることが最近ある。
その質問には正直、答えようがない。
一番良いシューズなんてものは存在しないからだ。
例えば「花崗岩の結晶に一番乗りやすい靴はなんですか?」とかならまだ答えようはあると思うが、
一番「良い」っていうのは多分無い。
自転車の種類なんかと一緒だと思う。
公道で一番速い自転車はロードバイクだろうし、オフロードを自在に走りたいのならMTBが一番良い。普段の買い物に使いたいのならそれらよりもママチャリのほうが断然使いやすい。
「一番良い自転車」なんて存在しない。
こういう道具の評価は、直線的に絶対値で表せる良い悪いがあるものじゃなくて、
自分が求めている要素にマッチしているかどうかが評価に繋がるんだと思う。
状況によって求められるものが違うからその分だけ道具の種類も増えるんだから。
上に並べたシューズたちも、
△とか×とかをつけたシューズは、僕の求める要素を持っていなかったというだけで、
◎とか○とかをつけたシューズは、僕の求める要素を持ってたというだけだ。
なので結局この評価も言わば「時価」のようなもので、
未熟な僕が浅い経験から抱く一時的な感想でしかない。
しかし、現状での自分のそれぞれのシューズへの思いを
忌憚無く、過不足無く述べられていると思う。
もし
次はどんなシューズを履こうか?
と悩んでいる人がこの駄文を少しでも参考にして、
そしてそのおかげで後悔しないシューズ選びが出来たと思ってくれれば幸いである。
というふうに前述したが、その全体のバランスということに関してこの靴はほぼ非の打ち所が無い。
ソールが硬いので最近のボリュームホールドやハリボテを多用するジム環境、あるいはチャート系の岩質ではうまくマッチしないこともあるかもしれない。
しかし、花崗岩や凝灰岩などの岩質においてはその硬さは抜群のエッジング性能を生む。
靴全体の一体感が高く、それが剛性を生むので微細なエッジを捉えて身体にしっかり力を伝える力がある。
ヒールフック・トウフック性能もかなりハイレベル。
固めのエッジングシューズという個性を損なうことなく万能性を獲得しているこのデザインは素晴らしい。
瑞垣や小川山に行くのなら、持って行く靴は最悪これ1足あれば十分かもしれない。
そして頑丈さ、という点も評価できる。
全体の作りがかなりしっかりしているので、よほどおかしな使い方をしない限り部分的に壊れたり変なところからはがれ始めたりがしにくい。ビブラムXSedgeのソールは外岩の粗く鋭いフットホールドに乗り続けても磨り減りづらい。
遠慮せずに酷使しやすいというところも便利屋っぽくていい。
豊田のきりきり舞い(二段)はこの靴の剛性とヒール・トウフック性能によってばっちり安定感が得られた。自分の中で最も難しい二段だと思っているハッパマシンガン(二段)もこの靴の性能に助けられている。
◎フューチュラ(SP)
履けば履くほど良いところが見えてくるシューズ。
ノーエッジシステムの良いところはスピードスターの項でも前述したが、フューチュラではスピードスターのほぼ唯一の欠点であるヨレやすさ、脱げやすさを克服している。
もうほぼ死角のない靴だ。
「エッジが無いから小さいホールドには乗れないんでしょう?」
違います。
そう思っている人は単にまだノーエッジでの小さいホールドの捉え方を知らないだけ。
捉え方さえわかってしまえば、小さいホールドでもかなりの安定感で捉えることができる。ハンパなエッジングシューズよりもむしろ安定感は増すとすら言える。
とはいえ、さすがにスラブでは不利が出る。
と、最近まで僕も思っていたけど、実際に色々試してみると、スラブですら行ける。
ただ柔らかいだけではなく、実は芯には結構剛性もあり、身体をしっかり支えてくれる。
なにより抜群の足裏感覚。どんな傾斜の壁を登っていたとしても、今の自分のバランスがどうなっているのか、足裏からの情報で把握することができる。
足裏感覚が良いって、それはソフトシューズ全般に言えることなんじゃないの?と言われるかもしれない。
足裏からの情報量は、ホールドとソールの接地面積の広さに比例する。
ノーエッジではもちろんエッジ有りにくらべて接地面積は広くなる。
つまりはそういうことです。
とにかく安定感がある。そして自分の意思が伝わる。
エッジのあるシューズでは再現できない様々な小技もある。
上手くなりたいのであればこの靴を履きなさい、と言いたい。
唯一の欠点は高額であること。
そのおかげで多くのクライマーから敬遠されているが、その質さえ理解すれば、決してコストパフォーマンスは低くないということをみんなにわかって貰いたい。
多彩な足技が要求されるハリガネムシ(二段)や、ミラルパ(三段)あたりがこの靴の性能とマッチしていた。以前戸河内にソロで行って初段~二段の課題を色々登った時はすべてこの靴でこなせてしまった。
○ドラゴン(5.10)
チーム5.10の性能に満足したころ、更なる掻きこみ力を求めて購入。
基本性能はやはりチーム5.10と似ている。チーム5.10のソールがステルスHFに変更されたことでその違いはさらに無くなって来たように思う。
レースアップである分、足入れはチーム5.10よりも良いが、結局紐を締める煩わしさはある。このへんは好みの問題もあると思う。
レースアップであるメリットとしての掻きこみ力の強化を期待していたのだが、その点でチーム5.10との大きな違いはそれほど感じなかった。そうである以上、トータルバランスと万能性に勝るチーム5.10のほうを僕は採用したい。
ドマイナーな課題だけど、三重県某所にあるかんぱち(初段)という課題のスタート時の極小フットホールドを、当時自分が持っていた靴の中で最も上手く捉えられたのはこの靴だった。さすがに爪先の力は凄まじいと思わされた。
◎ミウラーVS W's(SP)
ミウラーW'sとこちら、どちらを履くべきかは非常に迷うところ。
性能的にはかなり近しいが、エッジング性能に関しては若干こちらに軍配があがる。
かわりにヒールフック性能に関してはこちらが若干劣る。
その理由はどちらとも、この靴のダウントウの強さにある。
靴全体が大きく弓なりにダウントウしているため、エッジングの際の力の伝達力はやはり強い。
しかしその弓なり形によって、ヒール部が若干踵の下に向きやすくなっているため、ヒールフック時に大きな力を加えた時、若干脱げ易い。ヒールのかかり自体は抜群であるが故でもある。
LLTのニンギルスを登った際、この靴では右足が脱げてしまうということが何度かあった。
ミウラーW'sに履き替えたらそれは無かった。
単純に性能をプラスマイナスで合計するなら、ほぼ同等。どちらを選ぶかはほとんど好みの問題といってもいいかもしれない。
僕の場合は求める要素とか、手持ちのほかの靴との兼ね合いとかの関係で、今はミウラーW'sのほうを採用している。
初めての四段、ボブを登らせてくれたこの靴には心から感謝している。
○スクワマ(SP)
ソリューションやフューチュラと比較されることの多いこの靴だが、
僕はどちらかといえばパイソンと比較されるべき靴かと思う。
パイソンの柔らかさ、融通のききやすさを残しつつ(あるいは高めつつ)、エッジング性能、ヒールフック性能、トウフック性能に安定性を増している。
ただ、爪先のみエッジを立て、サイド部をノーエッジとしているこの処理はそれほど大きなメリットを持ってはいないと感じる。
それよりも、ノーエッジとエッジの境目あたりからソールが剥がれはじめやすいというデメリットのほうが目立つ。やはりあまり自然でない作りは無理を生じやすいということなのではないだろうか。
ヒールは最新のSヒールシステムという形状。このヒールに関しては可もなく不可もなくといったところだろうか。少なくともミウラー系統のヒールに勝るということは無い。
性能として特筆して悪い点は無いが、抜群に良い部分もあるわけではないという印象。
足入れは良く、履き心地も良いのでジムシューズとしては優秀。
だがやはり全体的に脆い感じがするので日々のトレーニングシューズとしては使いづらい感じもする。
この脆ささえなければ第一線で使い続けられる性能自体はあるが・・・
この靴はまだ「実験段階」なのではないかという気がする。
このスクワマの後継機がどうなるのかというのが楽しみなところ。
◎ソリューション(SP)
なんだかんだ言って超高性能。
どちらかといえば僕はこの靴は足型が合わない。
そして履き始めて暫くは(ノーエッジの抜群の足裏感覚に慣れていたのもあって)この靴の足裏感覚の無さにかなり戸惑うことになった。
正直言ってあまり好みの靴ではない。
ただ、好みとか好みじゃないとかいう問題じゃない領域で、やはり絶対的にこの靴は性能が高い。
独特のヒール形状は、たまに苦手なホールドがあるが、基本的には優秀。
エッジング性能、トウフック性能もかなりハイレベル。
車に喩えるなら、フューチュラはMT車、ソリューションはAT車といった印象。
フューチュラは自分で色々なところを気をつけなくてはいけないけど、自分の技術にしっかりと靴が応えてくれる。細かい調整を自分がすればそれをホールドに伝えることができる。
ソリューションはそういった細かい調整がしづらい。足裏からの情報量が乏しいので、どういった調整が必要なのかが感じ取りづらいというのもある。しかしソリューションの場合、そもそも自分で細かい調整などする必要が無い。ある程度適切な足の置き方さえしてしまえば、あとは勝手に靴のほうがやってくれる。
フューチュラは「自分の足で踏んでいる」感覚。
ソリューションは「靴が踏んでくれてる」感覚。
その、靴が踏んでくれている感覚がはじめのうちはイマイチしっくり来なかったが、履きなれてきてきて信頼感が増してくると、そのオートマチック感も楽で良いと感じる。
改めて、非常に高性能。
グレード更新の手助けになってくれる靴だと思う。
ただしそれゆえに危ういシューズでもあると思う。
爪先が独特の間合いを持っているというのもあり、まだ技術が育っていない時期からソリューションを履いてしまうと、ソリューション以外の靴では上手く登れなくなってしまうかもしれない。
最近ムタンテ(四段-)を登った時に、この靴のポテンシャルを思い知らされた。
-チームvxi(5.10)
自分の回りの強いクライマー達がこぞって絶賛するので購入。
うーん。
今のところあまり好きになれていない。
フリクションの良さ、足入れの良さ、履き心地の良さ、足裏感覚の良さ。
そのへんは理解できる。
が、自分のなかではフューチュラとチーム5.10に及ばない。
フューチュラは足裏感覚の良さに加えてそのなかに芯の強さがある。
チーム5.10は爪先の一点で掻きこめる形状の強さがある。
vxiはまあ、良くも悪くも「まるで裸足で登っているよう」。
強く踏み込んだとき、靴が負けてしまう感覚すらしっかりと伝わってくる。
そういえばこの靴を絶賛している身の回りのクライマーはみんなフィジカルモンスターだった。
腕の引きが強すぎて足から加重が抜け気味になり、強傾斜で足が切れがちの癖があるクライマーはすぐにこの靴のメリットを実感するんだろうと思う。
僕はどちらかといえば腕の引きの強さはあまり無く、足に強く加重をかけて登る癖のほうを持っているから、体重が浮いたときに抜けにくい粘りの良さよりも強く踏み込んだ時の頼りなさのほうが気になってしまう。
トウフック性能は今まで履いた靴の中でも1、2を争うほど良いと思う。
逆にヒールフック性能は今まで履いた靴の中でワースト1、2を争う。
まあ
この靴に関しては履き始めてからほとんど時間が経っていないので、まだ僕が良さに気づききれていないという可能性もある。
そういえばインスティンクトVSもその良さに本格的に気づき始めたのは履き始めてから半年以上経ってからだった。
この靴に関してはもう少し履きこむまで判断を保留したい。
・・・
ということで、こんな感じ。
最後にハッキリ言いたいのは、
これはあくまで僕の個人的な感想でしかないということ。
体格や足型や登りの癖やなんかで感じることは全然違うと思うし、僕が嫌いな靴を大好きだという人や、僕が大好きな靴をクソシューズと思う人も居ると思う。
「一番良いシューズってなんですか?」
みたいな質問をされることが最近ある。
その質問には正直、答えようがない。
一番良いシューズなんてものは存在しないからだ。
例えば「花崗岩の結晶に一番乗りやすい靴はなんですか?」とかならまだ答えようはあると思うが、
一番「良い」っていうのは多分無い。
自転車の種類なんかと一緒だと思う。
公道で一番速い自転車はロードバイクだろうし、オフロードを自在に走りたいのならMTBが一番良い。普段の買い物に使いたいのならそれらよりもママチャリのほうが断然使いやすい。
「一番良い自転車」なんて存在しない。
こういう道具の評価は、直線的に絶対値で表せる良い悪いがあるものじゃなくて、
自分が求めている要素にマッチしているかどうかが評価に繋がるんだと思う。
状況によって求められるものが違うからその分だけ道具の種類も増えるんだから。
上に並べたシューズたちも、
△とか×とかをつけたシューズは、僕の求める要素を持っていなかったというだけで、
◎とか○とかをつけたシューズは、僕の求める要素を持ってたというだけだ。
なので結局この評価も言わば「時価」のようなもので、
未熟な僕が浅い経験から抱く一時的な感想でしかない。
しかし、現状での自分のそれぞれのシューズへの思いを
忌憚無く、過不足無く述べられていると思う。
もし
次はどんなシューズを履こうか?
と悩んでいる人がこの駄文を少しでも参考にして、
そしてそのおかげで後悔しないシューズ選びが出来たと思ってくれれば幸いである。
2017年7月25日火曜日
反省
久しぶりの休日。
やることは一つ。
もちろん行き先は神戸。
と言いたいところだけど、またしても前日に雨。
一縷の希望を抱きつつ、早起きして外に出ると、やはり道路は濡れていた。
まず間違いなく神戸の岩は濡れている。
先週の無駄足を思い出したのもあるし、
ここ数日の連勤で気力体力ともに磨耗していたので、
今日のところは思い切って神戸行きはやめることにした。
とはいえせっかく早起きしてしまったので、せめて午前中くらいは何かしたい。
とりあえず御岳に向かい、乾いていそうな岩を見つけて簡単な課題を1本くらい登ってこようと決めた。
そこで思いついた課題は
魅惑の丸こんにゃく(二段)
この課題は4年前くらいに一度見たことがあるだけで、
当時僕はスローパーという形状を蛇蝎のごとく嫌っていて、かつ二段というグレードは自分にとってかなり厳しいものだったので、その時は触りもせずに尻尾巻いて逃走。
魅惑の丸こんにゃくは当時の自分の「登れそうに無い課題リスト」の末席に名を連ねることになった。
とはいえ4年の月日経て成長した今の自分なら、それほど労せずとも登れるだろうと高をくくっていた。
すいません、舐めてました。
まあ、未だに自分はスローパーが弱点であることには変わりないんだなあ、と思い知らされた。
1時間くらいあれば登れるだろうと思い、水分をソルティライチ500ml1本しか持って行かなかったのも悪かった。
今日の蒸し暑さでは500mlなど30分あまりですべて消費することになってしまった。
打ち始めてから2時間目くらい、
のどはカラカラで身体はヘトヘトな状態まで追い込まれ、やっとのことで登ることができた。
途中足が切れまくりで、かなり不恰好な登りになってしまったが、もうこれ以上長引かせたくないという気持ちで強引にゴリ押した。
すっかり疲れたので、もう午後はのんびり過ごすことにしよう。
やることは一つ。
もちろん行き先は神戸。
と言いたいところだけど、またしても前日に雨。
一縷の希望を抱きつつ、早起きして外に出ると、やはり道路は濡れていた。
まず間違いなく神戸の岩は濡れている。
先週の無駄足を思い出したのもあるし、
ここ数日の連勤で気力体力ともに磨耗していたので、
今日のところは思い切って神戸行きはやめることにした。
とはいえせっかく早起きしてしまったので、せめて午前中くらいは何かしたい。
とりあえず御岳に向かい、乾いていそうな岩を見つけて簡単な課題を1本くらい登ってこようと決めた。
そこで思いついた課題は
魅惑の丸こんにゃく(二段)
この課題は4年前くらいに一度見たことがあるだけで、
当時僕はスローパーという形状を蛇蝎のごとく嫌っていて、かつ二段というグレードは自分にとってかなり厳しいものだったので、その時は触りもせずに尻尾巻いて逃走。
魅惑の丸こんにゃくは当時の自分の「登れそうに無い課題リスト」の末席に名を連ねることになった。
とはいえ4年の月日経て成長した今の自分なら、それほど労せずとも登れるだろうと高をくくっていた。
すいません、舐めてました。
まあ、未だに自分はスローパーが弱点であることには変わりないんだなあ、と思い知らされた。
1時間くらいあれば登れるだろうと思い、水分をソルティライチ500ml1本しか持って行かなかったのも悪かった。
今日の蒸し暑さでは500mlなど30分あまりですべて消費することになってしまった。
打ち始めてから2時間目くらい、
のどはカラカラで身体はヘトヘトな状態まで追い込まれ、やっとのことで登ることができた。
途中足が切れまくりで、かなり不恰好な登りになってしまったが、もうこれ以上長引かせたくないという気持ちで強引にゴリ押した。
すっかり疲れたので、もう午後はのんびり過ごすことにしよう。
2017年7月18日火曜日
雨雨雨ー!
大抵の場合、
多数派の意見が採用され、少数派の意見は圧殺される。
まあ、それが悪いことだとは思わない。
そのほうが自然なことだし、
そのほうが世の中の幸せの総量は多くなるんだろうと思う。
しかし、
自分が少数派の立場に立ってしまった時に、
それを理不尽だ!と憤ってしまうのもまた人として自然な感情の発露だと許してほしい。
この三連休、
東京近辺はとても良い天気だった。
連休最終日の17日の夜に少し雨が降ったものの、
行楽に耽っていた人達が家に帰り着いた後くらいの絶妙のタイミングだった。
おそらく、
たくさんの人が祈ったんだろうと思う。
「この三連休は天気がよくなりますように」
さすがお天道様、その願いをしっかり叶えてくれたようで。
ただ、
僕のように、三連休は仕事で、その明けの今日が休みって人間の願いまでは
さすがにフォローしてくれなかったようですね。
連勤で疲れた身体を叱咤し、
久しぶりに神戸へと向かったが、
やはり雨の影響で岩はズブ濡れだった。
前日の雨は言っても小雨程度だったので、
運が良ければそこまで派手には濡れていないはず。
そんな風に祈ってはいたけれどやはり現実はそう甘くは無かった。
ズブズブに岩は濡れていた。
おまけに蒸し暑かったし、地面も濡れているし、午後からまた雨の降る予報だったというのもあり、
すっかり意気消沈した僕は今日のところはあっさり引き上げることにしてしまった。
そして帰り道、
どうにもせっかくだから岩を登りたいという気持ちが抑えきれず、
御岳なら登れる岩もあるかもしれない、と思い
薄い期待を持ちつつ進路変更。
そういえば、
メインエリアから少し離れたところに
田中君(二段)
という面白い課題のある岩があるというのを聞いていて、
何かの機会に登ってみようと思っていたのを思い出した。
なんとなく中途半端な気持ちの今日みたいな日は、
そういう新しい課題をやるのがいいんじゃないかと思い、そちらに向かってみる。
岩を確認すると、
なんとほとんど濡れていない!
一気に気分が上がり、意気揚々と岩に取り付いた。
が、
なにせ暑い。
それにほとんど濡れていないといってもやはりコンディション良好とは言えない。
さらにそれなりに高さのある岩で、かつ核心はリップ付近。
ビビリながらムーブを探っているとすっかり疲れてしまった。
確か天気予報では夕方くらいから雨が降り始める予報で、
田中君の岩に着いたのがちょうど12時くらい。
3~4時間くらいはのんびりできる計算なんだからゆっくりやろう、と
ちかくのせせらぎで水遊びなんかをしながら休んでいると、
突然の雷。
あ、
これはまずい、と思い、慌てて登った。
猶予が無いと思えば意外と登れるもので、結局繋げのトライとしては1回目で登れてしまった。
で、
登れたのはいいけど、
岩をブラッシングしてマットを片付けている最中になんと早速雨が降り始める。
危なかった。
あの1回で登れてなかったら強制タイムアップになるところだった。
結局1時間くらいしか岩の前にいることができなかった。
そして小雨の降る中急いで車まで戻ると、
雨は一気にその勢いを増した。
ひどい雨になった。
泣くのを我慢して我慢して我慢しきったあとに突然かんしゃくを起こした子供みたいな、
無秩序で無遠慮で、ただ勢いだけがある雨だった。
その後、僕がスーパーやら古本屋やらに寄り道して買い物をしてから家に帰るまでの約2時間ほど、
雨はなんの脈絡もドラマツルギーも無く、唐突に激しく降ったりぴたりと止んだりを繰り返した。
遠くの空で稲光が走るのを何度も見た。
僕が家に着いた時には雨はすっかり止み、玄関の外にはただペトリコールの匂いが広がっているだけだった。
本当に子供のかんしゃくのような雨だった。
一通り感情を爆発させたあとは、気が済んだようにおとなしくなる。そんな感じ。
あるいはこれは本当にただのかんしゃくだったのかもしれない。
お天道様が、
この三連休、日本のこどもたちの照る照る坊主攻めによって溜まったストレスを爆発させたのかもしれない。
ただ、そのとばっちりを受けるのはそれと全然関係ない人間なんだよなあ。
まあ天気っていうのはいつだって理不尽なもので、
それを感じながら登るっていうのが岩を登ることのひとつの醍醐味なんだ。
なんて、自分を慰めながら今日はあとはふて寝することにしよう。
2017年7月10日月曜日
特に何も登れてません
カノトのコンディション不安定過ぎでしょ!!!
いや違うな。
ある意味安定してるか。
なにせ、7月に入ってから二度行ったが二度とも完全に濡れていた。
前日が雨だろうと晴れだろうとおかまいなしに濡れ濡れでいやがった。
おかげでキッチンペーパーを1日1巻きずつ使い切るわ
チョークはいつもの3倍以上は消費するわ……
まあそれでも、少しでも練習になるならば行く意味はある。
現状、
コンディションが悪かろうと良かろうとGingaが登れる気配は無い。
完全に長期戦の構えだ。
一日打って、一手進めば大収穫。
新たなムーブが起きなくても、解決済みの箇所が少しでもスムーズになればそれでも良い。
誰がなんと言おうと、100と101は違う。
最近は四段の課題を登ることもできてきていて、
おかげで人から
「四段を登るのに必要なことはなんですか?」
というような質問をされることが増えてきた。
そのたびに僕は
「根気です」
と答えている。
何度も言ってるし、多分このブログ内でも何度か書いたことあるかと思うけど、
二段くらいの課題を実力で登ることができる人ならば、
あきらめずに打ち込み続ければ四段くらいの課題はなんとか登ることができるはずだ。
(もちろん、課題の相性や性質次第でもある)
実際、僕は四段はおろか三段の課題でさえ、
実力だけでねじ伏せたことなんて一度も無い。
ひとつの課題に長時間向き合って、粘って、考えて、打ち込んで、それで結果的に登れたというだけのことだ。
まあしかし、ただやみくもに難しい課題に向かって行き続けることなんて普通はできない。
ただただ失敗を繰り返すだけでもモチベーションが保てるならそれはただのマゾだ。
自分の能力に対してあまりに高すぎる目標にはなかなか人は向かっていけない。
そういう、困難に対しての向き合い方について僕は
デカルトの言葉に従うことにしている。
「困難なことはすべて、扱うことができ、解決が必要な部分へと分割せよ」
なんか難しいこと言ってるなー、と思われるかもしれないけど、
なんとなくピンとくる人も多いと思う。
例えば、
長距離走をしていて、もう疲れ果てているのに残りの距離がまだまだ残っているって時、
遠くのゴールのことを思ったら心が折れるかもしれないけど、
「とりあえずあと1kmこのペースで走ろう」
とか
「あの電柱までは頑張ろう」
とか
そんな風に思えば少しは頑張れて、
そして目標の電柱を過ぎたらまた次の電柱を見つけて……
と、それを繰り返していくうちにゴールが近づいてくる。
こういうふうにして嫌いなマラソンを乗り切った人は多いと思う。
かなり単純に噛み砕いて言えば、これも「困難は分割せよ」に通じるってことだ。
僕は現状「五段を登る」ってのは途方も無く困難な目標に感じていて、
それだけじゃ具体的に何をどうしたらいいかわからないけど、
それを
「Gingaを登りたい」にして、実際打ち込んで、出来ないムーブを探って、
核心のポケットを保持しきる力が足りなくて、そのために指を鍛えて、
同時に岩にも通ってムーブの方向性とかを体で分析して……
と。
分割して分割していった具体的な小さな目標を一つ一つクリアしていけば、
それは1本の電柱を迎えたってことだし、
つまりゴールに向かっている、ってことだ。
そして「向かっている」限りは、足を止めない限りはいつかは必ず到達するはずだ。
まあつまりね、
僕は今全然登れない課題をひたすらやり続けているわけだけど、
ただただ失敗だけを繰り返しながらもモチベーションを保ち続けているマゾではないってことですよ。
失敗だけしてるように見えても実際僕の中では分割された小さな目標の達成をひとつひとつ楽しんでいるんですよってこと。
2017年6月20日火曜日
「力が欲しい!」
さて、
三峰の杯に寄り道したり、
雨によって予定が狂わされたりしたけれど、
今日は行けました、久しぶりの神戸
密かに今年の目標として掲げている
Ginga(四段+)と
タイタン(五段)に
漸く着手することができた。
まず手始めに登るのは
和(初段)
岩の左端からトラバースしてきて、
この和で抜けるとGingaになる。
そしてこの
プログレス(二段)
で抜けるとタイタンになるということだ。
登ってみると、この二つの課題の間には確かに1グレードの差が存在していて、
もしGingaをギリギリで登れたとしても、タイタンは登れないだろうという感触はある。
あわよくばGingaを無視していきなりタイタンやろうという気持ちも無いではなかったが、
今の自分の実力でそれをやろうとするのはあきらかに蛮勇だ。
まずはGingaから。
というか、
『まずは』もなにも、まずGingaができない。
プログレスを登った後に意気揚々とGingaのバラしに入ったけど、
中盤のポケットを持ってから和のスタートに繋げるまでの一連のムーブがとにかく悪い。
特に、恐らく最大の核心と見られるデッドでのガストン止めは、
少なくとも今日の段階では絶望を感じる。
あまりの出来なさに、
気分転換にディエス(初段+)を登ってみた。
フィジカルがヨレているころにうってつけの精神系の課題だった。
これがやはりいい気分転換になったのか
その後核心ガストン以外のムーブは一応起こすことができた。
(それでも、1手1手やれば一応成立する、というレベルだけど)
まあ一つ言えるのは指のパワー不足。
ムーブの錬度を上げたりしていけば多少は繋がる可能性は見えてくるかもしれないが、
現状の自分の能力値のままで完登するためには、
完璧に近いムーブを完璧なタイミングとリズムで全手で実現して、
それで漸く出来るかどうかという、宝くじみたいな確率の話になってしまう。
鍛えなければ。
技とか慣れとか道具とかで誤魔化せない領域ってのはある。
力だよ力!
技も必要だけどまずは力!
戸愚呂も言ってるよ
少なくとも片手2本指でロックオフくらいは楽に出来るようになっておかないと話にならない。
今まで技に頼り続けてきたツケが今回ってきたと思おう。
この夏はひたすら指のパワーを鍛えるしかない!!
三峰の杯に寄り道したり、
雨によって予定が狂わされたりしたけれど、
今日は行けました、久しぶりの神戸
密かに今年の目標として掲げている
Ginga(四段+)と
タイタン(五段)に
漸く着手することができた。
まず手始めに登るのは
和(初段)
岩の左端からトラバースしてきて、
この和で抜けるとGingaになる。
そしてこの
プログレス(二段)
で抜けるとタイタンになるということだ。
登ってみると、この二つの課題の間には確かに1グレードの差が存在していて、
もしGingaをギリギリで登れたとしても、タイタンは登れないだろうという感触はある。
あわよくばGingaを無視していきなりタイタンやろうという気持ちも無いではなかったが、
今の自分の実力でそれをやろうとするのはあきらかに蛮勇だ。
まずはGingaから。
というか、
『まずは』もなにも、まずGingaができない。
プログレスを登った後に意気揚々とGingaのバラしに入ったけど、
中盤のポケットを持ってから和のスタートに繋げるまでの一連のムーブがとにかく悪い。
特に、恐らく最大の核心と見られるデッドでのガストン止めは、
少なくとも今日の段階では絶望を感じる。
あまりの出来なさに、
気分転換にディエス(初段+)を登ってみた。
フィジカルがヨレているころにうってつけの精神系の課題だった。
これがやはりいい気分転換になったのか
その後核心ガストン以外のムーブは一応起こすことができた。
(それでも、1手1手やれば一応成立する、というレベルだけど)
まあ一つ言えるのは指のパワー不足。
ムーブの錬度を上げたりしていけば多少は繋がる可能性は見えてくるかもしれないが、
現状の自分の能力値のままで完登するためには、
完璧に近いムーブを完璧なタイミングとリズムで全手で実現して、
それで漸く出来るかどうかという、宝くじみたいな確率の話になってしまう。
鍛えなければ。
技とか慣れとか道具とかで誤魔化せない領域ってのはある。
力だよ力!
技も必要だけどまずは力!
戸愚呂も言ってるよ
少なくとも片手2本指でロックオフくらいは楽に出来るようになっておかないと話にならない。
今まで技に頼り続けてきたツケが今回ってきたと思おう。
この夏はひたすら指のパワーを鍛えるしかない!!
2017年6月6日火曜日
サカズキ
前回からの予定通り、
杯を今度こそ落とすべく
今日もまた三峰へ。
前回の手ごたえからすると、
今日登れる可能性はそれなりに高いとは思えた。
そして前回よりも気温は若干低く、コンディション面でも僅かに前回よりも良い。
エリアに到着後、
さっさと杯だけをやるたいと逸る気持ちもあったが、
まずはアップにと、近くの岩にあった
奇妙な果実(初段)
を登る。
アップのつもりだったけど、上部で結構アップアップしてしまった。
こういう、恐怖心にピリッと訴えかけてくる課題もいいよね。良課題だった。
心も身体も温まったところで本題の杯へ。
ムーブをひとつひとつ確認した後につなげてみる。
1トライ目では完登を逃すも、明らかに前回よりも楽に登れている感触があり、
ぐっと完登の期待が高まる。
ただ、
バラしでは全く問題ないと思える上部ラスト2手が、
繋げて来るととたんに安定を失う。
フィジカル面のヨレもそうだし、
精神的に怯むというか、大事に行こうとしすぎてしまうのかもしれない。
完全にリラックスしてしまうと力は入らないし、
あまりに気を入れすぎてもそれは気負いになる。
なかなか理想的な精神状態にならない。
メンタルコントロールの方法をなにか確立すべきなんだろうと最近はいつも思う。
でもそんな術は今は持ち合わせていないので、
とりあえず「やる」しかない。
やればできるはず、確率的に。
と
いうことで
やればできる。
なんとか登れた。
落ちるたびに完登が遠のいていくような気がして、
ずいぶん長い時間打った気がしていたけど、
数えてみれば今日まだ4回目のトライだった。
何故か必要以上に追い込まれていたような気がする。
少し欲張りになっているのかもしれない。
以前は四段の課題を打ち込んでいる時は、
「完登に向かっている」というだけで、ある意味上出来だ、と満足できていたみたいなところがあったんだけど、
今は四段の課題を
「完登しなければ」と思ってしまう。
実力が伸びる前に欲ばかりが肥大している。
だが悪くない。
肥大した欲。結構じゃないか。
欲張らなきゃ強くならない。
その肥大した欲に、実力を引っ張らせれば良い。
綺麗なモチベーションだけがモチベーションじゃない。
しかし杯は良い課題だった。
今まで自分が登ってきた課題の中でもベスト3に入るくらいお気に入りになった。
それだけに例のホールドの件は残念。
今回は該当ホールドを無視して登ることが出来はしたけど、
何となくこう、ちいさなケチがついたまま拭いきれないような感触は否めない。
まあ、それも含めて自分の中に飲み込んでいけばいいか。
自己満足だよ自己満足。
追記
リップ左手ホールドも削られているということが判明(ThePo07さん情報ありがとうございます)
やはり初登時の形では登れていない模様。
ちいさなケチどころか明確な落胆。
登れた時点での喜びは嘘にはならないけど、登った後の今の気持ちは確実に盛り下がってる。
声を大にして叫びたい。
チッピング、ダメ、ゼッタイ!
・・・
杯のあとにその横にある無名の三段もやってみたけど、結局登れず。
全力カチを保持出来る弾数は一日に限られているなあ、というのを感じた。
その後、帰る前に何か登って気持ちよく帰ろうということで、
春と修羅(初段)
を登って終了。
これも良い課題だった。
上部に独特のバランスと緊張感があって、
やっぱりこういう課題をやると、岩にあってジムに無い良さっていうのを感じる。
暑かったし、アプローチもキツかったけど、
楽しいね三峰。
さて、気分転換にもなったことだし、
今度はまた神戸にでも通うとするかなー。
2017年5月31日水曜日
自己満足
まだ5月・・・
なのに暑い!
暑すぎる!
ので
今日は三峰へ。
やっぱ川辺のボルダーはいいね。
清々しい。
メイン目的は
杯(四段)
チッピング被害にあった課題ではあるけど、
調べた結果チッピングによって出来たホールドを避けて登ることも出来るらしい。
不幸中の幸い?
チッピングについて思うこととかを言い出すとキリが無いし気分も良くないので、
あまりここでは言及しないことにする。
初めての岩場はとかくワクワクがある。
杯の前にまずは同じ岩にある
涼しいマントル(初段)
でアップをすることに。
……と思いきや、
一撃できてしまったのでいまいちアップにならんかったわ(煽り)
まあ暑くてアプローチもキツくて体は既にぽっかぽか
っつーか既に汗だくではあったのでアップなんてもういらんわ!
と思ったので
早々に杯に入る。
まずはホールドチェック。
なるほど、
これがチッピングホールドか。
確かにガバカチ。
ムーブをバラしてから解ったんだけど、
この1手目のホールドの悪さがこの課題の悪さの半分くらいを担っているので、
これを使ってしまうと全体的にグレードが1~2グレードくらい下がってしまうだろうと思う。
このホールドは意地でも使わない…
というか当然存在しないという扱いで。
そうすれば多分本来のラインに近いカタチで登れるはず。
このホールド以外にもチッピングされてたってことならもう仕方ないや。
(もし何か情報知っている方が居たら教えて下さい)
まあクライミングなんて自己満足の世界。
どう登ろうと自由。
このホールドを使って登る人のことをとやかく言うつもりも無いし、
このホールドを使わず登ることについてとやかく言われたくも無い。
ただし岩を削った輩に対してはとやかく言いたい。
それは自己満足という範疇を著しく超えすぎている。
チッピングして自分が登った後に魔法かなんかでそのホールドを元通り直せるんだったらやってもいいわ。
それなら自己満足だもん。
魔法使えないんだったらやるなや。
あー、違う違う。こういうこと言い始めるとキリがないんだってば。
まあ
さておき
この課題
面白い!
下地が結構怖いけど、それ込みでも面白い。
好きなタイプだ。
最近は結構手数の多い課題を打ち込んできたから、
こういう直登系のハードな課題はすっげー面白い。
ただ、
好きであることと出来るかどうかはまた別であり
なんとか全ムーブをバラすことはできたけど、
完登には至らず。
つなげてくるとラスト2手が悪い!
でも多分次回来れば登れる!
はず!
と思いたい!
次回につなげるために、
もうバラしでも止まらなくなるくらいヨレるまで打ち込んだ。
こういう打ち込みが一番楽しいわやっぱ。
で
最後に
一輪車(初段)
を登って終了。
見た感じパワー使わない系に見えたからヨレてても問題ないと思ったが…
予想通りのバランス系。
1撃は逃したけど2回目で登れた。
杯
次回には登りたい。
そのために明日から1週間ほど、少しいつもよりストイックになろう。
なのに暑い!
暑すぎる!
ので
今日は三峰へ。
やっぱ川辺のボルダーはいいね。
清々しい。
メイン目的は
杯(四段)
チッピング被害にあった課題ではあるけど、
調べた結果チッピングによって出来たホールドを避けて登ることも出来るらしい。
不幸中の幸い?
チッピングについて思うこととかを言い出すとキリが無いし気分も良くないので、
あまりここでは言及しないことにする。
初めての岩場はとかくワクワクがある。
杯の前にまずは同じ岩にある
涼しいマントル(初段)
でアップをすることに。
……と思いきや、
一撃できてしまったのでいまいちアップにならんかったわ(煽り)
まあ暑くてアプローチもキツくて体は既にぽっかぽか
っつーか既に汗だくではあったのでアップなんてもういらんわ!
と思ったので
早々に杯に入る。
まずはホールドチェック。
なるほど、
これがチッピングホールドか。
確かにガバカチ。
この手で持っているホールドが本来の1手目らしい(悪い)。
左にある水平なカチがつくられたホールドらしい(ガバカチ)。
ムーブをバラしてから解ったんだけど、
この1手目のホールドの悪さがこの課題の悪さの半分くらいを担っているので、
これを使ってしまうと全体的にグレードが1~2グレードくらい下がってしまうだろうと思う。
このホールドは意地でも使わない…
というか当然存在しないという扱いで。
そうすれば多分本来のラインに近いカタチで登れるはず。
このホールド以外にもチッピングされてたってことならもう仕方ないや。
(もし何か情報知っている方が居たら教えて下さい)
まあクライミングなんて自己満足の世界。
どう登ろうと自由。
このホールドを使って登る人のことをとやかく言うつもりも無いし、
このホールドを使わず登ることについてとやかく言われたくも無い。
ただし岩を削った輩に対してはとやかく言いたい。
それは自己満足という範疇を著しく超えすぎている。
チッピングして自分が登った後に魔法かなんかでそのホールドを元通り直せるんだったらやってもいいわ。
それなら自己満足だもん。
魔法使えないんだったらやるなや。
あー、違う違う。こういうこと言い始めるとキリがないんだってば。
まあ
さておき
この課題
面白い!
下地が結構怖いけど、それ込みでも面白い。
好きなタイプだ。
最近は結構手数の多い課題を打ち込んできたから、
こういう直登系のハードな課題はすっげー面白い。
ただ、
好きであることと出来るかどうかはまた別であり
なんとか全ムーブをバラすことはできたけど、
完登には至らず。
つなげてくるとラスト2手が悪い!
でも多分次回来れば登れる!
はず!
と思いたい!
次回につなげるために、
もうバラしでも止まらなくなるくらいヨレるまで打ち込んだ。
こういう打ち込みが一番楽しいわやっぱ。
で
最後に
一輪車(初段)
を登って終了。
見た感じパワー使わない系に見えたからヨレてても問題ないと思ったが…
予想通りのバランス系。
1撃は逃したけど2回目で登れた。
杯
次回には登りたい。
そのために明日から1週間ほど、少しいつもよりストイックになろう。
2017年5月21日日曜日
ベストコンディション
5/15(月)
僕は久しぶりにこの男とともに岩の前に立っていた
行き先はやはり神戸
前々日にかなり強い雨が降っていたようで、
コンディションの悪さは予想されたものの、
僕がムタンテ(四段-)をやりたいばかりに強行に付き合ってもらった。
岩に着いてみると、予想以上に濡れていた。
ホールドが湿っているとかいうことではなく、岩全体が濡れていた。
まあそれでも、キッチンペーパーで拭いたり(もはや岩に行くときにキッチンペーパーは必須アイテムと化している)、
チョークをまぶしてブラッシングを繰り返したりしているうちになんとかトライ自体は可能な状態にはなった。
それでもやはり滑る。落ちる。疲れる。
濡れてなければ間違いなく成功するはずのムーブなのに落ちる。
ただ、
そういう環境なのにもかかわらず
楽しかった。
極悪のコンディションであるが故に、逆に結果にこだわらずに純粋に岩と戯れる楽しさみたいなものがあった。
実はこの日一回ムタンテをスタートから繋げてリップまでは行ったんだけど、リップがびしょびしょで結局スリップして落ちてしまった。
その時も、もちろん悔しいという気持ちもあったんだけどなんだか可笑しくって笑ってしまった。逆にすがすがしいくらいだった。
「狙った課題を完登する」という結果だけを求めて岩に行くんだったら、わざわざコンディションの悪い日に行くだけ損だとか考えてしまうかもしれないけど、
そういう日はそういう日なりの楽しさもある。
岩登りってやっぱりどうあっても楽しいんだ、と思った。
・・・
そして
5/21(日)
さすがにもう岩も乾いているだろうとアタリをつけ、
今度は完登という結果を求めて再度神戸へ。
しかし、
どうもここ2~3日の間にまた何度か細かく雨が降ったらしく、
岩は完全には乾いていなかった。
今日は気温も高く、
道路上の温度計は30℃を記録していた。
明らかなバッドコンディションだ。
でも
それでも
この間よりはまだ良い。
終盤だけバラしてリップの状態を確認したところ、少なくとも濡れていない。
この時点で僕はもう今日の完登を確信していた。
「あのコンディションの中でリップまで行ったんだから、多少濡れてるくらいで登れないわけが無い」
そういう自信があった。
その意味でも、あの濡れた岩で登ったことは圧倒的に自分にプラスをもたらしている。
僕は久しぶりにこの男とともに岩の前に立っていた
解る人には解る背中
行き先はやはり神戸
前々日にかなり強い雨が降っていたようで、
コンディションの悪さは予想されたものの、
僕がムタンテ(四段-)をやりたいばかりに強行に付き合ってもらった。
岩に着いてみると、予想以上に濡れていた。
ホールドが湿っているとかいうことではなく、岩全体が濡れていた。
まあそれでも、キッチンペーパーで拭いたり(もはや岩に行くときにキッチンペーパーは必須アイテムと化している)、
チョークをまぶしてブラッシングを繰り返したりしているうちになんとかトライ自体は可能な状態にはなった。
それでもやはり滑る。落ちる。疲れる。
濡れてなければ間違いなく成功するはずのムーブなのに落ちる。
ただ、
そういう環境なのにもかかわらず
楽しかった。
極悪のコンディションであるが故に、逆に結果にこだわらずに純粋に岩と戯れる楽しさみたいなものがあった。
実はこの日一回ムタンテをスタートから繋げてリップまでは行ったんだけど、リップがびしょびしょで結局スリップして落ちてしまった。
その時も、もちろん悔しいという気持ちもあったんだけどなんだか可笑しくって笑ってしまった。逆にすがすがしいくらいだった。
「狙った課題を完登する」という結果だけを求めて岩に行くんだったら、わざわざコンディションの悪い日に行くだけ損だとか考えてしまうかもしれないけど、
そういう日はそういう日なりの楽しさもある。
岩登りってやっぱりどうあっても楽しいんだ、と思った。
・・・
そして
5/21(日)
さすがにもう岩も乾いているだろうとアタリをつけ、
今度は完登という結果を求めて再度神戸へ。
しかし、
どうもここ2~3日の間にまた何度か細かく雨が降ったらしく、
岩は完全には乾いていなかった。
今日は気温も高く、
道路上の温度計は30℃を記録していた。
明らかなバッドコンディションだ。
でも
それでも
この間よりはまだ良い。
終盤だけバラしてリップの状態を確認したところ、少なくとも濡れていない。
この時点で僕はもう今日の完登を確信していた。
「あのコンディションの中でリップまで行ったんだから、多少濡れてるくらいで登れないわけが無い」
そういう自信があった。
その意味でも、あの濡れた岩で登ったことは圧倒的に自分にプラスをもたらしている。
ということで完登
かなり早い時間に落とすことができたので、
次に
電池パック(三段)
に手をつけることに。
しかしコイツの2手目のカチが痛い痛い。
そしてこのカチの染み出しが酷くてスッポ抜けまくる。
鋭いカチでスッポ抜けるという落ち方を何回か繰り返した結果、
久しぶりに右手中指から流血!
もう少しで登れそうだと思ったのでアロンアルファとテーピングで固め、
「あと1回だけやる!」
と決めて痛みを我慢しながらトライ。
後半に入って右手をシェイクしているときに、
明らかに右手の指先に鮮やかな赤い色が見えてかなり動揺するも、
逆にこれで登れなかったら全てが台無しだと思い、気持ちで押し切った。
登ったあと確認したら薬指にも穴が開いていた。
(止血したあと写真撮ったから結構なんでもない傷に見えるけど、完登直後は結構派手に血が流れ出ていた)
後にホールドをブラッシングしながらチェックしたところ、どうも2手目の時点で流血は始まっていたらしい。
そんなこんなで、今日は終了。
四段を登るってのははじめてじゃないけど、
ここのところ高難度の課題を登った日はその課題だけで完結してしまって、
その次が繋がらないということばかりだったので、
今日ムタンテの後に電池パックを登れたのはかなり嬉しかった。
そして何気に三段を1dayで登れたのは初めてな気がする。
結果だけ見れば、
実は今日はベストコンディションだったんじゃないかと疑いたくなるくらいであった。
2017年5月9日火曜日
そろそろ虫除けスプレー必須
終わりましたねゴールデンウィーク。
みなさんはどこかに登りに行ったりしましたか?
小川山とかミズガキとかでキャンプしながら登りまくるとか良いですよね。
僕は仕事でした!
本当はGW中に1日だけ休み取れる予定でした。
その1日に塩原に行く予定でした。
でも事情があってその休みは消えました。
許しがたいことというのはあるものです。
しかしそれを許す心を持とうとすることが大人になるということなのかもしれません。
・・・
そんなわけでGWに休みは無かったわけだけれど、
少なくとも退屈しないGWだったし、代わりに今日明日(5/9・5/10)が休みになったし、
まあそこまで悲嘆することでも無い。
そんなこんなで
今日は約10日ぶりの岩。
前回なんとかフルチャージが登れたので、
今度は
ムタンテ(四段-)
を狙うべく、行き先はやはり
神戸
電池切れを登った直後にフルチャージのトライに移ってしまっていたため、
まだ
スチャダラ(二段)
を登っていなかったので、とりあえずそれを登る。
電池切れと同じグレードだけど、
個人的には電池切れよりも登り辛く感じた。
電池切れよりもムーブの多彩さやバランスが求められる感じ。
力で雑に押し切ることが難しい課題だと思った。
しかしだからこそ、時間をかけて打ち込みさえすればドンドンより良いムーブ・より良いバランスが発掘される要素が多いだろうとも思う。
スチャダラを完登した後、下から繋げてムタンテをしようと試みるも、
(下部はフルチャージと同じなのでそう苦労せず行けると思っていた)
下部からスチャダラのスタートにリンクするパートの手の返し方とかがフルチャージと全然違って、そこの処理に苦しめられた。
結果、納得のいくムーブを探り当てた後に、スタートから繋げられるほどの体力はもう残っていなかった。
それにしても、
今日はじめてソリューションを岩で履いてみたけども、
予想外に良い。
この靴、
カタチとか硬さとか、自分との相性は良くないはずと思っていた。
実際、親しんだ感覚と比べてなんか違和感あるし、ちょっと痛いし。
自分の意思があんまり岩に伝わりきらない感じがちょっとキモチワルイ。
でも登れる。
悔しいけど登れるよこの靴。
悔しいけど良い靴だよこれ。
やはり食わず嫌いはイカンということかなー。
そういう靴他にもあるから、
今不動のレギュラー張ってるメンツをたまにちょっと崩して色々試してみようかなー。
みなさんはどこかに登りに行ったりしましたか?
小川山とかミズガキとかでキャンプしながら登りまくるとか良いですよね。
僕は仕事でした!
本当はGW中に1日だけ休み取れる予定でした。
その1日に塩原に行く予定でした。
でも事情があってその休みは消えました。
許しがたいことというのはあるものです。
しかしそれを許す心を持とうとすることが大人になるということなのかもしれません。
・・・
そんなわけでGWに休みは無かったわけだけれど、
少なくとも退屈しないGWだったし、代わりに今日明日(5/9・5/10)が休みになったし、
まあそこまで悲嘆することでも無い。
そんなこんなで
今日は約10日ぶりの岩。
前回なんとかフルチャージが登れたので、
今度は
ムタンテ(四段-)
を狙うべく、行き先はやはり
神戸
電池切れを登った直後にフルチャージのトライに移ってしまっていたため、
まだ
スチャダラ(二段)
を登っていなかったので、とりあえずそれを登る。
電池切れと同じグレードだけど、
個人的には電池切れよりも登り辛く感じた。
電池切れよりもムーブの多彩さやバランスが求められる感じ。
力で雑に押し切ることが難しい課題だと思った。
しかしだからこそ、時間をかけて打ち込みさえすればドンドンより良いムーブ・より良いバランスが発掘される要素が多いだろうとも思う。
スチャダラを完登した後、下から繋げてムタンテをしようと試みるも、
(下部はフルチャージと同じなのでそう苦労せず行けると思っていた)
下部からスチャダラのスタートにリンクするパートの手の返し方とかがフルチャージと全然違って、そこの処理に苦しめられた。
結果、納得のいくムーブを探り当てた後に、スタートから繋げられるほどの体力はもう残っていなかった。
それにしても、
今日はじめてソリューションを岩で履いてみたけども、
予想外に良い。
この靴、
カタチとか硬さとか、自分との相性は良くないはずと思っていた。
実際、親しんだ感覚と比べてなんか違和感あるし、ちょっと痛いし。
自分の意思があんまり岩に伝わりきらない感じがちょっとキモチワルイ。
でも登れる。
悔しいけど登れるよこの靴。
悔しいけど良い靴だよこれ。
やはり食わず嫌いはイカンということかなー。
そういう靴他にもあるから、
今不動のレギュラー張ってるメンツをたまにちょっと崩して色々試してみようかなー。
2017年4月28日金曜日
慢心
“尊敬するクライマー”
を挙げようと思えば、枚挙に暇が無いほどなのではあるが、
僕の知人であり、その尊敬するクライマーの一人が昔、こんなことを言っていた。
「岩をリスペクトすれば自ずとホールドは見える」
あまりの“決めセリフ感”に、
聞いた当初はネタ的に面白がっていたんだけど、
これは
改めて良く噛み締めると、真に名言だと思う。
この間、
神戸にて
「電池切れ」を登った後、
「フルチャージ(四段)」
に挑んでいたのだけれど、
ムーブのばらしは早々に終わったことで、すぐに登れるだろうと思っていた。
しかし繋げると電池切れパートで落ちる落ちる。
ラスト1手2手くらいで何度も落ちる。
何故落ちるんだ?
という自問が続く。
「少し手数が増えたところで、所詮は二段のパート」
「二段ごときのパートで落ちるのは何故なんだ?」
と、
そのように自分の気持ちが成文化されて心中で発せられたとき、
その理由が判明した。
まさに、
それが原因だった。
そんな風に思ってしまっていることこそが落ちる原因に他ならなかった。
「二段ごとき」ってなんだ
「所詮は二段」ってなんだ
最近は確かに三段とか四段を登ってはいた。
ただそれは、
観察と洞察、思考と試行を繰り返して、岩に自分を合わせて、
最適解を求めに求め、その上で最大限の気合いを込めて、
どうにか「登らせてもらった」というだけにすぎない。
それを忘れて、
あたかも自分の実力で三段・四段をねじ伏せたとでもいうような、
そんな「驕り」を持っていた。
だから「二段ごとき」なんて言葉が出てくる。
違うんだぞと、
自分の実力そのものはまだ二段を軽んじれるほどではない。
そう、しっかりと思い直したとき、
冒頭の言葉を思い出した。
今の自分に足りないのはリスペクトだ。
岩に敬意を払い、課題に敬意を払う気持ちだ。
岩に登らせてもらうという気持ちだ。
そうやってもう一度二段のパートとじっくりと向き合って考えたら、
始めのうちには見つからなかった色々なものが見えてきた。
雑に登っていたら見えてこないものだった。
自分よりフィジカルがあって、自分より保持力の強いクライマーだったら、
そんなもの見えてこなくても登れるだろうと思う。
でも自分はそうじゃない。残念だけどそこまで強くない。
驕りを捨てて、
挑戦者の気持ちを持って臨む。
なんとか登れた。
いや
登らせてもらった。
まだ自分は四段の実力を持つに至っていない。
そう改めて思い知らされた。
しかし、
だからこそ今はこうして登れたことを喜ぼうと思う。
を挙げようと思えば、枚挙に暇が無いほどなのではあるが、
僕の知人であり、その尊敬するクライマーの一人が昔、こんなことを言っていた。
「岩をリスペクトすれば自ずとホールドは見える」
あまりの“決めセリフ感”に、
聞いた当初はネタ的に面白がっていたんだけど、
これは
改めて良く噛み締めると、真に名言だと思う。
この間、
神戸にて
「電池切れ」を登った後、
「フルチャージ(四段)」
に挑んでいたのだけれど、
ムーブのばらしは早々に終わったことで、すぐに登れるだろうと思っていた。
しかし繋げると電池切れパートで落ちる落ちる。
ラスト1手2手くらいで何度も落ちる。
何故落ちるんだ?
という自問が続く。
「少し手数が増えたところで、所詮は二段のパート」
「二段ごときのパートで落ちるのは何故なんだ?」
と、
そのように自分の気持ちが成文化されて心中で発せられたとき、
その理由が判明した。
まさに、
それが原因だった。
そんな風に思ってしまっていることこそが落ちる原因に他ならなかった。
「二段ごとき」ってなんだ
「所詮は二段」ってなんだ
最近は確かに三段とか四段を登ってはいた。
ただそれは、
観察と洞察、思考と試行を繰り返して、岩に自分を合わせて、
最適解を求めに求め、その上で最大限の気合いを込めて、
どうにか「登らせてもらった」というだけにすぎない。
それを忘れて、
あたかも自分の実力で三段・四段をねじ伏せたとでもいうような、
そんな「驕り」を持っていた。
だから「二段ごとき」なんて言葉が出てくる。
違うんだぞと、
自分の実力そのものはまだ二段を軽んじれるほどではない。
そう、しっかりと思い直したとき、
冒頭の言葉を思い出した。
今の自分に足りないのはリスペクトだ。
岩に敬意を払い、課題に敬意を払う気持ちだ。
岩に登らせてもらうという気持ちだ。
そうやってもう一度二段のパートとじっくりと向き合って考えたら、
始めのうちには見つからなかった色々なものが見えてきた。
雑に登っていたら見えてこないものだった。
自分よりフィジカルがあって、自分より保持力の強いクライマーだったら、
そんなもの見えてこなくても登れるだろうと思う。
でも自分はそうじゃない。残念だけどそこまで強くない。
驕りを捨てて、
挑戦者の気持ちを持って臨む。
なんとか登れた。
いや
登らせてもらった。
まだ自分は四段の実力を持つに至っていない。
そう改めて思い知らされた。
しかし、
だからこそ今はこうして登れたことを喜ぼうと思う。
2017年4月20日木曜日
神戸じゃないよ神戸だよ
ということでね、
かねてから気になっていた
神戸(かのと)
に行ってきましたよ、と。
つい先日まで神戸(こうべ)に住んでいた僕としては、
神戸と書いてかのとと読むのにかなり違和感がある。
(今だってkoubeってタイプして変換してるしね実際)
まあそんなことはどうでもいいんですよ。
まず、
はじめに登ったのは
電池切れ(二段)
「悪めの二段」
「へたするとドはまりする」
などの前情報を持っていたのでかなり警戒していたものの、
無事完登
まあそれでも1時間くらいはかかっちゃったけども。
やっぱりヒールがいまいち安定しない。かかってるようでかかってない。
かけたフリしたまま、多少誤魔化しながら押し切ったって感じ。
うーん、
電池切れを登るのが目標だったらこれでいいんだけど、
今回の本命は、
ルーフのもう少し奥から始まってこの電池切れに合流する
フルチャージ(四段)
なので、安定感に欠ける今のムーブでは繋げてきたときに心許ない。
でもとりあえず電池切れのパートはおいておいて、
フルチャージ序盤のムーブを探ってみる。
…
「ニガテ系だ」
っていうのが第一印象。
トウフックをしっかり効かせなきゃいけない系だった。
「トウフックとか一番嫌なんだよなー」
と思いつつ、あーでもないこーでもないと練りねり揉みもみしているうちに、
ちょっとコツを掴んできて結構安定してきた。
うーん、
やはり食わず嫌いはよろしくない。
トウフックも練習すればできるってことだね。
と、
各所に概ね安定したムーブが決定したものの、
その辺りでヨレてきて終了。
最終的にはスタートの1手目がうまく出なくなる始末。
いい感じに体力使い切ったなー、という満足感と、
体力ねえなあオレは……、という山王戦の三井のような自虐を感じつつ撤退。
しかし、1日でムーブ全バラシはできたし、
もうちょい細部の安定化と自動化をすれば登れるだろうと思う。
運がよければ次回、
駄目でもその次には登れるかもしれない。
2017年4月13日木曜日
意識改革
現在ダイエット中。
65kg
↓
62.5kg
少し落ちてきてはいるものの、
まだまだベスト体重には3kgほどは重い。
けれど、
明らかに1ヶ月前よりは体が動く。
これは単に質量が減ったという影響ではなく、
(そりゃ2.5kgくらい減ったところで誤差だよ質量的には)
意識的にしっかり体を動かそう・絞ろうとしていることによる効果だと思う。
1ヶ月前、
引越し直後のころの体はひどいものだった。
太っている、ということ以上に、
体全体が妙に硬く、鈍くなっていたと今では感じる。
要は体が「OFFの状態」になっていたということ。
改善のためにまず始めたのは、
まずストレッチ。
それから軽いサーキットトレ。
(腕立て腹筋背筋×20 3セットを一息でやる)
それを毎日ちゃんとやる。
これが多分良かった。
1ヶ月前の状態でも
「素の保持力」っていうのはそんなに落ちてなかったと思う。
だから自分に必要なのは沢山ホールド触るトレーニングよりも
こういう体の大きい部分を「ONの状態」にもっていくことだと思った。
(だから多分走りこみとかそういうんでも良かったのかもしれない)
そして今は結構ONになっているのを感じる。
だから今はむしろ
単に体重を落とすというよりも、
体のパフォーマンスの「キレ」を維持するために
このダイエットの意識を途切れさせないようにしようと思っている。
こうして効果も実感したことだし。
ということでタナトフォビア(四段)完登。
こっちでの初成果!
難度的な話をするなら、今まで登った課題と比べると、
大体「冷酷」と同じくらいかな?
「ホークアイ」の次くらいには苦しめられた感じがする。
内容としては、
登る前と登る後でかなり印象が変わった。
登る前はかなりダイナミックでフィジカルなイメージがあったけど、
実際は一番苦心したのはホールディングの選択の微妙な差異。
結局自分にとっての一番の核心は中盤のランジだったけど、
ここの左手のホールディングをどうするかが一貫してこの課題の中心にあり続けた。
第1案
クラックの奥に親指を突っ込んで、指の付け根付近で持つ感じ。
かなり安定感はある。この状態から始めていいならこの握りが一番良いと思う。
ただしスタートから通してくるとこの形に持ち替えるのがかなり面倒。
あと結構フリクションに依存するため、コンディション次第では不意に抜けることがあって怖い。 この握りに持ち替えている間にヌメってきて、結果抜けるということが何度かあった。
第2案
親指を立てて浅くピンチする。
第1案ほど楽に持てないが、少なくとも強く力を入れさえすれば不意に抜けることはない。持ち替えも比較的楽。
フリクションよりも自身の保持力次第なところが強い。
最終版
第2案をベースにして、小指を手の中に握りこむ。
それをするだけで微妙に人差し指と中指が捻られてより強くクラック内に食い込んでくれた。
とまあ結構紆余曲折あってホールディングが決まる。
それが決まってからは早かった。
ただ「はじめからこの持ち方でやっていればもっと完登は早かったはずだ」
とは思えない。
色んな試行錯誤を経てこの握りにたどり着いたということに意味がある。
試行と思考の果てに最終的に選んだからこそこの握りを信頼できたってことだと思う。
やはりこういう精神的、頭脳的な「悩み」を解決していくのが
自分にとって、課題を解決するということなんだなあと思う。
余談になるけど、
このタナトフォビア、スタート位置を変えてもう少し短いバージョンの
「ネクロフォビア(三段)」っていうのがあるんだけど、
(ネクロのロングバージョンがタナトっていう順が正しいか)
この「ネクロフォビア」を僕は登っていない。
「ネクロ登るくらいだったらさっさとタナトだけ登っちゃったほうが早えだろ」
という短絡的な思いが出発点にあって、
「ネクロを無視していきなりタナトを登るって発想が結構荒々しくてかっこいいかも知れない」
という馬鹿馬鹿しくもくだらないプライドみたいなものによって、
タナトフォビアだけを登ろうと決めてしまった。
正直、
途中で何度か
「とりあえずネクロだけでも登っておこうか」
とも思った。
くだらないプライド以外に、ネクロを登らない理由なんて無いわけだし。
ただ、逆に言えば、
ボルダーの高難度の課題を登るってことに、
そもそも、くだらないプライド以外の理由なんてあるのか?
とも思い、
せっかくだからこのくだらないプライドを今回は貫いてみようと決めた。
そのことによって結構苦しめられた気もするけど、
やっぱりこうして登ってみると貫いてよかったなあとも思う。
とりあえずこうして、東京での成果の第一歩をようやく出せた。
ここからまた色んな岩場で、色んな課題を登りたい。
まだまだ登るべき課題、登りたい課題は山積みだ!
そのためにもまずはあと3kg!
早急に落とさなければ!
65kg
↓
62.5kg
少し落ちてきてはいるものの、
まだまだベスト体重には3kgほどは重い。
けれど、
明らかに1ヶ月前よりは体が動く。
これは単に質量が減ったという影響ではなく、
(そりゃ2.5kgくらい減ったところで誤差だよ質量的には)
意識的にしっかり体を動かそう・絞ろうとしていることによる効果だと思う。
1ヶ月前、
引越し直後のころの体はひどいものだった。
太っている、ということ以上に、
体全体が妙に硬く、鈍くなっていたと今では感じる。
要は体が「OFFの状態」になっていたということ。
改善のためにまず始めたのは、
まずストレッチ。
それから軽いサーキットトレ。
(腕立て腹筋背筋×20 3セットを一息でやる)
それを毎日ちゃんとやる。
これが多分良かった。
1ヶ月前の状態でも
「素の保持力」っていうのはそんなに落ちてなかったと思う。
だから自分に必要なのは沢山ホールド触るトレーニングよりも
こういう体の大きい部分を「ONの状態」にもっていくことだと思った。
(だから多分走りこみとかそういうんでも良かったのかもしれない)
そして今は結構ONになっているのを感じる。
だから今はむしろ
単に体重を落とすというよりも、
体のパフォーマンスの「キレ」を維持するために
このダイエットの意識を途切れさせないようにしようと思っている。
こうして効果も実感したことだし。
ということでタナトフォビア(四段)完登。
こっちでの初成果!
難度的な話をするなら、今まで登った課題と比べると、
大体「冷酷」と同じくらいかな?
「ホークアイ」の次くらいには苦しめられた感じがする。
内容としては、
登る前と登る後でかなり印象が変わった。
登る前はかなりダイナミックでフィジカルなイメージがあったけど、
実際は一番苦心したのはホールディングの選択の微妙な差異。
結局自分にとっての一番の核心は中盤のランジだったけど、
ここの左手のホールディングをどうするかが一貫してこの課題の中心にあり続けた。
第1案
クラックの奥に親指を突っ込んで、指の付け根付近で持つ感じ。
かなり安定感はある。この状態から始めていいならこの握りが一番良いと思う。
ただしスタートから通してくるとこの形に持ち替えるのがかなり面倒。
あと結構フリクションに依存するため、コンディション次第では不意に抜けることがあって怖い。 この握りに持ち替えている間にヌメってきて、結果抜けるということが何度かあった。
第2案
親指を立てて浅くピンチする。
第1案ほど楽に持てないが、少なくとも強く力を入れさえすれば不意に抜けることはない。持ち替えも比較的楽。
フリクションよりも自身の保持力次第なところが強い。
最終版
第2案をベースにして、小指を手の中に握りこむ。
それをするだけで微妙に人差し指と中指が捻られてより強くクラック内に食い込んでくれた。
とまあ結構紆余曲折あってホールディングが決まる。
それが決まってからは早かった。
ただ「はじめからこの持ち方でやっていればもっと完登は早かったはずだ」
とは思えない。
色んな試行錯誤を経てこの握りにたどり着いたということに意味がある。
試行と思考の果てに最終的に選んだからこそこの握りを信頼できたってことだと思う。
やはりこういう精神的、頭脳的な「悩み」を解決していくのが
自分にとって、課題を解決するということなんだなあと思う。
余談になるけど、
このタナトフォビア、スタート位置を変えてもう少し短いバージョンの
「ネクロフォビア(三段)」っていうのがあるんだけど、
(ネクロのロングバージョンがタナトっていう順が正しいか)
この「ネクロフォビア」を僕は登っていない。
「ネクロ登るくらいだったらさっさとタナトだけ登っちゃったほうが早えだろ」
という短絡的な思いが出発点にあって、
「ネクロを無視していきなりタナトを登るって発想が結構荒々しくてかっこいいかも知れない」
という馬鹿馬鹿しくもくだらないプライドみたいなものによって、
タナトフォビアだけを登ろうと決めてしまった。
正直、
途中で何度か
「とりあえずネクロだけでも登っておこうか」
とも思った。
くだらないプライド以外に、ネクロを登らない理由なんて無いわけだし。
ただ、逆に言えば、
ボルダーの高難度の課題を登るってことに、
そもそも、くだらないプライド以外の理由なんてあるのか?
とも思い、
せっかくだからこのくだらないプライドを今回は貫いてみようと決めた。
そのことによって結構苦しめられた気もするけど、
やっぱりこうして登ってみると貫いてよかったなあとも思う。
とりあえずこうして、東京での成果の第一歩をようやく出せた。
ここからまた色んな岩場で、色んな課題を登りたい。
まだまだ登るべき課題、登りたい課題は山積みだ!
そのためにもまずはあと3kg!
早急に落とさなければ!
2017年3月18日土曜日
みたけー
引っ越して初の岩はやはり
御岳
御岳といえば言わずと知れたボルダリングの名所。
登るべき課題は山ほどある。
その山の中からはじめのひとつとして選んだのは
タナトフォビア(四段)
やはり四段の課題を登りたい、
というのが動機の一つ、
あとこの課題を選んだ理由は何よりも
「かっこいいから」
圧倒的な強傾斜で真っ向勝負するって感じで、
いかにも現代的なボルダリングって課題。
意気揚々ととりついてみたものの
やはり悪い。
一応ムーブはバラせたけれど、
核心の遠い一手はおよそ「出来た」とは言えない完成度。
今のところその一手だけを集中してやって、
何度か「偶然止まった」という域を出ない。
そのスタートから核心まで
核心止めてからゴールまで
はそれなりに安定感のあるムーブは出せたけれど、
前半部は体力を後半に残すつもりではできないし、
後半部はヨレてたらきっと当然のように落ちるだろう。
といった感じ。
さすがにすぐに登れるとは思わなかったけど、
かなり明確な力不足を感じ、少しダメージを受ける。
しばらく核心ムーブの安定化を探っていたものの、
ヨレのほうが追いついてしまい、
失敗の原因がムーブの不適切なのかヨレなのか
うまく判別できなくなってきたのでやむなく撤退。
続いて向かったのはロッキー岩。
とりあえず以前登ったことのある
エゴイスト(初段)
を再登。相変わらずいい課題だと思った。
で、次にそれのSDバージョンの
チョーエゴイスト(二段)
にチャレンジ。
言ってもエゴイストに二手加えるだけだし、
二段だし、比較的楽に登れるんじゃないかなー。
なんて甘い考えを持っていたけれど、
思いのほか苦戦。
よく考えてみれば、
二手加えるだけでグレード一個上がるんだから
その二手がすこぶる悪いってのは推して図るべきであった。
この時
(なんなんこのカチ!細かくて痛いだけじゃん!)
なんてファッションクライマーみたいな台詞が自分の心の中に浮かんできたのはちとショックだった。
しかし気合いを入れなおしてカチを持っているうちに
だんだんその「ただの保持」が楽しくなってきた。
かつてカチラーだった自分の性質を思い出した。
こういう再発見があるから岩はやめられないよね。
その後
最後の締めにと、
モンキーポッケ(初段)
を触るも
まさかの敗退!
いやまあ確かにね、結構ヨレてはいた。
でもそこは落としとこうよ。
ヨレてたら課題登れないってのはやはりムーブではなく力でゴリ押して登ってる証拠!
と、
最後に手痛い叱咤を受けることとなった。
ここからスーパー言い訳タイム!!
いやー、
やっぱり思ったようには登れなかった。
というのもね、
昨日久しぶりに体重計に乗ってみたんですよ。
ココ最近引越し準備やら、その直前に体調崩したりとかで、
あんまり登ってない割りに結構暴食を繰り返していたから、
多分太ってるだろうなーと。
63kgくらいいってるんじゃないかなーと思ってた。
(最後に計ったのは1ヶ月くらい前で、そのときは61.5kg程度)
(ベスト体重は59~60kg程度)
で
65kg
になってた。
さすがに目を疑ったね。
これは重過ぎる。
ということでダイエットします。
ここから6kg落とします。
断固たる決意で痩せます。
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