「理由を知る」というのはとても重要なことだ。
何かの現象が起きている時にその理由を知らなければ、何も知らないのと同じだ。
経験的に「こうすればこうなる」と知っていてもその理由が分かっていなければ、条件が変わった時に対処する事ができない。ゼロからやり直しになる。
ちょっと長めの課題に打ち込んでいて、
それぞれのムーブを単独でなら、あるいは2分割や3分割でならできる。
でもスタートから繋げるとできない。
そういう経験はボルダラーならほとんど誰にでもあると思う。
そういう時大抵の人は
「繋げるとヨレるから」
で結論付けがちだ。
それはある意味では正しいし、ある意味では間違っている。
「ヨレている」
っていうのは失敗の最終的な原因ではない。
今日僕はgingaの後半で
こんな感じ
で落下してしまったわけだけど、この1手は、そこだけ、あるいはその2~3手前くらいから始めた場合「まず落ちない」1手だった。
そこから先も「まず落ちない」パートだ。
ところがこうして情けなく落下しちまいやがったわけだ。
「指がヨレてた」
確かにそれはまず理由として挙げられよう。
でももっと深く考えると、そんな単純な話じゃない。
①
まず左手の力が少し弱まっているのを自覚してしまっていた。
↓
なので左手が練習の時よりも若干強めにロックする感じになってしまっていた。
↓
結果、右に体重が移動しきらず、右手が真下ではなく左下方向に加重がかかるようになり、抜けやすくなってしまった。
②
「ここまできて落ちたくない」という気持ちが出てきてしまった。
↓
遠い一手に対して慎重になりすぎ、右手のホールドを見すぎてしまっていた。
(ここは右手を取る瞬間くらいからはむしろ左手を見たほうが安定する)
↓
右肩が岩に向かって十分に近づいていなかった。
簡単に説明できる主だった理由は上記のとおり。
他にもいろいろ思いつく点もある。
つまり何が言いたいかって言うと、
確かに失敗の大本の原因は「ヨレ」なんだろうけど、それを起点として最終的に生じた失敗の直接的な要因というのは、
「ムーブの狂い」
だということだ。
ヨレているが故に正しい位置まで重心が移動できていないとか、
ヨレを無意識にカバーするために腕の曲げ方だったり力の入れ方を変えてしまっているとか・・・
そういった、最終的な落下要因をつきとめることができれば、
多少ヨレていても対処することは不可能じゃない。
繋げるときは意図的に目標点を遠くに置いてみるとか、視線の移動方向を徹底するだとか、肘の角度をきちんと決定し視覚的にコントロールしてやるだとか・・・
「バラせるけど繋がらない」
そういう事態に陥った時、
「スタミナつけて出直しだ!」
とか
「とにかく何回も繋げてみよう!」
そんなふうに考えるよりも、もっとこまかく理由について考えてみる習慣をつける。
それが大事だと思う。
・・・それにしても
あそこまで行ってなんで落ちんだよぉ~~~!!
もぉおおおおおおおおおおおおぁぁぁああああああああああ!!!
くやしすぎるわぁああああああああああああ!!!!
0 件のコメント:
コメントを投稿