日本にも雨季が出来たのか、と疑いたくなるような長い長い雨の日々、
そして、その前後の、外出そのものすら躊躇われるほどの高温多湿の日々は僕に、
いくつかの有益でも有害でもない“ただの休日”をもたらした。
それらの休日は僕に、少しの贅肉以外の何物をももたらしはしなかった。
湿気によって進行する黴と腐敗は物質にのみ作用するというわけではなく、
精神にも同様の効果をもたらしているかのようだった。
そういうわけで、
2017年夏
自分にとってこの時期のことを一言で表すとするならそれは
「停滞」
であった。
自分が目標に向かって進んでいる感覚が一歩も無かった。
Gingaを登ると決めてから、
コンディションの悪い夏の間に通いつめ、ムーブの錬度を高め、
本格的なシーズンに入ったら一気に登ろうという思惑があった。
であるにも関わらず、
約2ヶ月、一切神戸で登ることが出来なかったというのは大きな問題だ。
そのツケを今後のシーズン中にどれだけ返していけるんだろうか。
しかしながら、
停滞していたとは言っても、なにもしていなかったというわけではない。
前に進むということは無いにしろ、足は動かし続けた。
信号に引っかかったランナーがその場でステップを踏み続けるように。
あるいは、無意味な踊りのように。
これは意味の無いステップでしかないかもしれない。
そう思いながらもとりあえずは意味のありそうなステップを踏みつづけた。
そして今日、約2ヶ月ぶりにようやく神戸で登ることができた。
(といっても岩の状態としては「なんとか登ることができる」といったレベルでしかなかったけど)
久しぶりに岩を触ると、
指は痛くなるし、身体は泥だらけになるし、虫にはまとわりつかれ放題だったし、
…まあでも
一言で言うと
「最高」だった。
自分は長いことコレを求めていたんだと思った。
岩を登るというだけでただ楽しい。
肝心のGingaの進行としては、
一応、進展があった。
2ヶ月前はどうやっても止まらなかった核心のガストンを止めることができたからだ。
ここから
ガストンに素早く手を出し
足が切れ振られ
左足を上げ
和のスタートにクロスで合流
これで一応Ginga(及びタイタン)の全ムーブをバラせたということにはなる。
2ヶ月前よりも左中指の強さが上がっているという実感があった。
雨の間beastmaker2000で指を鍛えることに腐心していた甲斐があった。
意味があるか無いか解らなかったステップに、意味があったんだと解っただけでも収穫だ。
ここからだ。
ここから前進を始めたい。
9月を停滞から前進への切り替えの月とし、
10月を前進から飛躍へと移行する月としたい。
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