多数派の意見が採用され、少数派の意見は圧殺される。
まあ、それが悪いことだとは思わない。
そのほうが自然なことだし、
そのほうが世の中の幸せの総量は多くなるんだろうと思う。
しかし、
自分が少数派の立場に立ってしまった時に、
それを理不尽だ!と憤ってしまうのもまた人として自然な感情の発露だと許してほしい。
この三連休、
東京近辺はとても良い天気だった。
連休最終日の17日の夜に少し雨が降ったものの、
行楽に耽っていた人達が家に帰り着いた後くらいの絶妙のタイミングだった。
おそらく、
たくさんの人が祈ったんだろうと思う。
「この三連休は天気がよくなりますように」
さすがお天道様、その願いをしっかり叶えてくれたようで。
ただ、
僕のように、三連休は仕事で、その明けの今日が休みって人間の願いまでは
さすがにフォローしてくれなかったようですね。
連勤で疲れた身体を叱咤し、
久しぶりに神戸へと向かったが、
やはり雨の影響で岩はズブ濡れだった。
前日の雨は言っても小雨程度だったので、
運が良ければそこまで派手には濡れていないはず。
そんな風に祈ってはいたけれどやはり現実はそう甘くは無かった。
ズブズブに岩は濡れていた。
おまけに蒸し暑かったし、地面も濡れているし、午後からまた雨の降る予報だったというのもあり、
すっかり意気消沈した僕は今日のところはあっさり引き上げることにしてしまった。
そして帰り道、
どうにもせっかくだから岩を登りたいという気持ちが抑えきれず、
御岳なら登れる岩もあるかもしれない、と思い
薄い期待を持ちつつ進路変更。
そういえば、
メインエリアから少し離れたところに
田中君(二段)
という面白い課題のある岩があるというのを聞いていて、
何かの機会に登ってみようと思っていたのを思い出した。
なんとなく中途半端な気持ちの今日みたいな日は、
そういう新しい課題をやるのがいいんじゃないかと思い、そちらに向かってみる。
岩を確認すると、
なんとほとんど濡れていない!
一気に気分が上がり、意気揚々と岩に取り付いた。
が、
なにせ暑い。
それにほとんど濡れていないといってもやはりコンディション良好とは言えない。
さらにそれなりに高さのある岩で、かつ核心はリップ付近。
ビビリながらムーブを探っているとすっかり疲れてしまった。
確か天気予報では夕方くらいから雨が降り始める予報で、
田中君の岩に着いたのがちょうど12時くらい。
3~4時間くらいはのんびりできる計算なんだからゆっくりやろう、と
ちかくのせせらぎで水遊びなんかをしながら休んでいると、
突然の雷。
あ、
これはまずい、と思い、慌てて登った。
猶予が無いと思えば意外と登れるもので、結局繋げのトライとしては1回目で登れてしまった。
で、
登れたのはいいけど、
岩をブラッシングしてマットを片付けている最中になんと早速雨が降り始める。
危なかった。
あの1回で登れてなかったら強制タイムアップになるところだった。
結局1時間くらいしか岩の前にいることができなかった。
そして小雨の降る中急いで車まで戻ると、
雨は一気にその勢いを増した。
ひどい雨になった。
泣くのを我慢して我慢して我慢しきったあとに突然かんしゃくを起こした子供みたいな、
無秩序で無遠慮で、ただ勢いだけがある雨だった。
その後、僕がスーパーやら古本屋やらに寄り道して買い物をしてから家に帰るまでの約2時間ほど、
雨はなんの脈絡もドラマツルギーも無く、唐突に激しく降ったりぴたりと止んだりを繰り返した。
遠くの空で稲光が走るのを何度も見た。
僕が家に着いた時には雨はすっかり止み、玄関の外にはただペトリコールの匂いが広がっているだけだった。
本当に子供のかんしゃくのような雨だった。
一通り感情を爆発させたあとは、気が済んだようにおとなしくなる。そんな感じ。
あるいはこれは本当にただのかんしゃくだったのかもしれない。
お天道様が、
この三連休、日本のこどもたちの照る照る坊主攻めによって溜まったストレスを爆発させたのかもしれない。
ただ、そのとばっちりを受けるのはそれと全然関係ない人間なんだよなあ。
まあ天気っていうのはいつだって理不尽なもので、
それを感じながら登るっていうのが岩を登ることのひとつの醍醐味なんだ。
なんて、自分を慰めながら今日はあとはふて寝することにしよう。
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