2014年12月16日火曜日

しっこくしっこく!

さて僕は今自室に居るわけだが、

本来であれば今頃は

四国

日御子

で岩と戯れているはずだった。

はずだったのだが、雨のために予定変更を余儀なくされたということだ。


もともとの予定では

12/15~12/16の二日間、泊まりこみで登り倒すことになっていたが、

やはり天気には勝てなかったよ。

ということで二日目は中止、宿はキャンセル、日帰り強行軍に変更。

ギリギリまで悩んでいたため、二日目中止を決めたのは一日目の夕方になってからだった。


まあ、

いい。

一日でも登れた。

最近の不安定な天気の中、それだけでも幸運だったと思おう。



ということで昨日のことを書こう。



まずは有名な「雫」という課題を求めて車を降りたんだけれど、
ちょっと降りる箇所を間違えたようで、

はじめにたどり着いたのは美妙岩という岩。

せっかくだし、ということで


「クリュウ(初段)」


という課題をやることに。

全体的にざっとオブザベをし、

「これがスタートかなー」

と思ったホールドを持って離陸。


直後に落下!


なんとスタートホールドと思しきホールドがまるごと取れてしまった!

あまりの衝撃に目が点。胸はどきどき。

仕方が無いので気を取り直し、その付近のホールドからスタートしなおし。

そしたら一発でのぼれた。

これはオンサイトになるのか?

しかしこの課題

超怖い

スタートホールドだけでなく、

あらゆるホールドがなんか崩壊しそうな雰囲気を持ってる。


この岩で、

スタート直後少し直登して右上方向に抜けていくんだけれど、

ランディングそんなに良くないし、マントルは高い。

上部で、踏んでたホールドが「カタッ…」って言ったときはマジで震えた。


しかも


登った後によく見ると、さっきスタートきった位置より下に、スタートホールドっぽいものを発見。

「あ、やっぱスタートはこれだわ」

となり

もう一度恐怖と向き合いながら登ることに。

二度目もやはり怖かった。

スタートの1~2手目が加わることで少し難しくなったし。

この課題はまだ殆ど登られていない課題のようで、

もう少し多くの人が触って、欠けるべきホールドが欠けたり草とか苔とかがきちんと落とされたりしたらもっとすっきり登れる良い課題になるんじゃないかなーと思った。

現段階ではちょっと恐怖の割合が強すぎる。


さて

少し長くてとても怖いこの課題でアップを済ませ、

雫岩に移動

まずはやはり

「雫(二段)」

にとりつく。

低いルーフから抜け出してくる課題なんだけど、ホールドはそこそこ良い。

ただ問題は3~5手目くらいのところでずーっと左足トウフックかけておくところ。

トウフック…

正直、

「またか…」

と思った。

蘇るハイパワーブレインの苦い敗戦の記憶。


と言っていても始まらないのでムーブを組み立てていく。

相変わらずトウフックは苦手だったけど、逆の右足でかきこむことですこしカバーできたし、手のホールドはけっこう良いのでその気になればゴリ押せるか、

というところで通してみる。




終盤のほうはそんなに難しくはないけど、

結構長い課題だから

「こんなとこで落ちてやり直したくねえ!」

っていう気持ちで必要以上に気合入れてこなしました。

このね

必要以上に気合入れる

っていうのがやっぱりボルダーでは大事だと思うよ。

どれくらい気合いれればいいかなんて自分ではわからないんだから、常に上限一杯の気合入れて課題に打ち込まんと。


続いて、雫と5手目くらいまでは共通で、そこからトラバースせずに直登する

「雲(初段+)」

もせっかくだからやってみたものの、

やはりどこか(まあ雫落としたし余裕だろ)みたいな気ゆるみがあったんだろう、

結構苦戦してしまった。

正直、雫も雲もグレードの差はそれほど感じなかったな。人によっては雲より雫のほうが簡単に感じる場合も大いにありえると思う。


続いては

「福の神(初段)」

雫や雲はジムっぽい、現代っぽい課題だったのに反して、
こちらはいかにも岩らしい課題。

カチからカチ!
微妙なバランス!

バシバシとかガシガシもいいけど、こういうのもやっぱり楽しいね。


ちなみに、

エリアでは圏外でネットに繋げられなかったから、

後になってyoutubeで福の神観てみたら、多くの人が登っているムーブは全然これとは違った。

まあでもラインは合ってるし、難易度としても

初段にしては簡単になりすぎてるわけでも
初段にしては難しくなりすぎてるわけでもないと思う。

なのでまあ一つの別解というか、選択肢としてこのムーブも良いムーブだと思う。


課題に取り付く前にyoutubeでムーブ確認したり、誰かに教えてもらったり、

そういうのも良いと思う。

僕もよくやる。

でも前情報無しに課題にとりつくと、多くの人が見落としているこういう新しい発見とかが生まれやすい。

事前に調べすぎると「それなんだ」と先入観持ってしまって他の選択肢が浮かびづらくなってしまうっていうのは、やっぱりあると思う。

まあ情報というのは、「使わない」という選択肢を含めて使い方いろいろってことか。



その後またエリアを移動して

「鬼火消し(初段)」

にトライするも時既にヨレし。

一つ一つのムーブはそれほど難しくないと感じる。

でも通すと出来ない!途中で落ちる!くやしい!

明日やろう!と思ったけど明日は雨で中止だ!

何が何でも登ってやる!

体力は気合でカバーだ!



結果



やっぱり無理でした。

いやー
これは面白い課題だった。

岩のスケールがとにかく大きくて、手数だけでいっても15手くらいあるのかな。
しかもどの箇所切り取っても内容があって面白いし、最後のマントルも決して簡単じゃなくてスリルあるし。

今度行ったときはコイツを真っ先に落としてやろうと、

そう心に決めて、

初めての日御子は終了。



遠いと思っていたけど、片道4時間かからないくらいだし、今度また日帰りで行ってもいいな。
ただほぼフルで高速道路だから結構人数いないと金掛かりすぎるのがネックか…




2014年12月13日土曜日

「得意不得意」で片付けてちゃ成長はない


また、

また宮川行ってきました。


宮川は行くのに結構時間かかる割にはあまり高速使わない(使っても大して時間短縮にならない)
ので安上がりだっていうのも行く理由の一つだし、
そんなに標高高くないのでこの12月でもそんなに寒くないっていうのも理由の一つ。


今日は前回、前々回に行かなかったエリアにも行こうかな、と思い


まずは

「パワーブレイン(1級)」

をやりに。

名前とは裏腹にバランス系で、上部のスラブパートが結構スリリングで面白い。

順当に落としたところで次に


「ハイパワーブレイン(二段)」


今日の目標はコイツ。


トウフック決めまくりのルーフパートをこなし、パワーブレインに繋げる、パワフルかつテクニカルな課題。


これが


もうね



全っ然出来なかった!


もうびっくりするぐらい歯が立たない。

トウフックが掛からない掛からない。抜ける抜ける。


いやそんなにトウフック得意だとは思ってなかったけどここまで出来ないとへこむわ。

ちょっと練習せんとなトウフック。
多分力を入れる方向とか側腹部への力の入れ方とかの根本にもうダメな部分があるんだろうな。



気を取り直してエリアを移動。

以前「マッハランジ」をやった時に、「次に来たときにやろう」と思ってとっておいた


「マッハ(二段)」

に挑戦。

カチを繋げる長いトラバース。

持久系の課題、という第一印象だったが、やってみるとスタミナ面で落とされる心配はそんなになさそうと感じた。

その代わりに1箇所、明確に悪く感じる箇所があった。

スタート直後にクロスで取った左手ピンチがなんともスリッピーで、その後右手をポッケに飛ばすところで何度もすっぽ抜けた。


あまりに滑ったので腹が立って、左手人差し指に巻いていた指皮保護用のテーピングを思い切って剥いだ。


そしたらまあ





いけた。

正直ラストのガバ地帯に到達した時にかなり腕パンプしてて、上部は見た目以上に必死だった。

それでもまあ落ちるとは思わなかった。


最近は結構こういう長めのトラバースが得意になってきたみたいだ。

持久力がついてきたっていうのもあるし、リズムの作り方とか、力を抜くタイミング、入れるタイミングの見極めができるようになってきたのかもしれない。

でも、まだまだソフィスティケイトさせていく余地はたくさんあるし、持久系はトレーニングの成果が比較的早めに出易いからもっとこのへんも練習していこう。



やはり岩に行くと、色々とやるべきことに気付かされる。

気付くだけなら簡単。

そこから「やる」か「やらない」かが、ちょっとした問題。






2014年12月9日火曜日

宮川!

また行ってきました。


今回は1人で現地に行き、

現地であの方と合流。


新潟が誇るボルダリングジム

「8GRADE」

の筆頭クライマー、

カカロット

こと

猫海くん



相変わらず赤かった



さて


まず

アップがてら

「雷切(初段)」

から。

もともと 初段/二段 というグレードだったけど、最近初段にリグレードされたという課題。

そこそこ高さもあるカッコイイ岩だったのでちょっと楽しみだった。

スタートの姿勢をとるのがちょっと気持ち悪い形で、そこで少しモジモジとしたけど概ねすんなりムーブは出て、

カンタンに、とは言わないまでも、まあしっかりと落とせた。




海くんもさっくり落としてた。

続いて「雷撃(二段)」も打ってみたけど、二手目のデッドが遠すぎて出来る気しなくて敗退。
いや、根気よく打ってればいつか止まったかもな。
でもこれは別に今日あまりやる気なかったのでそこまで深追いせず。


続いて


「マスタング(二段)」


とりあえず今日の目標はこれでした。

序盤のムーブは割りと適当でもすぐに出来て、

しかし核心の左手クロス出しの箇所に少々苦戦。

海くんは

「クロスが嫌い」

という理由で、あえて右手とばしでムーブ出そうとしてた。

しばらくそれであーでもないこーでもないやってたけど、

海くんが

「じゃあクロスでもやってみようかな」

とやってみたところ、

1発でめっちゃすんなり止め。

次の繋げトライでさっくり落としてしまった。

「落ちる気しなかった」(本人談)

なんかスタティックだったしね。

「クロスが嫌い(苦手とは言ってない)」

ってことですねわかります。



結局、核心部のコツは左手クロス出す時の右手サイドカチをしっかり握れば良いというだけのシンプルなものだった。・・・色々飛び出し方とか試行錯誤したのはほとんど無駄だったな。


(でも右手カチがなんかジャギジャギしててあんまり握りこみたくねーんだよなぁー)
と思いつつも


って感じで右手めいっぱいカチったらフツーに止まった。

・・・確かにしっかり持ちさえすれば落ちる感じは無いな。


念のためちょっとレスト挟んで繋げトライ。


一発で決めたかったので


って感じで本気で右手を握りこんだ結果


















中指バックリ逝きました(泣)


これ結構深くイッてるんですよ。






でも










一応落としはしたんですよ。



完登後にクライムダウンしてる最中に、

なんか手が赤いなーと思ってよく見たら中指からダクダク血が出ててびっくりしたわ。

いや本当このトライで落としきっといて良かった。

もう1トライとか無理だった。



とりあえず爪きりと絆創膏とテーピングで応急処置したけど、

ホールド握ると激痛走る!

ということでまだ昼過ぎくらいだったのに今日のクライミング終了。


殆ど登っとらんぞ今日!!


その後は海くんのクライミングを見学するだけというね。




よし、

とりあえず傷を治すのに全力を尽くすか。

2014年11月19日水曜日

最大限のためにまず最低限をこなせ

指皮が治らない。

治癒に充てる時間<痛めつける頻度

なのだから当然のことではある。

大丈夫、

僕にはアレがついてる。

そう、

テーピングという切り札が。



ということで、

今日は

宮川

に行ってきました。

初の宮川です。

GiaNizm4を観た時から気になっていたエリアだったので、ワクワク感はかなり大きかった。



現地に着いてまず初めにとりついた課題は

「あめご(初段)」

自然に作られたとは思えないほど、絶妙な位置に絶妙なホールドが配置されており、そのホールドに導かれるままに手を進めていく。



これぞ初段の課題といった強度、ムーブ、緊張感、ラインの整然さ。
登る価値の高い課題だと思う。


次に取り組むは

「チャンドラ(二段)」

二段にしては易しめである、とか、初めての二段にこの課題を選ぶ人が多い、だとか言われていたりもするが、それでも(それ故に?)エリアを代表する人気課題の一つであることは確かだ。

ホールドを確認すると、確かに極端に悪いホールドは無く、ムーブも起こしやすそうではある。

しかしいざとりついてみると、3手目(実質2手目)の、右手クロスで取るカチの握りがイマイチしっくりこない。
素直なカチという形状でなく、スロット状の形状に指をねじ込むという感じだが、そこにどうも人差し指と中指がうまく入りきらない、入ってもしっくりこない。


そこでハマりかける。


その一因としては指がこんな

状態だったというのも勿論あるだろう。

まあしかし現状「こう」なのだから、それで勝負するしかない。

色々握り方を試行していき、最終的には、敢えて人差し指・中指を浅くして、薬指と小指を深く刺して外から内に絞り込むような力の入れ方をする、というような握りにすることで上手く決まった。

そこを越えればあとは最後の単純なランジをこなすだけ。

サクっと落としてやるぜ!

と繋げに入るものの、なんと最後のランジで落下。

その際マット外に尻餅をつき、軽く打撲に。

相変わらずの自分の詰めの甘さが招いた痛みに憤りを感じながらもそれを抑えキチンとレストをはさみ、落ち着いてトライ。



登れました。


こんな状態でもこの短時間で登れた、ということはやはりこれは難しい二段とは言えないかもしれない、が、初段と呼ぶには難しいとも思う。
そうするとやはり二段で適正なのではないかと思う。
「あめご」よりは難しく感じた。



次!


「マッハランジ(初段)」

いわゆる一手もの。
こういう課題には苦手意識を持っていたけど、何度か跳んでみると意外に好感触。


カメラをセットし、服を脱ぎ、気合を入れて。




やっぱり脱ぐとランジは止まりますね(確信)
こういう課題はあまり深く考えずに気合とノリで押し切るのもいいのかもしれない。


その後は

「キングジョー(三段)」
の圧倒的なカチの悪さと距離に痛めつけられ、

「ショートケーキ(三段)」
の謎めいた1手目に翻弄され、

「でっちようかん(二段)」
のツルツルマントルに恐れおののき、

「チーズケーキ(初段)」
のスタートカチロックに指と身体が耐え切れなくなっていることに気付き

終了。



いやー


面白かった。

面白かったけども、やはりもったいないと思うのは自分の体力の無さ。

岩場に着いてから帰るまで、ぶっつづけで最後まで岩を楽しみきる体力に欠ける。

やはりもっと普段からジムでの登り込みをしたい。

2014年11月11日火曜日

細く折れるような研ぎ方でも、先を丸めるような研ぎ方でもいけない

正直、今日はさすがに岩に行くのは止めておこうかと、実は思っていた。

この間の三重で指の皮がズタズタに引き裂かれ、左右の手の主要な指(中指と人差し指)はテーピングを巻かなければロクにホールドも握れない、特に右中指の傷は未だ生傷のままで、少し力を入れて握りこむとキツくテーピングをしていても血が滲んでくるような状態。

しかし、

そんな状態でも、いや、そんな状態だからこそ出来ることもある。

ということで今日は易しめの課題を中心に色々登ることと、次に狙う課題の下見をすることとした。


次に狙う課題というのは

「岩魚(三段)」

核心部の下地が悪い恐怖系であり、右手の繊細かつ強力なホールディングを求められる課題。
なので今日は核心はとりあえず置いておいて、核心後の数手+マントルの返しかたを練習しておいた。
これでいざキチンと落とそうっていう時に無駄に上部で焦らずにすむはず。


それから、

今日落とした課題たち。

まずは

「パタゴン(1級)」

割と顕著なホールドがいくつかあって、一定の保持力と体幹の強さがあれば特に苦労する点は無いが、カチや腹筋に自信が無い人にとってはリップ止めにかなり勇気が要るだろうと思う。

『11/14追記:どうやらこの課題には限定があるようで、僕が登った際に使ったホールドはその限定にひっかかるとのこと(初見でそんなん解らんわ!あんなん普通使うわ!)。とりあえずまた今度登りなおそう・・・。いや、つーかさ、そもそも限定のある課題ってどうなのよこれに限らず。好きな方法で登るのが岩ってもんじゃん、そういうのはジムでやることじゃん、だったら限定とかなくしてグレード下げればいいじゃん、一番良いホールド一番良いムーブを選択してそこを登るのが自然な形じゃん、そもそもそれじゃオンサイトとか無理じゃん限定かどうかまで見抜けってかそれは(ry・・・いやまあそういうこと言えばキリ無いけどね




「白昼の死角(1級/初段)」

スタートから1~2手目までの右手とばしが、踏んでいる右足もシビアなこともあり、非常に神経質で面白い。上部も雑にこなそうとすると充分落ちる危険がある、最初から最後まで気の抜けない良課題。



「メモリードール(1級/初段)」

「ドール(2級)」のロングバージョン(中間部あたり、左手を左方向にパーンと飛ばして取ってマッチしたガバが2級のスタート)。かなり「ジムっぽい」楽しい課題。ドール部分に入ってからは下地が深く抉れていて恐怖感があるが、上手くやれば「落ちないムーブ」を作れる。ガバめがけてランジしたほうが楽かもしれないが、マットと確率に頼ったムーブは好みじゃない。


白昼の死角は特に面白かった。
中々ジムじゃこういう風情は作れないな、と思う。

高難度の課題を追うのも勿論楽しいけど、これくらいの課題を色々登っていくのも楽しいし、経験にもなる。

他にも2級とか3級とか、はたまた10級とかにだって、何かはっとさせられるような部分とか、思いも寄らぬ面白さを秘めていたりするかもしれない。

色んな課題を楽しむ心の余裕をこれからもう少し持ったほうが良いのかもしれない。
それがまた自分のクライミングの懐を広げていき、深みを増していくことに繋がるんじゃないかな。

2014年11月8日土曜日

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

僕は一応「三段クライマー」なわけだけれども、

ひとくちに「三段クライマー」と言ってもピンからキリまである。


「三段(の実力がある)クライマー」

から

「三段(の課題を登ったことがある)クライマー」

まで。


両者の間にはやはり違いがある。

後者のタイプは、ギリギリ二段くらいの実力があるクライマーならなんとかなることができる。

「これ」と一つ課題を決め、そこに通いつめ、何度も何度も打ち込み続ける。
そうすればいつかなんとか自分の実力より1~2グレード上の課題くらいは落とせてしまえる。

それはしかし、登れた時点で三段の実力に成長したというよりは、

「その課題に適応した」

という面が強いだろう。

勿論それはそれでしっかりと時間と労力と情熱を必要とする。



僕は自分は
「三段(の課題を登ったことがある)クライマー」
だと思っている。

そしてこれから
「三段(の実力がある)クライマー」
になろうと思っている。

そのためにすべきことは、

一つの高難度の課題にひたすら打ち込みつづけること

ではなく

ひたすら多くの課題を登り、普遍的な、全体的な、汎用的な経験値を得ることなんじゃあないか、と

そういうことを

今日思い知らされた。



今日は三重に行ってきたわけだけれど、

やはり狙いは、前回敗退しつつも課題として強い魅力を感じていた

「ファイア」

とにかくその課題を少しでも進めようというのが第一目標としてあった。

アップを済ませたあと早速とりつくと、

前回うまく決まらなかったスタート~1手目のムーブが意外なほどすんなり決まり、その後のムーブも箇所ごとにはなんとかこなすことができた。

やはり「三段のムーブを起こす力」はあるのだろう。

しかし2手繋げると厳しく、3手を繋げるのは不可能。そんな状態だった。

何時間かそうこうしている内に指の腹が裂け、流血してきた。




 こんな傾斜で


 こんなカチとか


こんなカチとか

なのでさすがに指先感覚の鈍るテーピング状態ではこれ以上進めても得るものは少ないということでファイアのムーブ出しは打ち切り。

その後
「カツオノエボシ(三段)」
を触りに行くも、ホールドとムーブの選択肢が多すぎて、しかもラインもよく解らない(スマホは圏外なのでyoutubeカンニングもムリ)のでこちらも暫くしたら終了。まあ様子見ということで。


そしてここからが今日のある意味ハイライト。

「ラッキーセブン(初二段)」

結構リーチのキツイ横デッドが核心の好課題。
核心部のムーブ出しに苦労するも、決まってからはいけると確信。
しかし繋げトライで、ほぼ課題は終わっているリップ部分で足スリップ→キャンパで耐える→修正するもヨレ落ち。
でタイムアップ。

日も落ち、折角なのでまだ触ったことの無い岩の紹介だけしてもらいつつ、
帰る直前に一日の締めくくりにと

「カンパチ(初段)」

120度くらいの傾斜にマイクロピンチと小さなフットホールドの、スタートの離陸と1手目を出すのがかなり厳しい、THE外!って感じの課題。
これも始めは浮くことすら出来なかったがやっているうちに重心位置等が解ってきてスタート成功。
ところが上部のそれほど難しくないところでヨレ&迷い落ち。指皮をザックリ縦に切り裂かれるというオマケつき。




うーん


・・・決め切れない!



言い訳でも負け惜しみでもなく、ラッキーセブンとカンパチは落とせる課題だ。
というより「落として然るべき課題」
打った時間帯とか体のヨレとか色々あるけれど、それでもこれくらいなら実力で捻じ伏せなければいけないレベルだった。

こういう、実力的にはしっかりと落とせるはずなのに決めきれない、というところに
冒頭で言ったような「経験値」の不足を感じる。


初段くらいなら触ったら取りこぼし無く登る。
二段くらいは決めたら1日ないしは2日くらいで登り切る。

コンスタントにそれくらいならこなせるようにならないと、
まだまだ四段どころか三段も登れない!



ということで今日登れた課題は、アップがてら登った

「さざなみ(初段)」

だけでした。

易しめ初段と聞いていたので一撃を狙っていたんだけど失敗。
開き直ってホールドとムーブを探るとやはり割と顕著なホールドを見落としていた。
こういうところにも経験値不足が現れている。
ムーブ確認後は落ちる要素を感じなかっただけに悔やまれる。




2014年11月4日火曜日

11月、本格的にシーズンイン


ところで昨日から僕は風邪気味だった。

しかし今日は折角の休日だし、空気は冷えていて、雲は無く、岩のコンディションは良さそうだ。

自分の体とは、いつでも折り合いは付けられるが、季節や天候といった事柄に対してはそう容易に折り合いがつけられるものでもない。

そういうわけで、僕は岩に登りに行こうと決めた。

行き先はミタライ。

あと少しで登れそうな

「ハリガネムシ」と「ゴワトリ」

その2つの課題に照準を絞って打ち込むつもりだった。

最近は僕にしては結構まじめにトレーニングに取り組んでいたつもりだし、身体自体はそれなりに仕上がり掛けてきている。
しかし体調は今ひとつ。

岩のコンディションも実際に触ってみると思ったほど良くはなかった。70点といったところだろう。

自分の身体の状態についても半信半疑のまま、とりあえず「ハリガネムシ」からはじめることにした。

アップがてら核心である後半のランジ部分の練習を何回かこなし、体も温まり感覚も小馴れてきたタイミングでつなげに入る。

1stトライで、かなりいいところまで行けた。
核心のランジがほぼ止まりかけた。

完登の予感が強まり、浮き足立とうとする心を抑え、慎重にレストを挟み何度かトライ。

後半に意識を持って行き過ぎて序盤で足が切れて落ちたり、やはりランジがうまく決まらなかったりと、何度かミスを重ねたが、その度に細かく調整を繰り返して、納得のいく修正を加えていった。

結果、4回目のトライで完登することができた。







時間にしてみれば1時間もかからずに登れたことになるけど、実感としてはもっと掛かっていた気がした。集中し、緊張していたということだと思う。

その後、身体と精神のコンディショニングのため「ハナモゲラ(2級)」を登り、

次の目標である「ゴワトリ」に。

思ったより「ハリガネムシ」が簡単に登れたこともあり、今日の岩と自分の体のコンディションは思ったよりも良いんじゃないかと感じ始めていたため、「ゴワトリ」も今日中に登れるんじゃあないかという気持ちはかなり高まっていた。

しかし、

いざ取り付いてみるとやはり前回落ちていた箇所と同じ場所で何度も落ちる。
その部分を切り取って練習してみてもそれ以上改善の余地はあまり残されていないように思えた。

上部で落ちるのを防止するにはやはり下部のムーブをより正確にこなすしかない、という結論に至り、下部のムーブをより慎重に、注意深く、集中し、細かな調整を重ねて少しずつ洗練させていった。

そのようにして何度かトライを重ねるもやはりどうにも決めきれない。

その一因としては、前回岩に行った際に裂けてしまった右手中指の皮がまだ完治していなかったということもあった。
テーピングを巻くことでフリクションが犠牲にされるのを危惧していたため、敢えて何も巻かずにトライしていたのだが、それによってかえって無意識のうちに右手に力が込めきれていないのではないか、と思い至った。

指の腹のフリクションがなるべく死なないよう、かつ傷口がしっかりカバーできるような位置にテーピングを巻き、意を決してトライしてみた。これでダメなら仕方が無い。(体力的にも時間的にもこれが最期のトライになるだろうな、というタイミングだった)







登れた。

登れてしまった。

まあ、このゴワトリという課題に関しては「易しい三段だ」と言われているとか、今回僕が採用したムーブは初登時のムーブとは異なり幾分易しいものだとか、色々細かい言うべき箇所はあるのかもしれない。

でもとにかくこのライン、この課題を登れたことは確かだ。
そのことがただ素直に嬉しい。


その後、時間がまだ少しだけ余裕があったため「ケロ(1級)」をクールダウンがてら登り、今日のクライミングは終了。


結果的には今の自分にできる内での恐らく最高に近い出来だった。


今日思ったのは

「ベストコンディション」とはなんなのか?

ということ。

気力も体力も、環境も、すべてが最高に整っている状態。
そういう時ってあるんだろうか。

クライミングに生活全部を賭けられるわけでもない社会人であり、
クライミングが岩という自然物を相手にしているものであるかぎり、

そんな状況はほぼ無いといっていいと思う。

非の打ち所の無い完璧な状況というのは非現実的であるとさえ言える。

結局のところ「ベスト」というものは求めるべきでなく、「ベター」をいくつか重ねるしか無い。
これはコンディションという面でもそうだし、課題を登っている最中のムーブのこなし方についても同様に言えると思う。


いくつかの好条件といくつかの悪条件があって、

好条件をうまく味方につけて利用して、
悪条件をうまくかわすか抑えこむかして、

そういうふうにしてベストの結果を打ち出すしかないんじゃあないかな、と思う。

2014年10月29日水曜日

10月まとめ


10月は岩行きまくり!


・・・にしたかったけど結果的には殆ど行かなかったなぁ。


10/23にミタライ
10/28に三重県某所
10/29に武庫川

と三回行っただけ、か。


内容としても個人的にはほぼ成果なしと言っていいね。

ミタライは

「ハリガネムシ(二段)」

「ゴワトリ(三段)」

に再度敗退。

以上。



10/28の三重では

まず

「上手(ジョーズ)(1級)」

をやり、



それのSDスタートの

「メガロドン(二段)」をやるも敗退

その後

「カッターナイフ(1級)」

をやる。

一撃できそうだったけどダメだったわ。

迷いながらも次のトライで落としたけど(動画見るとわかるけどムーブぶれぶれやな)
これくらいなら一撃せんといかんな。


その後

「円盤(初段)」

「羅針盤(二段)」

を触るも、

なんとスタートの離陸ができず敗退


・・・屈辱


その後

「ファイア(三段)」

にトライ。


この課題がね、

良いよ。

好きだわ。

130~140度くらいの強傾斜に薄めのカチと際どいスタンスで繊細かつ強いムーブをこなしラストはランジで〆る。

かなりカッコイイ課題。



まあ勿論敗退したんですが、触り始めは殆どイミワカラン状態だったのに数時間打ち込んだら結構いけそうな気配も見えてきたんでヤル気上がった。

で、

夕方ごろちょっと移動して

「お受験(初段)」

を登る





午後五時のチャイムが響いてますね。

その後「あんころもち(1級)」を登り、
そのSDスタートの「センター試験(二段)」にトライするもまたも離陸できず終了。

円盤、羅針盤、センター試験と、
両手アンダーのSDスタートがここまで苦手だとは思わなかったな。


全然課題は登れなかったけど、初めての岩場はやっぱりそれだけで楽しい。
めっちゃ打ちまくってヘトヘトになって家に帰ったのが24:30くらい。

またここの岩が鋭くてジャギジャギしてて指が超痛い。

だがそれがいい!



そしてその翌日10/29

武庫川ですよ。


まずはアップがてら

「落石(1級)」
(もとは初段と言われていたけどリグレードされたらしい。確かに初段と言うより1級のほうが適正な気はする)

「猿の隠れ家(初段)」

を登り、


冷酷のムーブばらしと

「飛び猿(三段)」のランジ練習。


冷酷に少し進歩があったのは良かった。





うーん。


やっぱり普段の登り込みが全然足りないな。

もっと強く、もっと上手くなるために、意識改革をせねばな。



そうそう

23のミタライと29の武庫川は

岩場めぐり中の猫海くんと一緒に登りましたよ。


「相変わらず強かった」

とは言えないな、もう。

僕の記憶の中よりももっと強くなってた。

「強いこと」そのものよりも、その成長性にこそ嫉妬を覚える。


やはり彼は僕にとって

憧れであり、
目標であり、

そしてライバルでありたい。

ちょっと現状ライバルとはとても言えないけど、いつか追いつき、追い抜きたいとは実はいつも思っている。

だから彼が強くなっていて――彼との差が広がっていて――悔しいと同時にやはり嬉しかった。




全体的なレベルアップをしなきゃいけない。

ただ高難度の課題を登るってだけを目標とするなら、

通いつめてその課題だけを何度も何度も打ち込んだりすればまあ落とせるんだと思う。

それで結果登れたらそりゃあ嬉しい。

嬉しいが、それは厳密には「その課題に適応した」というのが大きく、

「強くなった」と言うために必要な実感をもっと根本的に普遍的に恒常的に自身に根付かせるためには、もっと沢山、岩場でもジムでも登らないといけないな、うん。




よし!


修行するぞ!

2014年9月29日月曜日

予感

今日(9/29)も行ってきましたよ岩!

最近更新頻度上がってきましたねこのブログも。

シーズンですからね!

(でも10月はちょっと頻度落ちそうなんだよなあ)


ということでまたミタライ!行ってきました。

今日の目当ては

「ハリガネムシ(二段)」

けっこうからめの二段ということで、

1dayできたらすげーよ、と言われていたので

すげーよ、といわれるためにめっちゃ打ち込みました。

結果・・・



ダメでした



いやまって、言い訳させて!

暑かったんですよ今日!

夏日だったんです!

30℃超えてたんです(マジで)

でこの課題は結構コンディション大事なんです(多分)


ということでね、コンディションよければ行けたかもー、なんて、、、

いや、

やっぱ言い訳です。


落とせなかった。


ただその事実だけです。



でもまあムーブはバラせたし、次回はいける気配は強い。

核心は終盤の横ランジだけどこの写真の次の左手寄せクロスがなんせ悪い



で、右肩のヨレが限界きてハリガネ敗退したあと、

夕方になって気温下がってきたので次に

「ゴワトリ(三段)」

にトライ。

二段ヨレて諦めてんのに次に打つ課題のほうがグレード上がってんじゃん、
と思われるかもしれませんが、

ハリガネムシがフィジカル&テクニック系なのに対して

ゴワトリは指系(カチ系)なので使う筋肉は違うのでなんとか行けるかな、と。


で実際触ってみると


あれ、

これ、


いけんじゃね?


簡単に、と言うわけではないですが、

全ムーブの解決に成功。

やっぱ気温下がってコンディションよくなってきてるのがでかい!

と俄然テンション上がり、そこから繋げトライに入るも


やはり


だめでした。


やはり指に負荷の強い連続カチ。
繋げると微妙なヨレが身体を落とす。



いやでもこれも岩と身体のコンディション次第では全然行けそう。




ということで今回はアップで登った3級以外はなにも登れなかったわけですが、


「悔しい思い」


「行けそうな予感」


という最高のモチベーションを持ち帰ってくることが出来ました!


やってやるぜ!





2014年9月26日金曜日

ゴゴカラムコガワ


今日(9/26)はね、

本当はレストかジムトレにしようと思ってたんですよ。

午前中にPCのネット環境を整備するための工事する予定がありましたので。


でもね、

ふと思ったんですよ。

「近場の岩なら午後からでも充分楽しめるんじゃね?」

と。


ということで、

昨日の仕事終わりにジムで散々登った後の帰りの電車内で


ぼく「明日午後からになるけど武庫川行かない?」

ワッタ「行きましょう!」


となってね、

行ってきました。


出発は12:30くらいだったんですけどね、

初めての岩場だということもあり、

いや、充分楽しめましたね。


アプローチがちょっと

恐くて(暗いトンネル)
恐かった(急なガケ)けど、

短時間低運賃でこんなスバラシイ岩に行けるってのは最高ですわ



でもまあ時間もそんなに無いし、

初段あたりを二人でさくっとやって帰ろーぜとなり、


まずはアップがてらと

「大猿回し(初段)」



スタート直後の手に足ヒールの位置の探りにちょっと手間取ったけど、
それでも結局2手目以降は落ちる要素が無く、アッサリと落とせました。
(あまりにアッサリ落としちゃったため動画をとり逃したため動画用に再登しました)


次に触ったのが

「猿の神(初段)」


いやね、これは悪かった。


とにかく核心のガバ取りの飛び出しがやりづらくて、

はじめのうちはガバに届きもせず、届いたら届いたで振られがデカくて落ちまくり。

でもホールドの握りとか足位置とかを試行錯誤して細かくアジャストしていったら段々色々改善されていって、



最終的には落とせました。

スタート左後方のランディングに岩が飛び出しているところがあって、その上にマットを置いていたんですが、ムーブ出しの際そのマットに足が当たることが多かったので、思い切ってどかしてみたのも良かったですね。

まーこの課題は見ての通りのバシバシ系

つまりワッタの得意系、

ということでかなり早い段階で彼だけムーブ出て俺取り残され気味だったんですが、

ムーブが完成するやいなや次の繋げトライでスグに落とせてしまい、結果的には俺が先に落とすという結果に。

そして直後日が暮れ、ライトで照らして粘るも本気で暗くなってきたのでタイムアップ。

宿題な!



まあね、今回は突発的だったということもあり

前日レストもしてないし居たの3時間くらいだったし、

前座ですよ前座

本番は、

そう


冷酷(四段)


コイツは今日時間なくてロクに触らなかったけど、ホールドの確認だけはしたところ、

(案外イケるんじゃね?)

と感じちゃったりしてみたり。

これから本格的にシーズンイン!


今年は冷酷をやります!(宣言)

2014年9月25日木曜日

関西の基準初段

ちょっと忙しくてブログに書けてなかったけども、

9/19にね

御手洗行って来たんですよ。

もう季節も秋めいてきまして、岩のコンディションも徐々に良くなって来てましたね。

まず第一の目標は、

前回敗退していた

ターターシン(初段)


・・・
まあゆうても初段だし、
体の調子と岩のコンディションそれなりに良いんだからスグに落とせる思うとりました。

サクっと落として他の課題やりまくろーと思ってたんですよ。


しかしね、色々あってドハマリしましたね。

まず
前回落とした「草餅」の岩に行って、
「草餅」と「超草餅」を落としてない他のメンツに付き合いつつ、
アップがてら草餅リピートと超草餅リピート(超のほうは完登まではやってないけど)
してたら、
なんか興が乗って打ちすぎた。

あとターターシン自体、

1箇所、

1箇所どうしても持ち方がしっくりこないホールドがあってずーっとそこで落ちてた。

・・・あの右ガストン(?)タテガチャカチめ。

最終的にはよく解らないまま開き直って力でゴリ押しました。



ということでね、

今までクライミングは理論だバランスだ言ったりしてましたが、

すいません間違ってました。

クライミングはゴリ押しです(確信)


…まあ半分以上冗談なわけですけども、
やはり時にはただ力と気合に頼るってのもクライミング(とりわけボルダー)には大切なんだな、と。
有る意味原点に立ち返ることができたということですね。


2014年9月11日木曜日

強傾斜壁におけるランジ理論―「振られにくい」ランジとは―

久しぶりの更新ですよ、と。

もう1ヶ月以上放置してましたねこのブログ。

だって夏はあまり岩行かないんですもん。

ということでね、今回の内容も岩行った話じゃありません。

ちょっと今までのジムトレで学んだことの一部を解りやすくまとめてみたくなったので、それを。

タイトルの通り、「強傾斜壁におけるランジ」についてです。

今回のテーマは

「いかに“振られ”の少ない跳び方をするか」

ということについてです。

ランジの際に落ちる原因の1つとして

「次のホールドを捕った後に振られて落ちる」

というのがあります。

「そもそも次のホールドに届かない」
というのは単に保持力、フィジカル不足によるところが大きいです。

しかし「振られて落ちる」ということに関しては

「跳び方」を変える事で簡単に改善することが出来ます。


まず前提として、

ランジにおいて重要なのは「重心の位置」です。

どうしてもクライミングをしている時は
ホールドを握っている「手の位置」
ホールドを置いている「足の位置」
ばかり気にしてしまいがちです。

しかし真に重要なのは重心の位置であるというのはクライミング中級者以上であればわかると思います。
(この感覚が解らないというクライマーはただの保持力オバケです。もう理論とか必要ないから全部力で捻じ伏せてください。結局理論やテクニックなんて保持力が無い弱者のためのものなんです)

とりわけ強傾斜、さらにランジの時などはほぼ空中にいるようなものなので、重心の位置は垂壁、スラブでスタティックに動いているときより強く結果に影響を及ぼします。

姿勢やポジションによって重心の位置は腰付近にあるときもあれば胸付近にあるときもありますが今回は重心の位置が腰にある場合として説明していきます。

まずは次の「図1」を見て下さい。




これは

跳ぶ前に手足を縮めてしっかりロックして、重心を壁に近づけたところからスタートし、そのまま真っ直ぐに跳び上がった場合です。

図の赤矢印が重心の移動の線です。
つまりこのような跳び方をすると、

次のホールドを捕った後に重心が後方に流れていくわけです。

次に「図2」を見て下さい。



これは跳ぶ前に少し腕を緩めて腰を深く落とし、跳ぶ動作の過程で腕を伸ばし腰を後方に一度引き(図の黄色い影)それから上に跳び上がる方法です。

赤矢印の軌道を図1と比べてみましょう。全然ちがいますね。
この跳び方をした場合、

次のホールドを捕った後に重心が上方に引っ張られます。

つまり、マイナス要因のはずの「振られ」が逆に身体を引き上げるためのエネルギーとして利用できるようになるわけです。


図1の跳び方の場合、「跳びすぎ」に注意する必要があります。
必要以上に跳んだ分のエネルギーは「振られ」の大きさに繋がるからです。

図2の跳び方の場合、「跳びすぎ」はむしろOKです。
必要以上に跳んだ分のエネルギーは身体を上に持ち上げる助けになるからです。

勿論、
「調度良い飛距離を出そう」
と思ったときよりも
「出せるだけ飛距離を出そう」
と思ったときのほうが思い切り跳べるためより遠くのホールドに向けて跳ぶ際に有利になるし、距離調整に神経を削られない分、ホールドの保持や足置きなどに集中力を割くことができ、そこも利点の一つです。


ということで、

図2のような跳び方をしよう!

というのが今回の「ランジのコツ」の1つの結論になるわけなんですが、

勿論そう簡単に話は済みません。

図2のような跳び方をするにはいくつか条件があるわけです。

①跳ぶ前の手と足の位置がある程度近い
→これがないとまず図2のはじめの姿勢がとれません

②跳ぶ前の手がしっかり保持できている
→これができないと図2の黄色い影の状態になったところですっぽ抜けて後方に落ちます


②については結局保持力かよ!
と言われるかも知れませんが、それについては

「はいそうです」

としか言いようが無いですね。
やっぱり最後は保持力ですよ。


あとは例えば、

・跳びだす前のホールドと姿勢がとても悪く
・跳びつく先のホールドがドガバ

の場合は、振られで落ちることより跳び立てず落ちる場合のほうが多いので、むしろ図1のような跳び方を推奨すべきですね。

つまり図2のような跳び方は、はじめに言ったように

「次のホールドを捕った後に振られて落ちる」という状況を改善するためのムーブなわけです。




さてここからまた少し話は変わりますが、
最近ランジにおいてまた一つコツのようなものを見つけました。

それは

「手を見る」

ということです。

基本のダイアゴナルムーブのコツとして、進行方向の逆を見る、というものがありますがそれと同じようなものです。

つまり、
新しく捕ったほうのホールドではなく、

もともと持っていたほうの、残した手を見る。ということです。

視線というものは思った以上に体の向きの決定に関わっています。

両手でホールドを握っているとき、

右手を見れば自然と右肩が後方に開き左肩が前方に突き出されます。
左手を見れば自然と左肩が後方に開き右肩が前方に突き出されます。

登っている最中のように一瞬で色々な判断、動作をしなければいけない時、

「左肩を後方に開き右肩を前方に突き出す」
という動作を考えて実行するよりも

「左手を見る」
を実行したほうが早いですね。

こういうのは大事です。


実験によると
跳び箱を跳べない小学生を集めて
「跳び箱の奥のほうに手をつけば跳べる」
と教えたところ殆どの生徒は跳べなかったが、
跳び箱の奥1/3に赤いテープを貼って
「赤に手をつけば跳べる」
と教えたところ多くの生徒が跳べるようになったとか


ここで
「図3」「図4」を見てください。




図3の場合は
残したほうの手を「押せて」います。

図4の場合は
残したほうの手は「引いて」しまいます。

なぜ引くのが悪く、押すのが良いのかというと、これも重心位置との兼ね合いです。

もう一度「図1図2」に戻って、捕った後のカタチを見て下さい。

左手の位置は重心よりも高いところにあります。
重心よりも高い位置にあるホールドは引けば効きます。

右手の位置は重心とほぼ水平に近い位置にあります。
重心と同じ高さにある(同じ高さに近い)ホールドを引いても抜けるだけです。

実際に触ってみると解ると思います。


ランジして、振られた結果、残しておいたほうの手が切れる、という状況の多くは、残したほうの手を依然として引き続けているということが原因です。

それを解消するために

「身体を軽くひねり、残したほうの手のほうの肩を後方に開いて、残しておいたほうのホールドを“引く”から“押す”に切り替える」

ということ。
そしてそんなことをランジの一瞬で考えて実行するのは難しいので、

「残したほうの手を見る」

に省略するということです。


実はこの「手を見る」法なんですが、

上記の解説は仮説です。

実際に自分でやってみて、「手を見る」と上手く止まることが多かった。
その経験に対して後から色々試行して思考して、納得の行く理屈をつけただけです。

だから実際「手を見る」ことで上手くランジが止まる理由は他にもあるのかもしれません。
ひょっとしたら僕の身体的に変なクセがついていて、「手を見る」ことでその変なクセが矯正されていただけであって、他の、僕と共通のクセが無い人はこの方法を試しても上手くいかないのかもしれません。

まあでも今のところ僕はこの「手を見る」法はかなり有効だと思っているし、この仮説もそれなりに説得力のあるものだと思っています。



とまあ、
こんなところです。

ランジが苦手な人は是非この理論を試してみて下さい。

劇的に変わるってことは無いにせよ、多分ほんの少し改善されると思います。

「全然変わらん」
「むしろ悪くなった」

と思ったらすいません。

「あのホラ吹きヤロー!」と心の中で罵ってください。



いやー
長くなった!

書き始める前はもっとあっさり終わらせるつもりだったのにこんな長文になってしまった。

こういうの書き始めるとほんと長くなる。
書いてるうちに当初書く予定無かったこととか、
書きながら思いついたこととか追加したりとか、

いやでもこういうアウトプットは大事ですよ。

アウトプットすることで自分のなかに再度強く認識されますし、自分の思考を改めて客観的に分析しなおす機会にもなりますしね。




続編
デッドポイント理論―壁との距離―

2014年7月31日木曜日

暑は夏いね

7月も今日で最後!

これから夏本番!

って

もうすでに夏本番入ってますよとっくに。

もう毎日めっちゃ暑い。

今日(7/31)もめっちょめちょ暑かった。

36℃のとろけそうな日でした。
(いやマジで36℃あったんですよ)


そんな夏まっさかりにやることといえばー



そう



クライミングですね



今日は滋賀県の

東の河原

に行って来ました。

夏と言ったら河原の岩ですね。


今日は関西の激強クライマーN川さんと、後輩であり友であり明日から同僚になるM谷君と共に行って来ました。


誇張とかじゃなく本当に36℃だったからマジで暑かった。
ホールドもヌメりまくりだった。

でも楽しかった!


まず最初に
Beautiful day(初段)
をトライ

やさしめ初段なのでアップに、ということで。

まずはムーブ探りながら体慣らして行こうー

・・・と思ったら

まさかのオンサイトでした。

やさしめにもほどがあんだろと。

うーん。
小川山の「ギガント」を彷彿とさせる課題でしたね。

で、

N川さんが

それのスタートのさらに下にスタートに出来そうなホールドを発見。

ということで引き続き

Beautiful day low start(仮)

のトライに以降。

N川さんはあっさり落として
「初二段くらいかな」
とのこと。

僕とM谷君はBeautiful dayのスタートにリンクする寄せの1手に手こずり結局落とさずにこの岩を後にすることに。


続いて、

暑さに参ってテンションおかしくなってた我々は、

エクストリームランジ(二段)

にトライすることに。

いやね

これね


めっちゃこわかったんですよ。

でもやりだすとめっちゃ面白かったんですよ。



 ためてー


 とんでー


 とどかなくてー


ばしゃーー


ーーーーん!


ってな感じで。


もう半分悪ふざけみたいなもんですねこの課題は。

途中から結構本気でリップ獲りに行ってたけど全然届きませんでした。

ついでに川底の石に踵打って今若干痛いです(泣


それで全身びしょ濡れになった我々は暫く川で泳いで遊んでました。



めっちゅあ水きれいでしたよ





川遊びもそろそろいいかってことで

バラモン(三段)

にトライ。

これはN川さんが以前ここに来たときに
高い位置のトラバースでランディングもあまり良くない課題なのでソロマットではトライできないってことで食べ残しておいた課題らしい。

・・・

「めっちゃヌメる。今日落としたら四段の価値がある」

とN川さん。

そうこう言いつつもムーブをさくさくっとバラし、夕方にはN川さんは落としてました(パネェ)

僕もなんとかちょっとくらいはムーブ出しときたいなーとトライを重ねた結果!





・・・まあ落とせませんでしたよ(当然)

上の写真のヒールがとにかく抜けるんですよ。
そしてその後が核心なんですよ。


でも、なんとかムーブばらせた!

こうなると俄然燃えてきますね。

この「バラモン」は今僕の中で最優先ターゲットに指定されてます。

ちょっと…通うかな…いやでも結構遠いんよね…いや、迷うなぁ。


まあとにかく、

エンクラとしてはサイコーだったし、

新たな「コレだ!」っていう目標も見つかったし、今日は良かったー!


8月もがんばりますぜ


2014年7月17日木曜日

オテアライではなくミタライ

7月はちょっと仕事忙しい!

今日(7/16)は7連勤明けの休日でした。
明日からまた5連勤です。

まあでもそんなにツラくはないね。

だから今日は外岩行って来ましたよ。


行き先は「御手洗(みたらい)」

一応シークレットエリアだけどほぼ公然の秘密みたいなエリアですね。

清清しい川原のエリアです。
めっちゃ泳げます。

例によって先輩に連れて行ってもらいました。
(前回恵那に連れて行ってくれた先輩とは別の人です)

で、現地で先輩の友人3人と合流して5人で登ってきたわけです。

季節が季節なんでエンクラと決め込んでいたものの(やっぱり朝もゆっくり出発して着いたのは昼頃だったし)、

その3人の中には3段クライマーとかもいて、こりゃーアツいセッションが始まっちゃうかなーという予感が。

で、

はじめに

草餅(初段)

にトライ。

アップがてらムーブ出して、うまいことバラせて身体もほぐれたかなーってタイミングで



うん、結構簡単に落とせました。


その次に、草餅のロングバージョン「超草餅(二段)」があるそうなので、
残りのメンツが草餅を打っている間にそれのムーブでも考えておくかー、ってことでムーブ出し。

難しい。

っていうかややこしい。

どこをどの順に持ってどう足捌けばええねん。って感じ。

でも、セッション相手のジャンボ氏(3段クライマー)と一緒にあーでもないこーでもないと言いながら探っていくうちに徐々に見えてきて、

最終的には



落とせました。

ムーブ出したのもほぼ俺やで(ドヤァ

ヨレてくると初段部分終盤のガバ地帯が辛くてめっちゃ声出ましたけどね。


1dayで落とせたってのはモチロン嬉しいけど、

それ以上に嬉しいのはほぼ何の情報も無しにムーブを1から構築していけたってこと。

後でyoutubeで確認したら自分と同じムーブやってる人だーれも居なかったし。

動画で見たり他人にコツを教えてもらったりっていうのを否定するつもりはない(というか僕もよくやります)けど、

こうして自分なりに岩を「探る」っていう行為はやっぱり楽しい。そしてそれが「当たる」とすごく嬉しい。

既存のムーブだとリーチが短い人には厳しいムーブばかりだったけど、
今回僕が見つけたムーブならリーチの長短にかかわらず行けるし、一旦草餅のスタートポジションにきっちり下りるっていうところも潔さを感じられて良いと自分では思ってる。

こうやって、1つの解答が出ている課題に対して、異なる角度からの別解を提示できたということも嬉しく思う。


で、

超草餅を落とした後は引き続きジャンボ氏の超草餅や他メンツの草餅トライを応援しつつ、

川で泳いだり(水が冷たくて超気持ちよかった!)

岩を触ったり(ラインもわからんしマットも無いから遊び感覚で)

で、みんなが「もうムリだー」

ってなって移動して

次に
ターターシン(初段)
を打ったけど、

時既にヨレし。

カチが持てなくなってて敗退してきました。
次回落とすわ。


初めて行った御手洗だけど、
雰囲気としては塩原に似てる感じでしたね。岩質は塩原と御岳の中間くらいって感じかな。

川遊びも楽しかったし、とっても夏らしい良いエンクラができた!

夏の間にまたエンクラしに行きたいし、
もっと涼しい時期にもっと高難度課題に打ち込みにも行きたいな。

2014年7月1日火曜日

はじめての恵那

ご無沙汰してます。

約1ヶ月ぶりの更新です。

つまり約1ヶ月ぶりに外岩に行ってきました。

いや、このブログを忘れてたとかじゃないんですよ。

やっぱ新しい環境に慣れるために色々忙しかったり勉強することがあったりしてなかなか、ね。



で、まあ

今日(6/30)はですね、休日が被った先輩(上司)に誘われて「恵那」に行ってきました。


いやー

先輩(上司)と二人で休日に出かけるなんてこと前の職場で一度でもあっただろうか(いやない)

こういうことができるっていうだけで、転職した甲斐があるってもんですよ。


恵那は神戸からだと約3時間ちょい。

朝は割りとゆっくり7時に出発しました。


若干天気が怪しかったもののまあ大丈夫だろうと行ってみました。


着いてみると、

やっぱり岩のコンディションは悪め。

どうやら前日に雨が降っていたようで地面もやや濡れていて岩の表面もしっとり系。

クラックやポッケの奥は染み出しが結構ひどい。


まあしかし、

どうせ今の季節、コンディションがどうこうなんてハナからあてにしてませんよ。

これくらいのほうがむしろ開き直ってエンクラに徹せれるというもの。


ということで、

まずはアップにと

有名な

「エル(3級)」

やその周囲の2級~3級をサクサクーと登りました。

いやー、ガバガバどっかぶりでただただ楽しい課題でしたね。


で、次は

「エキドナ(初段)」

をトライ。

これは面白い課題。リーチの長短によって色々ムーブの選択肢があるっぽいね。

前述の通りポッケやクラックの中がかなりエグい状態でしたがなんとか落とせました。

2手目のカチが薄くて鋭くて痛かった…




で、次は

「ニゲラ(2段)」

にトライしに行きました。


うん

惨敗。

結構打ったんですけどね、これは状態の良し悪しに関わらず単純に力不足で敗退したって感じですね。
ムーブを全部バラすこともできんかった。
ちくしょう

で、

結構ヨレてきたところで、

「シュクラン(1級)」

をやりました。

これがなかなか難解な課題で、ムーブを探るのに手こずりましたね。
トライ数的にはエキドナより手こずったかもしれない。

登った後youtubeでムーブ確認したら全然違うムーブが多数派だった模様。
まあ色々登り方があるってことで。



そんなこんなではじめての恵那

楽しかったです。


エリアは林の中なんだけど全体的に道がそこそこ歩きやすいように整備されていて、
アプローチは結構楽なほうだと感じました。岩と岩の間隔も短いし。

今回はエリア全体の一部の一部、ほんの少ししか見て回りませんでしたが、道は覚えたのでこれからガンガン行きまくりたいと思います。

まずはトポ買って、

ニゲラにリベンジしにいかなきゃな。



2014年6月1日日曜日

secret


自由気ままな勝手生活ができる最後の日ってことで、

今日(5/31)はやっぱり外岩行ってきましたよ!


というのもですね、

ある人に誘われたからなんですよ。

そのある人っていうのは

元姫路在住クライマーであり元々新潟在住クライマーであり現金沢在住クライマーの

mugu氏です


(この背中にピンとくる人はピンとくるはず)

いやー

muguさん相変わらず強かったわー



muguさんの姫路でのクライマー仲間+muguさんの金沢でのクライマー仲間+僕

というメンバーで行った今回の外岩ですが、


なんやかんや細かい用事が重なり1週間くらいクライミングしてなかったということもあり、
今日は軽く身体を慣らしていく感じで行こうかなー



思っていたものの、当然岩に着けばそうなるはずも無く


一日中全力で楽しんで駆け抜けて来ました!


めっちゃ楽しかったしめっちゃ疲れたわーー!!


どこ行ったかっつうとまああれです、知る人ぞ知る某シークレットなエリアです。
(登った課題名とか登った動画とかは載せるのでそこから察してください)


朝、到着して
まず行ったのはこんなステキな岩


良い具合にかぶってるし高さもちょうどいいし、岩質も俺好みだし最高やで!

ということでここでまずはアップがてら

5級と2級と1級の課題を順番にやって、

その後ここの看板課題である

「山森センター」(初段)をやって、



(muguさんのシャレオツなカメラワークが光ります)

ついでに、「山森やや左」(初段)も登って、みんなのトライを眺めた後に移動。


お次は「モンキー」(初段)


(動画録りそこねた・・・) 

低くて強くてトリッキー

そんな面白い課題だったんですが、いかんせんムーブが若干難解で、ムーブ解析にかなり手間取ってしまい落とすまでに結構な時間と体力を消費させられました。


で、次ー


これもまたこのエリアの代表的な課題の一つである

「天照」(初段)

のある岩に移動。

さっきのモンキーでかなり時間をとられてしまったのでここではかなり巻きで登ることになりました。
(30分も滞在してなかったんじゃないかな?)

時間も体力も無い状況でしたが、集中力を高めてなんとかこれも落としとけました。
だって「アマテラス」なんていうめっちゃ中二くさい俺好みの名前の課題だもの。落としておきたいじゃない。

(これもまたmuguさんの斬新なカメラアングル)

この岩には派生も含めて初段~初二段くらいの課題が他にもあったんですが、時間が押してるのでそこはラインの確認だけしてまたまた移動。

その後、初段~二段くらいの課題をわずかな時間でとにかく見るだけ見る、触るだけ触る、というのを繰り返し(一つの岩に15分づつくらいの滞在)、エリアを一通りまわったところで日も暮れてタイムアップとなりました。

まあ今回の主目的はこのエリアをあらかた見て回るってことでしたからね。

モンキーあたりでかなりヨレがきてて天照の短時間集中トライでトドメ刺された僕はその後はなんも課題落とせませんでしたけどね。


それにしても

めっっちゃ歩いた!

正直クライミングよりもアプローチのほうがよっぽど疲れましたね。

また坂が急なんだわ。


しかしやはり

めっっちゃ楽しかった!


今回の旅に誘ってくださったmuguさんと、そして今日一緒に楽しくワイワイ登ってくださったみなさんに最大限の感謝を!



これがあるからクライミングはやめられねえぜ!

これがなくても止められないけどな!


ってことで、この楽しい思いを胸に、明日から仕事がんばりますぜ!

2014年5月29日木曜日

漫画は好きなんすよ

(今回はもうクライミングのクの字も出てきませんすいません)



引越しを機にね、大量の小説やら漫画やらを売り払ったんですが、

「コレだけは手元においておきたい」
と思っているものだけは売らずに持ってきてあります。

その中にですね、

戸田誠二

という漫画家の書いた短編集みたいなものが6冊ほどあります。

結構マイナーなので知らない人だらけだと思いますが、
まあマイナーなりな漫画です。

僕は好きですが、正直、読んだ人みんなが「面白い!」と声を揃えて言うような漫画じゃないと思います。
どちらかといえば上手い漫画とは言えないし、話の作りも単調。
でも僕は好きなんです。

元はといえば、

僕は大学生の時に時間を持て余していたころ「Web漫画」にハマっていた時期があって、
その時にこの戸田誠二さんの漫画が載ってるHPを見つけたのが出会いでした。

ここなんですけどね

戸田誠二「コンプレックスプール」


まあこの戸田誠二さんのかく漫画っていうのがね、精神がある種のくたびれ方をしている時に読むと非常に良く効くんですよ。

学生時代の、今よりもっとこう中二病の症状が深かったときの僕はこの漫画家が最も好きな漫画家の1人でした。

なんか疲れたなーって思うときはかなり頻繁に読み返します。

で、

まあなんでこのタイミングでこんな漫画家の紹介みたいなことしてるかっていうと

このHPのComicのShortshortのとこに載ってる「Don’t trust over 30」っていう漫画があるんですがこれが

前の会社を辞めようかどうしようか迷っていた時、

「辞めよう」

という決意をするための大きな要因の一つとなったんですよ。


今、ちょっと僕の知り合いには、転職しようと思ってるとか、仕事辞めて次どうしようか悩んでるとか、何か新しいことを始めたいとか、自分の現状に不満が積もってるとか、そういう人が妙に多いみたいで、

そういう人たちには是非ともこの人の漫画を薦めたいんですよ。

癒される…ってのとは違うか…
なんかこう、変な抵抗の無い慰めみたいなものが感じられると思います。

試しにHPに載ってる漫画読んでみて、気に入ったら単行本も買ってみてください。

特におススメするのは
「説得ゲーム」
ってやつと
「ストーリー」
ってやつですかね。



こういうクライミングにまっったく関係ない内容のやつもこれからは書いていこうかなーとね、
思ってるんですよ。

今回はまあそのための布石みたいなもんです。