2018年11月16日金曜日

ひとつの季節の終わり

是が非でも今日は三面に行かなくてはいけない。

その理由があった。

三面ボルダーは「朝日スーパーライン」という道路の途上にあるのだが、

その道路は冬季には閉鎖されてしまう。
そして、新潟の冬は長い。

そう、11月のうちにはもう閉鎖してしまうのだ。

閉鎖の日時は年度によって若干誤差があるらしいのだが、
今年はどうも11月20日にはもう閉鎖されるという情報を得た。

その閉鎖日と自分の仕事のスケジュールを重ねると、
今日を逃してしまうともう、今シーズンに三面に行くことが事実上不可能になってしまう。


天気予報は「晴れのち雨」

十分勝負がかけられる予報ではあった。


どうしてもキングコングだけは登っておきたい。

やれば登れるというところまでは確実に来ているという実感はある。


雨が降る前に片づける。
その覚悟を持っていつもより少し早く三面へ。

到着すると気持ちのいい晴天。

これは雨など一日中降らないんではないかと思わされ、少し安心した。


結論から言うと、

登れました

キングコング(三段)



完登した後に手を見てみたら、恐らく後半のクラックパートでやらかしたんであろう、左中指の側面の皮がめくれて出血していた。

止血をしながら岩をブラッシングし、さて、時間は余っているし次は来シーズンのためのシシガミの練習でもしていようか、と思っていたら、なんとそこから雨がパラつきはじめた。

いやあ、ギリギリだったんだなあ。
正真正銘ラストチャンスの1回だった。

ともあれ、登れた。

多分、第三登。あるいは第四登くらい?

まあそれくらい。

隠れすぎた名作、キングコング。

今まで自分が登った三段の中でもベスト3には確実に入る面白さだった。

本当に名課題。

新潟のクライマー事情ももうかなり明るくなっている。
三段くらいのグレードを登れるクライマーはすでに両手の指なんかでは到底おさまらないはずだ。

そういったクライマー全員に登ってほしい課題だと思う。

小川山で静かの海とか幻の光とか狙ったり御岳で虫登ったりしてる場合ちゃうぞと、身近な岩場にこんなにも素晴らしい課題があるんだぞと、声を大にして言いたい。

今回自分がこの課題を登ったのは、もっと新潟のクライマーに三面ボルダーに目を向けてほしいという思いから、というのもある。

三面の課題はどうにも情報不足で(そこが岩登りの本質を突いていて良いとも言えるんだけど)、どうもメジャーな岩場の課題に比べて完登が狙いづらいと思われがちなんじゃないかと。

そしてキングコングにしろシシガミにしろ、完登者が偉大なるレジェンドだけに留まってること、他の岩場に比べてグレーディングが辛いという噂、そういった情報があいまって、三面ボルダーに行くこと自体がどこかしら敷居の高いことのように思われているんじゃないかと。

でもそんなことないぞと!

あえて凡庸なクライマーのうちの一人である自分が、
この岩場を楽しんで、こうして完登することもできているということを発信することで、この岩場に行きたいと思って欲しい、この課題をみんなにもトライして欲しい。
そういう思いを伝えたい。


そうは言ってももう今シーズンは道路が閉まってしまう。

来シーズンの開通を楽しみにしつつ、その時にはシシガミを登れる実力を身にけていられるようにまた修行しないといけない。

今シーズンの三面は終わった。でも来シーズンの三面に向けての準備もまた既に始まっているとも言える。


2018年10月22日月曜日

初めての経験

今日、初めて「脚立」を岩場に持っていった。

別にグラウンドアップに確たるこだわりがあったわけでもないが、
わざわざ脚立を持っていってまで上部のホールドを確認したいと思うようなことは今まで無かった。

だから「脚立を持っていったら便利そうだなー」と思うことはあっても、
実際に脚立を持っていったことは今まで一度もない。

しかし今回ばかりのっぴきならない事情で脚立を持ち出すことにした。

その事情というのがコレ



このポケット内部を掃除するため。

先日、このポケットに指を入れた時、物凄い違和感があった。
とにかく滑る。
奥に奥に指を入れるほど「何か」がボロボロと崩れていくような感覚があり、その「何か」のせいで指がどんどんズレてくる。

恐らく泥か何かが奥のほうに詰まっているのだろうとアタリをつけ、Pamoブラシの先端に細いブラシを括り付け、地上からなんとか内部をブラッシングしてみようと試みたが、それだけでは根本的な「何か」を完全に穴の中から出し切ることはできなかった。

この高さでポケットの内部に不確定要素があるというのは精神的にもよろしくない。
なんとしてでも解消しておきたかった。

そこで今日、脚立を用いて直接内部を覗き込みながら直接その「何か」を確認し、排除しようと試みたわけである。

結論から言うと、

その「何か」は
「虫のさなぎの残骸」だった。

それはポケットの奥のほうに存外しっかりとした質量で詰まっており、ブラシの柄や小指や頭の小さい歯ブラシを駆使してようやくすべてを掻き出すことができた。

するとどうだろう。
絶望的に安心感の無かったズルズルのポケットが、しっかりかかるホールドになった。

ついでにリップ付近のホールドも近距離から目視で確認し、上部の恐怖感はこれでかなり払拭できた。

これならソロでもまったく問題無い!

ということで、Ape(初段)をとりあえず完登。



今まで登った初段の中で一番悪かったんじゃないかと思える。
結局手を付け始めてから登るまで三日かかっているわけだし。
とにかく序中盤が悪い。
二連左手飛ばしは安定しないし、その後の足送りからの右手寄せが決まるまでの一連の動きは足位置をしっかり決め切らなければいつでも落ちれる。
後半もジャミングのようなホールディングによる痛みとそこそこの高度感に耐えながらになり気が抜けない。

ともあれそこそこ安定したムーブを固めることができたのは大きい。

「あとはキングコングの1手目を止めるだけだ!」

と思い気合を入れてスタートに着く。



止まらない!

やっぱり足がうまく決まらない。

うーん。

と、

もう開き直って足位置からムーブからガラッと変えていろいろ試すことにした。

するとなんと、ある足位置に変えてみたら結構安定して止まるようになってしまった。

こうなるともう今日キングコングも登ってしまえるんじゃないかと意気込み、早速キングコングの繋げに取り掛かる。

しかしそう甘くはなかった。
単に二手増えるだけかと思っていたがそうではなく、微妙な右手の持ち替えが序盤に発生するのが中盤の核心部の流れを悪くしている。
成程、確かに初段を三段に変貌させる要素がこのLow startにはある。

改めてその差異を埋める方法をバラしで探り、しっくりくるバランスを見つけられたところで再度繋げてみたものの、今度は明らかにヨレが原因でApe中盤で落下。

手を見ると、スタートの試行錯誤が主な原因か、何か所か出血も生じていて、さらに辺りも暗くなりかけていた。

日が落ちてから脚立とマットを持って帰りのアプローチをこなすのも危険なので、今日のところは撤収を決め込んだ。

今日は登れはしなかったが、確実に手応えは感じる。
次は登れるかもしれない。

次に行けるとしたら月末、29日。
それまで今日の感覚を忘れないようにするのと、しっかり身体の調子を上げていこう。

あ、あと晴れるのを祈ろう。

2018年10月16日火曜日

All I need is "Edge"

おかしい。

前に三面に行ってから今日までの間に二回、休日はあったはずだ。

なのに再び三面に訪れたのは今日になるまで無かった。


まあ


ですよね原因は。

昨年発現し、俺を苦しめた〝スタンド能力”

大人しく飼いならされてきたと思ったがやはり今年もまた暴走しているようだ。


しかしながら、

今日は久々に前日にも当日にも雨が降っていない(晴れているとは言ってない)。


久しぶりに濡れてない岩を触れる。
(このセリフ前にも言った気がするわ)


シシガミについてはちょっと行詰まっているのと、
結局マット枚数が足りなければ繋げトライができないので
今日は思い切ってシシガミに触らないことにした。

まずアップがてらにと思った登ったのは

スパイダーウォーク(1級)

正直舐めてた。
ムーブが全然出てこなかった。
いやこれはオンサイトではかなり難しいよ。
明らかに「これ使ってくれ!」と言わんばかりの深いポッケが、
明らかにライン上に存在するのにそれを使ったらムーブが行詰まるという罠。
最初それでもゴリ押そうとして四苦八苦して
(これ本当に1級かよ……)
と思ったところで
(いや待てよ?やっぱちゃんと1級になるようなムーブがあるんじゃね?)
と、よーくホールドを確認したら思いもよらぬムーブで解決を見た、って感じ。
ムーブ解決したらちゃんと1級でした。
いや本当下手したら諦めてたわ。侮りがたし1級。




次は
Aut matter(1級)

課題名はトポに記載されたまま。
Autoだと思ってたけどAutなのね。

1手目のポッケが深くて痛いけど持てるからOK。
後半スラブに入ってからはノーマットを強いられるけどそこからは6級くらいなので心配は要らない。
ポッケ得意な人はお勧めな課題かな。


とりあえずゴリラ岩の1級をこれで全部解決したわけなので、
思い残すことなくキングコング(三段)に取り掛かる。

と…

あれ?
できそうだぞ?

という手応え。

やっぱり岩のコンディションが重要なのか?

前回雨上がりにトライしていた時にはもう、
「まっっっったく!できる気がしねえええええええ!!」
「フリクションとかの問題じゃなくてムーブの質と強度的にまるで希望が持てねえよ!」

と思っていた1手が今日は数回の試行ですっと出来てしまった。

フリクション、大事でした。

そこが解決してしまうとかなり完登のイメージが強くなってきた。

ただ、いよいよ今日も解決しなかったのはスタートからの1手目取り。

アンダーガバを持ってルーフ部分から飛び出してくる1手目なんだけど、
まあーーとにかく足が踏めない!
無いのよ踏めそうなホールドが!
もうどこ踏んでも一緒やんけ!というくらいの微細な皺とか凹凸があるだけ!

それでも試行錯誤を繰り返し「ここかな⁉」というポイントを見つけたけど、
やっぱり最後の最後踏み切れない。

根本的な自分の「フットホールドを捉える能力」の不足を感じる。
結局は自分も最近のジムクライミングに染まった「デカいホールドを踏まないと登れないクライマー」のうちの一人だったということを思い知った。

そういえば今の手持ちに固い靴が無い。

今の俺に必要なのは固い靴だ。
固ーいエッジングシューズ。

やわらかいシューズはやっぱりクライマーに優しい。
足裏感覚が良いからホールドを踏めてる感じがするし、
滑って不意に落ちるってこともない。
ソールのどの部分でホールドを捉えてもある程度許容範囲が広い。
故に
「じぶんがきちんと足遣いが出来ている」という気分にさせてくれる。

でも、
シビアな足置きが要求される岩でのクライミングでは、
足裏感覚に乏しくとも点と点でしっかりと対応させればそれがかなり小さな点であったとしても体重を逃さず乗せてくれる固いソールのエッジングシューズは必要だ。

そしてその固いソールをうまく扱う技術も。


なんだかんだで1足はVibram XS Edgeソールの靴は欲しいな。

やっぱ慣れ親しんだ感と汎用性を考えるとインスティンクトVSかなー……

よし、これ書き終わったらポチるか!

2018年10月3日水曜日

台風「週末は絶対潰す!」

今年はどうも怪我になやまされる宿命らしい。

1月に痛めた膝の調子がようやく良くなってきた矢先、

今度は左人差し指の負傷。

やらかした瞬間の感触は「軽い突き指みたいなもの」

全治1~2週間くらいだろうと、なんの根拠もなく思い込んでいて、
そして実際5日くらい経過したあたりで「もう7割くらいは治っているな」という感触であった。

ただ、その残り3割の痛みが取れないまま、もう1か月以上が経過している。

完全にレストし続けることも、
怪我を無視して登りこみに打ち込むということもできず、

そんな中途半端な状況はどんどん自分の中のバランスをくずしていっているように感じる。




・・・めんどくせっ!

もういや!
登ろう登ろう!

登ってりゃそのうち治るわ!


という気持ちに最近ようやくなってきたので、

もうシーズンインしたことにするし、もう指は治ったことにする!


ということで、

台風と台風の間隙を縫って、最近ちょこちょこ三面にこっそり行っていたりする。

まー、
行くたびに結局岩は濡れていて、
部分的なムーブ練習やら、乾いた面だけを登ることしかできなかったわけだけど。

そんなこんなで最近3回くらい三面に行った成果としては、

シシガミ(四段)のムーブをバラせたことと、キングコング(三段)のジャミングがわけわからんと気づいたこと。以上。

正直キングコングのほうがいまのところ希望は感じない。

ただシシガミのほうに確固たる手応えを感じているかというとそうでもなく、
やはり終盤の核心部を繋げられる気が今のところはしない。

単純に一手一手ムーブ強度を数値化して、その数値の合計、という風に見ると、シシガミよりその合計値が高くなるような課題は今まで登ったことはある。
ただ、シシガミの場合、最大の核心が終盤にあるということと、ランディングが悪いということに難しさがある。

これはあと何回か通うってだけじゃ登れることはないと思う。

まず指の完治は絶対条件として、
カチ保持能力を持久力方向にもうちょい向上することと、体幹の動き方をもうちょい活性化させる必要がありそう。

結局は日々の登りこみを増やすしかないという結論になるわけだけど。



台風も25号が過ぎればもう来ないはず!(来ないよね?)

そんなわけでいよいよ本格シーズン突入なので、気合入れていくか!



おまけ

ポッチマン(1級)



今日シシガミの練習した後、帰る前にホールド触ってみたらそこそこ乾いていたので、帰る前にサクっと一撃したるかーと思いやってみたけど結局30分くらい足止めくらって帰りのアプローチが薄暗くなってちょっと怖くなったというオチ。
(これも甘めのエリアなら初段くらいついててもおかしかないやなあ)

2018年8月1日水曜日

秘境

ぜんっぜん更新されねーなこのブログ。

と思われてるだろうからそろそろ何か書かんとな!


ただまあーーー、暑い。

この暑さではもう岩に行く気にもならない。

岩に行かないのだから書くことも無い。


いやでも待てよ、と。

この暑い中敢えて外で登っておくっていうのもそれはそれでいい体験になるのかもしれない。

ということで、

新潟に帰ってきたらまず行こう、と思っていた

三面ボルダーに向かうことに。

ここに行くのはかれこれ何年ぶりだろう?

5年?6年?

多分、それくらい前に1回か2回行ったきり。

新潟の秘境、三面。
(サンメンじゃないよミオモテだよ)

以前行った時はたしか3級くらいの課題をひーこら言って登り、
1級くらいの課題に手も足も出ず、みたいな感じだったと思う。

その当時、目標どころかもはや憧れですらなく、眺めるだけの対象だった

「シシガミ(四段)」

今年はこれを登りたい。

ただ、この岩、

岩のある場所が陰っていて苔が生えやすいというのと、
多分全然だれも登りに来たりしないから、すっかり自然に還ってしまっているだろうと思われた。

そこで、

今日は「登りに行く」というよりは
「掃除しに行く」という気持ちだった。

朝ちょっと遅く出発して、ホームセンターに寄って大きいブラシを購入し、
到着は昼前くらい。

シシガミの岩に行く前に「キングコング(三段)」(これも登りたい!)のあるゴリラ岩の前を通ったけど、この岩は掃除不要でそのまま登れそうだった。
ただ日当たりがいいので今日の日中は岩が熱すぎて触れたもんじゃなかった。

シシガミの岩に着いてみると、

(あれ?意外に苔ひどくないな)

といった印象。

ハングの中の主だったホールドは軽く表面を磨くくらいですぐにでも使えそうだったし、フットホールドとして使えそうな箇所も苔はそんなにびっしりとは生えておらず、いくつかの場所を目星をつけて磨けばいいくらいではあった。

ただやはりリップから上はほぼ全面苔だらけだった。

とてもマントルを返せるような状態ではなかったので、まずは岩の上面の苔を落とす。

灼熱の暑さとたかりまくる虫の中、ひたすらブラシで苔を落としていく。
何故かここの虫たちには虫除けスプレーの効果が薄いのか、いくらスプレーをかけなおそうがガンガンアタックを仕掛けてくるくたばれ。

2時間くらいやったところで掃除も飽きてきたひと段落したので、川で手を洗ったり、周辺の散策をしたりした。

三面は本当に無限の岩ポテンシャルを秘めた場所で、未だ登られていないけどここ登ったら面白そうだと思わせる岩やラインに満ち満ちている。
目標の課題が登れたら、次はそういう岩を好きに登ってみたいとも思う。

さて、

せっかく来たので掃除するだけじゃもったいない。

とりあえず

「シシ(初段)」を登ることにした。

ランディングがそんなに良くないのと、ひたすらヌメり倒すバッドコンディションと、あとまとわりつく虫。

課題の内容そのものよりもそういったものとの戦いという面が大きかった。

でもこういうのもやっぱり「自然を相手している」って感じで良い。
グッドコンディションの中でハイパフォーマンスを出すだけがボルダリングじゃない。


課題としても面白かった。
アングル的に岩のかぶりっぷりが伝わりづらいのと、結構チマチマしたムーブが続くので簡単そうに見えるかもしれんけど結構シビアな課題だった。


シシガミの探りもちょっとだけやったけど、ホールド的に「持てない」って感じのものは無い。頑張れば不可能じゃないと思う。
ただ、繋げようと思ったらマット5枚くらいは欲しい。
あとなるべくソロではやりたくない。

なので夏の間とりあえず箇所箇所でムーブの錬度上げて、涼しくなって来た時に日を決めて集中して落としに行きたいと思う。

ということでこの夏はシシガミの練習に捧げてみようというのが今のところの方針。

まずは虫除けスプレーとか虫除けグッズを新調するところからだ!

2018年5月16日水曜日

タダイマニーガタ


カムバック新潟。

例によって引越し前後はあんまり登らず、

なのにメシを食うモリモリ度に変化は無いので少し太る。

そしてこれからは実家暮らしとなるのでさらに太るんじゃないかという不安。

まあそのあたりは普段の登り込みを強化してなんとかバランスをとっていきたい。


異動のたびに、新しい職場になじめるかどうかが今までは一番の懸念事項だったけど、

もう流石に異動慣れをしたのか、そのあたりは不思議とそこまで不安感は無い。


さて、クライミングに関して考えた時

新潟に帰ってきたことで一番大きいのは、

なんといっても岩場まで遠いこと。

近い場所でも塩原に2時間半くらい。


もう「午後に時間余ったから御岳いくかー」

みたいに軽いノリで岩にいくことは出来ない。

まあある意味ちょうどよかったと思う。

ここ数年は、

とにかくひとつの課題を登るためにそこに通いつめて打ち込みまくって登る
っていう手法でやってたけど、

それで結構高グレードの課題を登ることもできたけど、

それをやりすぎて、

現状の自分の実力そのものとRPグレードの乖離が激しくなりすぎていると思う。

ちょっとしばらくは岩場に通いまくるっていうのは自重して、

自力を伸ばすことに注力しようと思う。

「この課題は実力で登りました」

登った時にそう言えるクライマーになるのが今後の目標。

2018年5月11日金曜日

サラバミタケ


気づけばまる5日ほど、

ロクに登っていない日が続いていたのでさすがに危機感を覚え、

なんでもいいからどこかで登りたい!

と思い、ちょっと時間を捻出して

御岳

多分、東京に居るうちに御岳に行くのはコレが最後かな。

さらば御岳。

といっても、新潟からだって(あ、引越し先新潟って言ってたっけ?)
3時間くらいかければ行けるので別にもう来れないってわけじゃないけど……

でも気軽に通えるのは今後難しくなってくるのは確か。


今日の目的は眠った指をたたき起こすこと。

ということでやはり取り組むのは「蟹虫」

序盤のパートが適度にカチトレになりそうな感じなので目的にも合致してる。



登りはじめてやはり指に甘えを感じる。

カチると関節がいつもより痛い感じ。

ちょっとサボるとすぐこれよ。


その甘えを叩きなおすためにとりあえずスタートから何度か打ってみる。

5~6回くらい繋げようとしてみたんだけど、

もう4回目くらいからどんどん高度は落ちて行く。

あわよくば蟹虫完登持って帰りたかったなー、という欲はあったんだけどさすがにそれは甘かった。
ちゃんとトレーニングしてコンディション整えて挑んだとしても現段階の実力じゃちょっと分が悪いと思うし。

ということで、

ヨレてきて前腕もパンプして「もう今日は蟹虫無理!」となったので、

目標を「蟹(二段)」の完登にシフト。
(今って二段でいいんだよねグレード?さすがに初段まで落ちていないとは思いたい)

忍者返しの1手目に当たるホールドの持ち替えムーブにちょっと頭を悩まされたけど、
なんとか登ることができた。





忍者返しパートに入ってからは保持要素があんまり無くて、適切な足位置とムーブさえできてればいい感じだったのでヨレててもなんとかこなせたって感じ。

蟹をやってあらためて忍者返しという課題の良さに気づけた。
これはやっぱり中級者くらいにとってかなり勉強になる課題だとおもうよ。


そんなわけで、

僕の東京在住期間の(多分)最後の課題は蟹ということになったわけだけど、
思いのほか面白かった。

ホールドがほぼすべてインカットしたカチなので、
いわゆる「離さなきゃ落ちない」系。

最近はボリュームホールドとかハリボテとかを駆使した課題の流行に揉まれ、
その反動で
「ホールドなんて握ってなんぼじゃろがい!」精神が強くなってるので、
その気分を発散できたのもよかったな。
(いや、ボテとかを「効かす」のもおもろいけどね)

やっぱりシンプルに「ホールドを握る!」ってのが好きなんだなあ。

仕留めそこねた蟹虫は、夏に強くなって秋にリベンジしに来るかな!

2018年5月9日水曜日

とるものてにつかず


さて、なにから書けばいいものか。

まず、1ヶ月以上も放置していた件について。

それについては単純な理由があって、

ロクに岩に行けていなかったし、行ったとしても特に何も登れていないという状況が続いていたからだ。

やる!と宣言していた「蟹虫」についても結局ここ一月ほどは触ってもいない。


そのさらに突っ込んだ理由としては、

3月下旬頃~4月上旬にかけては仕事上でやるべきことややりたいことが多くて、
岩を登る体力が殆ど残っていなかったこと。

そして

4月中旬頃に、

5月に引越しをしなければいけないことが決まったからだ。

引越しをするのももう3度目になるんだけど、

相変わらず慣れない部分は大きくて、

引越しを控えているという精神的な部分と、

引越しの準備を細かく進めねければいけない実際的な部分とが重なり、

なかなか岩に向かうような状況を作り出せないでいた。


モチベーションの不足というのもある。

今はなんというか「明確にコレを登りたい」と強く思う課題が無い。

いや、もちろん登りたい課題を挙げようと思えばいくらでも挙げられるんだけれど、

「これが今自分が打ち込む課題だ」と決めきれないし、

打ち込み始めたとしても途中で引越しを挟んで状況が変わることを思うといまひとつ高難度の課題に踏み切れないというのもある。


そういった状況は日々のすごし方にも影響を与え、

普段の登りにもいまひとつ身が入らず、

ここ最近はなんとなく弱くなっているような気もする。

いや、たぶん明確に弱くなっている。

これは引越し後は相当気合を入れる必要がある。


………


結局のところ、

東京という地で過ごしたのはたった1年とちょい。

ただ、ここで過ごした時間の濃度はかなり高かったように思う。

ボルダリングを通じていろんな人と出会ったし、

いろんな人がボルダリングと出会うことに立ち会った。

自分のボルダリングについて思うこともいろいろあるけど、

一番思うのはその人たちのことかな。



思えば、

僕は社会人になってからボルダリングをはじめ、この行為を通じていろいろな経験をさせてもらった。

ボルダリングに出会う前、

学生というモラトリアムを終え会社員となった僕は、完全にスポイルされていた。

当時の僕は

屠殺前の豚のようにぶくぶくと太っていたし、
狭いケージの中のブロイラーのように憔悴していた。

にごった液体の中に居るような先の見えない閉塞の中、
ぎりぎり生存活動を続けられるだけの息継ぎを繰り返しながら、
ただ漫然と手足を動かし続ける日々。
止まっているわけでもないけれど、それが前進なのか後退なのか迷走なのかもうまく判断がつかない。

そんな中でボルダリングに出会い、
確実に僕の人生は好転していった。

大げさな言い方をすれば、
僕はこの遊びによって救われたのだ。

壁に向かえばそこには確実に「自分のためだけの目標」ができた。

結局のところ僕は自己中心的な人間だし、
社会というものに上手に適合していく能力が弱いんだと思う。

一番楽しくて、一番力が出せるのは、自分のための時だ。

ボルダリングは、そんな自分にぴったりだった。

この遊びは
自分ひとりのためだけの遊びだ。

自分の自分による自分のための遊び。

ワンフォアオールもオールフォアワンも無い。
あるのはワンフォアワンだけ。

そういうのって中々無い。

成功するための誰かの助力が必要なかったり、

成功したときの報酬を自分が独り占めするのが当たり前だったり。

壁に向き合っている時、僕はただただ自分勝手になれる。

目標がある。

達成がある。

それを独り占めできる。

そういうものが、人生に色と味を与えてくれる。

僕にとってボルダリングをすることっていう根本は多分そこだ。
(だから多分リードとかにそんなに強くやる気が沸かないんだろう)


ボルダリングっていうのは、基本的には「他人が必要無い」
他人と繋がることにたいした「利」が無い。

だからこそ、ボルダリングを通じて繋がった人というのは
純粋に打算の無い繋がりなんじゃないかと思う。

これっていうのも、中々大人になったら得られない。


この1年、

そういう繋がりができあがっていく過程とか、

いろんな人が新しい目標と達成を繰り返して行く過程とかを見てきて、

思うわけだ。

「ボルダリングってやっぱりいいな」と。

そんなこんなで、

ここ最近いろいろな人からいろいろな別れのメッセージを貰ったけども、

僕からいいたいメッセージはいつも

「ボルダリングをいつまでも続けてください」

ってだけになる。

ほんとにそれだけ。それに全部集約される。


休日に雨でハンパに暇だからつらつらとわけがわからないことを書き綴ってみたけども、
これ以上書いてるとわけがわからなくなってきそうなのでここらで〆る。

次に更新するのは引越し完了の報告になるのかな。






2018年3月19日月曜日

弘法じゃないから筆を選ぶ

えー。

前回なんかスランプだなんだと、

ドツボにはまってるだのなんだと、

わーわーわめいておりましたが、

なんか登れました

「虫(三段)」


多分、靴を替えたのが良かったのかな?

今まで御岳=滑る岩=じゃあやっぱステルスHFでしょ!
と決め込んでいて、

ずっとチーム5.10でやってたんだけど、

今日はちょっと足が痛かったのと、楽な気持ちでやりたかったので、

フューチュラに履き替えてやってみた。

そしたらなんとフューチュラのほうが好感触。

やっぱり思い込みっていけない。

マントルも事前にイメージしたとおりにしっかりやれば特に難しさは感じなかった。
ここでもフューチュラの足裏感覚に僕は全幅の信頼を置いているのでそれも良かったのっかもしれない。

登ってみたらなんだかあっけなくて、

じゃあ続きだ!と蟹虫のトライに移行。


うーん、敗退!

やっぱり蟹からつなげるとリップ手前まで来たときに指もヨレてるしチョークもちょっと落ちてて滑る感じが出るしで、右手のサイドカチの安心感が全然無い。そこからリップは虫単体でやってる時よりも明確に難しい。

ただ、

虫やってるよりも蟹虫やってるほうがかなり楽しい。

なんだかんだ手数の多い課題って結構好き。

人でごったがえさない平日を狙ってちょくちょくやりつつ、夏前くらいには登りたいなー蟹虫。

2018年3月14日水曜日

ドクタースランプって何回アニメリメイクしたっけ?

えー、

しばらくこのブログを放置していたのは理由がありまして

まあ端的に言うと、

最近何も登れていないからです。

そもそもあまり岩に行っていないというのもあるけど。

右ひざの調子は良くはなってきているものの、やはり右ヒールや正体でがっつりかきこんでいくようなムーブが制限されるので、可能な課題が限られてくるわけで。

でも、

そんな状態でも登れる課題はある。

御岳の

「虫」

コイツは右ヒール使う余地が無いし、

一年前軽く触った時マントルまで行っていたので、このへんからやっつけていくかー。

と、

思い、

ここ数日虫をやりに行っていたものの、

なんとリップが止まらない。

1年前出来ていたことが今はまったく出来なくなっている。

なんか変なドツボにはまっている。
寄せまではまず確実に成功するんだけど、そこからのリップ取りがどうにも成功しない。

ただ単に出来ないってだけなら、自分にとってこの動きが苦手なんだとかどうとか言い訳のしようもあるのだけど、1年前には出来ていたわけなので、これはつまり言い訳のしようも無く、

弱体化している

ってことだ。

もうね、情けない。

今日はちょっと気分転換に、どうせ後でやるんだし、と「蟹虫」のスタートからやってみたらなんだか上手くムーブが出て、虫の寄せまでは繋がってしまった。

まあリップは取れないわけだけど。

なんだこれは。

虫やっても蟹虫やっても同じ場所で落ちる。

虫のリップ取りだけが謎のハマり方をしている。


こういうときは他の課題やったほうがいいのかもしれないけど、

こういうのから逃げてもやっぱり何処にも行けないと思うので、ちょっと真剣に虫に取り組もうと思う。

そしてなんか長期間ハマり続ける予感がある。

そういうわけで、恐らくまたこのブログは暫く放置されると思う。

代わりといってはなんだけど

インスタ始めました

登った課題とかは今までどおりyoutubeとかにあげていく方針なんだけど、

そういうまでもない、ちょっとした日々のトレーニングの内容とかはこっちに上げてく感じにしようかと思う。
(まだちょっと上手くつかいこなせてませんインスタ)


なんとなく感覚的にスランプ期に入っているというのは感じている。

そしてその原因も解っている。

半分以上は精神的なもの。

自分のとりえなんてメンタルしかないのに、そこが崩れてはそりゃあ登れないわな。

じゃあどうやってこのスランプを脱出するか。

メンタル以外を強くすれば解決じゃん!

いままでメンタルに頼って登ってきたけど、雑魚メンタルでも登れるくらいフィジカルと保持力強化すれば今まで以上に登れるはず。

ということで

主にbesatmakerの力を借りつつ、獣の保持力を目指します。

2018年1月24日水曜日

逃避行

無理だ!

膝が完治するまでおとなしくトレーニングだけしとこうと思ってたけどもう無理。

岩を登るってことはもれなくマントルがついてくるから、いつ右膝酷使するかわからんから岩は止めとこうと思ってたんだけどね。

やっぱ岩登りたい。

まあかなり寛解に向かっているし、強くヒールでかきこむような真似をしなければヘーキヘーキ、と自分を丸め込む。



東京にも雪が積もり、気温も今シーズン最低レベルである今日このごろ

その寒さから逃れるために南へ針路をとり、

行き先は

湯河原
 
初めての岩場というものはどうあれ心躍るものだ。

着いて早々思ったのは、

「あったかっ!」

もうね

「え?寒波?なんのこと?」

と言わんばかり。

雪の降った痕跡も皆無。

こりゃあ逃避先としては最高の場所を選んだな、と。

膝にもしっかりサポーターを仕込んだし、今日は楽しむぞ、と意気込む。


まず向かったのは駐車場から一番近い位置にある「米粒岩」

ここの「米粒(4級)」というスラブ課題がこのエリアのテストピース的な存在だと言うので、アップも兼ねてまずはこれからやることに。

初めての岩場来たら代表課題には挨拶しとかんとね。

で、

この課題。

けっこう悪い。

結局ね、完登までに30分くらいは費やしたと思う。

やっぱりスラブはグレード高かろうと低かろうと難しい。

一回登ったんだけどかなりゴリ押して登ったので、なんだか気が済まず、スマートな登りになるようにもう一度登ったんだけど、ムーブがピタっとはまると気持ちよく登ることが出来た。

ああ、これは名作だなあと。

気が済んだので、隣の「米櫃(4級)」も登る。これは、うん。登り易かった。顕著なホールドでガシガシ登っていける感じ。

しばらくその岩でぐだぐだした後、一番の人気岩である貝殻岩に移動。

これもエリアを代表する課題

「貴船(初段)」

をまず登る。



上部は右ヒール使ったほうが楽になるっぽいんだけど、必須ってわけじゃなさそうだったので爪先ののりこみでカバー。

うん、ヒールじゃなければ右足でのかきこみ、乗り込みもある程度できるくらいにはなっている。それでも足の負担を軽減するために腕でかなり引いているのでちょっと非効率的な感じはする。

この課題もさすがエリアの看板になるだけあって良課題。
登っていて楽しい!

ただ、思ったのは

(米粒のほうが難しいな)



そして


次に同じ岩の

「Wプロジェクト(二段)」



二段にしては簡単だと聞いていたんだけど、スタート~2手目くらいまでは結構悪かった。同じくらいの強度がもう2~3手続いていたらかなり難しかったんじゃないかな、と思う。
スタートの足位置決めにちょっともたついたものの、結果としては貴船と同じくらいのトライ数で登れた。右ヒールも使う必要なかったしね。

ただやっぱり

(米粒のほうが難しいな)

一応このWプロジェクトを今日のめあてとしていたので登れて良かった。

次に登るは

「パイプライン(初段)」



コイツは右ヒール必須っぽいのでやるのはやめておこうと思っていたけど、
とりあえずやってみて、右足への加重をゆるめに行い、痛みが少しでも出たら止めよう。とそういう姿勢でやってみた。
そんな風にやったからやっぱり途中でヒールが抜けたり色々ドタバタしたけどなんとか完登。
ある意味Wプロジェクトよりてこずったな。

でも

(米粒のほうが難しいな)

その後、貴船やパイプラインのより良いムーブ探ったりなんだりして貝殻岩にしばらく居たあとに、帰る直前にちょっと上の岩で「秋晴れ(初段)」やったんだけどなんかヨレて後半で落ちちゃって完登ならず。長めにレストすれば登れそうと思ったけど日も暮れかけてきたので撤収。

帰りに海鮮丼をかっ食らい帰宅!


膝の調子は思ったより悪くない、というのが判明したし、湯河原は冬でもかなり登り易いということが解ったし、やっぱり岩登りは楽しいということを再確認する。

そんな一日だった。

2018年1月6日土曜日

鍛錬の年2018年


流れが悪い。

ゲームだったり、ギャンブルだったり、競技だったり、

そういった【勝負事】において、確実に

『流れ』

といったものは存在している。

それはオカルトや精神論で片付けられるようなものでなく、

「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、あるいは「バタフライエフェクト」的な意味で、

自分や相手のプレイングや姿勢が全体の流れを作り、最終的に自分達に運や偶然のように見える形をとって返ってくるものだと僕は思う。

そういった意味で、

勝負事の中でほど明確な形は取らないけども、

もっと大きく「生活」あるいは「人生」の中にも『流れ』は確実に存在していて、

その『流れ』の悪さを漠然と年明けくらいから感じ続けていた。


そして今日、

その流れの悪さがついに具体性を帯びた事態を引き起こした。


右ひざの負傷。

これはもう経験から完全に解るんだけど、

外側側副靭帯損傷で間違いない。

同様の怪我をもう過去に右ひざで1回、左ひざで2回やっていて、半分クセみたいになっているのかもしれない。

これも経験から解るんだけど、今回の程度だとまず

歩行は問題ない。

日常生活に支障は無い。

仕事も出来る。

直登系の課題を登ることも出来る。

ただ、

右でヒールするのは今後1ヶ月は厳しい。

正体で右にかきこんだり乗り込んだりも難しい。

要は、ひざに横方向の力が強く加わるような動きは暫くしたくない。

そんなもんだと思う。まあ重症ではない。

ただ、経験というものは時に客観的な視点に対して強いバイアスをかけることもあるのであまり過信しないようにして、暫くはしっかり様子を見よう。


こういうふうに怪我をした時に、

「もう年だからな」

なんていう風にだけは思わないようにしている。

若くたって怪我はするときはするし、

自分より年上で怪我をまったくしない人だって居る。

怪我の直接的な原因はいつだって年齢以外のところにある。
(遠因のひとつとして年齢があることは認めつつ)

今回の場合は完全に自分の不注意だった。


神戸の驟雨をそろそろ登ろうとやっていたんだけど、

僕の場合は一手目で右手ピンチを取って、二手目で左方向のポケットにめがけて出していくっていう選択をしていた。

二手目を取る時に右足ヒールをしっかりかけてそれで体重を保持するとスタティックに取れるのでそのムーブを採用していた。

ただそのムーブは右足にほぼ全体重を預けるため(だからこそ手が楽になるんだけど)膝に強い負担がかかることは解っていた。

なので朝イチでしっかり膝のストレッチと体操をやってはいたんだけど、

その後ランジの練習や指のアップなどをひとしきりやり終えてから、

「さあじゃあ繋げてみるか」

となった時、下半身は逆にすっかりまた冷え切ってしまっていた。

結果、

ヒールに体重が乗り切った瞬間に、右ひざから「パカッ」だか「ポコッ」だかいう乾いた音が聞こえ、慌てて着地した。

油断があった。

精神的に雑だった。

そこでまたもう一度膝に気を使ってやるべきだった。

自分の膝はそのムーブで怪我をしやすいってことをもっと考えておくべきだった。

そういう意味で、

この怪我は「謂れの無い不運」ではなく「自分のミスが引き起こした失態」だ。


もっと言うと、

この年始ずっと自分はだらけていた

やはり年末に目標を達成してしまっていたことで多少気が緩んでいたのだと思う。

そのだらけが生活の上でも流れの悪さとしてなんとなく現れていた。

今日だってなんだか気合いが入っていなかった。

岩に行くっていうのになんだか気分はぼんやりとしていて、

「ちょっと適当に登って適当に帰るか」

くらいの気分だった。

だらけている。

ふざけている。


岩を登るなんてね、もともとは命がけの行為だよ。

発達した道具に助けられて無傷でいることに慣れ、危機感を失っていた。

むしろ良かったよ今回、こんな小さな怪我で済んで。

この流れのまま進んでいたらどこかで命にかかわるような怪我をしていたかもしれない。

この怪我は戒めだ。

「ここからまた気を引き締めろ」という。


そしてまたいい機会でもある。

最近は「課題に打ち込む」ことに注力しすぎていて、

「フィジカルの向上」「保持力の向上」のためのトレーニングに目を向けられずにいた。

どの道、オロチを登るためには基礎能力の向上が不可欠だと思っていたので、

今シーズンはもう課題を追うのは止め、トレーニング期ということにしよう。

膝がしっかり実践レベルに戻るまでたぶん2ヶ月くらい。

その期間で「怪我をして逆に良かった」と思えるくらいレベルアップしよう。


というわけで、

今年は

鍛錬の年

とする。