2018年5月9日水曜日
とるものてにつかず
さて、なにから書けばいいものか。
まず、1ヶ月以上も放置していた件について。
それについては単純な理由があって、
ロクに岩に行けていなかったし、行ったとしても特に何も登れていないという状況が続いていたからだ。
やる!と宣言していた「蟹虫」についても結局ここ一月ほどは触ってもいない。
そのさらに突っ込んだ理由としては、
3月下旬頃~4月上旬にかけては仕事上でやるべきことややりたいことが多くて、
岩を登る体力が殆ど残っていなかったこと。
そして
4月中旬頃に、
5月に引越しをしなければいけないことが決まったからだ。
引越しをするのももう3度目になるんだけど、
相変わらず慣れない部分は大きくて、
引越しを控えているという精神的な部分と、
引越しの準備を細かく進めねければいけない実際的な部分とが重なり、
なかなか岩に向かうような状況を作り出せないでいた。
モチベーションの不足というのもある。
今はなんというか「明確にコレを登りたい」と強く思う課題が無い。
いや、もちろん登りたい課題を挙げようと思えばいくらでも挙げられるんだけれど、
「これが今自分が打ち込む課題だ」と決めきれないし、
打ち込み始めたとしても途中で引越しを挟んで状況が変わることを思うといまひとつ高難度の課題に踏み切れないというのもある。
そういった状況は日々のすごし方にも影響を与え、
普段の登りにもいまひとつ身が入らず、
ここ最近はなんとなく弱くなっているような気もする。
いや、たぶん明確に弱くなっている。
これは引越し後は相当気合を入れる必要がある。
………
結局のところ、
東京という地で過ごしたのはたった1年とちょい。
ただ、ここで過ごした時間の濃度はかなり高かったように思う。
ボルダリングを通じていろんな人と出会ったし、
いろんな人がボルダリングと出会うことに立ち会った。
自分のボルダリングについて思うこともいろいろあるけど、
一番思うのはその人たちのことかな。
思えば、
僕は社会人になってからボルダリングをはじめ、この行為を通じていろいろな経験をさせてもらった。
ボルダリングに出会う前、
学生というモラトリアムを終え会社員となった僕は、完全にスポイルされていた。
当時の僕は
屠殺前の豚のようにぶくぶくと太っていたし、
狭いケージの中のブロイラーのように憔悴していた。
にごった液体の中に居るような先の見えない閉塞の中、
ぎりぎり生存活動を続けられるだけの息継ぎを繰り返しながら、
ただ漫然と手足を動かし続ける日々。
止まっているわけでもないけれど、それが前進なのか後退なのか迷走なのかもうまく判断がつかない。
そんな中でボルダリングに出会い、
確実に僕の人生は好転していった。
大げさな言い方をすれば、
僕はこの遊びによって救われたのだ。
壁に向かえばそこには確実に「自分のためだけの目標」ができた。
結局のところ僕は自己中心的な人間だし、
社会というものに上手に適合していく能力が弱いんだと思う。
一番楽しくて、一番力が出せるのは、自分のための時だ。
ボルダリングは、そんな自分にぴったりだった。
この遊びは
自分ひとりのためだけの遊びだ。
自分の自分による自分のための遊び。
ワンフォアオールもオールフォアワンも無い。
あるのはワンフォアワンだけ。
そういうのって中々無い。
成功するための誰かの助力が必要なかったり、
成功したときの報酬を自分が独り占めするのが当たり前だったり。
壁に向き合っている時、僕はただただ自分勝手になれる。
目標がある。
達成がある。
それを独り占めできる。
そういうものが、人生に色と味を与えてくれる。
僕にとってボルダリングをすることっていう根本は多分そこだ。
(だから多分リードとかにそんなに強くやる気が沸かないんだろう)
ボルダリングっていうのは、基本的には「他人が必要無い」
他人と繋がることにたいした「利」が無い。
だからこそ、ボルダリングを通じて繋がった人というのは
純粋に打算の無い繋がりなんじゃないかと思う。
これっていうのも、中々大人になったら得られない。
この1年、
そういう繋がりができあがっていく過程とか、
いろんな人が新しい目標と達成を繰り返して行く過程とかを見てきて、
思うわけだ。
「ボルダリングってやっぱりいいな」と。
そんなこんなで、
ここ最近いろいろな人からいろいろな別れのメッセージを貰ったけども、
僕からいいたいメッセージはいつも
「ボルダリングをいつまでも続けてください」
ってだけになる。
ほんとにそれだけ。それに全部集約される。
休日に雨でハンパに暇だからつらつらとわけがわからないことを書き綴ってみたけども、
これ以上書いてるとわけがわからなくなってきそうなのでここらで〆る。
次に更新するのは引越し完了の報告になるのかな。
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