2019年1月28日月曜日

漫画の話

(今回はマジでクライミング全く関係無い内容です)

本当に岩に行けてない。

原因は自堕落なメンタルと天気と距離とスケジュールと体力と……

まあ一番大きな要因はやっぱり天気。

2月になればもう少し暖かくなるだろうからそうしたらもう少し気軽に行ける。
はず。

で、

じゃあ岩に行かないで休日何してんのかって言いうと、

そりゃーー漫画読んでます。

電子書籍って便利やね。
家から一歩も出ずに、そしてマイナーな漫画も苦労して本屋を梯子したり取り寄せしたりせずにポンっと買うことができる。

以前は「やっぱり本は紙で読まないと!」と電子否定派だったけど、
この便利さには勝てなかったよ…


そんなこんなで、

ここ最近に読んだ漫画について色々書いていきます。

そう

暇なんです。

今日も塩原に行こうと思ってたけど天候の問題とか微妙なスケジューリングの都合で半端に暇なんです。

暇つぶしのために書きます。

題して

『最近読んだちょっとマイナーだけど面白い漫画』


「オーイ!とんぼ」

既刊1~15巻(以下続刊)

『ゴルフ漫画』って実は結構好き。
小学生の頃読んだ「ライジングインパクト」みたいなトンデモ設定も好きだったし「空の昴」も「KING GOLF」も面白い。「黄金のラフ」も良かったし「風の大地」は紛れもなく名作。
ただ、この「オーイ!とんぼ」はそれらと比べても一番好きかもしれない。

元プロゴルファーが鹿児島の南の離島で天才少女と出会って云々…という、まあ話の大筋は結局天才主人公がTUEEEEEE!!!!する感じのものなんだけど、展開がすごく丁寧に進んでいくし、登場人物が誰もかれも魅力的。
技術的な解説にも(実際合ってるのかどうかは置いておいて)かなり説得力があって良い。

個人的に泣いたのは7巻。
最も熱かったのは13~14巻。
10巻のラストも良かった。

掲載誌が漫画雑誌じゃなくて「週刊ゴルフダイジェスト」というゴルフ雑誌であることから、普通の「漫画を読む層」に浸透していない分かなりマイナーだと思うけど、これが「ビッグコミック」とか「モーニング」とかその辺で連載されてたらもっとエラいことになってたと思う。

今最も人に薦めたい漫画。



SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん

既刊1~12巻(以下続刊)

地味な高校教師に、ジミヘンドリクスの幽霊が取り付いて、「27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さなければ死ぬ」という呪いまでかかり、なんやかんやで生徒たちとバンドを組んで伝説を残そうとするという物語。

そもそもの設定の根幹が「ヒカルの碁」のパクリやん!とか
素人に毛が生えた程度の奴らが数日の特訓で上手くなりすぎ!とか
メンバー今までの居場所簡単に捨てすぎじゃね?とか
ストーリーラインとか脚本上の細かい突っ込みどころは多々ある。

それでもそういった細かい突っ込みどころを気にさせないような勢いと迫力がある。
減点形式で見ていったら凡作だけど、加点形式で評価していったら名作といえると思う。

「音楽」というものを漫画でどう表現すればいいのか、というのに明確な正解は今のところどの漫画家も持っていないと思うが、この漫画はその表現がかなり上手い。

凡庸な漫画だったら、「どれだけすごい音か」ということを、例えば観客の心理描写で(な、なんてすごい音なんだ!)みたいな感じで文字に起こして説得力を持たせようとしてしまうけど、この漫画はそういうのがほとんど無く、あくまで「絵」とか「コマ割り」とか「構図」とか、「漫画表現」で「音」の感じを表現しようとしている。
ちょっと誇張しすぎな感じもあるけど、「漫画」で「音楽」を表現しようとしている数少ない挑戦的な漫画であると思える。

もっといろんな人に知って貰ってもいいと思う。



恋は光

全7巻

「恋をしている人間が光って見える」という超能力(?)を持った大学生の主人公が、その光の謎について考えながら自分の恋に向き合っていく、みたいな感じの物語。
第1話を読んだ時点では(この設定で話が続けられるのか?1巻完結くらいで終わるんじゃね?)と思ったが、意外にもまったくダレることなく7巻まで密度の濃い話が続いた。

基本的にはゆるい感じで物語が進行する。コメディと言うほどユルくもないが、ドロドロと深刻な感じにはならない絶妙なバランスで、ストレスを感じずに読み進むことができるのは凄い。
構図としては主人公の男一人に対し、恋心を抱く三人のヒロインが居るという形になるが、よくある「何の取柄もない主人公にわけもなく惚れる美少女達」みたいな、男の欲望を満たすためのご都合主義的な設定に見えない。
どちらかといえばむしろ女性陣の視点で物語が進行していくことが多く、ヒロインが、主人公のために用意された「キャラクター」的ではなく、一個の人間として丁寧に描写されているのがこの漫画を魅力的にしている。

物語の全体的な評価としては「結構面白い」というくらい。
ただ、
北代さん(キャラのフルネームが出ないのよこの漫画)というヒロインを生んだだけでこの漫画には計り知れない価値がある。
個人的に今まで読んだ全漫画中第1位ヒロインである。(この漫画のメインヒロインとは言ってない)こんないい女、現実どころか二次元界を広く見渡してもそうそうおらんわ!アホか!
むしろ主人公は北代さん。

同作者の「煩悩寺」「純真ミラクル100%」も面白い。



銀河の死なない子供たちへ

全2巻

この作者「施川ユウキ」は基本的にはギャグ漫画作家で、異常なシュール4コマのデビュー作「がんばれ酢めし疑獄!!」の頃からなんか好きだった。
同じく4コマの「サナギさん」それからアニメ化もした「バーナード嬢曰く。」は知っている人も結構居ると思う。(いるよね?)

ギャグ漫画の中でも時折風刺的というか、哲学性を感じさせるようなシーンやコマやセリフなんかが散見されていた。

恐らく今作が施川ユウキが本当に漫画で描きたかったことの一つなんじゃないかなーと思う。
「バーナード嬢曰く。」を読んで推察されるに、この作者の読書量(特にSF系)はかなりのものだと思う。
それに裏打ちされた確かな世界観がある。
いつかこの作者の描いた重厚なSFストーリーを読みたい。
でも絵がアレだからシリアス長編にするなら作画を別につけたほうがいいのかな。

こういう漫画を読んだとき真っ先に思い浮かぶ言葉が「考えさせられる」という言葉。
僕はこの「考えさせられる」という言葉が嫌いだ。この発言をする人は大抵実際には具体的な考えなど何一つ浮かんでいないからだ。
なんとなく感動したような、哲学的なような、そんな作品に出合った時、実際には何も学んではいないのに何かを学んだ気になる。そんな時に出てくる言葉が「考えさせられる」だ。
多分この漫画を読んで「考えさせられる」という感想を実際に発言した読者は多いと思う。

読み始めると短時間であっさりと読み終えるけど、読後感はもったりと残り続ける感じ。
短いので是非読んで欲しい。そして何かを「考えさせられ」て欲しい。




異世界おじさん

既刊1巻(以下続刊)

17年間の昏睡状態から目覚めたおじさんは、異世界からの帰還者だった。

基本的にはこの漫画自体が「後日談」みたいなものである。

まずこの漫画を楽しむには、昨今のライトノベル界隈や深夜アニメ界隈を席捲している「異世界転生」という設定についてそこそこ知っている必要がある。
それを知らないとそんなに面白くないかもしれない。

よくある「異世界モノ」に対する揶揄というか、それを踏まえたアンチみたいなところが少なからずあって、そこが絶妙な笑いを生んでいる。

ギャグ漫画の形式も色々多岐にわたってきていて、どんなものがハマるかは人それぞれって感じはあるが、個人的にはツボにバッチリはまった。
大爆笑!って感じではないが、ニヤリとしてしまう箇所が多い。

おじさんの回想に出てくるエルフの女性が可愛くて、ラブコメになりそうだけど絶対にならないってところも面白い。エルフさんマジ不憫。

1話からのバックナンバー数話と最新話が
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000079010000_68/

ここで無料で読めるので、ちょっと読んでみて欲しい。
ハマる人はハマるはず。




東京都立呪術高等専門学校

全1巻

今や週刊少年ジャンプの看板候補にもなっている(と俺が思っている)「呪術廻戦」の前日譚。
本誌で呪術廻戦を連載する前にジャンプGIGAで短期連載された作品。

もともと呪術廻戦は連載スタートするつもりはなくて、この呪術高専が思いのほか人気だったから設定を引き継いで呪術廻戦という作品が本誌連載を開始したらしい。

呪術廻戦はもちろん面白いし好きだが、個人的にはこの呪術高専のクライマックスを超えるシーンは未だ出てきていないと思う。

呪術廻戦を読んでいる人はこの呪術高専も読むべきだし、呪術廻戦を読んでない人はまずこの呪術高専を読んで欲しい。これを読めば呪術廻戦も読みたくなるはず。




さよなら、ハイスクール
全3巻

自分の教室の「スクールカースト」をぶっ壊してやろうと主人公が奔走する物語。

この漫画は「絵がヘタ」(あるいは絵が雑)なのが逆に良い。
このテーマで絵が変に小綺麗だとなんだか生々しくなりすぎて説教臭い印象が増大してしまう気がする。
ざっくりとしたややコミカルな絵柄だからこそ重苦しくなりすぎず、どこかしらギャグのニュアンスを含みながら進んでいく。

なんというか、「青春」というものと、それにまつわるものを、客観的に、あまりウェットになりすぎずにうまく捉えられていると思う。

「青春」や「学校」や「教室」といった枠組み、そういったものを「一時的でたいしたものじゃない」ことを自覚的に捉えながらも、当事者にとっては抜け出せない「全て」なんだという感覚を上手く表現できている。

何度も読み返そう、と思うような漫画ではないが、第一話から最終話まで一気にスルーっと読んでいける漫画だ。



懲役339年
全4巻

「転生」(生まれ変わり)が信じられている世界で、生まれた時から前世の罪で投獄されている主人公達を描いた作品。

ありそうで無かったような設定と独特の雰囲気。
1巻を読み終わったあたりでは、これはかつてないほどの名作なのでは?と、
社会の枠組みと世界観そのものと対立する主人公が最後にはどんな結末を迎えるのかワクワクした。

ただ、終盤に近付くにつれやや話の構造がスケールダウンしていったというか、収集のつけ方に意表をついたものは無かった。
大きなどんでん返しも無く、主人公達が目指した方向にきちんとうまく着地させていった感じだ。
ただその終わらせ方も含めてなお名作だとも思う。
1巻のラストと最終巻のエピローグの繋がりが好き。




スピリットサークル
全6巻

もはやマイナーと言ってもいいのか迷う。
読み終わった後に「アレ?6巻しかなかったっけ?」と思うくらい密度の高いストーリー。

各エピソードがそれぞれ独立したストーリーとして見ても面白いし、各所にちりばめられた伏線が綺麗にしっかり回収されていくところも素晴らしい。

本当にこの作者は物語の作り方が緻密だと思う。第一話の段階で最終話までの全ての話をあらかじめすべて書いてるんじゃないかと思うくらい。

何週も読み返したい。そして読み返すたびに新しい発見がある。

同作者の
「惑星のさみだれ」
「戦国妖狐」
も、もちろん名作。その他短編作品集を含めてそれぞれの作品間で微妙に世界設定がつながっているので全部読むとまた面白い。




………

はい。

こんな感じです。

特に「オーイ!とんぼ」と「異世界おじさん」と「スピリットサークル」あたりは是非とも多くの人に読んで欲しいと思う。





2019年1月10日木曜日

今更2018年のことと2019年を迎えたこと

はい!

生きてますよ!


約2か月の放置!

まあー、死んだか失踪したかと思われても無理はないくらいかもしれない。


なんにも書くことが無いというわけでもない。

でも「ここに態々書く必要があることか?」
という些細なことばかりだったりして、

そしてそんな些細な情報はインスタだったりツイッタだったりのSNSでもって細かく放出してしまうともう消費されてしまうもんだ。

文字数制限のあるSNSは情報ひとつひとつの閲覧時間はほとんど数秒で、
しかも雑多な情報群の中の一部として処理されるもんだから、そこに発信する情報は意味も価値も無い、毒にも薬にもならないような雑多なものでも良いと思える。

でもこの個人のブログという形式では、
文字数もそれなりに多く、必然的に閲覧時間も長くなる
(イコール、閲覧者の時間を多く奪うことになる)
そして閲覧者は、これを読みにきている。ということだ。

だから一応ここに書く内容というものは、
ただの独り言的な呟きの範疇を超えて、
ある程度コンテンツ的な意味を持たせるべきじゃあないかと、
そう愚考した挙句、書くことに困り、結果長期間放置することになり、長期間放置したんだから尚更再開時の内容に気を遣うことになり、また書くことに困る、という負のスパイラルに陥っていたというわけだ。

だからとりあえずそのスパイラル断ち切るためにも、
まず一回開き直ってどうでもいい内容を書こう。



とまあ、

放置の言い訳も済んだことだし、

じゃあ2018年の総括でも。

・1月 右ひざの負傷(外側靭帯損傷(6年ぶり3回目)
・5月 東京→新潟(実家)の引っ越し
・8月 左手人差し指の負傷
・4~11月 7kg太る

特記事項としてはこんなところ。

2018年は、クライミング面だけで見ればほぼマイナス。
弱体化の年といってもいいだろう。

まあそんな中でも11月に三面でキングコングが登れたことは僥倖だった。

あと、体重の増加についてはそんなに悪いことばかりではなく、
太った状態で登っていたことで、若干フィジカルが向上したような気がする(そう思わないとやってられないだけかもしれないが)

ということで、
2019年の抱負と目標としては

ひとまず、2017年の自分を超える。

ということになる(2018年を超えるのは最低条件)。

膝の負傷も指の負傷ももうほとんどなんともない。
体重も12月から徐々に落とし始めてきた。

2019年春を迎えるまでには、少なくとも2017年末あたりの自分のコンディションと同等までは戻せるはず。
そこで、戻すだけで満足してはいけない。そこからもう一回り、ふた回り成長したい。

具体的な目標課題としてはやはり塩原のルーフ内課題。

カランバ
カタルシス
ハイドラ
ユーマ

このあたりを狙っていきたい。この4本を今年中に登れれば上出来だと思える。

そしてなんといっても
去年目標として掲げながらも達成できなかった

三面のシシガミ

これは必ず登りたい。というかこれだけは必ず登る。

そのためにまずやることを優先順に並べると

①痩せる
②フィジカルの向上
③ルーフへの順応
④指の強化

このへんかな。

①は急務。堕落した精神を叩き直さねば。
②は前々からずっと抱えてきた弱点であり、目をそらしごまかしてきたところ。
そろそろきっちり向き合わなくてはいけないところまできた。
③はもうひたすら課題をやるしかない。
④はまあ、ビーストメーカーをちゃんと習慣づけてやろう。


さあ!

やるぞ!

2019年!

2018年11月16日金曜日

ひとつの季節の終わり

是が非でも今日は三面に行かなくてはいけない。

その理由があった。

三面ボルダーは「朝日スーパーライン」という道路の途上にあるのだが、

その道路は冬季には閉鎖されてしまう。
そして、新潟の冬は長い。

そう、11月のうちにはもう閉鎖してしまうのだ。

閉鎖の日時は年度によって若干誤差があるらしいのだが、
今年はどうも11月20日にはもう閉鎖されるという情報を得た。

その閉鎖日と自分の仕事のスケジュールを重ねると、
今日を逃してしまうともう、今シーズンに三面に行くことが事実上不可能になってしまう。


天気予報は「晴れのち雨」

十分勝負がかけられる予報ではあった。


どうしてもキングコングだけは登っておきたい。

やれば登れるというところまでは確実に来ているという実感はある。


雨が降る前に片づける。
その覚悟を持っていつもより少し早く三面へ。

到着すると気持ちのいい晴天。

これは雨など一日中降らないんではないかと思わされ、少し安心した。


結論から言うと、

登れました

キングコング(三段)



完登した後に手を見てみたら、恐らく後半のクラックパートでやらかしたんであろう、左中指の側面の皮がめくれて出血していた。

止血をしながら岩をブラッシングし、さて、時間は余っているし次は来シーズンのためのシシガミの練習でもしていようか、と思っていたら、なんとそこから雨がパラつきはじめた。

いやあ、ギリギリだったんだなあ。
正真正銘ラストチャンスの1回だった。

ともあれ、登れた。

多分、第三登。あるいは第四登くらい?

まあそれくらい。

隠れすぎた名作、キングコング。

今まで自分が登った三段の中でもベスト3には確実に入る面白さだった。

本当に名課題。

新潟のクライマー事情ももうかなり明るくなっている。
三段くらいのグレードを登れるクライマーはすでに両手の指なんかでは到底おさまらないはずだ。

そういったクライマー全員に登ってほしい課題だと思う。

小川山で静かの海とか幻の光とか狙ったり御岳で虫登ったりしてる場合ちゃうぞと、身近な岩場にこんなにも素晴らしい課題があるんだぞと、声を大にして言いたい。

今回自分がこの課題を登ったのは、もっと新潟のクライマーに三面ボルダーに目を向けてほしいという思いから、というのもある。

三面の課題はどうにも情報不足で(そこが岩登りの本質を突いていて良いとも言えるんだけど)、どうもメジャーな岩場の課題に比べて完登が狙いづらいと思われがちなんじゃないかと。

そしてキングコングにしろシシガミにしろ、完登者が偉大なるレジェンドだけに留まってること、他の岩場に比べてグレーディングが辛いという噂、そういった情報があいまって、三面ボルダーに行くこと自体がどこかしら敷居の高いことのように思われているんじゃないかと。

でもそんなことないぞと!

あえて凡庸なクライマーのうちの一人である自分が、
この岩場を楽しんで、こうして完登することもできているということを発信することで、この岩場に行きたいと思って欲しい、この課題をみんなにもトライして欲しい。
そういう思いを伝えたい。


そうは言ってももう今シーズンは道路が閉まってしまう。

来シーズンの開通を楽しみにしつつ、その時にはシシガミを登れる実力を身にけていられるようにまた修行しないといけない。

今シーズンの三面は終わった。でも来シーズンの三面に向けての準備もまた既に始まっているとも言える。


2018年10月22日月曜日

初めての経験

今日、初めて「脚立」を岩場に持っていった。

別にグラウンドアップに確たるこだわりがあったわけでもないが、
わざわざ脚立を持っていってまで上部のホールドを確認したいと思うようなことは今まで無かった。

だから「脚立を持っていったら便利そうだなー」と思うことはあっても、
実際に脚立を持っていったことは今まで一度もない。

しかし今回ばかりのっぴきならない事情で脚立を持ち出すことにした。

その事情というのがコレ



このポケット内部を掃除するため。

先日、このポケットに指を入れた時、物凄い違和感があった。
とにかく滑る。
奥に奥に指を入れるほど「何か」がボロボロと崩れていくような感覚があり、その「何か」のせいで指がどんどんズレてくる。

恐らく泥か何かが奥のほうに詰まっているのだろうとアタリをつけ、Pamoブラシの先端に細いブラシを括り付け、地上からなんとか内部をブラッシングしてみようと試みたが、それだけでは根本的な「何か」を完全に穴の中から出し切ることはできなかった。

この高さでポケットの内部に不確定要素があるというのは精神的にもよろしくない。
なんとしてでも解消しておきたかった。

そこで今日、脚立を用いて直接内部を覗き込みながら直接その「何か」を確認し、排除しようと試みたわけである。

結論から言うと、

その「何か」は
「虫のさなぎの残骸」だった。

それはポケットの奥のほうに存外しっかりとした質量で詰まっており、ブラシの柄や小指や頭の小さい歯ブラシを駆使してようやくすべてを掻き出すことができた。

するとどうだろう。
絶望的に安心感の無かったズルズルのポケットが、しっかりかかるホールドになった。

ついでにリップ付近のホールドも近距離から目視で確認し、上部の恐怖感はこれでかなり払拭できた。

これならソロでもまったく問題無い!

ということで、Ape(初段)をとりあえず完登。



今まで登った初段の中で一番悪かったんじゃないかと思える。
結局手を付け始めてから登るまで三日かかっているわけだし。
とにかく序中盤が悪い。
二連左手飛ばしは安定しないし、その後の足送りからの右手寄せが決まるまでの一連の動きは足位置をしっかり決め切らなければいつでも落ちれる。
後半もジャミングのようなホールディングによる痛みとそこそこの高度感に耐えながらになり気が抜けない。

ともあれそこそこ安定したムーブを固めることができたのは大きい。

「あとはキングコングの1手目を止めるだけだ!」

と思い気合を入れてスタートに着く。



止まらない!

やっぱり足がうまく決まらない。

うーん。

と、

もう開き直って足位置からムーブからガラッと変えていろいろ試すことにした。

するとなんと、ある足位置に変えてみたら結構安定して止まるようになってしまった。

こうなるともう今日キングコングも登ってしまえるんじゃないかと意気込み、早速キングコングの繋げに取り掛かる。

しかしそう甘くはなかった。
単に二手増えるだけかと思っていたがそうではなく、微妙な右手の持ち替えが序盤に発生するのが中盤の核心部の流れを悪くしている。
成程、確かに初段を三段に変貌させる要素がこのLow startにはある。

改めてその差異を埋める方法をバラしで探り、しっくりくるバランスを見つけられたところで再度繋げてみたものの、今度は明らかにヨレが原因でApe中盤で落下。

手を見ると、スタートの試行錯誤が主な原因か、何か所か出血も生じていて、さらに辺りも暗くなりかけていた。

日が落ちてから脚立とマットを持って帰りのアプローチをこなすのも危険なので、今日のところは撤収を決め込んだ。

今日は登れはしなかったが、確実に手応えは感じる。
次は登れるかもしれない。

次に行けるとしたら月末、29日。
それまで今日の感覚を忘れないようにするのと、しっかり身体の調子を上げていこう。

あ、あと晴れるのを祈ろう。

2018年10月16日火曜日

All I need is "Edge"

おかしい。

前に三面に行ってから今日までの間に二回、休日はあったはずだ。

なのに再び三面に訪れたのは今日になるまで無かった。


まあ


ですよね原因は。

昨年発現し、俺を苦しめた〝スタンド能力”

大人しく飼いならされてきたと思ったがやはり今年もまた暴走しているようだ。


しかしながら、

今日は久々に前日にも当日にも雨が降っていない(晴れているとは言ってない)。


久しぶりに濡れてない岩を触れる。
(このセリフ前にも言った気がするわ)


シシガミについてはちょっと行詰まっているのと、
結局マット枚数が足りなければ繋げトライができないので
今日は思い切ってシシガミに触らないことにした。

まずアップがてらにと思った登ったのは

スパイダーウォーク(1級)

正直舐めてた。
ムーブが全然出てこなかった。
いやこれはオンサイトではかなり難しいよ。
明らかに「これ使ってくれ!」と言わんばかりの深いポッケが、
明らかにライン上に存在するのにそれを使ったらムーブが行詰まるという罠。
最初それでもゴリ押そうとして四苦八苦して
(これ本当に1級かよ……)
と思ったところで
(いや待てよ?やっぱちゃんと1級になるようなムーブがあるんじゃね?)
と、よーくホールドを確認したら思いもよらぬムーブで解決を見た、って感じ。
ムーブ解決したらちゃんと1級でした。
いや本当下手したら諦めてたわ。侮りがたし1級。




次は
Aut matter(1級)

課題名はトポに記載されたまま。
Autoだと思ってたけどAutなのね。

1手目のポッケが深くて痛いけど持てるからOK。
後半スラブに入ってからはノーマットを強いられるけどそこからは6級くらいなので心配は要らない。
ポッケ得意な人はお勧めな課題かな。


とりあえずゴリラ岩の1級をこれで全部解決したわけなので、
思い残すことなくキングコング(三段)に取り掛かる。

と…

あれ?
できそうだぞ?

という手応え。

やっぱり岩のコンディションが重要なのか?

前回雨上がりにトライしていた時にはもう、
「まっっっったく!できる気がしねえええええええ!!」
「フリクションとかの問題じゃなくてムーブの質と強度的にまるで希望が持てねえよ!」

と思っていた1手が今日は数回の試行ですっと出来てしまった。

フリクション、大事でした。

そこが解決してしまうとかなり完登のイメージが強くなってきた。

ただ、いよいよ今日も解決しなかったのはスタートからの1手目取り。

アンダーガバを持ってルーフ部分から飛び出してくる1手目なんだけど、
まあーーとにかく足が踏めない!
無いのよ踏めそうなホールドが!
もうどこ踏んでも一緒やんけ!というくらいの微細な皺とか凹凸があるだけ!

それでも試行錯誤を繰り返し「ここかな⁉」というポイントを見つけたけど、
やっぱり最後の最後踏み切れない。

根本的な自分の「フットホールドを捉える能力」の不足を感じる。
結局は自分も最近のジムクライミングに染まった「デカいホールドを踏まないと登れないクライマー」のうちの一人だったということを思い知った。

そういえば今の手持ちに固い靴が無い。

今の俺に必要なのは固い靴だ。
固ーいエッジングシューズ。

やわらかいシューズはやっぱりクライマーに優しい。
足裏感覚が良いからホールドを踏めてる感じがするし、
滑って不意に落ちるってこともない。
ソールのどの部分でホールドを捉えてもある程度許容範囲が広い。
故に
「じぶんがきちんと足遣いが出来ている」という気分にさせてくれる。

でも、
シビアな足置きが要求される岩でのクライミングでは、
足裏感覚に乏しくとも点と点でしっかりと対応させればそれがかなり小さな点であったとしても体重を逃さず乗せてくれる固いソールのエッジングシューズは必要だ。

そしてその固いソールをうまく扱う技術も。


なんだかんだで1足はVibram XS Edgeソールの靴は欲しいな。

やっぱ慣れ親しんだ感と汎用性を考えるとインスティンクトVSかなー……

よし、これ書き終わったらポチるか!

2018年10月3日水曜日

台風「週末は絶対潰す!」

今年はどうも怪我になやまされる宿命らしい。

1月に痛めた膝の調子がようやく良くなってきた矢先、

今度は左人差し指の負傷。

やらかした瞬間の感触は「軽い突き指みたいなもの」

全治1~2週間くらいだろうと、なんの根拠もなく思い込んでいて、
そして実際5日くらい経過したあたりで「もう7割くらいは治っているな」という感触であった。

ただ、その残り3割の痛みが取れないまま、もう1か月以上が経過している。

完全にレストし続けることも、
怪我を無視して登りこみに打ち込むということもできず、

そんな中途半端な状況はどんどん自分の中のバランスをくずしていっているように感じる。




・・・めんどくせっ!

もういや!
登ろう登ろう!

登ってりゃそのうち治るわ!


という気持ちに最近ようやくなってきたので、

もうシーズンインしたことにするし、もう指は治ったことにする!


ということで、

台風と台風の間隙を縫って、最近ちょこちょこ三面にこっそり行っていたりする。

まー、
行くたびに結局岩は濡れていて、
部分的なムーブ練習やら、乾いた面だけを登ることしかできなかったわけだけど。

そんなこんなで最近3回くらい三面に行った成果としては、

シシガミ(四段)のムーブをバラせたことと、キングコング(三段)のジャミングがわけわからんと気づいたこと。以上。

正直キングコングのほうがいまのところ希望は感じない。

ただシシガミのほうに確固たる手応えを感じているかというとそうでもなく、
やはり終盤の核心部を繋げられる気が今のところはしない。

単純に一手一手ムーブ強度を数値化して、その数値の合計、という風に見ると、シシガミよりその合計値が高くなるような課題は今まで登ったことはある。
ただ、シシガミの場合、最大の核心が終盤にあるということと、ランディングが悪いということに難しさがある。

これはあと何回か通うってだけじゃ登れることはないと思う。

まず指の完治は絶対条件として、
カチ保持能力を持久力方向にもうちょい向上することと、体幹の動き方をもうちょい活性化させる必要がありそう。

結局は日々の登りこみを増やすしかないという結論になるわけだけど。



台風も25号が過ぎればもう来ないはず!(来ないよね?)

そんなわけでいよいよ本格シーズン突入なので、気合入れていくか!



おまけ

ポッチマン(1級)



今日シシガミの練習した後、帰る前にホールド触ってみたらそこそこ乾いていたので、帰る前にサクっと一撃したるかーと思いやってみたけど結局30分くらい足止めくらって帰りのアプローチが薄暗くなってちょっと怖くなったというオチ。
(これも甘めのエリアなら初段くらいついててもおかしかないやなあ)

2018年8月1日水曜日

秘境

ぜんっぜん更新されねーなこのブログ。

と思われてるだろうからそろそろ何か書かんとな!


ただまあーーー、暑い。

この暑さではもう岩に行く気にもならない。

岩に行かないのだから書くことも無い。


いやでも待てよ、と。

この暑い中敢えて外で登っておくっていうのもそれはそれでいい体験になるのかもしれない。

ということで、

新潟に帰ってきたらまず行こう、と思っていた

三面ボルダーに向かうことに。

ここに行くのはかれこれ何年ぶりだろう?

5年?6年?

多分、それくらい前に1回か2回行ったきり。

新潟の秘境、三面。
(サンメンじゃないよミオモテだよ)

以前行った時はたしか3級くらいの課題をひーこら言って登り、
1級くらいの課題に手も足も出ず、みたいな感じだったと思う。

その当時、目標どころかもはや憧れですらなく、眺めるだけの対象だった

「シシガミ(四段)」

今年はこれを登りたい。

ただ、この岩、

岩のある場所が陰っていて苔が生えやすいというのと、
多分全然だれも登りに来たりしないから、すっかり自然に還ってしまっているだろうと思われた。

そこで、

今日は「登りに行く」というよりは
「掃除しに行く」という気持ちだった。

朝ちょっと遅く出発して、ホームセンターに寄って大きいブラシを購入し、
到着は昼前くらい。

シシガミの岩に行く前に「キングコング(三段)」(これも登りたい!)のあるゴリラ岩の前を通ったけど、この岩は掃除不要でそのまま登れそうだった。
ただ日当たりがいいので今日の日中は岩が熱すぎて触れたもんじゃなかった。

シシガミの岩に着いてみると、

(あれ?意外に苔ひどくないな)

といった印象。

ハングの中の主だったホールドは軽く表面を磨くくらいですぐにでも使えそうだったし、フットホールドとして使えそうな箇所も苔はそんなにびっしりとは生えておらず、いくつかの場所を目星をつけて磨けばいいくらいではあった。

ただやはりリップから上はほぼ全面苔だらけだった。

とてもマントルを返せるような状態ではなかったので、まずは岩の上面の苔を落とす。

灼熱の暑さとたかりまくる虫の中、ひたすらブラシで苔を落としていく。
何故かここの虫たちには虫除けスプレーの効果が薄いのか、いくらスプレーをかけなおそうがガンガンアタックを仕掛けてくるくたばれ。

2時間くらいやったところで掃除も飽きてきたひと段落したので、川で手を洗ったり、周辺の散策をしたりした。

三面は本当に無限の岩ポテンシャルを秘めた場所で、未だ登られていないけどここ登ったら面白そうだと思わせる岩やラインに満ち満ちている。
目標の課題が登れたら、次はそういう岩を好きに登ってみたいとも思う。

さて、

せっかく来たので掃除するだけじゃもったいない。

とりあえず

「シシ(初段)」を登ることにした。

ランディングがそんなに良くないのと、ひたすらヌメり倒すバッドコンディションと、あとまとわりつく虫。

課題の内容そのものよりもそういったものとの戦いという面が大きかった。

でもこういうのもやっぱり「自然を相手している」って感じで良い。
グッドコンディションの中でハイパフォーマンスを出すだけがボルダリングじゃない。


課題としても面白かった。
アングル的に岩のかぶりっぷりが伝わりづらいのと、結構チマチマしたムーブが続くので簡単そうに見えるかもしれんけど結構シビアな課題だった。


シシガミの探りもちょっとだけやったけど、ホールド的に「持てない」って感じのものは無い。頑張れば不可能じゃないと思う。
ただ、繋げようと思ったらマット5枚くらいは欲しい。
あとなるべくソロではやりたくない。

なので夏の間とりあえず箇所箇所でムーブの錬度上げて、涼しくなって来た時に日を決めて集中して落としに行きたいと思う。

ということでこの夏はシシガミの練習に捧げてみようというのが今のところの方針。

まずは虫除けスプレーとか虫除けグッズを新調するところからだ!