(今回はもうクライミングのクの字も出てきませんすいません)
引越しを機にね、大量の小説やら漫画やらを売り払ったんですが、
「コレだけは手元においておきたい」
と思っているものだけは売らずに持ってきてあります。
その中にですね、
戸田誠二
という漫画家の書いた短編集みたいなものが6冊ほどあります。
結構マイナーなので知らない人だらけだと思いますが、
まあマイナーなりな漫画です。
僕は好きですが、正直、読んだ人みんなが「面白い!」と声を揃えて言うような漫画じゃないと思います。
どちらかといえば上手い漫画とは言えないし、話の作りも単調。
でも僕は好きなんです。
元はといえば、
僕は大学生の時に時間を持て余していたころ「Web漫画」にハマっていた時期があって、
その時にこの戸田誠二さんの漫画が載ってるHPを見つけたのが出会いでした。
ここなんですけどね
戸田誠二「コンプレックスプール」
まあこの戸田誠二さんのかく漫画っていうのがね、精神がある種のくたびれ方をしている時に読むと非常に良く効くんですよ。
学生時代の、今よりもっとこう中二病の症状が深かったときの僕はこの漫画家が最も好きな漫画家の1人でした。
なんか疲れたなーって思うときはかなり頻繁に読み返します。
で、
まあなんでこのタイミングでこんな漫画家の紹介みたいなことしてるかっていうと
このHPのComicのShortshortのとこに載ってる「Don’t trust over 30」っていう漫画があるんですがこれが
前の会社を辞めようかどうしようか迷っていた時、
「辞めよう」
という決意をするための大きな要因の一つとなったんですよ。
今、ちょっと僕の知り合いには、転職しようと思ってるとか、仕事辞めて次どうしようか悩んでるとか、何か新しいことを始めたいとか、自分の現状に不満が積もってるとか、そういう人が妙に多いみたいで、
そういう人たちには是非ともこの人の漫画を薦めたいんですよ。
癒される…ってのとは違うか…
なんかこう、変な抵抗の無い慰めみたいなものが感じられると思います。
試しにHPに載ってる漫画読んでみて、気に入ったら単行本も買ってみてください。
特におススメするのは
「説得ゲーム」
ってやつと
「ストーリー」
ってやつですかね。
こういうクライミングにまっったく関係ない内容のやつもこれからは書いていこうかなーとね、
思ってるんですよ。
今回はまあそのための布石みたいなもんです。
2014年5月29日木曜日
2014年5月24日土曜日
ちょっとそこの外岩行ってくる
って感じとまではいかないけど、
近い!
近いよ「北山公園」
距離にして約25km
時間にして車で約1時間。
ん?
距離に対して時間が少し長くないかって?
いやー、道結構混んでるし信号が多いんですよ大きい国道だから。
高速使えばもっと早いかもしれません。この距離ならそんなに金も掛からないだろうし次は高速使うルートも試してみようと思います。
まあ近いってことでね、
朝はのんびりするつもりで8時に起きました。
そして突然の腹痛。
あー、今日はやめとこかなー。
と思ったけどすぐに収まったので、結局10時ごろには出発しました。
で11時に駐車場着。
途中コンビニに寄ったりしなきゃもっと早かったかな。
そして北山公園内をちょっと迷い、
まず「エレファントノーズ」に到着。
1級~初段のラインが複数本ある岩だったので今日はここで遊ぼうかとトポを見て決めていました。
大人気スポットのはずの北山公園ですが、5月というのはもう完全にシーズンオフらしく、誰もクライマー居ませんでした。
・・・と思ったら1組先客が居ました。
その方とちょっと雑談して、エレファントノーズの課題のラインについて教えてもらったりしたんですが。
「ここはマット少ないと危ないよ」
とのこと。
たしかに結構なハイボールのうえにランディグも中くらいの岩が地面からピョコピョコ出ててあまり良くない。
さらに核心が上部にある。今のシーズンだと上部で思わぬスリップもあるだろう。
ということでした。
誰かと一緒に来てるならまだしも1人で来てるわけだし、ケガしないことが最重要かなー、と思い、結局エレファントノーズでは、
「初級スラブ(7級)」
をアップがてらやっただけで終了。
これは北山公園を代表する入門課題らしく、
そういうことなら、とトライしたんですが
「ホントに7級!?」
と思う程度には悪かった。4~5級くらいついててもいいと思いました。
塩原の後悔岩の右の「アップ(6級)」よりは悪く感じたな。
そして
「ショウギ岩ならランディングもいいし一人でやっても大丈夫だよ」
とのアドバイスを貰ったので一人で移動。
ここにはまたも北山公園を代表する課題
「ショウギ(1級)」
があるのでそれをやることに。
これは北山公園のグレードの基準となる1級であり、かつ関西を代表する課題の一つでもある、らしいです。
小川山の「エイハブ船長」、御岳の「デッドエンド」「忍者返し」みたいなものですね。
苦手なスラブだけど
まあゆうても1級、そんなに苦労せず登れるだろうと思いました。
が、
いざトライしてみると
(1手目が出ない……だと…!?)
いきなり苦戦。
靴を代えたり思考錯誤を繰り返し何度もトライしたが全然1手目が安定しない。
たまに取れることがあってもその先が進まない。
行き詰ったのでyoutubeでカンニングしたら
(1手目のホールド違うやんけ!?)
はい、
全然違うホールド狙ってました。
で、ちゃんとしたムーブで登ったら結構アッサリいきました。
といってもその後も4~5トライくらいしたかな。
バランシーで、いずれにせよ苦手系ではありました。
体感的には8GRADEの垂壁の黒四角テープ課題くらいの難しさは感じました。
適正なグレードってことですね。
(思った以上に将棋の駒だった)
だって1手目が安定したら本気トライで撮り始めようと思ったら、なんか1手目の練習のつもりでやったやつで登れちゃったんだもん。
でもすげー苦手系で嫌い系だからもう一回動画のために登ろうなんて気が起きなかったんだもん。
で次は
「バーカーヘッド」に移動。
これも小さめの岩でランディングが良いので一人でもトライできると薦められたので。
ここでは「バーカーヘッドトラバース(初段)」をトライ
これもなかなか悪い。
っていうかフリクションが悪い。
長物でフリクション系だからまあ後半で滑る滑る。
ムーブを探っている間に先ほどエレファントノーズで会った方も来て
「今日のフリクションは最悪」
「確実にグレード違いますよ冬と」
とフォローしてもらったけど、そんなことを登れない理由にする奴は新潟のクライマーには居ねえ。
「状態が悪いからまた今度」なんて、岩が近いから言えること!
あ、もう言えるんだな俺。
まあその時点ではムーブは出てたし、ヌメりは気合でカバーということでトライ。
核心で落ちる。
そこで
「そこのガバカチは限定なんですよ」
と、いままで1手目で使っていたホールドが制限ホールドであることを知らされる。
「こういうややこしい限定がたくさんあるのが北山公園のわるいところ」
とその方は言ってましたが・・・
なにせよ逆に落ちてて良かった。
で、またムーブ作り直して(正直限定したところで大してムーブの強度はかわらんかった)
とまあ紆余曲折ありましたが、
なんとか落とせました。
ヒールフックで岩を抱きかかえるような感じでトラバースしていく、全身を使った良い課題でしたね。
核心はそれなりにワルい手からワルい手にけっこうな距離を飛ばすピリっとしたムーブだったし、うん、楽しい課題でした。
で、また動画無いんですよ。
だって岩を半周トラバースするような課題だから固定カメラじゃあ全容を収めきれなかったんですよ。
どっから撮りゃいいってんだ。
そんなこんなで時間は4時頃。
普段だったらもっと粘るけど、
どうせいつでも来れるし
明るいうちに帰りたいなーと思ったので帰ることに。
部屋に帰ってきたのが5時過ぎ、そっからまた駅前に色々買い物に行って晩御飯食べて今に至ります。
かつてこんな余裕を持ったスケジュールで外岩に行ったことがあるだろうか(いやない)
次はもうちょっと遠いところにも行ってみよう!
笠置とか2時間くらいで行けるらしいし、岡山方面を目指すのも悪くないかも。
いやー、夢が広がりますね。
2014年5月23日金曜日
シティ派クライマー
ふぃー
家具やなんかもひととおり揃ったし、今日区役所行って色々転入手続きも済ましたし、
とりあえずひと段落、かなー。
(まだこまごまとやることはあるけどとりあえずそれは追い追いやっていこう)
つーことでね、
じゃあ次は何をするかっていうと、
勿論、周辺のオシャレなカフェやらバーやらを探しに行くことですよ。
嘘です。
勿論、周辺の外岩を攻めに行くことです。
実はこっちに引っ越してくる予定なんぞ無い時から、持ってたんですよ
「日本100岩場④東海・関西」
豊田とかフクベのためだけに見てたから関西までカバーしてるってことに今まで気付いてなかったけど、むしろこれメインは関西圏なのよね。
これを持って明日あたりは外岩行ってこようと思います!
三日間なんもクライミングしてないからそろそろ禁断症状出そうだぜー。
まあだから、明日はプッシュザリミットって感じじゃなくてエンクラが主目的ですかね。
1人で限界攻めるのはなにかと危険も伴いますしね。
で、話変わって
今日はちょっと最寄の駅まで行ってみたんですよ。
「ICOCA」っていう、関西の「Suica」みたいなのを買って来たかったんで。
カード自体は自動券売機でさっと買えたんでまあそれは置いておいて…
最寄の駅までアパートから徒歩10分かからないくらいなんですね。
まあ、ゆうても神戸のメイン都会である「三宮」「元町」「神戸」の駅あたりからはちょっと距離ある駅なんですよ。
だから油断してたんですがね、
これ
新潟駅より栄えてるじゃん。
旧住まい最寄の駅「内野駅」とここが戦ったらもう瞬殺ですよ。
いやー、都会だわー。
かといって殺伐としてるわけでもなく、線路挟んでちょっと歩くと1軒屋が並ぶ閑静な住宅街で、大きめの公園があったりして、そこで小さい子供がワイワイ遊んでたりベンチで奥様方が談笑したりしてた。
都会は都会なんだけど、あんまり冷たい感じがしなくて良い。
なんか家の周辺ちょっと歩いただけで
「良さそう!」
って思う店とかが多いんですよ、飲食店とかも。
こうなると逆に迷う。
RPGとかでも村とか行ったら全ての家に入らないと気がすまないしダンジョンではすべての分岐に行かないと気がすまない僕としては、
近所の店とか全部行きたくなっちゃう。
でもそうすっと金も足りんしデブまっしぐらになるから抑えていこうこの欲望。
まあちょっとづつ、
ちょっとづつね、
ここを自分の町にしていけたらいいなと、おもっとります。
2014年5月21日水曜日
ばーじょんつー
ということでね!
このブログは
「新潟在住三流クライマーの日々の記録」
から
「神戸在住三流クライマーの日々の記録」
へとバージョンアップいたしましたイェイ!
ふう…
ちょっと空元気してみた。
なんのこっちゃ、って人に一応説明しますと、
このたび僕は転職に伴い引越しをしまして、
新潟から一気に神戸に来たんですよええ。
車一台に積めるだけの荷物を積んで、
昨日(5/20)の朝に新潟を出発して、午後に着いて・・・
荷物降ろしてる途中に雨降り出して泣きそうになって(しかも3階だからマジ疲れた)
段ボールだけの部屋で寝るのが嫌だったのでとりあえずベッドだけ(あと巻尺)買ってきて・・・
昨日の感想は、
ただただ「疲れた」とだけ。
長距離運転だったし途中大規模工事やらで渋滞しててうんざりしたし…
段ボールだけが雑然と積まれた部屋では落ち着くこともできず、
「俺は本当にここでやっていけるのだろうか」
と早くも弱音が漏れそうになってみたりしました。
そして今日、
まず午前中にガスの開栓やってもらって、それから家具やらなんやら買いに行って、帰ってきて荷ほどきして
部屋がちゃんと「俺の部屋」になったのが夕方くらい。
で、ひと段落したところで近所(車で10分かからんくらい)にある「あぐろの湯」という温泉で二日間の疲れを癒してきて、今に至る。
こうなってみると昨日の不安もだいぶ薄まり、出発前にあった「ワクワク感」がまた勝つようになってきました。
まだたった二日だけど、
とりあえず思ったこととしては、
適当に住む場所選んだ割には結構いい土地を選んだんじゃないか?ってこと。
車ちょっと(10~20分)走らせればニトリやらヤマダ電機やらイオンやらのお馴染みの店あるし、あぐろの湯めっちゃ良いし、徒歩圏内にもいろんな店あるし。
とりあえず生活には困らなそうです。
あと喫茶店がやたら多い。
個人経営の喫茶店って新潟じゃあそんなに見かけなかったけど、こっちはコンビニがあるくらいの間隔で喫茶店があるんですよ。
行きつけの喫茶店とかできるといいなあ(まずそんな時間的金銭的余裕ができるといいなあ)
まあ喫茶店に限らず小さな「店」が多いですね。
色々廻ってみたいなあ。
で、新潟との最大の違いは
「駐車場」
ですね。
新潟はやっぱり車社会だったんだなーと実感しましたよ本当。
こっちはもう駐車場はおろか駐輪場さえ無い店がたくさんあるし、
大きい道路に面した大きい店の大きい駐車場も、大体ゲートがあって駐車券が要るパターン。
まあ大きめの買い物をするときなんか以外はチャリを活用していけばいいかなー。
それと早めに電車と徒歩を使いこなす生活スタイルを確立していこうと思います。
新潟に居た時よりは確実に車を運転する時間は短くなるだろうし、歩く時間は長くなるでしょうね。
…歩くのってあんまり好きじゃないんすよね。大体走っちゃう。移動が「遅い」ってのがやっぱ嫌なんですよ。
チャリと走り、この2つで基本的に移動していこうと思います。
あー、あとね「サイクルベースあさひ」が近所にあるのもかなり良い所ですね。
なんだかんだ全国展開の大きいチェーン店は安心しちゃう。
不満点としては、部屋にいると電車の音が五月蝿いことくらいかな。
まあ駅近くを選んだんだから当たり前の対価なんですけどね。
やー、
まあ、
まだまだ色々書こうと思えば書けるけどこんなもんですかね。
あとは実際に暫く暮らしてみて、そんでなんか感想あったらここで垂れ流しましょうかね。
こうやって感情をアウトプットするっていう作業は大事だなーって思いますよ本当。
言葉にすることで情報が自分の中で整理されていって、精神的に落ち着ける。
それだけでこのブログやっててよかったなー、と。
ということでね、ver,2となった「登攀日和」を今後とも宜しくお願いします。
あ、そうそう、リンクの欄に新しく某クライマーのブログを追加しました。そっちも見に行ってみてくださいね。
このブログは
「新潟在住三流クライマーの日々の記録」
から
「神戸在住三流クライマーの日々の記録」
へとバージョンアップいたしましたイェイ!
ふう…
ちょっと空元気してみた。
なんのこっちゃ、って人に一応説明しますと、
このたび僕は転職に伴い引越しをしまして、
新潟から一気に神戸に来たんですよええ。
車一台に積めるだけの荷物を積んで、
昨日(5/20)の朝に新潟を出発して、午後に着いて・・・
荷物降ろしてる途中に雨降り出して泣きそうになって(しかも3階だからマジ疲れた)
段ボールだけの部屋で寝るのが嫌だったのでとりあえずベッドだけ(あと巻尺)買ってきて・・・
昨日の感想は、
ただただ「疲れた」とだけ。
長距離運転だったし途中大規模工事やらで渋滞しててうんざりしたし…
段ボールだけが雑然と積まれた部屋では落ち着くこともできず、
「俺は本当にここでやっていけるのだろうか」
と早くも弱音が漏れそうになってみたりしました。
そして今日、
まず午前中にガスの開栓やってもらって、それから家具やらなんやら買いに行って、帰ってきて荷ほどきして
部屋がちゃんと「俺の部屋」になったのが夕方くらい。
で、ひと段落したところで近所(車で10分かからんくらい)にある「あぐろの湯」という温泉で二日間の疲れを癒してきて、今に至る。
こうなってみると昨日の不安もだいぶ薄まり、出発前にあった「ワクワク感」がまた勝つようになってきました。
まだたった二日だけど、
とりあえず思ったこととしては、
適当に住む場所選んだ割には結構いい土地を選んだんじゃないか?ってこと。
車ちょっと(10~20分)走らせればニトリやらヤマダ電機やらイオンやらのお馴染みの店あるし、あぐろの湯めっちゃ良いし、徒歩圏内にもいろんな店あるし。
とりあえず生活には困らなそうです。
あと喫茶店がやたら多い。
個人経営の喫茶店って新潟じゃあそんなに見かけなかったけど、こっちはコンビニがあるくらいの間隔で喫茶店があるんですよ。
行きつけの喫茶店とかできるといいなあ(まずそんな時間的金銭的余裕ができるといいなあ)
まあ喫茶店に限らず小さな「店」が多いですね。
色々廻ってみたいなあ。
で、新潟との最大の違いは
「駐車場」
ですね。
新潟はやっぱり車社会だったんだなーと実感しましたよ本当。
こっちはもう駐車場はおろか駐輪場さえ無い店がたくさんあるし、
大きい道路に面した大きい店の大きい駐車場も、大体ゲートがあって駐車券が要るパターン。
まあ大きめの買い物をするときなんか以外はチャリを活用していけばいいかなー。
それと早めに電車と徒歩を使いこなす生活スタイルを確立していこうと思います。
新潟に居た時よりは確実に車を運転する時間は短くなるだろうし、歩く時間は長くなるでしょうね。
…歩くのってあんまり好きじゃないんすよね。大体走っちゃう。移動が「遅い」ってのがやっぱ嫌なんですよ。
チャリと走り、この2つで基本的に移動していこうと思います。
あー、あとね「サイクルベースあさひ」が近所にあるのもかなり良い所ですね。
なんだかんだ全国展開の大きいチェーン店は安心しちゃう。
不満点としては、部屋にいると電車の音が五月蝿いことくらいかな。
まあ駅近くを選んだんだから当たり前の対価なんですけどね。
やー、
まあ、
まだまだ色々書こうと思えば書けるけどこんなもんですかね。
あとは実際に暫く暮らしてみて、そんでなんか感想あったらここで垂れ流しましょうかね。
こうやって感情をアウトプットするっていう作業は大事だなーって思いますよ本当。
言葉にすることで情報が自分の中で整理されていって、精神的に落ち着ける。
それだけでこのブログやっててよかったなー、と。
ということでね、ver,2となった「登攀日和」を今後とも宜しくお願いします。
あ、そうそう、リンクの欄に新しく某クライマーのブログを追加しました。そっちも見に行ってみてくださいね。
2014年5月16日金曜日
大いなる敗退
(GWのカリを返したい。「大いなる河の流れ」を登っておきたい)
その気持ちが強くあった僕は、
5/13(火)
再び小川山に行ってまいりました。
平日だと言うのになんと、
『百獣のカイドウ』
こと
K藤くんが有給をとってまで僕のこのリベンジに付き合ってくれました!
まあ結果はですね、
タイトルでもうネタバレしてますね。敗退です。
前回はまあ言っても初めて触ったわけだし、落とせなくても仕方ないか、って感じだったんですが、今回はもうムーブも出てるし、落とせないわけないだろ落とそう!って気分で臨んでたので、正直…
かなりショックです。
しかしね、
こういった「悔いを残す」ことが、大きなモチベーションに繋がると僕は思うんですよ。
悔いがハングリーさに繋がると思うんですよ。
ジョニィも言ってましたよ
「飢えなきゃ」勝てない
今回の敗退は僕に良質な「飢え」を与えてくれたと思いますよ。ええ。
くっそー。強くなってやるぜーぃ。
で
結果は敗退ってことだったんですが、それを別にすれば超サイコーな1日でした。
平日、GW明け、前日が雨だった、という色々な条件が重なり、小川山にはクライマーほぼいない状態。
超、貸切。
そして前日の雨が嘘のような良い天気!
ちょっと天気良すぎて気温高すぎたけど(20℃超えてたからなあ)
もうなんか大いなる川の流れやってるときなんか南国リゾートにいるような気分でしたね。
終始、上裸でした。
このリゾート感ね。
贅沢な気分を味わわせていただきました。
K藤くんとも行き帰りの車内でいろいろ有意義な話ができたし、いやー、ほんと行って良かった。
2014年5月9日金曜日
理屈屋
今回は長文です。
そして僕に起こった出来事について書くいわゆる「日記」的なものではありません。
僕が普段考えていることの一部を文章にまとめたものです。
暇で暇でしょうがない人は読んでください。
じゃ始めます。
クライミングに限らずスポーツ全般に、スポーツに限らず何か目標を達成する際に、「自信を持つ」ということはかなり重要な意味を持つ。
今回はその「自信」について考える。
「自己肯定感」というのは文字通り、自分を肯定する感覚である。
「自分は優しい人間だ」とか「自分は善い人間だ」とか「自分ってカッコいい」とか、そういう自分という人間に価値を感じているかどうか、という文脈の中での「自信」が「自己肯定感」。
「自己肯定感」が高い人間は主観的幸福度が高く、低い人間は主観的幸福度が低いと言われている。
例えば、電車で老人や病人らに席を譲ったり、募金をしたり、ボランティア活動をしたり、そういった行為をしたときに「自分っていい人間だな」と少しくらいは思うはずだ。それは「自己肯定感」を高めていると言っていい。(または逆に「ワル」っぽいものに憧れているような人はタバコを吸ったりケンカしたりすることで「俺ってワルだなあ」という方向で「自己肯定感」を高めたりもする)
募金したりすることを「自分にはなんの見返りもないじゃないか」と言って否定するような人も多いが、実際のところ綺麗ごとなどでなく、そういった行為を通じて「自己肯定感」を高めることが出来るのだから費用対効果は釣り合っているとも思う。
主観的幸福度を高める手っ取り早い方法の一つが自己肯定感を高めることで、自己肯定感を高める手っ取り早い方法の一つが善行(だと自分が思っていること)を積むことである、というのは確かだ。
やけに他人の世話を焼きたがる人というのはそういったことを意識的にしろ無意識的にしろ理解し、実践している人なのだと思う(それが実際他人のためになっているのかはまた別の話だが)。
次に「自己効力感」について。
より正しくは「セルフエフィカシー(self efficasy)」と言う。
これは言い換えると「自分には○○を達成できる」という感情のことだ。
スポーツなどをする際に重要になってくるのはこちらのほう。
これは「できる」と思っているかどうかが問題なので、実際にそれができるかどうかの能力とは話は別である。
勿論、自己効力感が高いほうがスポーツ時のパフォーマンスは上がる。
今回はこの「自己効力感」についてメインで語っていく。
①達成体験をする
②達成した人の経験を見る・聞く
③達成した人からの助言を受ける、励まされる
④成功・達成をイメージする
②と③の間にそれほど差はないかもしれない。また、メンタルトレーニングなどで想像力を強く鍛えられている人は④でかなり強い効果を得られる。
しかしやはり一番強いのは
①の「達成体験をする」。
そんなことを言ったってその達成をするのが一番大変だ、と思われるかもしれないが、
要は何を「達成した」ことにするかの目標設定次第でそこはどうとでもなる。
教育などで人に「動機付け(モチベーション)」を与える際、達成しやすい目標を設定することが大切だと言われている。
達成できそうにない目標を掲げ続け、何も達成できていない状況で努力を続けるよりも、達成可能な小さな目標を小刻みに達成していくことで少しづつ自己効力感を高めていくことができるからだ。
しかし、その目標設定のさじ加減が難しいところで、自分が「達成できて当然だ」と思っている目標を達成できたとしてもそれは自己効力感を高めることには繋がらない。むしろ「達成できて当然だ」と思っている目標を達成できなかった時に、自己効力感が低下してしまうリスクが高い。
自分で自分の目標を設定する際には、自分の現状の能力をなるべく正確に把握しているということが重要になる。
いつも自分で立てた目標が達成できないことを嘆いているような人は、目標の設定の仕方を誤っている、ひいては自己分析が正確に出来ていないということが原因だろう。
ボルダリングで言えば、最高グレード1級のクライマーが、3級の課題ばかりに取り組んでいても、有効な達成体験とはならないし、むしろ「達成できて当然」の目標なのだからリスクが高い。逆に最高グレード1級のクライマーが、1級の課題を毎日1本以上確実に登らなければいけない、というのを目標に掲げても中々達成できないばかりだ。
そして②と③について。
クライミングをやっているとよく「セッション効果」というのが起こるが、これはまさに②と③に直結している。
セッションをしていて、1人が登るとたちどころに2人3人と登り始めるということはよくある話だ。
これは勿論、複数人で一つの課題を解析しているわけだからその分効率的に課題を攻略できるという、実際的で物理的な要因もあるが、間近で誰かがムーブを成功させているのや完登しているのを見てそれが「できる」ものだというイメージをもつことができる=「自己効力感が高まる」ということも深く関わっている。
自分の能力を向上させたい、と思っている場合は、自分よりもほんの少し上のレベルの集団に混ざってセッションしてみるといいだろう。自分よりもほんの少し上のレベルの課題に対して自信をもつことができるはずだ。
そのモチベーションを発生・維持させるためにも自己効力感は重要になってくる。
モチベーションを生む要因としては
①「やらなくてはならないか」という「動機」
②「自分にはできそうか」という「期待」
③「やりがいのあることか」という「価値」
の3つがあり、その3つのどれか1つでもゼロならモチベーションは生まれないと言われている。
クライミングジム内でも
「そんな難しそうな課題やる気にならない」
という台詞を聞くことがあるが、つまりそれは自己効力感の不足故に「期待」がゼロであるためにモチベーションが発生していないということだ。
しかしそんな人でも、ものの試しに、と1度トライさせてみると意外といいところまで登れたりして(ここで「期待」が生じ)、結果その課題にしっかり取り組み始めたりもする。
自己効力感の低さはつまりイコール「期待」の値の低さということになる。
自己効力感の低い人はモチベーションが生じ辛く、結果としてチャレンジの機会を失い、本来出せる結果すら出す機会を失うことになる。
モチベーションに直結する自己効力感の高め方としては先にも挙げた「目標の設定→達成」の他に「失敗の原因の解釈」などもある。
失敗の原因の解釈が的確にできていれば、成功のイメージを持つことは可能だ。
例えば課題が登れなかった時、
「俺が弱いから登れないんだ」とか「保持力が足りねーわ」とか「苦手系だからムリ」とか、そういった「分析の余地のない漠然とした一言」で片付けることは何の建設的な意味も持たない。
しかし、そこで一歩踏みとどまり、失敗の原因を正確に分析し、さらに解決の手段の解析まですることができれば、成功のための具体的な方針が見えてくる。
「○○が原因でできなかった」ということはつまり「○○さえなければできた」ということになり、それは成功のイメージを生む。成功のイメージは自己効力感を高め、自己効力感は「期待」を高め、結果モチベーションは高まる。
「自己成就予言」といい、「自分はできる!」とか「自分はもっと成長する!」とかそういったことを口に出すことでそれに沿った行動をとるようになったりしていくというもの。プラシーボ効果に近いものがある。
逆にそういったポジティブな意味合いでなくても自己成就予言は発動し、「自分は弱い」「自分は駄目だ」「自分はここまでだ」と口に出し続けているとそれに引きずられたりもする。
プロスポーツ選手にはビッグマウスの人が沢山居るが(最近だとサッカーの本田選手なんかが代表的かな)それは単に傲慢だというよりは自己成就予言として意図的にやっているという面が大きいのではないか。
「顔面フィードバック効果」という有名な理論があり、それは顔面が動くと脳が連動して感情も動くというものだ。例えば笑顔を作るとその顔の筋肉の動きなどを脳が認識し、脳が幸せな時と同じ気分になってしまう。
自己成就予言はこの顔面フィードバック効果と似たようなものだ。
感情や気分といったものはとかく形而上的なものであると考えられがちだが、意外に物理的な効果の影響を強く受けるものでもある。
「A型の人間は自らA型の性格になっていく」という説がある。
これは「自分はA型だから几帳面なはずだ」という思い込みが、その人自身をA型の性格に矯正していくというもので、これも自己成就予言の一種だ。
とはいえ、自己成就予言はあくまで暗示のようなものだから、効果が強く出る人と出ない人が居る。
理性的、理論的に考える人ほどこういった暗示が効き辛い。「所詮暗示だろう」と頭で考えて、暗示に対して否定的な気持ちが暗示そのものを打ち消してしまいがちだ。
ざっくり言ってしまえば、自分の性格が自分の血液型の性格の類型と一致しているような人はこういった暗示が効きやすい人といえるだろうし、その逆の人は効きづらいといえよう。
それにビッグマウスを実践するというのは中々難しい面もある。
「俺は凄い」
と言っていて実際にたいしたことがないのを人に見られたら恥ずかしい(自己肯定感にマイナス)し、
「僕なんて大したことがないですよ」
と言っていて実際はデキる奴でしたっていうほうが格好いい(自己肯定感にプラス)。
つまりビッグマウスというのは「自己肯定感」のほうにリスクが高く、むしろ口では自分を悪く言っていたほうが「自己肯定感」を高めるチャンスに繋がるわけだ。
それも踏まえて、ビッグマウスを実践するということは、自己肯定感にリスクを負ってでも自己効力感を高めようとする攻めの姿勢であると考えられる。
スポーツの場でビッグマウスな選手は、「競技者」としての自分を「個人」としての自分より優先しているといえるし、謙遜ばかりする(予防線を張っているとも言える)選手は「個人」としての自分を「競技者」としての自分より優先しているといえるのではないだろうか。
そういう人は、もっと緻密に自分を説得する方法をとれば良い。
要は分析することである。
・モチベーションをコントロールするの段で「失敗の原因の解釈」について触れたが、それを自覚的に、継続的に行うことだ。
まずは失敗したときにはその原因を探る。
その時に、できるだけ具体的に、解決可能な原因を探るのが大切。
次に成功したとき、そこで「成功したー、やったー」で済ますのではなく、失敗時の分析との「答え合わせ」をきちんと行わなければならない。
失敗時の分析が外れていたのなら、成功時に改めて失敗時と比較して原因を探る。成功時の分析をする、ということはつまり成功体験を長時間深く味わうことができるということにも繋がるし、精神的にだけでなく理論的に自分の中に成功の貯金を蓄えることができる。
失敗時の分析が合っていたのなら、自分は成功時以降正しい努力を行えたということの証明になり、自分の「分析力」「調整力」などに対する自信も向上する。
一度の失敗も無く成功した時にも、失敗したときのシミュレーションをする。
そして今回はなぜ成功したのかの分析を行う。
分析によって得られた自信は、単純な暗示によった自信よりも強く自分に定着する。
なんにせよ、苦労して得た(と自分が思っている)ものは労せずして得たものよりも強く自分の中に印象付けられるのである。
分析する、というのには様々な方法があるが、最も手っ取り早く、特別な思考法も要らないのはやはり「比較すること」だ。
ボルダリングのような、何度も同じ課題に打ち込むようなスポーツは特に比較用の材料が揃いやすい状況であると言える。ただいたずらにトライを重ねるのではなく、1回1回のトライすべてに意味を持たせ、それらすべてを比較し合って分析することが大切だ。
また、セッションによって、失敗例や成功例をセッション相手に肩代わりしてもらうというのもまた効率的だ。
失敗をただの失敗としてではなく、成功をただの成功としてでなく捉え、その二つをうまく連結させて一つの長期的な成功として扱うことが大切だということ。
漫画『バガボンド』の中で胤舜に敗れた武蔵が
「負けじゃねえ、勝ちへの途中!!」
と言う。実際これはただの負け惜しみに限りなく近いものではあったが実際に武蔵はこの後胤舜に勝利し、大きな成長を遂げている。
この台詞のような姿勢を持ち続けていることが、自己効力感を高めるためにはとても有効である。
しかしやはり反復練習というのは重要。
反復練習というのは、要は出来ることを何度もするということだから、小さな「達成体験」を積み重ねるということにもなるし、同じ動作を繰り返すわけなので失敗と成功の比較の機会も多い。
「俺は毎日100本のシュート練習をしてるんだ」ということが試合中にシュートを決めるための大切な自信となったりする。たとえその反復練習によって技術的な進歩がそれほど無かったとしても。
前段の「分析」や「達成体験」の積み重ねを最も手軽に行うことができるのが反復練習であると言える。
しかしただ、何の目的意識も無く頭を空っぽにして反復練習を行っても大きな価値は得られない。
何も考えていなければ「分析」も勿論しないし、それが「達成体験」であるという意識も薄いからだ。
先にも述べたように、反復練習は最も嫌われる練習の一つだ。
だから中高の部活なんかでは、反復練習は「強制されてやるもの」だという意識を持っている選手は多い。それでは反復練習の真の価値は薄まる。
反復練習ほど、それに取り組む際の意識の違いによって効果の度合いが変わる練習もないだろう。
クライミングに限らずスポーツ全般に、スポーツに限らず何か目標を達成する際に、今ひとつ行き詰まりを感じている人、何となく伸び悩んでいる人は「自信」が上手く機能していないのかもしれない。
そういう人はちょっと今回の文のことを参考にしてみてほしい。
……まあ、かといって僕が自信をちゃんと持てているかっていうとそんなことも無いんですがね。
あと自分では結構自己効力感は高めに持てている気はする(意識的に高めようとしてるし)けど、自己肯定感がいつもかなり低めなんじゃないかなーっていう自覚がある。
もっとこう自分をすばらしー人間だーと思って生きていけたら良いだろーに。
そして僕に起こった出来事について書くいわゆる「日記」的なものではありません。
僕が普段考えていることの一部を文章にまとめたものです。
暇で暇でしょうがない人は読んでください。
じゃ始めます。
クライミングに限らずスポーツ全般に、スポーツに限らず何か目標を達成する際に、「自信を持つ」ということはかなり重要な意味を持つ。
今回はその「自信」について考える。
・「自己肯定感」と「自己効力感」
一概に「自信」と言ったが、「自信」を大ざっぱに二種類に分類すると「自己肯定感」と「自己効力感」がある。「自己肯定感」というのは文字通り、自分を肯定する感覚である。
「自分は優しい人間だ」とか「自分は善い人間だ」とか「自分ってカッコいい」とか、そういう自分という人間に価値を感じているかどうか、という文脈の中での「自信」が「自己肯定感」。
「自己肯定感」が高い人間は主観的幸福度が高く、低い人間は主観的幸福度が低いと言われている。
例えば、電車で老人や病人らに席を譲ったり、募金をしたり、ボランティア活動をしたり、そういった行為をしたときに「自分っていい人間だな」と少しくらいは思うはずだ。それは「自己肯定感」を高めていると言っていい。(または逆に「ワル」っぽいものに憧れているような人はタバコを吸ったりケンカしたりすることで「俺ってワルだなあ」という方向で「自己肯定感」を高めたりもする)
募金したりすることを「自分にはなんの見返りもないじゃないか」と言って否定するような人も多いが、実際のところ綺麗ごとなどでなく、そういった行為を通じて「自己肯定感」を高めることが出来るのだから費用対効果は釣り合っているとも思う。
主観的幸福度を高める手っ取り早い方法の一つが自己肯定感を高めることで、自己肯定感を高める手っ取り早い方法の一つが善行(だと自分が思っていること)を積むことである、というのは確かだ。
やけに他人の世話を焼きたがる人というのはそういったことを意識的にしろ無意識的にしろ理解し、実践している人なのだと思う(それが実際他人のためになっているのかはまた別の話だが)。
次に「自己効力感」について。
より正しくは「セルフエフィカシー(self efficasy)」と言う。
これは言い換えると「自分には○○を達成できる」という感情のことだ。
スポーツなどをする際に重要になってくるのはこちらのほう。
これは「できる」と思っているかどうかが問題なので、実際にそれができるかどうかの能力とは話は別である。
勿論、自己効力感が高いほうがスポーツ時のパフォーマンスは上がる。
今回はこの「自己効力感」についてメインで語っていく。
・自己効力感はどうすれば高まるか
主な手段を効果の高い順に並べると次のようになる。①達成体験をする
②達成した人の経験を見る・聞く
③達成した人からの助言を受ける、励まされる
④成功・達成をイメージする
②と③の間にそれほど差はないかもしれない。また、メンタルトレーニングなどで想像力を強く鍛えられている人は④でかなり強い効果を得られる。
しかしやはり一番強いのは
①の「達成体験をする」。
そんなことを言ったってその達成をするのが一番大変だ、と思われるかもしれないが、
要は何を「達成した」ことにするかの目標設定次第でそこはどうとでもなる。
教育などで人に「動機付け(モチベーション)」を与える際、達成しやすい目標を設定することが大切だと言われている。
達成できそうにない目標を掲げ続け、何も達成できていない状況で努力を続けるよりも、達成可能な小さな目標を小刻みに達成していくことで少しづつ自己効力感を高めていくことができるからだ。
しかし、その目標設定のさじ加減が難しいところで、自分が「達成できて当然だ」と思っている目標を達成できたとしてもそれは自己効力感を高めることには繋がらない。むしろ「達成できて当然だ」と思っている目標を達成できなかった時に、自己効力感が低下してしまうリスクが高い。
自分で自分の目標を設定する際には、自分の現状の能力をなるべく正確に把握しているということが重要になる。
いつも自分で立てた目標が達成できないことを嘆いているような人は、目標の設定の仕方を誤っている、ひいては自己分析が正確に出来ていないということが原因だろう。
ボルダリングで言えば、最高グレード1級のクライマーが、3級の課題ばかりに取り組んでいても、有効な達成体験とはならないし、むしろ「達成できて当然」の目標なのだからリスクが高い。逆に最高グレード1級のクライマーが、1級の課題を毎日1本以上確実に登らなければいけない、というのを目標に掲げても中々達成できないばかりだ。
そして②と③について。
クライミングをやっているとよく「セッション効果」というのが起こるが、これはまさに②と③に直結している。
セッションをしていて、1人が登るとたちどころに2人3人と登り始めるということはよくある話だ。
これは勿論、複数人で一つの課題を解析しているわけだからその分効率的に課題を攻略できるという、実際的で物理的な要因もあるが、間近で誰かがムーブを成功させているのや完登しているのを見てそれが「できる」ものだというイメージをもつことができる=「自己効力感が高まる」ということも深く関わっている。
自分の能力を向上させたい、と思っている場合は、自分よりもほんの少し上のレベルの集団に混ざってセッションしてみるといいだろう。自分よりもほんの少し上のレベルの課題に対して自信をもつことができるはずだ。
・モチベーションをコントロールする
スポーツの場でも「モチベーション」という言葉はよく使われる。そのモチベーションを発生・維持させるためにも自己効力感は重要になってくる。
モチベーションを生む要因としては
①「やらなくてはならないか」という「動機」
②「自分にはできそうか」という「期待」
③「やりがいのあることか」という「価値」
の3つがあり、その3つのどれか1つでもゼロならモチベーションは生まれないと言われている。
クライミングジム内でも
「そんな難しそうな課題やる気にならない」
という台詞を聞くことがあるが、つまりそれは自己効力感の不足故に「期待」がゼロであるためにモチベーションが発生していないということだ。
しかしそんな人でも、ものの試しに、と1度トライさせてみると意外といいところまで登れたりして(ここで「期待」が生じ)、結果その課題にしっかり取り組み始めたりもする。
自己効力感の低さはつまりイコール「期待」の値の低さということになる。
自己効力感の低い人はモチベーションが生じ辛く、結果としてチャレンジの機会を失い、本来出せる結果すら出す機会を失うことになる。
モチベーションに直結する自己効力感の高め方としては先にも挙げた「目標の設定→達成」の他に「失敗の原因の解釈」などもある。
失敗の原因の解釈が的確にできていれば、成功のイメージを持つことは可能だ。
例えば課題が登れなかった時、
「俺が弱いから登れないんだ」とか「保持力が足りねーわ」とか「苦手系だからムリ」とか、そういった「分析の余地のない漠然とした一言」で片付けることは何の建設的な意味も持たない。
しかし、そこで一歩踏みとどまり、失敗の原因を正確に分析し、さらに解決の手段の解析まですることができれば、成功のための具体的な方針が見えてくる。
「○○が原因でできなかった」ということはつまり「○○さえなければできた」ということになり、それは成功のイメージを生む。成功のイメージは自己効力感を高め、自己効力感は「期待」を高め、結果モチベーションは高まる。
・自己成就予言
言葉には力が宿る、と言うと若干オカルトチックに聞こえるかもしれないが、実際にその効果はある。「自己成就予言」といい、「自分はできる!」とか「自分はもっと成長する!」とかそういったことを口に出すことでそれに沿った行動をとるようになったりしていくというもの。プラシーボ効果に近いものがある。
逆にそういったポジティブな意味合いでなくても自己成就予言は発動し、「自分は弱い」「自分は駄目だ」「自分はここまでだ」と口に出し続けているとそれに引きずられたりもする。
プロスポーツ選手にはビッグマウスの人が沢山居るが(最近だとサッカーの本田選手なんかが代表的かな)それは単に傲慢だというよりは自己成就予言として意図的にやっているという面が大きいのではないか。
「顔面フィードバック効果」という有名な理論があり、それは顔面が動くと脳が連動して感情も動くというものだ。例えば笑顔を作るとその顔の筋肉の動きなどを脳が認識し、脳が幸せな時と同じ気分になってしまう。
自己成就予言はこの顔面フィードバック効果と似たようなものだ。
感情や気分といったものはとかく形而上的なものであると考えられがちだが、意外に物理的な効果の影響を強く受けるものでもある。
「A型の人間は自らA型の性格になっていく」という説がある。
これは「自分はA型だから几帳面なはずだ」という思い込みが、その人自身をA型の性格に矯正していくというもので、これも自己成就予言の一種だ。
とはいえ、自己成就予言はあくまで暗示のようなものだから、効果が強く出る人と出ない人が居る。
理性的、理論的に考える人ほどこういった暗示が効き辛い。「所詮暗示だろう」と頭で考えて、暗示に対して否定的な気持ちが暗示そのものを打ち消してしまいがちだ。
ざっくり言ってしまえば、自分の性格が自分の血液型の性格の類型と一致しているような人はこういった暗示が効きやすい人といえるだろうし、その逆の人は効きづらいといえよう。
それにビッグマウスを実践するというのは中々難しい面もある。
「俺は凄い」
と言っていて実際にたいしたことがないのを人に見られたら恥ずかしい(自己肯定感にマイナス)し、
「僕なんて大したことがないですよ」
と言っていて実際はデキる奴でしたっていうほうが格好いい(自己肯定感にプラス)。
つまりビッグマウスというのは「自己肯定感」のほうにリスクが高く、むしろ口では自分を悪く言っていたほうが「自己肯定感」を高めるチャンスに繋がるわけだ。
それも踏まえて、ビッグマウスを実践するということは、自己肯定感にリスクを負ってでも自己効力感を高めようとする攻めの姿勢であると考えられる。
スポーツの場でビッグマウスな選手は、「競技者」としての自分を「個人」としての自分より優先しているといえるし、謙遜ばかりする(予防線を張っているとも言える)選手は「個人」としての自分を「競技者」としての自分より優先しているといえるのではないだろうか。
・失敗の経験をもとに自信を高める
自己効力感の高め方についてここまで書いてきたが、ここまで書いてきたもののほとんどがある意味で「自分を騙す」ようないわゆる「暗示」の要素が強い。先にも書いたように、理性的、理論的に考える人、それからいわゆるストイックな「自分に厳しい人」はこういった方法をとることに抵抗があるかもしれない。そういう人は、もっと緻密に自分を説得する方法をとれば良い。
要は分析することである。
・モチベーションをコントロールするの段で「失敗の原因の解釈」について触れたが、それを自覚的に、継続的に行うことだ。
まずは失敗したときにはその原因を探る。
その時に、できるだけ具体的に、解決可能な原因を探るのが大切。
次に成功したとき、そこで「成功したー、やったー」で済ますのではなく、失敗時の分析との「答え合わせ」をきちんと行わなければならない。
失敗時の分析が外れていたのなら、成功時に改めて失敗時と比較して原因を探る。成功時の分析をする、ということはつまり成功体験を長時間深く味わうことができるということにも繋がるし、精神的にだけでなく理論的に自分の中に成功の貯金を蓄えることができる。
失敗時の分析が合っていたのなら、自分は成功時以降正しい努力を行えたということの証明になり、自分の「分析力」「調整力」などに対する自信も向上する。
一度の失敗も無く成功した時にも、失敗したときのシミュレーションをする。
そして今回はなぜ成功したのかの分析を行う。
分析によって得られた自信は、単純な暗示によった自信よりも強く自分に定着する。
なんにせよ、苦労して得た(と自分が思っている)ものは労せずして得たものよりも強く自分の中に印象付けられるのである。
分析する、というのには様々な方法があるが、最も手っ取り早く、特別な思考法も要らないのはやはり「比較すること」だ。
ボルダリングのような、何度も同じ課題に打ち込むようなスポーツは特に比較用の材料が揃いやすい状況であると言える。ただいたずらにトライを重ねるのではなく、1回1回のトライすべてに意味を持たせ、それらすべてを比較し合って分析することが大切だ。
また、セッションによって、失敗例や成功例をセッション相手に肩代わりしてもらうというのもまた効率的だ。
失敗をただの失敗としてではなく、成功をただの成功としてでなく捉え、その二つをうまく連結させて一つの長期的な成功として扱うことが大切だということ。
漫画『バガボンド』の中で胤舜に敗れた武蔵が
「負けじゃねえ、勝ちへの途中!!」
と言う。実際これはただの負け惜しみに限りなく近いものではあったが実際に武蔵はこの後胤舜に勝利し、大きな成長を遂げている。
この台詞のような姿勢を持ち続けていることが、自己効力感を高めるためにはとても有効である。
・反復練習をする
反復練習というのはあらゆる練習の中で最も嫌われる練習のうちの一つだ。しかしやはり反復練習というのは重要。
反復練習というのは、要は出来ることを何度もするということだから、小さな「達成体験」を積み重ねるということにもなるし、同じ動作を繰り返すわけなので失敗と成功の比較の機会も多い。
「俺は毎日100本のシュート練習をしてるんだ」ということが試合中にシュートを決めるための大切な自信となったりする。たとえその反復練習によって技術的な進歩がそれほど無かったとしても。
前段の「分析」や「達成体験」の積み重ねを最も手軽に行うことができるのが反復練習であると言える。
しかしただ、何の目的意識も無く頭を空っぽにして反復練習を行っても大きな価値は得られない。
何も考えていなければ「分析」も勿論しないし、それが「達成体験」であるという意識も薄いからだ。
先にも述べたように、反復練習は最も嫌われる練習の一つだ。
だから中高の部活なんかでは、反復練習は「強制されてやるもの」だという意識を持っている選手は多い。それでは反復練習の真の価値は薄まる。
反復練習ほど、それに取り組む際の意識の違いによって効果の度合いが変わる練習もないだろう。
・まとめ
「自信」に限らず感情や理性というものは形の無いものだから、それを動かす方法はなんとなく「胡散臭さ」「曖昧さ」のある手段ばかりが思いつきがちであるが、形の無いものだからこそ、体系だてて理論的に考えることでコントロールしていくべきだと思う。クライミングに限らずスポーツ全般に、スポーツに限らず何か目標を達成する際に、今ひとつ行き詰まりを感じている人、何となく伸び悩んでいる人は「自信」が上手く機能していないのかもしれない。
そういう人はちょっと今回の文のことを参考にしてみてほしい。
……まあ、かといって僕が自信をちゃんと持てているかっていうとそんなことも無いんですがね。
あと自分では結構自己効力感は高めに持てている気はする(意識的に高めようとしてるし)けど、自己肯定感がいつもかなり低めなんじゃないかなーっていう自覚がある。
もっとこう自分をすばらしー人間だーと思って生きていけたら良いだろーに。
2014年5月5日月曜日
雑魚in小川山
ゴールデンウィークっつったら小川山ですよ!
ってことで行ってまいりました。
日帰りでな!
小川山に行くのはずいぶん久しぶりだったんで結構テンション高めでした。
にもかかわらず結果はボロボロ。
成果はほぼ無しと言っていい形にでした。
でも全体的には楽しかったからエンクラとしては成功なのかな?
まず最初にしゃくなげエリアに行き、
「大いなる河の流れ」
に打ち込み(実はこの課題触ったの今回が初めてでした。有名課題なのにね)
ムーブばらして、試行錯誤して、
よし、ムーブ固まった!
っていうあたりでタイムアップで場所移動。
つまりは敗退。
お次はヴィクター岩行って
「The Two Monks」
にトライ。
カチ痛すぎぃ!
保持力不足を感じあっさり敗退。
で、夕方ごろになって、
そういえば、と、噂の「ギガント」をやりに行きました。ヴィクターから近かったしね。
「かんたん過ぎる」
「あんなの3級」
「1撃できなければ恥」
など散々言われていて、どんな課題なのかと思い一度やってみたかったんですよね。
で、
やってみました。
が、
(え!?けっこうワルいじゃん!!)
・・・落ちました。
核心のガストン→ガストンのところフツーにワルかったんですけど。
結果3撃くらいかかりましたね。
実際やってみると、まあ確かに初段にしてはお買い得だなーとは思いましたが決して3級ってほど簡単ではないし、ランディングが悪く、ノーマットで登ったとしたら体感グレードは初段と感じてもおかしくない。
「ギガントを登ったことがあるけどあれは初段とは言えないから僕は初段クライマーではありません」
とか言ってる人がよくいるけどそんなこともないと思う。
堂々と初段クライマー名乗って、そんでその名に恥じぬように後からトレーニングすりゃいいじゃん。
で、次に派生の「ファルコ」もやって(これも2回くらい落ちたなんて言えないっ)
帰り際に
「小川山ジャンプ」
を記念にトライして、あまりの遠さに絶望を感じて終了。
ちょっとねー
これはあれですね、
もう一回は行きたい。
「大いなる河の流れ」は落としておきたい。
次行けば落とせそうだし。
ってことで行ってまいりました。
日帰りでな!
小川山に行くのはずいぶん久しぶりだったんで結構テンション高めでした。
にもかかわらず結果はボロボロ。
成果はほぼ無しと言っていい形にでした。
でも全体的には楽しかったからエンクラとしては成功なのかな?
まず最初にしゃくなげエリアに行き、
「大いなる河の流れ」
に打ち込み(実はこの課題触ったの今回が初めてでした。有名課題なのにね)
ムーブばらして、試行錯誤して、
よし、ムーブ固まった!
っていうあたりでタイムアップで場所移動。
つまりは敗退。
お次はヴィクター岩行って
「The Two Monks」
にトライ。
カチ痛すぎぃ!
保持力不足を感じあっさり敗退。
で、夕方ごろになって、
そういえば、と、噂の「ギガント」をやりに行きました。ヴィクターから近かったしね。
「かんたん過ぎる」
「あんなの3級」
「1撃できなければ恥」
など散々言われていて、どんな課題なのかと思い一度やってみたかったんですよね。
で、
やってみました。
が、
(え!?けっこうワルいじゃん!!)
・・・落ちました。
核心のガストン→ガストンのところフツーにワルかったんですけど。
結果3撃くらいかかりましたね。
実際やってみると、まあ確かに初段にしてはお買い得だなーとは思いましたが決して3級ってほど簡単ではないし、ランディングが悪く、ノーマットで登ったとしたら体感グレードは初段と感じてもおかしくない。
「ギガントを登ったことがあるけどあれは初段とは言えないから僕は初段クライマーではありません」
とか言ってる人がよくいるけどそんなこともないと思う。
堂々と初段クライマー名乗って、そんでその名に恥じぬように後からトレーニングすりゃいいじゃん。
で、次に派生の「ファルコ」もやって(これも2回くらい落ちたなんて言えないっ)
(録画開始が若干遅れたみたいで、動画の始まりは1手目を出したところからです)
帰り際に
「小川山ジャンプ」
を記念にトライして、あまりの遠さに絶望を感じて終了。
ちょっとねー
これはあれですね、
もう一回は行きたい。
「大いなる河の流れ」は落としておきたい。
次行けば落とせそうだし。
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