2014年12月16日火曜日

しっこくしっこく!

さて僕は今自室に居るわけだが、

本来であれば今頃は

四国

日御子

で岩と戯れているはずだった。

はずだったのだが、雨のために予定変更を余儀なくされたということだ。


もともとの予定では

12/15~12/16の二日間、泊まりこみで登り倒すことになっていたが、

やはり天気には勝てなかったよ。

ということで二日目は中止、宿はキャンセル、日帰り強行軍に変更。

ギリギリまで悩んでいたため、二日目中止を決めたのは一日目の夕方になってからだった。


まあ、

いい。

一日でも登れた。

最近の不安定な天気の中、それだけでも幸運だったと思おう。



ということで昨日のことを書こう。



まずは有名な「雫」という課題を求めて車を降りたんだけれど、
ちょっと降りる箇所を間違えたようで、

はじめにたどり着いたのは美妙岩という岩。

せっかくだし、ということで


「クリュウ(初段)」


という課題をやることに。

全体的にざっとオブザベをし、

「これがスタートかなー」

と思ったホールドを持って離陸。


直後に落下!


なんとスタートホールドと思しきホールドがまるごと取れてしまった!

あまりの衝撃に目が点。胸はどきどき。

仕方が無いので気を取り直し、その付近のホールドからスタートしなおし。

そしたら一発でのぼれた。

これはオンサイトになるのか?

しかしこの課題

超怖い

スタートホールドだけでなく、

あらゆるホールドがなんか崩壊しそうな雰囲気を持ってる。


この岩で、

スタート直後少し直登して右上方向に抜けていくんだけれど、

ランディングそんなに良くないし、マントルは高い。

上部で、踏んでたホールドが「カタッ…」って言ったときはマジで震えた。


しかも


登った後によく見ると、さっきスタートきった位置より下に、スタートホールドっぽいものを発見。

「あ、やっぱスタートはこれだわ」

となり

もう一度恐怖と向き合いながら登ることに。

二度目もやはり怖かった。

スタートの1~2手目が加わることで少し難しくなったし。

この課題はまだ殆ど登られていない課題のようで、

もう少し多くの人が触って、欠けるべきホールドが欠けたり草とか苔とかがきちんと落とされたりしたらもっとすっきり登れる良い課題になるんじゃないかなーと思った。

現段階ではちょっと恐怖の割合が強すぎる。


さて

少し長くてとても怖いこの課題でアップを済ませ、

雫岩に移動

まずはやはり

「雫(二段)」

にとりつく。

低いルーフから抜け出してくる課題なんだけど、ホールドはそこそこ良い。

ただ問題は3~5手目くらいのところでずーっと左足トウフックかけておくところ。

トウフック…

正直、

「またか…」

と思った。

蘇るハイパワーブレインの苦い敗戦の記憶。


と言っていても始まらないのでムーブを組み立てていく。

相変わらずトウフックは苦手だったけど、逆の右足でかきこむことですこしカバーできたし、手のホールドはけっこう良いのでその気になればゴリ押せるか、

というところで通してみる。




終盤のほうはそんなに難しくはないけど、

結構長い課題だから

「こんなとこで落ちてやり直したくねえ!」

っていう気持ちで必要以上に気合入れてこなしました。

このね

必要以上に気合入れる

っていうのがやっぱりボルダーでは大事だと思うよ。

どれくらい気合いれればいいかなんて自分ではわからないんだから、常に上限一杯の気合入れて課題に打ち込まんと。


続いて、雫と5手目くらいまでは共通で、そこからトラバースせずに直登する

「雲(初段+)」

もせっかくだからやってみたものの、

やはりどこか(まあ雫落としたし余裕だろ)みたいな気ゆるみがあったんだろう、

結構苦戦してしまった。

正直、雫も雲もグレードの差はそれほど感じなかったな。人によっては雲より雫のほうが簡単に感じる場合も大いにありえると思う。


続いては

「福の神(初段)」

雫や雲はジムっぽい、現代っぽい課題だったのに反して、
こちらはいかにも岩らしい課題。

カチからカチ!
微妙なバランス!

バシバシとかガシガシもいいけど、こういうのもやっぱり楽しいね。


ちなみに、

エリアでは圏外でネットに繋げられなかったから、

後になってyoutubeで福の神観てみたら、多くの人が登っているムーブは全然これとは違った。

まあでもラインは合ってるし、難易度としても

初段にしては簡単になりすぎてるわけでも
初段にしては難しくなりすぎてるわけでもないと思う。

なのでまあ一つの別解というか、選択肢としてこのムーブも良いムーブだと思う。


課題に取り付く前にyoutubeでムーブ確認したり、誰かに教えてもらったり、

そういうのも良いと思う。

僕もよくやる。

でも前情報無しに課題にとりつくと、多くの人が見落としているこういう新しい発見とかが生まれやすい。

事前に調べすぎると「それなんだ」と先入観持ってしまって他の選択肢が浮かびづらくなってしまうっていうのは、やっぱりあると思う。

まあ情報というのは、「使わない」という選択肢を含めて使い方いろいろってことか。



その後またエリアを移動して

「鬼火消し(初段)」

にトライするも時既にヨレし。

一つ一つのムーブはそれほど難しくないと感じる。

でも通すと出来ない!途中で落ちる!くやしい!

明日やろう!と思ったけど明日は雨で中止だ!

何が何でも登ってやる!

体力は気合でカバーだ!



結果



やっぱり無理でした。

いやー
これは面白い課題だった。

岩のスケールがとにかく大きくて、手数だけでいっても15手くらいあるのかな。
しかもどの箇所切り取っても内容があって面白いし、最後のマントルも決して簡単じゃなくてスリルあるし。

今度行ったときはコイツを真っ先に落としてやろうと、

そう心に決めて、

初めての日御子は終了。



遠いと思っていたけど、片道4時間かからないくらいだし、今度また日帰りで行ってもいいな。
ただほぼフルで高速道路だから結構人数いないと金掛かりすぎるのがネックか…




2014年12月13日土曜日

「得意不得意」で片付けてちゃ成長はない


また、

また宮川行ってきました。


宮川は行くのに結構時間かかる割にはあまり高速使わない(使っても大して時間短縮にならない)
ので安上がりだっていうのも行く理由の一つだし、
そんなに標高高くないのでこの12月でもそんなに寒くないっていうのも理由の一つ。


今日は前回、前々回に行かなかったエリアにも行こうかな、と思い


まずは

「パワーブレイン(1級)」

をやりに。

名前とは裏腹にバランス系で、上部のスラブパートが結構スリリングで面白い。

順当に落としたところで次に


「ハイパワーブレイン(二段)」


今日の目標はコイツ。


トウフック決めまくりのルーフパートをこなし、パワーブレインに繋げる、パワフルかつテクニカルな課題。


これが


もうね



全っ然出来なかった!


もうびっくりするぐらい歯が立たない。

トウフックが掛からない掛からない。抜ける抜ける。


いやそんなにトウフック得意だとは思ってなかったけどここまで出来ないとへこむわ。

ちょっと練習せんとなトウフック。
多分力を入れる方向とか側腹部への力の入れ方とかの根本にもうダメな部分があるんだろうな。



気を取り直してエリアを移動。

以前「マッハランジ」をやった時に、「次に来たときにやろう」と思ってとっておいた


「マッハ(二段)」

に挑戦。

カチを繋げる長いトラバース。

持久系の課題、という第一印象だったが、やってみるとスタミナ面で落とされる心配はそんなになさそうと感じた。

その代わりに1箇所、明確に悪く感じる箇所があった。

スタート直後にクロスで取った左手ピンチがなんともスリッピーで、その後右手をポッケに飛ばすところで何度もすっぽ抜けた。


あまりに滑ったので腹が立って、左手人差し指に巻いていた指皮保護用のテーピングを思い切って剥いだ。


そしたらまあ





いけた。

正直ラストのガバ地帯に到達した時にかなり腕パンプしてて、上部は見た目以上に必死だった。

それでもまあ落ちるとは思わなかった。


最近は結構こういう長めのトラバースが得意になってきたみたいだ。

持久力がついてきたっていうのもあるし、リズムの作り方とか、力を抜くタイミング、入れるタイミングの見極めができるようになってきたのかもしれない。

でも、まだまだソフィスティケイトさせていく余地はたくさんあるし、持久系はトレーニングの成果が比較的早めに出易いからもっとこのへんも練習していこう。



やはり岩に行くと、色々とやるべきことに気付かされる。

気付くだけなら簡単。

そこから「やる」か「やらない」かが、ちょっとした問題。






2014年12月9日火曜日

宮川!

また行ってきました。


今回は1人で現地に行き、

現地であの方と合流。


新潟が誇るボルダリングジム

「8GRADE」

の筆頭クライマー、

カカロット

こと

猫海くん



相変わらず赤かった



さて


まず

アップがてら

「雷切(初段)」

から。

もともと 初段/二段 というグレードだったけど、最近初段にリグレードされたという課題。

そこそこ高さもあるカッコイイ岩だったのでちょっと楽しみだった。

スタートの姿勢をとるのがちょっと気持ち悪い形で、そこで少しモジモジとしたけど概ねすんなりムーブは出て、

カンタンに、とは言わないまでも、まあしっかりと落とせた。




海くんもさっくり落としてた。

続いて「雷撃(二段)」も打ってみたけど、二手目のデッドが遠すぎて出来る気しなくて敗退。
いや、根気よく打ってればいつか止まったかもな。
でもこれは別に今日あまりやる気なかったのでそこまで深追いせず。


続いて


「マスタング(二段)」


とりあえず今日の目標はこれでした。

序盤のムーブは割りと適当でもすぐに出来て、

しかし核心の左手クロス出しの箇所に少々苦戦。

海くんは

「クロスが嫌い」

という理由で、あえて右手とばしでムーブ出そうとしてた。

しばらくそれであーでもないこーでもないやってたけど、

海くんが

「じゃあクロスでもやってみようかな」

とやってみたところ、

1発でめっちゃすんなり止め。

次の繋げトライでさっくり落としてしまった。

「落ちる気しなかった」(本人談)

なんかスタティックだったしね。

「クロスが嫌い(苦手とは言ってない)」

ってことですねわかります。



結局、核心部のコツは左手クロス出す時の右手サイドカチをしっかり握れば良いというだけのシンプルなものだった。・・・色々飛び出し方とか試行錯誤したのはほとんど無駄だったな。


(でも右手カチがなんかジャギジャギしててあんまり握りこみたくねーんだよなぁー)
と思いつつも


って感じで右手めいっぱいカチったらフツーに止まった。

・・・確かにしっかり持ちさえすれば落ちる感じは無いな。


念のためちょっとレスト挟んで繋げトライ。


一発で決めたかったので


って感じで本気で右手を握りこんだ結果


















中指バックリ逝きました(泣)


これ結構深くイッてるんですよ。






でも










一応落としはしたんですよ。



完登後にクライムダウンしてる最中に、

なんか手が赤いなーと思ってよく見たら中指からダクダク血が出ててびっくりしたわ。

いや本当このトライで落としきっといて良かった。

もう1トライとか無理だった。



とりあえず爪きりと絆創膏とテーピングで応急処置したけど、

ホールド握ると激痛走る!

ということでまだ昼過ぎくらいだったのに今日のクライミング終了。


殆ど登っとらんぞ今日!!


その後は海くんのクライミングを見学するだけというね。




よし、

とりあえず傷を治すのに全力を尽くすか。

2014年11月19日水曜日

最大限のためにまず最低限をこなせ

指皮が治らない。

治癒に充てる時間<痛めつける頻度

なのだから当然のことではある。

大丈夫、

僕にはアレがついてる。

そう、

テーピングという切り札が。



ということで、

今日は

宮川

に行ってきました。

初の宮川です。

GiaNizm4を観た時から気になっていたエリアだったので、ワクワク感はかなり大きかった。



現地に着いてまず初めにとりついた課題は

「あめご(初段)」

自然に作られたとは思えないほど、絶妙な位置に絶妙なホールドが配置されており、そのホールドに導かれるままに手を進めていく。



これぞ初段の課題といった強度、ムーブ、緊張感、ラインの整然さ。
登る価値の高い課題だと思う。


次に取り組むは

「チャンドラ(二段)」

二段にしては易しめである、とか、初めての二段にこの課題を選ぶ人が多い、だとか言われていたりもするが、それでも(それ故に?)エリアを代表する人気課題の一つであることは確かだ。

ホールドを確認すると、確かに極端に悪いホールドは無く、ムーブも起こしやすそうではある。

しかしいざとりついてみると、3手目(実質2手目)の、右手クロスで取るカチの握りがイマイチしっくりこない。
素直なカチという形状でなく、スロット状の形状に指をねじ込むという感じだが、そこにどうも人差し指と中指がうまく入りきらない、入ってもしっくりこない。


そこでハマりかける。


その一因としては指がこんな

状態だったというのも勿論あるだろう。

まあしかし現状「こう」なのだから、それで勝負するしかない。

色々握り方を試行していき、最終的には、敢えて人差し指・中指を浅くして、薬指と小指を深く刺して外から内に絞り込むような力の入れ方をする、というような握りにすることで上手く決まった。

そこを越えればあとは最後の単純なランジをこなすだけ。

サクっと落としてやるぜ!

と繋げに入るものの、なんと最後のランジで落下。

その際マット外に尻餅をつき、軽く打撲に。

相変わらずの自分の詰めの甘さが招いた痛みに憤りを感じながらもそれを抑えキチンとレストをはさみ、落ち着いてトライ。



登れました。


こんな状態でもこの短時間で登れた、ということはやはりこれは難しい二段とは言えないかもしれない、が、初段と呼ぶには難しいとも思う。
そうするとやはり二段で適正なのではないかと思う。
「あめご」よりは難しく感じた。



次!


「マッハランジ(初段)」

いわゆる一手もの。
こういう課題には苦手意識を持っていたけど、何度か跳んでみると意外に好感触。


カメラをセットし、服を脱ぎ、気合を入れて。




やっぱり脱ぐとランジは止まりますね(確信)
こういう課題はあまり深く考えずに気合とノリで押し切るのもいいのかもしれない。


その後は

「キングジョー(三段)」
の圧倒的なカチの悪さと距離に痛めつけられ、

「ショートケーキ(三段)」
の謎めいた1手目に翻弄され、

「でっちようかん(二段)」
のツルツルマントルに恐れおののき、

「チーズケーキ(初段)」
のスタートカチロックに指と身体が耐え切れなくなっていることに気付き

終了。



いやー


面白かった。

面白かったけども、やはりもったいないと思うのは自分の体力の無さ。

岩場に着いてから帰るまで、ぶっつづけで最後まで岩を楽しみきる体力に欠ける。

やはりもっと普段からジムでの登り込みをしたい。

2014年11月11日火曜日

細く折れるような研ぎ方でも、先を丸めるような研ぎ方でもいけない

正直、今日はさすがに岩に行くのは止めておこうかと、実は思っていた。

この間の三重で指の皮がズタズタに引き裂かれ、左右の手の主要な指(中指と人差し指)はテーピングを巻かなければロクにホールドも握れない、特に右中指の傷は未だ生傷のままで、少し力を入れて握りこむとキツくテーピングをしていても血が滲んでくるような状態。

しかし、

そんな状態でも、いや、そんな状態だからこそ出来ることもある。

ということで今日は易しめの課題を中心に色々登ることと、次に狙う課題の下見をすることとした。


次に狙う課題というのは

「岩魚(三段)」

核心部の下地が悪い恐怖系であり、右手の繊細かつ強力なホールディングを求められる課題。
なので今日は核心はとりあえず置いておいて、核心後の数手+マントルの返しかたを練習しておいた。
これでいざキチンと落とそうっていう時に無駄に上部で焦らずにすむはず。


それから、

今日落とした課題たち。

まずは

「パタゴン(1級)」

割と顕著なホールドがいくつかあって、一定の保持力と体幹の強さがあれば特に苦労する点は無いが、カチや腹筋に自信が無い人にとってはリップ止めにかなり勇気が要るだろうと思う。

『11/14追記:どうやらこの課題には限定があるようで、僕が登った際に使ったホールドはその限定にひっかかるとのこと(初見でそんなん解らんわ!あんなん普通使うわ!)。とりあえずまた今度登りなおそう・・・。いや、つーかさ、そもそも限定のある課題ってどうなのよこれに限らず。好きな方法で登るのが岩ってもんじゃん、そういうのはジムでやることじゃん、だったら限定とかなくしてグレード下げればいいじゃん、一番良いホールド一番良いムーブを選択してそこを登るのが自然な形じゃん、そもそもそれじゃオンサイトとか無理じゃん限定かどうかまで見抜けってかそれは(ry・・・いやまあそういうこと言えばキリ無いけどね




「白昼の死角(1級/初段)」

スタートから1~2手目までの右手とばしが、踏んでいる右足もシビアなこともあり、非常に神経質で面白い。上部も雑にこなそうとすると充分落ちる危険がある、最初から最後まで気の抜けない良課題。



「メモリードール(1級/初段)」

「ドール(2級)」のロングバージョン(中間部あたり、左手を左方向にパーンと飛ばして取ってマッチしたガバが2級のスタート)。かなり「ジムっぽい」楽しい課題。ドール部分に入ってからは下地が深く抉れていて恐怖感があるが、上手くやれば「落ちないムーブ」を作れる。ガバめがけてランジしたほうが楽かもしれないが、マットと確率に頼ったムーブは好みじゃない。


白昼の死角は特に面白かった。
中々ジムじゃこういう風情は作れないな、と思う。

高難度の課題を追うのも勿論楽しいけど、これくらいの課題を色々登っていくのも楽しいし、経験にもなる。

他にも2級とか3級とか、はたまた10級とかにだって、何かはっとさせられるような部分とか、思いも寄らぬ面白さを秘めていたりするかもしれない。

色んな課題を楽しむ心の余裕をこれからもう少し持ったほうが良いのかもしれない。
それがまた自分のクライミングの懐を広げていき、深みを増していくことに繋がるんじゃないかな。

2014年11月8日土曜日

やってくるこの毎日が人生だと知っていたら

僕は一応「三段クライマー」なわけだけれども、

ひとくちに「三段クライマー」と言ってもピンからキリまである。


「三段(の実力がある)クライマー」

から

「三段(の課題を登ったことがある)クライマー」

まで。


両者の間にはやはり違いがある。

後者のタイプは、ギリギリ二段くらいの実力があるクライマーならなんとかなることができる。

「これ」と一つ課題を決め、そこに通いつめ、何度も何度も打ち込み続ける。
そうすればいつかなんとか自分の実力より1~2グレード上の課題くらいは落とせてしまえる。

それはしかし、登れた時点で三段の実力に成長したというよりは、

「その課題に適応した」

という面が強いだろう。

勿論それはそれでしっかりと時間と労力と情熱を必要とする。



僕は自分は
「三段(の課題を登ったことがある)クライマー」
だと思っている。

そしてこれから
「三段(の実力がある)クライマー」
になろうと思っている。

そのためにすべきことは、

一つの高難度の課題にひたすら打ち込みつづけること

ではなく

ひたすら多くの課題を登り、普遍的な、全体的な、汎用的な経験値を得ることなんじゃあないか、と

そういうことを

今日思い知らされた。



今日は三重に行ってきたわけだけれど、

やはり狙いは、前回敗退しつつも課題として強い魅力を感じていた

「ファイア」

とにかくその課題を少しでも進めようというのが第一目標としてあった。

アップを済ませたあと早速とりつくと、

前回うまく決まらなかったスタート~1手目のムーブが意外なほどすんなり決まり、その後のムーブも箇所ごとにはなんとかこなすことができた。

やはり「三段のムーブを起こす力」はあるのだろう。

しかし2手繋げると厳しく、3手を繋げるのは不可能。そんな状態だった。

何時間かそうこうしている内に指の腹が裂け、流血してきた。




 こんな傾斜で


 こんなカチとか


こんなカチとか

なのでさすがに指先感覚の鈍るテーピング状態ではこれ以上進めても得るものは少ないということでファイアのムーブ出しは打ち切り。

その後
「カツオノエボシ(三段)」
を触りに行くも、ホールドとムーブの選択肢が多すぎて、しかもラインもよく解らない(スマホは圏外なのでyoutubeカンニングもムリ)のでこちらも暫くしたら終了。まあ様子見ということで。


そしてここからが今日のある意味ハイライト。

「ラッキーセブン(初二段)」

結構リーチのキツイ横デッドが核心の好課題。
核心部のムーブ出しに苦労するも、決まってからはいけると確信。
しかし繋げトライで、ほぼ課題は終わっているリップ部分で足スリップ→キャンパで耐える→修正するもヨレ落ち。
でタイムアップ。

日も落ち、折角なのでまだ触ったことの無い岩の紹介だけしてもらいつつ、
帰る直前に一日の締めくくりにと

「カンパチ(初段)」

120度くらいの傾斜にマイクロピンチと小さなフットホールドの、スタートの離陸と1手目を出すのがかなり厳しい、THE外!って感じの課題。
これも始めは浮くことすら出来なかったがやっているうちに重心位置等が解ってきてスタート成功。
ところが上部のそれほど難しくないところでヨレ&迷い落ち。指皮をザックリ縦に切り裂かれるというオマケつき。




うーん


・・・決め切れない!



言い訳でも負け惜しみでもなく、ラッキーセブンとカンパチは落とせる課題だ。
というより「落として然るべき課題」
打った時間帯とか体のヨレとか色々あるけれど、それでもこれくらいなら実力で捻じ伏せなければいけないレベルだった。

こういう、実力的にはしっかりと落とせるはずなのに決めきれない、というところに
冒頭で言ったような「経験値」の不足を感じる。


初段くらいなら触ったら取りこぼし無く登る。
二段くらいは決めたら1日ないしは2日くらいで登り切る。

コンスタントにそれくらいならこなせるようにならないと、
まだまだ四段どころか三段も登れない!



ということで今日登れた課題は、アップがてら登った

「さざなみ(初段)」

だけでした。

易しめ初段と聞いていたので一撃を狙っていたんだけど失敗。
開き直ってホールドとムーブを探るとやはり割と顕著なホールドを見落としていた。
こういうところにも経験値不足が現れている。
ムーブ確認後は落ちる要素を感じなかっただけに悔やまれる。




2014年11月4日火曜日

11月、本格的にシーズンイン


ところで昨日から僕は風邪気味だった。

しかし今日は折角の休日だし、空気は冷えていて、雲は無く、岩のコンディションは良さそうだ。

自分の体とは、いつでも折り合いは付けられるが、季節や天候といった事柄に対してはそう容易に折り合いがつけられるものでもない。

そういうわけで、僕は岩に登りに行こうと決めた。

行き先はミタライ。

あと少しで登れそうな

「ハリガネムシ」と「ゴワトリ」

その2つの課題に照準を絞って打ち込むつもりだった。

最近は僕にしては結構まじめにトレーニングに取り組んでいたつもりだし、身体自体はそれなりに仕上がり掛けてきている。
しかし体調は今ひとつ。

岩のコンディションも実際に触ってみると思ったほど良くはなかった。70点といったところだろう。

自分の身体の状態についても半信半疑のまま、とりあえず「ハリガネムシ」からはじめることにした。

アップがてら核心である後半のランジ部分の練習を何回かこなし、体も温まり感覚も小馴れてきたタイミングでつなげに入る。

1stトライで、かなりいいところまで行けた。
核心のランジがほぼ止まりかけた。

完登の予感が強まり、浮き足立とうとする心を抑え、慎重にレストを挟み何度かトライ。

後半に意識を持って行き過ぎて序盤で足が切れて落ちたり、やはりランジがうまく決まらなかったりと、何度かミスを重ねたが、その度に細かく調整を繰り返して、納得のいく修正を加えていった。

結果、4回目のトライで完登することができた。







時間にしてみれば1時間もかからずに登れたことになるけど、実感としてはもっと掛かっていた気がした。集中し、緊張していたということだと思う。

その後、身体と精神のコンディショニングのため「ハナモゲラ(2級)」を登り、

次の目標である「ゴワトリ」に。

思ったより「ハリガネムシ」が簡単に登れたこともあり、今日の岩と自分の体のコンディションは思ったよりも良いんじゃないかと感じ始めていたため、「ゴワトリ」も今日中に登れるんじゃあないかという気持ちはかなり高まっていた。

しかし、

いざ取り付いてみるとやはり前回落ちていた箇所と同じ場所で何度も落ちる。
その部分を切り取って練習してみてもそれ以上改善の余地はあまり残されていないように思えた。

上部で落ちるのを防止するにはやはり下部のムーブをより正確にこなすしかない、という結論に至り、下部のムーブをより慎重に、注意深く、集中し、細かな調整を重ねて少しずつ洗練させていった。

そのようにして何度かトライを重ねるもやはりどうにも決めきれない。

その一因としては、前回岩に行った際に裂けてしまった右手中指の皮がまだ完治していなかったということもあった。
テーピングを巻くことでフリクションが犠牲にされるのを危惧していたため、敢えて何も巻かずにトライしていたのだが、それによってかえって無意識のうちに右手に力が込めきれていないのではないか、と思い至った。

指の腹のフリクションがなるべく死なないよう、かつ傷口がしっかりカバーできるような位置にテーピングを巻き、意を決してトライしてみた。これでダメなら仕方が無い。(体力的にも時間的にもこれが最期のトライになるだろうな、というタイミングだった)







登れた。

登れてしまった。

まあ、このゴワトリという課題に関しては「易しい三段だ」と言われているとか、今回僕が採用したムーブは初登時のムーブとは異なり幾分易しいものだとか、色々細かい言うべき箇所はあるのかもしれない。

でもとにかくこのライン、この課題を登れたことは確かだ。
そのことがただ素直に嬉しい。


その後、時間がまだ少しだけ余裕があったため「ケロ(1級)」をクールダウンがてら登り、今日のクライミングは終了。


結果的には今の自分にできる内での恐らく最高に近い出来だった。


今日思ったのは

「ベストコンディション」とはなんなのか?

ということ。

気力も体力も、環境も、すべてが最高に整っている状態。
そういう時ってあるんだろうか。

クライミングに生活全部を賭けられるわけでもない社会人であり、
クライミングが岩という自然物を相手にしているものであるかぎり、

そんな状況はほぼ無いといっていいと思う。

非の打ち所の無い完璧な状況というのは非現実的であるとさえ言える。

結局のところ「ベスト」というものは求めるべきでなく、「ベター」をいくつか重ねるしか無い。
これはコンディションという面でもそうだし、課題を登っている最中のムーブのこなし方についても同様に言えると思う。


いくつかの好条件といくつかの悪条件があって、

好条件をうまく味方につけて利用して、
悪条件をうまくかわすか抑えこむかして、

そういうふうにしてベストの結果を打ち出すしかないんじゃあないかな、と思う。