2015年12月22日火曜日

ちょっとそこまで-The Second Raid-


今日も前回同様近場で登ろう!



向かうは武庫川

ハワイアンチェーンというマイナーだが面白い初段があるというのと、

あとそろそろ冷酷にきっちり向き合わなきゃいかんな、ということで。


しかし、


着いてみれば昨日の雨で岩は濡れ濡れ!

冷酷なんてどのホールドも持てたもんじゃない!


落胆しつつ、

「じゃあ予定変更しよう!」



今度向かうは北山公園

近場to近場なので時間はそんなに問題ない。

まだ2時になるかならないかくらいで北山公園に到着することができた。

とはいえ、特に何か目的の課題があるわけでもなし。

北山公園徒歩圏内在住の、キャップの似合う優秀な現地ガイドに導かれるまま、

渇いた岩を探し、なにかを登ることに。

ガイド曰く

「このへんは日当たりいいから渇いてるはずですよ」

の言葉通り、

少なくともホールドだけは渇いているようだった

大工の源さん(初段)

をまずは登ることに。

思ったより悪かったけどもなんとか完登


久しぶりにザ・花崗岩って感じの薄くとがったカチを本気保持したけど、
やっぱりこういうのもクライミングしてるーって感じで好き。

指皮にけっこうダメージ来たけど、傷治りかけの左手人差し指はしっかりテーピングで守ってたから大丈夫だったし。


続いて色々公園内を歩き回ってどこそこになになにの課題があるーみたいな話をしつつ

ガイドの希望で飛竜(1級)をやることに。

1撃しようかと思ったけどリップ付近でミスって落下。その後もう一回落ちて結局3撃。

これもやっぱりじわっとした動きを要求される「岩っぽい」課題で面白かったな。


飛竜をブラッシングする優秀なガイド


そんで
最後にガンホー(初段)を触るも1手目から進まず敗退。足位置なのかムーブなのか。なんかあるはずだがよく解らなかった。


まあ、雨の影響がある中で、それでもやれることやれるだけやって楽しかったかな。

前回もだけど、今日も登ってる時間よりも歩き回ってる時間のほうが長かったな。

まあそれもまた一つの楽しみ方でもある、、のか?


2015年12月19日土曜日

ちょっとそこまで


今日は珍しく土曜なのに休日。


色々あって、時間が中途半端にしか使えなかったので、

ちょっと近場で登ろうかな、と。

そういうわけで、

車で1時間ほどの某シークレットなエリアに。


今日は今まで足を踏み入れたことのない奥地のほうに歩いて行ってみる。


道なき道を、伝え聞いたぼんやりした情報と、手作りの案内図を元にえっちらおっちらと歩く。


ようやく目当ての岩を見つけたときにはもう汗だく。

寒いと思って持ってきたダウンも着ることがなかった。


人気のない山奥で、独り黙々と登る。

たまにはこういうのもいいよね。

と、

思っていたら、意外な人物との再会もあったりと、思いも寄らない嬉しい誤算もあったりした。


目当ての課題

武松(初/二段)

のほうは、おおむね予想通りの難しさ。

でもまあ、結構得意系だったかな。

岩全体が結構濡れてたけど主要なホールドはまあまあ渇いていたし問題なし。



次に狙うは

小杖(初段)

武松よりも半グレード下だけど、こちらのほうがむしろ苦戦した。

スタート直後からしばらく掴むホールドが全体的にぼんやりしていて安定しない。
足位置とかフックの具合調整したら上手くいったけど、登れたトライの時もなかなかスリリングだった。



コイツはマントル部がそこそこ濡れてて、けっこう怖かった。
でもまあしっかりやれば落ちないだろうというムーブだし、ランディングもそんなに悪くないので大丈夫。


あともう一つ

裏行者(初段)

も登りたかったけど、コイツの岩は思ったより状態悪くて、さらにランディングも予想より悪い。

リップランジ核心らしいし、ケガの予感しかしないので撤退。


危険性とかそのへんもひっくるめて楽しさに昇華できればいいんだろうけど、
僕はそのへんとことん臆病に行く。

僕は未だに外で登る場合、
行きの車内で岩から落ちて大怪我する想像して震えるし、
マントル返す時はどんなに簡単でも全力出すし、
マットの上に落ちるときでもマットが無いと思いながら落ちる。
スポットは信用するけど信頼しない。

「臆病であること」

それはある意味ではクライミングの邪魔になるかもしれないけど、
またある意味ではクライミングをし続けることの助けにもなってくれていると思う。

おかげでここ数年は大きな怪我をすることなくクライミングを続けられている。


(と、なんかイイコト言った風にして逃げ帰ったことの言い訳しとこう)

2015年12月8日火曜日

密林の刺客


前回から少し間が開いて、およそ2週間とちょっとぶりの岩。

前回がエンジョイクライミングだったのを鑑みると、

やはり今回は全力にストイックに挑みたい。


ということで行き先は久々の三重の岩場。


ここに行く時は何故か1人だったり2人だったりと少人数で行くことが多かったが、

今回は4人という大所帯(大所帯というほどでもないが)
で行くことになったので、

せっかくなのでマットが多くないとやり辛いちょっと長いトラバース系

ジャングルビート(二段)

ジャングルトラベラー(二段)

をやることに。


まずはジャングルビート。

アップがてらムーブを探り、

「あ、これ行けるわ」

と、あっさり完登





正直、かなり簡単には感じた。

ムーブ出しを含めてもたぶん10回も触ってはいないと思う。


次にジャングルトラベラー。

同行者達はこの時点でようやくジャングルビートを本格的に触り始めたくらいのタイミングだったため、トラベラー用にマットを移動するのも憚られたため下部のムーブをのんびりと探ることに。

前半の核心部にあたるランジ部分に恐れてなかなか手が出なかったものの、マットをしっかり敷きなおして腹を括って手を出せば意外と簡単にそこも解決。

あとは長いトラバースをミスなくこなすだけ。


……順調だった。

この調子でいけばトラベラーもそう苦労せず落とせて、

自分にとっての主目的である

ファイア(三段)と
メガロドン(三段)のいずれかに、かなり余力を持って臨めると思った。

身体の調子も悪くないし、そのいずれかの課題を落とすことも出来るんじゃないかという予感すらあった。

少なくともジャングルトラベラーを登ることに関してはおよそ不安は無いと思っていた。

しかしながら

その慢心とも言える心の死角に、

密林の刺客が静かに潜んでいた。





登れはしたが……















持 っ て い か れ た



完全に深くヤラれ、出血はだくだくと止まらない。


「このジャングルの旅行者は、チケットの替わりに血を差し出さねばならない」


原住民の間でそういう取り決めであるかどうかは知ったことじゃないが、

とにかく代償として持っていかれた。


どのホールドで切れたかは解らないが、後半に指から出血していることに気付いてヨレと痛みと緊張とでブルブルと震えた。



結局岩場に着いてから2時間くらいで本日のクライミング終了。

あとはガンバの発声係。


登れたことは良かったけども、

やっぱり今回も不完全燃焼。


うーん、次回こそ燃え尽きたい。


2015年11月20日金曜日

エンジョイクライミング

有害でも有益でもない「ただの休日」

たまにはそういう日も欲しい。

今日はそういう日にするつもりだった。

しかし、ふとしたきっかけから

ミタライに行くことに。


特に強いモチベーション無く行ってみたけれど、

とりあえず気になってたのは

龍神の雨(三段)

情報だけは知っていていつかやろうと思っていたけど、

折角なので今日触っておこうかな、と。

しかし前日前々日と降り続いた雨のせいで川が増水していて、

龍神の雨のある対岸に渡れず……


仕方なく、

岩魚をやったり(相変わらず核心の一手が苦手であまり進展無く敗退)
草餅、ハナモゲラ、メモリードールなどのかんたんな課題のリピートしたりで、わちゃわちゃ遊んで過ごした。

結局今日新しく落とした課題はこの

ガンプ(初段)



のみ。



特に大きな得るものがあったかというとそうではなかった。

でも、楽しかったってのは確か。

たまにはね、こういうエンクラもありだよね。

2015年10月29日木曜日

延長戦


「目の前の課題を落とす」

それは『目的』であると言えるし、

またしかし長期的に見れば、

「強くなる」ための『手段』であるとも言える。


クライミングに限らず、

何か物事を為す際、その行動は『目的』と『手段』両方の側面を持つ。目的としての意味を大きく持っているか、手段としての意味を大きく持っているかの割合が違うだけで。

小さな目的を果たすことが、大きな目的を果たすための手段となる。

大きな目的を果たすための手段が、同時にそれ自体意味を持った目的でもある。

根源的な純粋な『目的』なんてものは滅多に無いし、ただ単純に『手段』でしかないものもそんなに無いだろうと思う。


今日、

僕は宮川で

イエローアイ(三段)

を、こうして





落としてきたわけだけど、

晴れやかな達成感に包まれているとは言い難い。

いや、嬉しいのは確かだけども。

確かに僕はこの課題を目的として尽力し、そしてそれを果たした。

しかし、

そのために若干反則くさいやりかたをしてしまった感もある。

実は宮川には三日前(10/26)にも行っていて、
その時イエローアイを打ち込んでいた。

その時もう一歩というところまで行っていて、
落とすことができなかった。

それがどうしても悔しくて、無理やり予定をこじ開けて1人でリベンジにきたのが今日というわけだ。

本来無い延長戦を無理やり作り出したようなものだと思う。

今日落としたことよりも、三日前落とせなかった悔いのほうが大きい。

イエローアイというこの課題を落とすことが最終目標であったなら良い。

でもそうじゃない。

そうじゃないからこそ「落とし方」というのにも少し思うところがある。

この課題は三日前に落としておくべきだった。


まあ

ともあれ、落とせず放置というのよりは何倍もマシだ。

現状はまだ三段の落とし方に拘れるほど強くはないということ。

いいじゃないか。

自分の弱さをしっかりと再認識することができた。

弱さを自覚することが、まず強くなることへの第一歩だ。



余談だけど、三日前も今日も宮川は異常に暑かった。
およそ10月下旬とは思えない暑さだった。
気合入れるためじゃなくて、純粋に暑いから上裸になってた。


2015年10月17日土曜日

15℃~20℃くらいが一番快適


前々日、前日時点で、天気予報は

「曇り時々雨」

午前中は曇りだが、午後になると雨がぱらつくことがある。

とのこと。


先日の

「ミラルパ(三段)」

のリベンジに燃えていた僕は、その予報にげんなりしていた。


それでも、

午前中だけでも降らないならその間に片付けてしまおう、と

東の河原行きの予定は確定させた。


当日朝になって念のためもう一度天気予報を確認すると、

なんと雨マークが消えている。

僥倖。


車を走らせ現地に到着すると、

おいおい、

雨どころか、

めっちゃくちゃ天気いいーじゃあねぇーか


空気は渇いているし、適度に風も吹いていて、岩のフリクションも申し分ない。

ヌメるほど暑くもなく、凍えるほど寒くもない。


「この課題を登れない」

という結果が出るとき、その要因は外的要因と内的要因に分類できるが、

今日はほとんど外的要因によって登れない、ということが無いだろうと思えた。

つまりは、

これで登れなかったら完全に要因は自分の実力にあるということだ。



まずはミラルパ前半部の簡単なパートを一回こなして、その後

先日登った課題であり、ミラルパの後半部分にあたるギロンを登ってアップの代わりとする。

やけにギロンが簡単に感じた。

そして核心である中間部、ギロンのスタートにリンクするあたりのムーブも一度おこしてみた。

ここもやけに簡単に感じる。


(これはいけるんじゃないか?)


と思った。


アップはまだ充分というわけではないが、その感情に押されるままに、

とりあえず一度繋げてトライしてみることにした。


結果



その一回で登れてしまった。


うーん。

これは

以前カツオノエボシを登ったときと同じようなパターンかもしれない。

はじめのトライなのに登れた、というよりは、はじめのトライだからこそ登れたってやつ。


行けるかどうか半信半疑のままトライしたのに核心越えてしまって、ギロンのパートに入ったら妙に緊張してしまったのだけ覚えている。


こうなると、

別に天気予報が変わらなくたって何も問題は無かったな。


主目的は果たしたので、

周辺にある初段をついでにいくつか回収。


ゼットン(初段)



ホールドがくっきりしていてジムっぽい課題。

それなりにパワーは必要かもしれないが、登れる実力を持っている人にとっては簡単に感じるだろうと思う。

一撃だった。



ナムリス(初段)



割と神経質な垂壁の課題。

ムーブに迷って何度か落ちたけど、これもそれほど難しくはない。

難しくは無いが、マントル部分と、そこ返したあとのなんでもないスラブが妙に怖い。
こういうスリルが岩っぽくて良いと思う。



個人的には、ここのエリアの初段の難しさを順に並べるとすると

ナムリス>ギロン>ゼットン

かなあ。単純な「強度」だけで言えばナムリスはむしろ最下位だけど、繊細さとかリスクとか、そのあたりのテクやメンタルに訴えかけてくる難しさがあったな。



あとはまあ、

あまりに天気がよくて、昼寝がとても捗りました。


2015年10月9日金曜日

重いと指痛い

肥満はつまり怠慢である。

腹のたるみは気持ちのたるみ。


……ちょっと最近太りすぎている、と、今日つくづく実感した。


すっかり涼しくなってきたので、

今日は久々に東の河原へ。


最近は岩行くと雨続きだったけど、今日はイイ天気!


しかし昨晩雨が降っていたようで微妙に岩がしめっていた。

まあしかし、渇き易いってのが河原の岩のいいところ。

アップがてら

ギロン(初段)


をやり、

その後

チクク(初/二段)



をちょっと時間かけてやってたら、もうすっかりカラカラに渇いてくれた。

気温も暑すぎず寒すぎず快適。


そして

チククを丸々逆走してギロンにつなげる

ミラルパ(三段)

に挑む。

なんていうか……全力持久系って感じ。

ムーブは一応全部出たものの、

繋げるとギロンのスタートにリンクする部分が越えられない。

結構頑張ったけど

結局登れはしませんでしたとさ。


ま、まあーチククで意外とヨレてたしー、ムーブ出しでマシンガントライしすぎたしー。
次フレッシュな状態でやればできるしー。


という負け惜しみをしておき、実際に次回落とすためにカチトレと減量に励む決意を固める。



うん。

ちょっと真面目に地味なトレーニングを積もう。

2015年9月25日金曜日

雨の日

ニュートラルな状態、というのはどういうものを指すのだろうか。

何も悪条件が無い場合か。

いや、そういう状態はニュートラルではなく、ベスト、あるいはそこまではいかないまでもベターな状態と言うことができるだろう。

ニュートラルな状態、というのは、

いくつかの好条件、

いくつかの悪条件、

いくつかの様々な要素がその場に含まれていて、それらの要素が「自分にとって特筆すべきものではない」と判断できる範囲内に収まっている

ということだと思う。

結局のところ何をもってニュートラルとするかというのは自分の主観に拠るものであり、その基準すら相対的で曖昧で、変化しうるものなのではないだろうか。




最近、

岩へ行くたびに雨が降り、

もう、少しくらいの雨は

「自分にとって特筆すべきものではない」範囲に収まりつつある。


勿論、

実際には登りづらいし、

危険は増すし、

荷物は汚れるし、

雨が降っていて良いことはあまりない。

ただ、

自然物を相手にしているんだ、という実感はいつもより少し強くなる。

雨だからといって何もしないで帰る、という選択はあまりしたくない。

雨なら雨なりに、

濡れにくい岩を探すなり、濡れが影響し辛い課題を探すなり、リスクの少ない簡単な課題が雨でどのくらい手ごわくなっているのか探ってみたり、

その状況に見合った取り組み方をして、

何かしらの意味や価値を持ち帰りたいと思う。





夏の日(初段)


2015年8月6日木曜日

僕×鳥取=雨

先週、車をとばして行ったはいいが、エリア到着と共に豪雨。
結局、そのまま何もせず引き返し帰宅を余儀なくされた三滝渓


今日こそは、と

しっかりと天気予報を確認。

降水確率20%。

しっかりと晴れマーク。

最高気温32℃という表記が若干気にはなるものの、

そもそも登れもしない、という馬鹿げた事態には今度こそならないはずだと、安心してエリアへ向かう。


とりあえず目当ては先日敗退していた

斬(二段)


着いてみて、岩をチェックすると、


コンディションは

すこぶる悪い。


ホールドは乾いてはいるが、岩の表面が全体的にしっとりと染めっており、うっすらと岩表面を覆う苔が見事にその潤滑性を発揮している。

ちょっとしたスメアリングでバランスを整えようとすると逆にスリップしてしまうような非常にやりにくい状態。


いや、

OK。大丈夫。

コンディションが悪いなんてことは解ってた。

まず気温30℃超えでコンディションに期待すること自体間違ってる。

それもひっくるめて捻じ伏せればいいだけの話。


トライを重ね、合間合間に必要だと思われる箇所に対して根気強くブラッシングを行ったりしていると、風が吹いてきたのもあり、徐々にコンディションが良くなってきたようにも感じられた(気のせいかもしれないしそうじゃないかもしれない)。


そもそもが繊細なホールディングとバランスを要求される課題。

ホールドの持ち位置のミリ単位の試行や、体重を預ける角度等の精査を1トライごとにしていくと、徐々に高度も上がってきて、行ける感覚は高まってきた。

最終的にはこのように




登れてしまったわけだけど、

これは逆にコンディションの悪さがプラスに働いたと言えるかもしれない。

雑にムーブをこなそうとしたり力で抑え込もうとすると中々進まなかったと思う。

コンディションの悪さが逆に僕の慎重さ、臆病さ、周到さを引き出してくれたからの結果なのかもしれない。


その後一緒に行った二人の斬トライを暫く見守った後にエリア移動。

以前登った「風(初段)」のあるエリアへ。

そのエリアにはもうめぼしい課題は無いので、僕は同行者2人の風トライを見守りながら周囲の細々とした課題をマイペースに登っていよう、くらいの軽い気持ちだった。

が、

思いも寄らぬ誤算。


アプローチがジャングル化


以前(2ヶ月前)とは全くもって風景ががらりと変わっていた。

手で藪を掻き分け、足で草木を踏み折り、なんとかエリアに到達したころにはもうクタクタ。
斬登るよりヨレた。

半袖半ズボンというナメきった格好で行っていたので手足に細かな傷がいくつも付いていた。


そして誤算はそれだけでは終わらなかった。


ここにきて最大の裏切り。




降る



エリアに着いて30分もしないうちに大粒の雨が。

急いで撤収したものの、


ただでさえ険しいジャングル地帯を雨の中引き返すという苦難。

無事車に辿り着いた時には身も心もクタクタになっていましたとさ・・・



まあ


目当ての斬は登れたから良しとはするものの、



何のための天気予報だ!


と叫びたくなる。

呪いでもうけてんのかなあ。

僕が鳥取に入ると雨が降る呪い(見方を変えれば祝福とも言えるかもしれないが)。


2015年8月2日日曜日

Niigata Energy Rock Fes


ちょっくら宣伝というか告知というかなんというか・・・

えー

わが故郷新潟にて、

なにやら面白いイベントが行われるようで。




Niigata Energy Rock Fes




新潟という、クライミング界としては端っこのほうにある場所にて

身内主体で盛り上がり、

みんなで強くなろうってな感じの企画らしいですね。


面白そうなんで僕も是非とも参加したい!

ところなんですが、流石にそう何度も行ける距離ではないので・・・


その代わりと言っては何ですが、

僕も出来ることでこのNERFを盛り上げるお手伝いをしよう!と


ロゴの作成






ポスターの作成





この度、請け負いました。

ロゴのほうは、

このコンペの参加者に配布される

「NERFツアーTシャツ」

に使われるらしいです。

Tシャツ自体がどんな仕上がりになるかは知らないけど、

貰った人に「日常的に着たいくらいカッケーー!」

って思ってもらえたらいいなあ・・・

2015年7月29日水曜日

クロスムーブ理論―2種類のクロス―

最近は岩行くたび雨。

どうなってんだまったく。

今日なんてエリア到着と同時に豪雨でとんぼ帰り。

酷い。


ブログの更新も随分と止まっている。



ということでまた理論系でも書いてみよう。


今回のテーマは

「クロスムーブ」


前回は「デッド」で前々回は「ランジ」

で今回はクロス、と、段々内容が地味で基礎的なほうになってきていますね。


さて

前置きはさておき、そろそろ本題に入りましょう。


今回語ることは副題の通り

「2種類のクロス」

内訳は

「閉じるクロス」


「開くクロス」

の2つです。

まずは以下の2つの画像を見て下さい。


Aのホールドが左手で元々持っていたホールドで、Bのホールドに向けてクロスで右手を出している、という状況です。


それぞれのムーブでは「力の加わる方向」がまるで逆方向です

しかし、

このムーブはどちらも「クロスで右手を出す」と言われます。
ちょっと問題だと思いませんか?


はじめに断っておきますが、

この開くクロスと閉じるクロス、

どちらが良い出し方でどちらが悪い出し方かというようなことはありません。

場合によってどちらの出し方が適切かが変わるというだけです。


最近色々なクライマーの登りを観察していて思うのですが、

この2つを明確に区別できていないクライマーが非常に多いです。

特に保持力と腕力が特に強いクライマーは

クロスといえば「閉じるクロス」だけしか思いつかないというような人も居ます(マジで)。




じゃあどんな状況でこの2つを使い分けるのかということについてですが、

まずはじめに

ホールドの向きを考えましょう


もう一度画像を見て下さい。

「閉じるクロス」の例の画像では

AのホールドBのホールド右下に引ける向きに付いています。

この状況で「開くクロス」をしようとすると、Bのホールドを取った時点で左下に滑り落ちます。

逆に

「開くクロス」の例の画像では

AのホールドBのホールド左下に引ける向きに付いています。

この状況で「閉じるクロス」をしても、Bのホールドに手が届いてもBのホールドを有効に保持することができません。


次に考えるのは

ホールドの信頼度です


Aのホールドがガバでしっかりと保持できるがBのホールドは持ち辛いカチなどであれば、しっかりとAのホールドを保持してスタティックに「閉じるクロス」で出したほうが確実でしょう。

逆に
Aのホールドは悪いがBのホールドはガバであるような状況であれば思い切って「開くクロス」で勢い良く体ごと左にスライドしてBのホールドにしっかりと体重を預けるべきでしょう。

クロス方向に片手でランジに行く時なんかはかなりの確率で「開くクロス」を選択することが適切になると思います。


先に保持力と腕力の強いクライマーは「閉じるクロス」ばかりする、というようなことを書きましたが、
それは彼らにとってAのホールド(継続して保持しているホールド)は大抵信頼できてしまっているからです。彼らにとっては「まだ触っていないガバ」に体を預けに行くよりも「今持っているカチ」を徹底して握りこむほうが信頼に足るムーブだということでしょう。強すぎるというのも考え物ですね。



・ホールドの向き
・ホールドの信頼度

この2つ以外にも色々と課題に応じて条件は重なるでしょう。(例えば足の位置とか、次のホールドまでの距離とか)
さまざまな要素が複合的に作用してムーブは決定されるべきなので、それらの条件を細かくリストアップすることはちょっとここでは難しいので割愛します。



今回言いたかったことは、
「クロス」と一言で片付けてはいるが、全然違うムーブがそれぞれ含まれているんだということ、
それと、ホールドの配置をよく考えてムーブ選択をしましょうということです。


ものすごく基本的なことですね。

しかし、

基本的なことっていうのは無意識にやっていることだから、強く意識しないとなかなか理論も何もないと思いがちです。

そういった意味では基礎的でかつ些細な部分に着目することこそ、難しく高度なことだと言えるのかもしれません。


かのイチロー選手もこう言っています

「自分で無意識にやっていることを、もっと意識しなければならない」

と。

僕のこの作業も、記事として成文化することで、無意識にやっていた(あるいはぼんやりとしか意識していなかった)ことをはっきりと意識するためにやっているわけだし。


ある程度のレベル(3級以上くらい)のクライマーなら大抵、

この「開くクロス」と「閉じるクロス」の使い分けは出来ているはずです。

しかしそれを意識して使い分けているかとなると、話は違うでしょう。


今回のコレが
そんな人たちの、

無意識を意識に変えるためのきっかけに少しでもなってくれればと。




2015年6月15日月曜日

突発戸河内ソロリベンジ


疲れている。

体がそう強く訴えかけていた。

シフトの関係上、6/14~6/15が二連休だったのだが、

6/13の夜時点ではこの連休はもう寝て過ごすべきだと思っていた。

6/14の午前1時に就寝したのだが、そのままぐっすりと午後1時まで眠った(12時間!)。

起きてもまだ疲労は身体にこびりついており、それを拭うべく、起きてすぐたっぷり食事をして、昼から長い風呂に入った。

そして自室でごろごろとしていると午後7時再び眠りに落ちた。



次に目が覚めたのは6/15の午前1時だった。


その時異変に気付く。


全く疲れていなかった。


あれほど身体にしつこくこびり付いていた疲労が嘘のようにすっかりと消えていた。

深夜だと言うのにまったく眠気もなかった(当たり前だが)。


今すぐにでも登りに行けそうだ

と思った。

と思ったあと、いや、実際にそれもいいかもしれない、と考えた。

今から準備をして少し遠いエリアに車を走らせれば到着するのは早朝。
涼しい環境で登れるんじゃないだろうか。

それで暑くなってきたら帰ってくればいい。


そして、

そういえば戸河内に忘れ物があったなあ

と思い出す。



そんなこんなで6/15午前5時30分

僕は戸河内に居た。



狙い通り、早朝の空気はひんやりと澄んでいて、岩のコンディションも悪くない。

早速「忘れ物」であるところの


イカヅチ(二段)


を落としにかかる。

アップがてらムーブを改めて確認し、


登れた。

そら(雨の日にゴール手前まで行けたんだから)そう(乾いてれば登れる)よ


主目的を済ませたわけだけど、まだまだ朝6時過ぎ、まだまだ世間は起きだしてもいない。


じゃあ次に、と

イカヅチの直登ver.である


カナヅチ(初段)


にトライ。

いや、初段にしては悪い!

とはっきり思う。

イカヅチと4手目まで共通であるわけだけど、その4手目までがイカヅチのワルいところなわけだし。

そして5手目もなんだか悪い。ストライクゾーンが狭くかつ奥まっていて何度か外してしまった。

これは人によってはイカヅチよりもカナヅチのほうが苦手って人も居るんじゃないかな。


ラインもこっちのほうがカッコイイような気がする。


さてまだまだ時間はたっぷりある。

お次は


レスキュー返し(初段)


以前登ったモスランジと同じスタートから逆方向へ登っていく感じ。

カチ握ればいいだけのシンプルな課題。


実は意外とてこずった。

イカヅチ、カナヅチと打ち込んだ直後にいきなり登ろうとしたのが悪かった。

やはり一人だとレストをする気にならんからな。

意識的にちゃんとレストしたらすんなり登れましたとさ。


さてそろそろヨレてきたところで

次は


ノロ(初段)


まずコイツについて言うことは、スタート位置が高すぎだってこと。

チビの僕にはスタート位置につくのがちょっとキツかった。

一人で来てるわけだから当然マットも1枚しかないからマット積むってことも出来ず。

まあ課題自体は、カチ握って直登!っていうこれまたシンプルな作り。

指にヨレを感じて少し不安だったけどこの程度の課題で敗退するわけにはいかんわな。



この時点でそろそろ気温がだいぶ上がってきた。

そしてもう一つ問題が。

実は僕戸河内のトポ持ってないんですよね。

これまで登った課題はすべてラインを人づてに教えてもらったもの。

そう

もう知ってる段課題が無くなってしまった(ノロをSDにすれば三段になるけど結構ヨレてるのに三段やるってのもなあ)

幸いスマホ圏外ではなかったのでその場で調べることが出来た。

スマホ片手にうろついてみると


メカキングギドラ(初段)


という課題を発見!

小さめな岩なのでヨレている状態でも危険は少なくて丁度いい!

決して難しい課題じゃなかった。

たぶん内容としては今日登った初段の中で一番簡単だったんじゃないかと思う。

が、思いのほか苦戦。

ムーブは簡単に出たけどつなげようとすると腕がロックを拒否する。

いやーヨレてた。でもなんとか気合で登った。


と、

ここでそろそろ正午になろうとしていた。

気温もかなり上がっていて、汗はだくだく止まらない。
2リットル持ってきていた飲み物もとっくに無くなっていた。
筋肉に強く力を込めるとすぐにその箇所が攣ろうとする。

うん、ここらで潮時かな、結構課題落とせたし(計6段)現状もう落としたい課題も無いし。

ということで帰宅。

日が沈む前に帰ってこれた。



今回突発的にこんな岩行をしたわけだけど、

いや、これからの季節

ほんとにこのプランは悪くないかもしれない。

夜のうちに出発→早朝~午前中登る→暑くなったら帰る

の流れ。


まああとはあれか

身体の声を聞け、ってことか。

調子いい!行けそう!っていう体調の時はまあ大体実際行けるもんなんだな、と。


2015年6月2日火曜日

ぶらりローカルの旅


神戸から鳥取って、意外と近いんですって奥さん。

ということで、

今日はちょっと鳥取へ。


鳥取の岩場はあまり周知されていない、

所謂「ローカルエリア」ばかり。

ひとつひとつの小ぢんまりとしたエリアが点在しているような状態らしい。

今日はその中の一つ

三滝渓

へと赴いてみた。


割と曖昧な情報だけでぶらっと行ったものだから、かなり迷うと思ったけれども、

存外簡単にエリア発見。


到着して岩を見てみると、

いやー、ローカルだと思って舐めてた。

もっとちゃちな岩かと思ったら結構に立派な岩で、思いのほかテンションが上がる。


ということでまずはその岩の

斬(二段)

にトライ。

垂壁で

カチ!

カチ!

カチ!

そしてバランシー!

うーん、

こういうのも得意だと思ってたけど、やっぱり最近苦手になってきてるのかもしれない。

残念ながら敗退。

もうちょっと人目につくエリアにあったなら間違いなく人気課題になる、ってくらいの好課題だった。
また今度やりに行かなきゃ。

で、

少し岩を移動して、

次は

風(初段)

にトライ。

さっきの斬のある岩に比べると若干スケールの小さい岩だが、結構面白そう。

まあゆーても初段だしー、さっくり落としたるかー、

と軽い気持ちで取り付くも、

ハマる

これもバランス悪くて悪くて。

ホールドもイマイチ。

なんとか完登したものの、自分のジワジワ系の能力の低下(いや、もとから低かったのか?)にちょっと自信喪失気味に。


地味に見えるでしょ。

結構ワルいからこれ。


で、

そのへんで三滝渓を後にし、

帰り道の途中で

落折(三段)

という課題のみがある岩に寄り道。


この課題、


めっちゃカッコイイ。

めっちゃムズカシイ。

そしてめっちゃ怖い!

ランディングが結構悪くてね。

なのにリップにランジが核心。おまけにリップは外傾のスローパー。

まあ僕はそのランジでリップを叩けもしなかったわけですが。

そのランジパート行くまでにも7手くらいあるんだけどそこもやっぱ悪くて。

最終的にはバラすことは一応出来たけど、繋げるのは相当難しいな。
で、そこまで行ってようやく核心にさしかかるわけだ。めまいがするね。


ということで成果らしい成果は挙げられなかったけども、

やっぱり行ったことの無い岩場に行くっていうだけで楽しいもので。

またどっかローカルでも責めてみたいなーっと。

2015年5月18日月曜日

デッドポイント理論―壁との距離―


以前ランジのコツについて書いた、


っていう記事があるんですが、

実はそれがこのブログ内で最も読まれている記事なんですよ。

次に多く読まれている記事の倍以上。

普段の日記みたいな記事に比べると約10倍くらい読まれてます。

意外、というかなるほど、というか。


なので(ってわけじゃないけど)

今回もそのようなことを書こうと思います。

今回の内容はある意味前回の理論の応用であり、ある意味前回の理論の下にあるものでもあります。

今回のキーワードは

壁との距離

です。


クライミングのムーブについて語るとき、

どうしても

上下左右二次元的な動きだけを考えがちです。

が、

実際はそこに前後の動き(=壁と体の距離)が重要な要素として絡んできます。


まずはこの動画を見て下さい。




次にこの動画を



前者の動画を、後者の動画をとします


二つとも、同じホールドを使用しています。


ちなみに持っているホールドとしては、

右手:悪目のカチ
左手:けっこう持てるピンチ
左手で取りにいく:悪目のカチ

となっています。左足は小さなホールドを踏んで右足は切っています。


見ればわかると思いますが、

Aのほうが安定しており、

Bのほうが不安定です。

両者の違いは、

次のホールドを取りにいく前と後の壁と体の距離です。


Aでは

ホールドを取りにいく前に体を壁から離しています。

結果、ホールドを取った後のほうが取りにいく前よりも体が壁に近づいています。

Bでは

ホールドを取りにいく前に体を壁に密着させています。

結果、ホールドを取った後のほうが取りにいく前よりも体が壁から遠ざかっています。


つまり

Aは
壁に向かいながらホールドを取っている。

Bは
壁から離れながらホールドを取っている。

ということです。


さらにわかりやすく画像で解説します。

まずはA

①取りにいく直前


②手を出した直後


③取ったところ

それぞれの時点での腰の位置を水色の丸数字肩の位置を緑の丸数字で表しています。

①~③に以降しながら、ほぼまっすぐに壁に向かって近づいていっています。



次にB

①取りにいく直前


②手を出した直後


③取ったところ

①~②の間ではほとんど腰と肩の位置は変わっていませんが、
③に到達した時点では肩と腰の位置は①時に比べ壁から遠ざかっています。


ここまで敢えてハッキリとはAとBどちらが良いとは言及していませんが、

まず大半の人は

AのほうがBよりも良いと思ってくれたと思います。


結論を一言で言いますと。

デッドポイントの一手を出す場合は、

壁から離れてからムーブを起こしたほうが良い。


ということになります。

壁から離れてからムーブを起こすと、
壁に向かっていきながら次のホールドを取れる。

壁に密着した状態からムーブを起こすと、
壁から剥がされながら次のホールドを取る事になる。(=剥がされる力に耐える必要がある)

ということです。

「壁から離れないために壁から離れる」という、一見矛盾したような一文になりますが、コレが今回の結論になります。


さて、ここでデッドポイントの一手を出す場合と微妙に状況を限定したのは、

スタティックに動く場合においてはこれが適用されない場合も多いからです。


ここでBの①~②間の肩と腰の位置関係を見て下さい。
殆ど変わっていません。それは右手や体幹等の力で耐えているからです。

そのまま右手でロックすることが出来ていれば、

常に腰と肩の位置を壁に密着させたまま③を迎えることが出来たはずです。

そのようにスタティックに動けるような状況ではわざわざ一旦壁を体から離す必要性も無いでしょう。
特にスラブやフェイスなどでは、スタティックに動いている分には壁から剥がされる力はあまり生じません。



さて次に補足として、

キャンパシングの動きについて見てみましょう。

また動画から。





じゃあ今度は前者の動画を、後者の動画をとします

身体の振られに注目してみましょう。

aよりもbのほうが振られが大きいように見えます。

これも、前述した壁との距離によるものです。

また図で補足します。


ではaから(解りやすく、最も大きな動作の2手目で解説します)
またそれぞれの時点での腰の位置を水色の丸数字肩の位置を緑の丸数字で表していますのでそこに注目してください。

①手を出す直前


②手を出した直後


③取った瞬間


④取った直後の振られ


⑤振られ収まり



次にb

①手を出す直前


②手を出した直後


③取った瞬間


④取った直後の振られ


⑤振られ収まり


見れば解るとおり

aのほうは肩及び腰はやや後方に下がりながらも基本的には上方に向かい、取った瞬間からその後大きく後方には引っ張られてはいません。

bのほうはほぼ水平に肩及び腰が後方に移動しています。


お分かりの通り

aは手を出す前に、体を壁から離しています。

bは手を出す前に、体を壁に密着させています。

それにより手を出した後の、後方へ行く距離が変わっています。


さらに体の高さも違いますね。

さすがにキャンパなので前述のデッドの時と同じように、初動時に壁から体を離していてもそこから壁に向かうということはできず、後方にも向かっています。

しかし、同じ距離を水平に移動するのではなく、上方への角度をつけて斜め上に出てやれば後方へ引っ張るエネルギーは少なくなります。

極端な話、100mの高さにボールを投げて1m前に進んだ、だとそれはもうほとんど垂直に投げたのと同じですよね。
(これで分かるかな?・・・)

このように、なるべく「下から上へ」向かうというのも「前から後ろへ」向かう力を抑制するのに役立つということです。



aのような動きをするために重要なのは、

体の前方でホールドを持つことです

これは意外と難しいです。

人は悪いホールドを保持しようとするとき、どうしても肩から先の関節を縮めて固めて体に近い所で持ちたくなります。

実際、そのほうが力が込めやすく、その場にとどまることだけが目的ならばそのほうが安定感は増すでしょう。

なので

安定したロックを固める→手を出して振られる→振られを収める→安定したロックを固める

という手順で進むのもアリかもしれません。

でもそれだと、一手一手が分断されます。一手出すごとにロックを固めるので、全体でかかる時間も長くなります。時間がかかるということはそれだけ無駄にヨレるということにもなります。

それよりもホールドを持つ位置を体の前方に収めておき、振られ自体を少なくして全体の流れを作ったほうが効率的だと思います。

ただやはり、

そもそも、体の前方でホールドを持った姿勢でぶら下がることができない(またはそこから体をひきあげられない)となるとaの動きはできません。

そこはやはり最低限保持力は必要です、ってことになるんじゃないかと思います。

理論を実践し、技術を身につければ誰でも上手く登れます、と言いたいところではあるんですが、

理論を実践するための力は必要だし、技術を繰り出すための力も必要です。
力をなるべく使わないムーブを出すために力が必要、というなんとも本末転倒なことがまあクライミングにはあってしまうということもまた事実です。

なのでできるアドバイスとしては、

今後キャンパトレをする際や懸垂トレをする際、

両手の真下に体を入れてそこから引き上げるようなやり方ではなく、両手を体の前面(なるべく体から離した位置)に置いた状態でやってみるといいんじゃないかと思います。



なんだか『思います』と、いまいち断定できない部分が多くなってきました。

というのも、あくまで今回事実として観測できたのは

「初動時に壁から体を離したほうが動作完了時に壁から体が離れづらい」

ということであって、そこからのそれが良いとかあれが悪いとかはあくまでも僕の個人的な推測と意見でしかないからです。

なので今回のこの理論について納得がいかないところがある方や
「いやむしろそれは間違いだ」と思われる方もいるかもしれません。

なので

こういう動き方が正しい!というふうな言い方はしません。

僕もひょっとしたら数ヵ月後に意見がコロっとかわっているかもしれません。

でも少なくとも今回観測されたこの

「初動時に壁から体を離したほうが動作完了時に壁から体が離れづらい」

ということは少なくとも確かなことです。

そのことを元に、それぞれの方がそれぞれに自分のクライミングを高めるための理論体系を構築することができればいいかと思います。


2015年5月12日火曜日

だって春に五月は一度しか来ないでしょう


僕はまた太りつつある。

というのも、

先月からずっと続くしつこい風邪をここらでしっかり治しておこうと、

二日間ほど一切の運動をせずに、いつもより沢山ご飯を食べた。

おかげで風邪は随分良くなった(完治とまではいっていない)けど

その分がまるまる肉として残っている。

これから時間をかけてまたすこしづつ削っていこうと思う。


ところで

今日は実に久しぶりにミタライに行ってきた。


天気は恐ろしく良く、日中は痛いくらいに日差しが照りつけていた。


調子に乗って常に上裸でいたので、

現在肩から背中にかけて皮膚がすごく痛い。

とてもとても痛い。

深刻なメラニン不足。

日焼けしても黒くならずにただただ真っ赤になって痛みだけがあってまたすぐ白に戻るこの軟弱な肌をなんとかしたい。


それはさておき、

今日落とせたのは

初夏(初段)のみ。


日中の殆どの時間を

岩魚(三段)

に費やし、しかし敗退。

夕方が近づき、

(このまま何も落とせず帰るのもいやだな)

と思いとりついた。

一撃できそうだったけど結局なんやかやで4回目(かな?)で落とす。

いかにもボルダーっぽくてなかなか面白い課題だった。



まあしかし今日の主目的の岩魚に関してはちょっと、いやかなり反省が必要だな。

根本的に左手の指の力が不足している感じ。


最近はムーブの上手さだとかクレバーさだとかそういったことに重点を置きすぎていて

シンプルなパワーを鍛えるのを怠っていた気がする。

なんだかんだ言って、保持できなきゃムーブもクソもない。


明日からちょっと、ある種アタマワルイ系のトレーニングも意識してやっていこう。




2015年5月3日日曜日

降雨コールド

先月からの風邪が中々治らない。

特に体に強いだるさや発熱があるわけじゃないけども、喉の痛みと咳がいつまでたっても落ち着かない。

まあしかし、

そうは言っても登りたい。

世間はGWでみんな連休を利用して岩を登りまくっている。

それに嫉妬して、

僕も岩に行くことにした。

といっても連休は取れないので、GW中の僕の休みはこの5/3一日だけである。

なのでまあ近場でもいいかな、と思っていたけど、

色々な状況が重なり、初めての岩場

戸河内

に行くことに。

高速道路使って片道4時間半、

ということで結構ハードな行程にはなるけど

前日の仕事が終了し次第出発(22時)

深夜にエリアに着いてそのまま車中で仮眠を取り、朝から登ることに。


初めての岩場ということで超ワクワク、

気温も程よくてコンディションもいいはず!




と、



思ったら!

思ったら!!


朝起きてみると


雨!

雨!!!


「なんじゃそりゃ」

と思ったねさすがに。

何のために仕事明けのくたびれた体で眠気をこらえてここまで来たのか、と。


なので


雨の中登ってきました(半ギレ)


まあ土砂降りってほどでもなかったので、
かぶっている箇所は大丈夫だったし、
シビアなマントルはやらない方向で。


で、朝起きて5分でまずやったのが


モスランジ(初段)



初段!って感じでした。

下部のカチが寝起きの指にはいささかキツかったけど、全体的に面白い課題だった。
見栄えもいいし。

と、
取りあえず来た意味はあったかな、と自分を慰める材料を手に入れたところで、


次は


サザンカ(初段)



スタート~1手目が悪い。
それだけ。
と思いきや上部結構悪くて怖かった。
濡れてたっていうのもあるし、マット1枚だけだったってのもあるし。

これのSDで2/3段だけどそちらは敗退。
もっと余裕あるときに今度じっくり打ち込もうと思う。


最後に

イカヅチ(二段)

を触ったんだけど、

そう

これがね

もうね

最悪の結果ですよ。

イカヅチ触り始めたあたりから雨もいよいよ強くなってきて、限られた時間でサクッと落とさなきゃと焦ってみたものの、やはり二段、普通に悪い。

でも最終的にはムーブも出て、

さあじゃあ最後に繋げトライだ!

ムーブ繋がる

核心超える

あと1手(超簡単)でゴール

ってとこまで来て、そのホールドがまあ

びっしょびしょ!

発情してんじゃねえよってレベルで濡れ濡れ。
(基本的にイカヅチはかぶった岩だから序盤~終盤までホールドは直接雨には当たらないけど、そのホールドとゴールホールドだけは直接雨を浴び続ける)

結果なんでもないゴール取りでスリップ落下。

「ふざけんなや」って声に出てた。


雨は強くなる一方で、そのホールドは濡れていく一方。
置いてある荷物もマットも濡れて行く一方。

しかも本気でつなげトライしてゴールまで行ったから当然ヨレていて、次に本気トライするにはある程度レストの時間も必要。


・・・そこでもう限界ということで引き上げ。


なんとも不完全燃焼な結果に終わった。


ただ、

イカヅチ

雨さえなけりゃ絶っ対完登できてた。
というか課題としてはもう終わったも同然だったしね、うん。

まあ次に行ったときに落としますよ正式に。


あとショックだったのが、

我が愛靴フューチュラのソールに穴が開いていたのが発覚したこと。

新しいの買わないとなあ…

2015年3月28日土曜日

今日は半袖でもいけるくらい

えー

まずは

わったごめん!


まあこの時点で気付いたとおもうけど・・・

うん、

そうなんだ、

泥沼登っちゃった。

うん。




事の発端は3/9

二人で岩に行こうということになっていたけど残念ながら予報は午後から雨。

近場なら雨が降る前にすばやく登ればいいはず!と

ちまたで話題の課題

「泥沼(二段)」

をやりに行ったわけだけど、

結局着いてから1時間足らずで雨が降り出し撤退。

しかしそのわずかな時間でも二人ともこの課題に対して王手をかけるところまで行けていた。

帰り道
「あと1時間でもあればいけたなー」
「また二人で来てサクッと落としましょう」
となり、

「抜け駆けはナシですよ」
「あとでブログ見て『泥沼登りましたー』とかサラッと書いてあったら怒りますよ!」

と言われた。

言われたにもかかわらず!

えー

今まさにそれをしています。

めんごめんご。



いや、違うんすよ!(口癖)

今日は本当はレストのつもりだったんすよ。
6連勤あけで身体くたびれてたし、
部屋の掃除とか洗濯とか日用品の買い足しとか、
そういう「普通の休日の用事」も溜まってたし。

だから今朝窓を開けたとき

「ああ洗濯日和だなあ」

とまず思ったんだけど、

そこでこう思っちゃったわけだ。

(あれ?洗濯日和ってことはクライミング日和じゃね?

と。

そこでついヤル気が出ちゃって、

でもやらなきゃいけないこととかもあるから、

じゃあ午前中だけ行ってサクッと登って来るか!とね。

そう、だからこれは天気のせい!
天気が良かったのが悪い。




で、

岩場に着くと知人の強クライマーI 藤さんと偶然遭遇。

二人でムーブについてあれこれ言い合いながらアップがてらムーブの確認。

(やっぱ核心ランジパートは確率になるなー)

と思ってたら、

I 藤さんに左手のホールディングの仕方のコツを教わると…

(あ、これ落ちる気しないわ)

となり


1発目の繋げトライで登れてしまった。




(3/29追記:諸事情あって動画は一旦削除しました。後日撮り直そう、かな・・・)

しかし左手の持ち方は革新的だった。気付かず1人でやってたらもう少し苦戦してたかも。


結局、やっぱり1時間くらいで落とせてしまって計画通りさっくり帰ってこれた。


ということで、

登っちゃってごめんさ。

お詫びにめっちゃ良かった左手の持ち方今度教えるさ。

2015年3月15日日曜日

痛みもひっくるめて



仕事




中一日での岩。

行きすぎ?

そんなことない、これでも足りないくらい。

今日の行き先は豊田

理由は特に無くて、

強いて言うならあまり行ったことの無いエリアに行ってみたかったから。

前日までの天気とか、当日の予報とかによると若干コンディションが心配ではあったけど、
着いてみればコンディションばっちり。

全然登れる。


特に何か目当ての課題があるとかじゃあなかったので、

適当にエリアを決めてトポを見ながら色々登ることにした。

まずはじめに触ったのが

砕波(二段)

悪い。

細かい、痛い、バランス悪い。

はじめに触る課題としてはどうなんだ?

と思いながらもなんとかバラし、

その後打ち込んでいると、

左カチを全力で握っている際に小指から

パキッ

という音が。

気のせいだと思いたかったが案の条痛みが走る。

第一関節から先にロクに力がこめられない。

色々検証してみた結果、

どうやら腱や筋を痛めたわけではなさそうだが、

どうも関節自体に負荷をかけすぎたようだ。

たぶん第一関節の亜脱臼だろうとアタリをつけ、とりあえずテーピングで固定。



応急処置はしたものの、カチを握りこんでもやはり小指の力が使えてない。
保持力が不足し、この課題は敗退。

小指痛めなければ、とか思ったりもしたけどそれも含めて実力だな。
弱くて下手だから変な負荷が掛かるということ。


次に

かりんと(二段)

を触るもやはり敗退。

正直、左サイドを引いて固める際に小指負傷の影響が無かったとはやはり言えないが、そこが核心というわけでもなし、単純に撥ね返されたと言える。

そしてこれのスタートカチを何度も握っているうちに、

恒例の皮裂け出血






指も痛いし、次課題からは少しグレード落として、

まず

兄貴(初段)



一撃だった。

まあ以前何かでちょっと動画観たこともあったし、スタート前にホールドペタペタ触ったのでオンサイトではないけど。

正直、簡単だったというのが感想。
しかしマントルはしっかり丁寧に返さなければいけないので結構神経を使うから、決してつまらない課題ではなかった。



次は

春三番(初段)



「ココを登れ!」と言わんばかりの見事なクラック。

しかしその見た目とは裏腹にバランスが悪く、

スタート~3手目くらいまでが核心ではあるが上部でも充分落ちられる。
これは好課題だと思う。
「岩!」って感じの、人口壁じゃあ出せないいい味が出ている。



次に

バイバイ(初段)



低いカチトラバース。
一定の保持力があれば、狭さが少し苦しいくらいで難なく行けるでしょう。

このころには左小指にも若干力が入れられるようになっていた。

よかった、やはり重大なケガではなさそうだ。


そして最後に

岩男ハング(二段)

にトライするも1手目すらとれず敗退。
ヨレていたとかそういう問題じゃないくらい悪く感じた。

仕方なくそれの後半パートのみを切り取った

岩男君(1級)

だけはなんとか落とし、

終了。



小指を痛めたり、指を割ったり、そういう「痛い」ことはあったけれど、

それでもこれくらい登れたらそれなりに満足。

色んな種類の初段を登る、っていうことで経験値も溜まったし。

目標課題!っていうのに打ち込みに行くってんじゃなくて、
こんな風に色んな課題を行き当たりで登っていくのもたまにはやらなきゃね。

どんな登り方をするにせよ、

やっぱり岩登りは楽しい。

2015年3月14日土曜日

ハイボールとまではいかないけども。


小さい岩を登るのが好きだった。

強烈な核心、

独特の形状、

不確定要素の大きい動き、

傍から見ているだけでは伝わらない、やってみなければ解らない様々な要素。

そういったものが短い手数、あるいはたった1手に詰まっている。

何度も失敗を繰り返す、

「賭け」のような側面も強い。

瞬間的な集中力を何よりも要する。

そういう、小さい岩の課題を登るのが好きだった。



でも最近は、

大きい岩を登るのも好きになっている。


低い岩を登るのとはまた若干違った技術、力が必要になる。

集中力の使い方が異なる。

緊張感の持ち方が異なる。

打ち込み方も異なる。

小さい岩の課題とは同じようで違う、

大きい岩の課題を登るのが好きになってきている。




ということで、

今、僕の中で三重が熱い。

スケールの大きい岩が多く、

スケールの大きい岩を真っ向から登る高グレードの課題が多い。



この間登った「カツオノエボシ」もそうだったけど、


今日登った

ゴンザレス(二段)

も、中々スケールの大きな課題だった。







この課題の核心と呼べる箇所は、恐らく3(4)手目の縦方向に遠いカチを左手で取りに行くムーブ。

しかしその1手が出ても中盤は常に総合力が試されるムーブが連続するし、上部もヨレていれば全く安心できない。

トップアウトまで常に緊張感を求められる課題だった。


この課題を登った後は

メガロドン(三段)にまたしても敗退を決め込み、


同行者↓



に色々課題を紹介して回ったりして、

結局これ以外に課題を落とすことは出来なかったけど、


何より


天気がよかった。


それだけで今日はすごく楽しかった。

2015年3月3日火曜日

3/3

さて今日、

3月3日

ひなまつりですね。



ひなまつりにすることと言えば

そう


クライミングですね!


ということで、


三重まで行ってきたわけで。


しかもソロで。

というのも、

天気予報では今日は曇りのち雨

しかも一昨日雨が降っている。
昨日は晴れていたが、岩が渇ききっているかの保証は無い。


ということで、

コンディションに対する期待があまりできない。

そんな状況で、何人もで旅行気分で行けるものでもない。

しかし、

僕は少しでも登れる可能性があるなら行きたかった。



その理由が


カツオノエボシ(三段)


実は2月下旬にも三重に行っており、
その時は完登無しで帰ってきてしまったけど、

このカツオノエボシが「あと一歩」というところに来ていた。

「次触れば必ず登れる」

という確信があった。

だから一刻も早く触りたかった。


ということで今日、

真っ先にカツオノエボシの岩に行き、

アップがてらムーブの確認をし、

気合を入れてまずは1stトライ…











登れた。

登れる、という自信はあったがまさかこんなにあっさり行くとは思わなかった。

いやこれは逆に

1トライ目なのに登れた

というより

1トライ目だから登れた

というのが正しいのかもしれない。

見ての通り結構な手数。

最も身体と指がフレッシュな1トライ目だからこそ行けたのかもしれない。


到着して30分も経たないうちに目的を果たしてしまった僕は、じゃあ

せっかくなので初段くらいの課題をいくつかついでに回収して行くことに。



まずは以前一度触って以来ほったらかしていた

かんぱち(初段)




これも1トライ目であっさりと完登。

前登れなかったのは何だったんだ。

しかしこれも1トライ目だからこそ登れた系かもしれない。

小さくて薄い粒を両手でそれぞれ持ってスタート離陸~1手目取る、が核心なので、
無駄にトライを重ねるだけで指皮にダメージが行くし繊細な保持力が失われるし。



そして次

登竜門(初段)

これは少しかかった。



右手のクラックが悪く、そこからリップに飛びつく箇所がなんとも気持ち悪い。
その前の左手寄せの箇所も右トウフックの角度が不自然で、全体的になんだかバランスの悪い課題だった。



お次は

ピエール(初段)




二段、って言っている人も居るみたいだけど、どうにも初段が正しいらしい。
登ってみた感想としても初段が適正だと思う。登竜門のほうが難しく感じた。
ちょっとトラバース系でマット位置が不安だったので敢えてオンサイト狙わずにハナからパートごとに練習して安全確認しながら登ったけど、ムーブ確認後つなげトライはやっぱり一発で行けたし。



その後は

ゴンザレス(二段)

を触るも、これは落とせず。
ちょっと上部でダイナミックなムーブ出さなきゃ行けなさそうだったので、ビビッて突っ込めなかった。
一箇所エラい遠いフルリーチ(縦)のムーブがあって、触り始めの時は「こんなん止まる訳あるかボケェ!」と思ってたけど足位置の工夫でそこがしっかり止まるようになったのは収穫かな。
次はソロじゃなくて誰かと一緒に来てその時落とす!


そうこうしている間に空がぐずり始め、

まあ当初の目的は達成しているし、指皮も血がにじみはじめてきていたので無理はせず粘らず、ちょっと早めの帰宅。





朝の段階では

「雨が降り始めるまでになんとかカツオノエボシだけは落として帰ろう!」

っていう意気込みだったのに

終わってみれば結構充実の成果。

三段1本初段3本、と

奇しくも3月3日にちなんだ感じに。



今年入ってからは今ひとつ結果を出せていなかったけど、
ようやく結果らしい結果が出始めてよかった。

これはやはり最近また体幹を意識して鍛え始めたのがよかったのかもしれない。

カツオノエボシみたいな手数が多い課題をきっちり通すためなんかには特にやっぱり体幹は大事。

足が切れたり、強度の高いムーブが連続したりしても体幹にしっかり力が入っていれば腕や指に余計な負荷がかからない、という感触がある。

思うに、

出せる1手の最大強度指や腕、脚の強さや上手さに依存する部分が大きく、

ムーブを繋げる力(=課題を落としきる力)体幹の強さに依存する部分が大きいのではないだろうか。

「三段のムーブは出るけど初段落としきれないことがよくある」というような人は体幹を鍛えよう。
「初段はコンスタントに落とせるけど二段以上が無理だ」みたいな人は体幹はしっかりしてるけど指とか腕とかのクライミングパワーが足りてないんじゃないかな。

・・・たぶん、ね。

よし、

明日からの体幹トレのモチベーションもできたことだし、


目指せ四段に向けて頑張らんと。

2015年1月23日金曜日

スランプ(?)

「明らかに色々なものが噛み合っていない」

元旦の王子が岳以来、ずっとそのような感触を抱えっぱなしでいた。

身体はどこか重いままで、精神も今ひとつ波に乗らない。

そしてなにより環境とタイミングが合わない。


1/5

初めて京都笠置へ行った。

正月の寒波の影響での積雪が心配だったが、寒波が通過してから晴れの日が二日続いたので問題は無いはずと踏んでいた。

が、期待は裏切られた。

雪解け水は花崗岩に染みこんだままその表面を深刻に湿らせていた。

しかしせっかくなのでと登り

トランキライザー(3級)
へっつき虫(1級)
うなぎ(初段)

を登る。

その後

すぐる君(三段)
親指君(初段)

を触るも敗退。
コンディションを言い訳にしても足りない力不足を感じた。



1/13

再び京都笠置へ。

今日は岩のコンディションはそんなに悪くない。

アップに

トンネルホール(1級)

を登り、
次に

ミティゲーション(二段)

にトライするも敗退。
そして親指君にはまたも敗退。



1/17

今度は豊田へ。

到着するなり岩はびしょびしょ。

きりきり舞い(二段)
をトライしようとするが、岩をタオルで拭きながらそれでもムーブを出そうとしていたところ雨が本格的に降り始め断念。

諦めきれず、まだマシな岩を探しては触り、結局この日は

きんつば(1級)
のみ登って終了。



1/19

宮川へ。

一角(二段)

にトライするもムーブ出したところで力尽き敗退。
スタミナ不足、オブザベ力不足、技術不足。






四回岩に行き、四回とも

ほぼ何の成果も無し

というなんとも不甲斐ない結果に。



2015年

立ち上がりは最悪の出来と言っていい。


だが悪いなら悪いなりに、それを受け入れて修正していかなければならない。

ということで今日


1/23

再び宮川へ。

19日に落とせなかった一角にトライ。

課題の質としてはかなり自分好みの課題だ。

1dayで落とせなかったのは正直かなり不本意だった。

それだけに、この課題がここ1ヶ月の不調を象徴しているように思えた。

この課題を落としきることで、

この1ヶ月の不調をうまく断ち切るための切欠を掴もう、と

少しだけ特別な緊張感を持って臨んだ。


まずアップがてら各ムーブをもう一度バラして検証し、

繋げトライ。


1トライ目で核心超えてリップを取るも、その後の抜けでまさかのヨレ落ち。


2トライ目、足がスリップして途中で落下。




焦る。




登れない課題ではない。

強度的にも自分ができる範疇だし、
ムーブも箇所ごとには出ている。
なんだったら1トライ目はほぼ登れていた。

でもこの1ヶ月の嫌な流れが、精神の片隅にある小さな不安を増幅させていく。

まあでも、

逆に、だ

逆に、そういった精神的な負荷がかかった状況を乗り越えるってことが、

この不調を乗り越えるってことに繋がるんじゃあないかな。





気持ちを落ち着かせて、

3トライ目






登ってみればすんなりと、とはいつものことか。



肩の荷が少し下りた思いで、

続いて

イエローアイ(三段)

のムーブを探り、

ついでにイエローアイの途中くらいからスタートの

黄色い鈴(初段)

を落としておき、

キングジョー(三段)

の悪いカチを全力で握って撥ね返されて今日は終了。



・・・


やはりまだ不調の影は完全に払拭できたとは言えないと思う。

でも復調の兆しは見えつつある。

まだシーズンは終わらない。

どこまで建て直せるか。

そしてどこまで成長できるか。

2015年1月1日木曜日

あけましておめでとうございます


お正月。

一年のうちの、最大のハレの日

にもかかわらず、

いやだからこそ、

することと言えば、

相も変わらずボルダリング。



今日は京都笠置に行く予定だったものの、


おおきな寒波の影響で、

天気が悪いので笠置は中止。


岡山のほうなら少なくとも雨は降らない、ということで

行き先を

王子が岳に変更


到着してまず思ったことは



「風つよっっっっっっ!!」



正直言って舐めてました寒波のことを。


ゆうても関西だろ

北陸育ち舐めんなや

寒波(笑)

とか思って

Tシャツ2枚+ダウンのみといういつもの格好で出かけた

今朝の自分をブン殴ってやりたい。


気温自体は多分0℃付近だったと思う。

ただ風の強さは多分10~15m/sくらいはあったんじゃないかな。

体感温度としては間違いなく

自己クライミング史上最低


まあしかし折角来たんだし登らなきゃな、と

震える体にムチ打って、

まずは

ギャンブルダイレクト(初段)

にトライ


全然身体動かないし、ホールド細かくて指痛いし。

寒すぎてレストがレストにならんし。

でも一応登れた。





動画からもう風の強さが伝わると思います。

風でバランスが崩れるレベル。


それなりに時間かけて登ったけどそれでもまだまだ体は温まらない。


次に

ミラースタンド(1級)

にトライ


なかなかのハイボール。

そして上部の抜け核心。

かじかんだ指で恐怖と戦いながらもなんとか完登。


難しい課題じゃない。

でも今日のこの状況ではこんなんでも充分悪く感じる。

その後移動して

スプーンカットフェイス(1級)を触るも、

そこほんっと風強くて、あと思いのほか悪い課題で、

まさかの敗退。


で、


「これ以上こんなところに居てられるか!身体壊すわこんなん!」

ってことで早めの解散となりましたとさ。


うーん

今年はじめのクライミングとしては、いささか幸先の悪いスタートになったと言えるなあ。

まあ、ね

それはともあれ今年もめっちゃガンバ!




おまけ

王子が岳から望む雄大な瀬戸内海の風景







王子が岳は、

目の粗い花崗岩の結晶をつまんでジワジワ垂壁やスラブを登るような、
「昔ながら」の岩や課題ばかりで、どっかぶりの岩をバシバシと登るような課題はほぼ無い。

悪く言ってしまえば、「地味で見栄えのしない古臭いクライミング」をさせられる課題ばかりだ。

しかしやはりその「岩でしか味わえない」絶妙なバランス感覚や繊細な保持などは、ジムでは鍛えられない部分を刺激してくれる。

そして景色は最高。

どのボルダーでも、トップアウトした後に「ヤッター」と喜んだ後にぐるっとあたりを見回してみれば、雄大な瀬戸内海の眺望を楽しむことができる。

そのあたりにも、クライミングの「原点」みたいなものを感じることができる。


正直、好きか嫌いかで言えばこのエリアの課題は嫌いな部類に入る。
僕の主観からするともっと登り応えがあって、もっと登りたいと思わせられる課題のあるエリアは沢山ある。
だからここにはもう暫く行かないかもしれない。

でもたまには行こうと思う。少なくともそう思わせられる何かはあった。