2017年2月22日水曜日

サラバ関西


もう一ヶ月以上岩行ってなかった!!

なんてことだ……

いや、行こうとは思っていたものの、

色々な事情がポンポンと目前に出現しては岩行きを邪魔し続ける日々が続いてしまっていた。

1月下旬~2月上旬はまあ天気の関係が主だったけれど、

ここ最近の問題としては、


あの、

僕、

引越しします。


えー、

行き先は東京です。

3月の中旬にはもう東京人になる予定です。

東京といっても中心の都会に行くわけではなく、西の端の田舎のほうだけど。


そんなわけで休日のたびに引越しのための細々とした用事が頻発し、
なかなか岩に行くための時間がとれなかったというわけで。

まあしかしこんなに岩行ってないとそろそろ中毒症状が出てきて、

今日はなんとか午後から時間作って、
自宅から1時間半くらいで行ける某シークレットなエリアに行って来ましたとさ。

以前(1月下旬ごろだったかな?)
1回行くだけ行ったことはあるんだけど、
その時は寒波の影響で岩の上に雪が積もっているわホールドあらかた凍りついているわでまったく触れなかった。

そろそろ暖かくなってきたのでその氷も溶けているだろうと行ってみたけれど、

……今度は普通に雨で濡れてた。

そういえば昨日ちょっとだけど雨降ってたもんなー

どうもエリア自体が岩があんまり乾きにくい環境らしい。

そしてそんなときに限ってタオルを忘れる始末。

とはいえ何もせずに帰るのも癪なので、

多少マシな状態だった

啄木鳥(初段)

を登る



やはりリップは少し濡れていてスリリングだったけど問題なく完登。
ホールドは全部ポジティブな挟み込み系で、初段にしては結構登り易く感じた。

啄木鳥もすぐに終わってしまったので

本来の目的であった

革命(三段)

をお触り。

この岩はスタートホールド付近と最後の抜けが完全に濡れていて、ちょっと今日完登するのは無理そうだった。

でもどのみち一日で登れるとは思ってないし、
比較的無事めなホールドのパートだけバラしておくことに。

結果、
まあなんとかうまくムーブは出た。

濡れてた抜け部分も一応慎重にやれば不可能ではない感じ。

こりゃ頑張れば今日登っちゃうこともできるんでは?

そう思うと欲が出て、
スタートから繋げてみたけどやっぱり終盤で手が出なくなる。

岩のコンディションとかより単にスタミナ切れって気もする。
核心の解決に結構時間と体力を使っちゃったし。

あと、マット1枚のソロだったからスタートから繋げようとすると終盤ほぼノーマットになってしまってどうしても不確実なムーブを出せないってのもある。
(マットを終盤に配置するか序盤の核心部に配置するかの選択で、今の自分の核心ムーブの精度ではどうしてもそこからマットをどかすという選択ができなかった。弱さだな)

まあ、得るものが無いわけではなかったし、多分次に行ったときには落とせるんじゃないかという気もする。

何より久々に岩を触れたのは単純に楽しくて嬉しかった。

やっぱり僕は岩登りが好きだ。


さてなんとか引越し前に革命だけは回収しておかないとな。
頼むよ天気。

2017年2月1日水曜日

2017年の抱負


もう2月ですってよ奥さん!!

1月は上旬にうまいこと岩に多く行けていたものの、

中旬からは寒波襲来やらなんやらの都合で行けずじまい。


ということで、

1月も終わったことだしこのへんで今年の抱負、目標でもたてようかな。



まず第一には

「四段の実力をつける」

ということ。

いつも言ってることだけど、

「四段登ったことある」と
「四段登れる」は違う。

去年四段をいくつか登れたわけだけど、
これはかなり背伸びして、かつ色々手段と時間と手間を行使しまくって、
結果、
登れた、って感じだったので、

今年は登るべくして、実力で四段を落とせるように強くなる。

これに関しては明確な達成条件が無いのでちょっと曖昧だけど、
常に胸に留めておきたい。

続いて、

明確な達成条件がある目標としては

「三段以上を10本以上登る」

最低でも四段を1本以上含めた上で、三段以上を10本ということで。

去年は一つの四段の課題に何度も通いつめるということばかりしていたので、
課題の本数としてはあまり多く登っていなかった。

今年はある程度本数を重視していこうと思う。
さまざまな課題を登ることで、偏りの少ない全体的なパワーアップを図りたい。


今年は最高グレードの更新というよりは、

実力の底上げということに重点を置こうと思う。
岩に通うということもいいが、普段のジムトレの意識を強くしていこう。

2017年1月13日金曜日

降雪


先日の豊田の敗退祭りの余韻をかかえ、

しばらくはきちんとジムトレに励むべきかと思ってもいたけれど、


結局は「せっかくのハイシーズン」と

今日も今日とて岩へ赴きましたとさ。


行き先は東の河原。

狙いはマテリアルフラワー(四段)

だったんだけど、


以前行った時と下地の状態がかなり変わっていて、

かなりデンジャラーな感じになっていた。

マット2枚しか持って行かなかったのでちょっとこの岩は今日登るのはキツいな、ということで……

そこで

そういえば昔一度触ったまま放置していた課題があったなーと思い出し、そちらへ行くことに。


以前にも登ったBeautiful Day(初段?あとで確認したら2級にリグレードされてるっぽい?)でアップして、

本命の狙いは

バラモン(三段)

約二年半前に敗退している課題だ。

二年半も放置してたのか……

結構な期間だ。

さすがに今ならできるだろ……できるはず…だよね?

って感じで期待と不安を抱えつつ、記憶の中のムーブを辿りつつやってみる。


したら








いや、登れるだろうとは思ってたけど、思ったよりかなりすんなり行けた。


二年半前は明らかに保持力足りてないと感じての敗退だったけど、

今日はどのホールドも持てるホールドに感じた。


さすがに少しは成長しているんだなあ。


そしてこの後はバナナワニ(四段)あたりに探りを入れようと思っていたら、

なんと雪が降り始めて早めの撤退。でもまあ一応目的は果たせたということでいいでしょ。


なんだか最近自信無くしたり、かと思えばこんなふうに調子づくことができたり、

なんか安定しない。

まあでも結果だけを見れば、今年入ってもう三段4本目。

去年の今頃と比べれば明らかに調子は良いと言えるんじゃないだろうか。

いや、あんまり調子乗るとすぐ弱くなるからな。


2017年1月7日土曜日

ド敗退祭り


クライミングに限らず、ほかのスポーツ全般にも言えることだけど

「何が得意系で何が不得意だ」とか

「自分のタイプは何々で、どれどれは自分のタイプじゃない」とか

そういうことは

少なくとも自分程度のキャリア(もうすぐ歴7年くらいになる)ではなるべく語るべきじゃないんだろう

と思う。


自分が得意と思っていることなんて、

あくまで現状では得意というだけのことであって、

さらに言えば

現状、たまたまトレーニングを多く積んだ分野

現状、たまたまコツをつかむことができた分野

現状、楽しいと思える分野

に過ぎないんだろうと思う。


極端な例になるけど、

カチしかついてないジムでクライミングを始めてそこで1年くらい練習した人は間違いなく

「自分はカチが得意でスローパーやピンチが苦手」

と言うだろうと思う。

でもそれは単にそういう練習を積んできたというだけであって、

個人の先天的な資質とか、将来的な可能性も含めた得意不得意とは別に決まっている。



最近僕はこのことについてよく考える。

ここ1~2年くらいで、以前まで「苦手」だと思ってきたものがそうでもなくなってきた。

むしろものによっては得意だと思うようにすらなった。

先日登ったホークアイやメガロドンなんかでは特に感じた。

それらの核心部を解決した際のムーブは自分が今まで苦手と感じていた動き方によるものだった。

確かに、ここ最近はそういう練習をしてきた。


これはいい傾向だとは思う。




でも逆に言えば、もともと「得意」と思っていた分野についてはそれほど伸びていない



ということを今日思い知った。


「自分は花崗岩が得意で小さなホールドを握り締めて動くのが得意なタイプ」

と、

1~2年くらい前までは思っていた(今でも本質的にはそっちが好きだとは思っている)。



今日は

豊田

に行ってきたんだけれど、


まあ


敗退

敗退

ド敗退


ほとんど何も登れなかった。


ぜんっぜんカチが持てない。

いや、持てないってほどじゃないけど、自分が持てると思っているほど持てない。

そして心の中で

(これがピンチホールドだったらなー)と呟いた自分に気付き、

もはや自分がかつてのようにカチラーではなくなっていることに気付いてしまった。



今日の敗退の記録まず第一は

オメガング(四段)

カチ握って飛び出せばいいだけなら全力出せばなんとかなるだろ!

なんとかならない。

そしてグレードを一つ下げて

アキラ(三段)

オメガングに比べたら全然持てる!イケるわ!

イケない。

指皮が耐えられず隣の課題に

ミテ(二段)

ゆうて二段だし、飛び出しが怖いけど気合いいれりゃ余裕でしょ!

2度ほど危険なフォールし心がへし折られる。

極めつけは

半生茶(初段)(SDだと二段だけど立ったところからだと初段らしい)

まあ初段でも回収しとくか……

今日一番出来ない!全然持てない動けない……



これはヘシ折られましたわ

このごろ天狗になっていた鼻って奴を。


結局、

細かいホールドを持つトレーニング

緩傾斜でエッジングで立ち込む練習

壁に近く張り付くバランスのとりかたの勉強

それらを最近は怠っていたということだろう。

たてた目標、目指した課題によるところもあるだろうけど、

やっぱり自分ではなんだかんだでまだまだカチが得意と思っていただけあってショックだった。


苦手なはずはない。

またここから練習してこういうのもイチから伸ばしていこう。

初心忘れるべからず。



ところで

なぜ今回豊田に行ったかというと、

地元新潟のクライマー達が豊田に遠征に来るというので、それに合わせて、ということで。


登りの結果のほうは散々だったけど、

久しぶりに新潟のみんなと一緒に話せた登れたってだけで行った価値はあった。

一人あるいは少人数で粛々と登るってのに最近慣れてきたけど、

やっぱり好きな人たちと一緒にみんなで来る岩場っていうのも楽しいよね。


またどっかで集合しましょう!

次はフクベとか恵那とかかな!



下の写真は「荒城の月」

マジかよ……って感じのハイボール。見学だけでおなかいっぱいでしたわ。

写真でもおっきいなーと思うけど、実際下に立ってみると若干かぶってるのもあってもっと威圧感やばいから。




2017年1月4日水曜日

気合いの年


新年初登りから三日、


正月三が日も終わり、今日から初仕事の方も多いだろう中、

僕はといえば早くも新年二度目の岩へ行くことができました。


今日は本当に久しぶりの三重の岩場へ。


僕はこのエリアが本当に好きで。

多分今まで行ったエリアの中で一番好きかもしれない。

岩質と自分の肌の相性、

課題の質の高さ、

岩のスケール感、

岩を取り囲むロケーションの良さ、

アプローチがしやすいのもポイント高い。


そんな大好きなエリアであるにもかかわらず、
かなりの期間行っていなかったので、
(ボブ落として以来だから9ヶ月くらい行ってない)
なんとなく行きたくなった。


狙いは、

以前ムーブをあらかたバラしたまま放置していた

鯉(三段)



核心の一手の強烈さに投げ出したままにしておいた

メガロドン(三段)


正直、鯉は1年前時点でもなんとか登れるだろうと思っていたので、
今なら多分行けるだろうという思いはあった。

ついてしょっぱな鯉の岩に行き、

アップがてらムーブを探り

(久々に触ると「あれ、こんなに傾斜かぶってたっけ」と驚く)

繋げてみると、無事完登。






続いてメガロドンに挑む。

こちらは予想通りかなりの苦戦を強いられる。

もともと核心(4~5手目)はどうやって解決するのか糸口すら見つけられていなかったが
(その時は単に左手ピンチの力不足だ、と結論づけていた)

今日の時点でも触り始めの段階では核心部に絶望感が漂う。

やっぱりまだピンチ力が足りないのか、と思いつつも足位置やら体のポジションやらを調整していくにつれどんどん行けそうになり、

最終的には核心部を結構スマートに解決できた。
決め手は体のねじり。

保持力お化け御用達クソピンチムーブだと思ってた核心が実はこんなに繊細なバランスムーブだったなんて。

大きく目に見えない微妙なコツひとつでこうも変わるもんなのか、とまた改めてクライミングの奥深さを実感することになった。

その後繋げトライで、上部で一度ヨレ落ちし、さらにピンチに力入れすぎたのか左手が攣って、また絶望しかけたものの

少しレストを挟み、一層の気合いを入れてトライ。






やはり上部のリップ付近では指の感覚がほぼ無かったけども、

持てる技術と気合いを総動員してなんとか岩の上に立つことができた。



先日のホークアイといい、

今回もやはり気合いに助けられた。


やっぱり今年は気合いの年!


あ、でもやっぱムーブも大事らな……

2017年1月1日日曜日

特別ないつも通り

あけましておめでとうございます。


ということで、

2017年元日。

新しい一年はやはり岩登りとともに。


今年の初登りは宮川へ。

いつも通りでもあり、

新年始めの少し特別な岩行でもあり。

今年一年を占う、ちょっとだけ記念的な登攀。


一富士二鷹三茄子

が、

初夢に見ると縁起のいいものであったと思うんだけど、



初登りとしてこうして鷹の目を手中に収めることが出来たのは、

縁起がいいってことにはならないだろうか。





ということで、

昨年秋ごろに宿題としていた

ホークアイ(三段+)

を無事完登。


このエリアの中では、

イエローアイや炎帝といった人気課題に比べ、
あまり打ち込んでいる人を見ない課題だが、

登ってみると、

かなりの良課題だと思えた。

マスタングという初段の課題をSDにして4~5手加えるだけの課題なのだけれど、

その4~5手(僕の場合は5手だった)のシークエンスに要求されるものの密度がかなり濃かった。

微細なホールドを正確にエッジングして逃さない繊細で微妙な足使いと重心位置の調整。

小さくて遠いホールドにデッドで送る集中力。

初手のホールドをマッチするだけでも一定以上の保持力とフィジカルが無いと門前払いされる。

単体では落ちる気がしない初段のパートもつなげてくると核心に変貌している。

心技体が全て試されるといった感じだった。


おかげで新年早々、かなり気合の入った登りができた。

こんなに吼えて登ったのはボブ以来か?

登れたトライを始めた時点では実はもうかなりヨレていて
(9時半くらいから打ち込み始めてこの時はもう3時過ぎくらいだった)
核心を越えたあたりから先はほとんど気力だけで持っていった。
リップを止めた段階で指の感覚がなくなっていて、マントルを返した時はもう体力がほぼゼロだった。出し切った。

最近は結構、ムーブの解析と自動化に労力と時間を費やして、登れるときはあっさりと登る、というような登れ方が多かったので、こういう気合と根性で押し切る登りが久々にできてかなり満足感がある。

アタマとワザもクライミングには重要な要素だけど、最後に物を言うのは「気合い」
そのことを改めて気付かされた。

うん、こういうのも巡り合わせだ。
これにあやかって

今年は「気合いの年」にしよう。

気合い入れて一年押し切る!

2016年12月18日日曜日

憧憬


岩を登りたい、

強くなりたい、

といったことに対しての、いちばん始めのモチベーションっていうのは

僕の場合、憧れから来ている、と思う。


岩の形状のかっこよさに対してだったり

課題のラインの美しさに対してだったり

高いグレードに対してだったり

自分より強いクライマーに対してだったり


そういったものに対して憧れがあるから、

登りたいという気持ちがまず芽生える。

そこからさらに色々な感情が交えられてもう少し成熟したモチベーションが形成されるわけだけど、

とにかくスタート地点はそこだ。


僕にはひとつ

とりわけ強い憧れをもった課題があった。


冷酷(四段)


地元新潟に居たころから名前は知っていた課題で、

そしてこっち(神戸)に引っ越してきてから初めて見た四段の課題だった。

約二年前のことだ。

当時の自分にとっては、
四段というグレードはただただ見上げるだけのものでしかなかったということ。

一目で難しいと分かる威圧的な形状。

ダイナミックでかっこいいムーブ。

いっぺんで憧れた。

この課題は自分にとってある種の「難しい課題の象徴」のようなものになった。

「いつかこんな課題が登れたら最高だろうな」

と、確かにそのとき思っていた。

この時点では「冷酷を登る」ってことは、漠然とした夢や希望の類だった。


そんな憧れの課題ではあったが、

今年に入って四段を登り、

そろそろ登れそうだと目処がたったので、

11月下旬、久しぶりに触ってみた。


登れると確信した。

約二年の期間を経て、この課題は夢や希望のような漠然さを失い、

明確な達成すべき目標足りえる具体性を持つに至っていた。


冷酷を登る、ということを今年最後の目標に設定した。


そして今日

12月18日

その目標は達成された。



以前登った二つの四段、ボブとニンギルスと比べて、冷酷のほうが難しかったとはあまり思わない。

でもやはりこの課題には思い入れがあった分、落としたときはなにか特別な嬉しさがあった。

二年前憧れていた地点まで間違いなく自分は到達しているんだという感慨があった。


しかしながら、

こうしてひとつの憧れを完結させたわけだけれども、

これで自分のクライミングが一区切りされるかというとそんなことも全く無い。

そういうふうにはちっとも思わない。

もう既に次の目標はあるし、まだまだ憧れている課題や人や岩は山ほどある。


憧れの対象が何一つ無くなりでもしない限り、
自分のクライミングのモチベーションは無くならないと思うし、

憧れの対象が無くなるなんてことはほとんどあり得ない。

だから多分このクライミング欲はずっと尽きることはないと思う。