2019年10月6日日曜日

信頼と実績、或いは成長の実感


僕にとって「岩を登る」という行為は

自分の中の孤独を突き詰めていくという行為であると、そう思っていた。

岩と、自分と、あとは精々、虫と鳥くらい。

それだけが居る空間で、可能と不可能の境界に没頭する作業。

そういった時間に最も価値を見出していた。

しかしそれはそれとして、

仲間と共に楽しむクライミングもまた好きだし、

岩の魅力を他者に理解してもらいたいという欲求もまたある。

今日はそんな欲求のために、普段あまり岩に行かないクライマー達と共に

瑞牆へ。

結論から言うと今日の岩登りは個人的にもパーティとしても成功だった。

気候は穏やかで過ごしやすく、

誰一人怪我もなく、

全員が収穫と課題を持ち帰り、

最後には笑顔があった。


今日は通日、岩の魅力の案内役に徹しようと思っていたんだけど、

タイミングと行先が噛み合い、

かねてから登りたいと思っていた

千里眼(二段)をトライすることができた。

この課題は6年前(!!もうそんなに昔になるのか)
に一度触っており、その時は離陸だけでもできないという体たらくで、
長らく僕の中でこの課題は「とても不可能な課題」という位置づけにあった。

しかし時間の力は重い。


6年という月日の間のどこかで、不可能が可能に切り替わっていた。

いや、或いはこれは道具のおかげかもしれない。

今日も、離陸からランジの飛び出しまでは実力で持っていくことはできたものの、
最終的に完登を決定づけたのはやはり靴の力だった。

ソリューション、スクワマ、インスティンクトVSと靴を色々試してみたもののそのどれもでは今一歩強く蹴りだしきることが出来ず、リップを叩いては落ちるというのを繰り返した挙句、

ミウラーW'sに履き替えたら一発であっけなく止まってしまった。
明らかに踏み込みが違った。

なんやこの靴。チートやんけ。
また買うわ!

ということでまたひとつ愛靴ミウラーW'sの信頼と実績が積みあがったのだった。